腐男子くんは繋がりたい

腐男子のやなぎくん。

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それは本当に本当に偶々だった。


俺はいつも居る奴らと食堂で飯を食べたあと、美術室に用事があり、1人で向かっていた。



「あっ……、ちょっ…！……ひ、とが…ｯ来、ちゃ…ｱｯｯ！！♡」

「その方がｯお前も、燃えるだろｯ！」


美術室の横にある美術準備室から漏れる情事の音で俺は思い出した。

『あそこ、盛ってる奴ら居るから気をつけろよ』

と友人Aが言っていたことを。

…さっさと用事を済ませて戻ろう。

心を無にして準備室と繋がっている扉の横の棚に近づく。


パシャッ…パシャッ…パシャシャシャッ……



「はあぁ～♡ついにSSR来た～！！美化委員長と一匹狼先輩の♡♡」



ドッドッド…。

俺は何も見てない。

学年1のイケメン優等生がヤリサー部屋を激写してたとこなんて。



「……見てた？」



俺は見えない。
そいつが俺に気付いて近づいてきてるとこなんて。



「ちょ～っと着いてきてくれるかな？」



死神が俺に微笑んだ気がした。