黒の瞳の覚醒者

一条光

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番外編~フィオ・ソリチュード~

脱出

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「なるほど、なら額に水晶のような物が無い土人形を破壊してもズィアヴァロに異常が伝わる事はないんだな?」
「はい、水晶が目の代わりになってズィアヴァロへと情報を流しているようなのです。それ以外は作り出された際の命令を繰り返すだけです。ズィアヴァロが近くに居れば新たに命令を出す事も可能なようですが、ここは鉱山の最南端ですのであれが訪れる事はないはずです」
 坑道を進み途中で出くわした土人形の説明を受けてワタルは敵へ黒雷を放った。
 なにしてるの!? 隠密行動を厳命されたのに――。
「おいなにやってんだ馬鹿! ――おぉっ!? どうなってんだ? 奴ら膝から崩れていくぞ」
 武器を構えてこっちに向かおうとした途端に土人形は崩れて行動不能になった。

「よっしゃ狙い通り、さっき試したんだがここの土は閃電岩を作りやすいんだ。んで、あいつらの関節を閃電岩に変えてやれば脆くなった関節を無理矢理動かしてるんだ、あとは勝手に自滅する」
「閃電岩ってなんすか?」
「閃電岩、または雷菅石、雷の熱で溶けた砂等が作る天然のガラス菅ですね。雷の化石とも言われてとても稀少な物なんですよ、たしか……生成には六億ボルト位必要なんですけど、航君の全力は十億ボルトを余裕で超えているとはいえ自然の神秘がこんな簡単に…………?」
 黒雷を浴びて動けば自壊する……数の問題はあるかもしれないけど、それでも対処法としてはかなりいい部類かも。
 土人形についての情報も得られたしやっぱり先に戦っているドワーフを引き入れるのは正しい。

「まぁ! ワタルさんは雷石を作れるほどの雷を扱うのですか。なんと心強い、貴方方は他にもこのような能力をお持ちなのですか?」
 覚醒者の能力を目の当たりにしてソレイユは期待の眼差しを自衛隊組に向けた。
「私のはこんな感じです。航君と比べるとまだまだ練度を上げないといけないんですけどね」
 惧瀞は剣や銃を出現させて浮遊させてみせた。
「これは……剣が縦横無尽に飛び回ってます。これでしたら土人形に近付く危険を冒さなくていいので便利ですね」
 浮遊した武器を操作する様を見てソレイユは増々期待を募らせているみたいで残りの二人に視線を向けた。
 
「俺のは……これだよ」
「光って……ますね。暗い所でも困りませんね! す、素敵だと思います」
 攻撃能力皆無な力に目に見えて落胆したみたいだけど遠藤に悪いと思ったのかすぐに切り替えたけど上手くいかずつっかえた。
「あからさまだなコラ、いいんだよ別に! 俺らには銃火器があるんだから」
「銃火器? 今持っておられる物の事ですよね?」
「そうだよ」
 西野は惧瀞が出していた銃を掴んで発砲した。
 音が違う……普段のはもっとうるさいのに、惧瀞の銃は特殊?
 銃については自己紹介の時に簡単には済ませていたけど銃撃に驚いたソレイユは詳細な説明に聞き入っている。
 そして銃の威力を理解し異世界の軍隊全員がそれを装備しているという現実に希望を見出し興奮した様子で仕組みや作り方についても質問している。

「仕組みは筒の中で爆発を起こして弾丸を発射してるんだけど、作ってるとこは見た事ないから分かんないなぁ」
 ソレイユの質問に対して完璧な回答を出来なかった事で西野は申し訳なさそうにしながら頭を掻いた。
「そうなのですか……とても残念です。私たちドワーフには無い技術ですのでとても興味があったのですが……そうだ、同胞の説得が終わり落ち着きましたらそれを一つお譲りいただけませんか? 自分たちで調べて再現してみます。接近せずともよいのであれば皆もう一度戦えると思うのです」
「再現って……んな事出来るのか?」
「我々アダマントは戦士と鍛治師を多く排出しております。私自身も鍛治を嗜んでいますので構造さえ分かれば可能なはずです。物作りに関してドワーフに出来ぬことはありません」
 鍛冶に対する自信は相当なもののようでソレイユは言い切った。
 魔物もそれを目当てにドワーフを召喚したようだしその技術は凄いのかもしれない。
「武器開発を待つなんて悠長な事はしてられないと思いますし私たちの方で余っている物を貸し出せるか掛け合ってみるのが現実的じゃないでしょうか」
 自分たちの知らないものに対して興奮している様子だったけど惧瀞に言われてあまり猶予が無いのを思い出したようで冷静になった。

 慎重に進みながらソレイユは他の氏族について話し始めた。
 ヴァーンシアに召喚された氏族は五つ――シュタールという戦士が多い氏族、戦闘では前線に立ち一番被害が出ているから再度の抵抗に反対する可能性があって一番説得が難しいかもしれないらしい。
 ゴルトという細工師が多い氏族、自分たちの利になるなら協力はするはずらしいけど少しでも利にならないと判断した場合まともに取り合わなくなるらしいから慎重に話す必要があるみたい。
 エルツという鉱夫が多い氏族、物事を深く考える事はなく感情で動く恣意的な者が多いらしいけど現状を打破出来る機会となるなら説得は比較的簡単だという。
 レギールという鍛冶師が多い氏族、職人気質で他者との関わりには消極的な者が多いらしい、でも魔物への武器提供は不満に思っているから協力は得やすい可能性が高いという。
 
「結構順調に進んでるなぁ、それにしても本当に土人形が多い。魔物は居ないのか? ――あっ、ソレイユちゃんこれ食べる?」
「これは、なんでしょう? 茶色い板? 食べられるのですか?」
 チョコレートを差し出されてソレイユは不思議そうに首を傾げた。
「チョコだよ、甘くて美味しいよ?」
 西野がチョコの端を割って食べて見せると
ソレイユも同じようにして口に入れた。
 西野は本当にろりこん……。
「あ、甘い……美味しい!」
「よかった。笑顔になってくれて、さっきから険しい表情が多かったからね。勿論そういう表情も悪くないけど笑顔だともっと可愛いよ」
「えっ!? そんなやだタカシさん、私みたいな鍛治や武芸ばかりの女可愛いはず――」
「ギザだな」
「ああギザだ」
「ギザですねぇ」
「気持ち悪い」
「恥ずかしくないの?」
 私とアリスは顔を顰めてワタルの陰に隠れた。
「お前らボロクソだなあ! いいじゃん可愛いものを可愛いって言うくらい! だってこんなに可愛いんだぞ? 笑顔の方がいいに決まってるだろ、笑わせてあげたいだろ!」
 言ってる事はおかしくないはずなのに何か変な感じがする……。

「ああはいはい、お前のロリコンが重症なのはよく分かったよ。だから静かにしろって。姫さん照れてないで案内してくれ、こっちでいいのか?」
「あーっ!? 遠藤コラてめぇなにソレイユちゃんの素敵ほっぺに触ってんだ! ロリを見るのはよくても許可なく触っちゃ駄目なんだぞ!」
 頬を押さえてもじもじしていたソレイユの頬を突っついた遠藤を睨み付けて凄い剣幕で食ってかかった。
 意外にも触っちゃいけない良識はあるんだ……。
「あの、私は怒ってませんから。それよりも年下の方にちゃん付けで呼ばれる方が気になります」
『年下?』
「はい、ドワーフの居ない世界の人間の方には考えられないかもしれませんが私たちドワーフの平均寿命は三百年ですので、このようななりでも私は六十三歳なんですよ」
 え……歳、上……? 私より小さいのに……? 私とアリスは愕然とした。

「六十三!?」
「年上だとよ西野、残念だったな」
「ふ、ふふふふふ……俺は年齢なんて気にしない! 何故なら見た目は完全にロリだから! YESロリ! NO年増!」
 馬鹿な事を叫んでる西野は遠藤に殴られた。
 煩かったから丁度いい。
 それにしてもワタルはあまり驚いてない、日本にはドワーフは居なかったと思うけど……そういえばなんでドワーフについての知識があるんだろう?
「ワタルさんはあまり驚いておられませんね」
「あぁ、見た目と年齢が違うのは慣れてるんで」
 そういえばうちにもエルフって種族が居るんだった……でもナハト達はちゃんと大人の姿だし……ドワーフのこの見た目で歳上っていうのは……そういえばもっと歳上のろりがうちに居るんだった……。
  
「結構上ってる気がしますけど地上はまだでしょうか?」
「すいません、極力魔物や土人形が配置されていないであろう最近では使っていなかった道を選んでいるのでもうしばらく掛かると思います」
 同じような道ばかりだけどちゃんと敵を避けた道を選んでたんだ。
 それでもそれなりに土人形に出くわしているのはそれだけ多くの数が配置されてるって事、その上この坑道……私たちだけで行動してた場合面倒になっていたかもしれない。
「この山が国なんでしょ? よくこんな穴蔵に住めるわね」
 坑道にうんざりしたようにアリスは眉を顰めた。
「いえ、生活する場所等はもっと整備されていますよ。彫工が美しい意匠を配していますので洞窟内とは思えぬ程ですよ」
 自国の説明をしながら同胞の事を思い出したのかソレイユは足早になり、その焦りは敵との不意の遭遇を招いた。

『貴様、ドワーフの長の娘! それに人間? 何故ここに――っ!? コヒュー、コヒュー…………』
 オークの手がソレイユに伸びるのを察知した西野の行動は早かった。
 的確な二連射はオークの喉と胸に風穴を開けた。
「これ以上ソレイユちゃんを怯えさせるなっ」
「あーあやっちまった。こいつが巡回してたんだとしたらどうすんだ……戻って来ねぇと怪しまれるぞ。死体の処理だってどうすんだよ」
「すいません私の注意不足でこのような……死体はこの先にある横穴に隠せます。鉱石の出が悪く使われなくなった場所なので見回る可能性は低いと思います。それでも時間稼ぎくらいにしかならないかもしれませんが…………」
 見つかった以上騒いで増援を呼ばれる前に処理するのが最善、西野の判断は正しい、意図は違ったのかもしれないけど。
 責任を感じたソレイユはオークの持ち物で死体の手を縛り引き始めた。
 巨体のオークを難なく引き摺ってるしあの大岩を引いてくれた事からもドワーフはかなりの怪力みたい。

「急ぎましょう。これ以上魔物に接触しない為に」
 廃坑となった場所に死体を廃棄して今度こそ慎重に地上への道を進んでいく。
「もう少しで地上に出ます」
「やっとか、それにしても随分と深くまで落ちてたんだなぁ。結局魔物をやり過ごす為にうろうろして三時間以上経っちまってる」
「本当に広い坑道ですね。ドワーフの皆さんはこの中で暮らされているんですよね? 危険はないんでしょうか?」
「危険とは落盤などの事でしょうか? そういう事でしたらきちんと対処していますから一度も発生していませんよ。それに、生活の基盤としている周囲は慎重に掘り進めていますから」
「ずっと気になってたんだけど、坑道内を照らしてるランタンの中身って何なんです? 火の明かりとは違う感じがするんですけど」
 言われてみればたしかに、向こうの世界の道具で火以外の光源を知った事で気にも止めてなかった。

「これは、そうですね……皆さんなら構いませんね。光源となっているのはアダマンタイトです。アダマンタイトはその異常な硬度だけでも十分に特殊なのですが、それに加え元々魔力を帯びている不思議な鉱石なのです。それを私たちの秘術で特殊な加工をする事によって様々な特殊効果を加える事が出来るのです。坑道内では純度の低い物を光源用に加工して使っているんですよ」
 魔力……? 特殊な効果の付与……能力者の紋様みたいなものなのかな?
 アリスのアダマスでも破壊出来ない異常な硬度の鉱石……それで作られた武器を敵は使っている。
 打ち合うともしかしたらこっちの武器が駄目になるかもしれない、受けずに躱す方がいいかも。

「あっ、そろそろ出口ですよ――」
「ま、待ってください! 航君を撃っちゃ駄目です!」
 出口から出た瞬間ワタルのこめかみに銃口が向けられたのに反応した惧瀞の言葉より先に駆け出した私はワタルを押し倒して覆い被さり、アリスが銃身を蹴り上げ体勢が崩れたところをアダマスの柄で転がし後ろに居た相手の横顔に切っ先を突き付けた。
「おぉ、早業。調査隊の突入とかち合ったのか……交信出来ても俺たちがどこに出るかまでは俺らじゃ分かんねぇからなぁ。お姫も放してやれよ、撃ってねぇだろ」
「遠藤と惧瀞、それに西野も無事だったか、如月さん達もご無事で何より。そちらの少女が今回助けを求めてきたという子か?」
「まぁ少女だなんて、私これでも六十三なんですよ」
「六十三!? ……あっ失礼、予想外の年齢だったもので」
 指揮役らしい男は驚愕したもののすぐに取り繕って頭を下げた。
 転がされた隊員とかはまだ驚きが抜けないみたいだけど。
 調査隊を護衛にしてようやく私たちは拠点に帰還した。

『ワタルー!』
「旦那様ー」
 帰還と同時にみんなが駆け寄ってきて涙を浮かべた。
「まったく、無事で何よりだが……目の前で生き埋めになった時は肝を冷やしたぞ。連絡は取れても儂らの声は送れぬし主の声は聞けぬ、こうして姿を確認してようやく落ち着いた」
「その……悪かったな」
「それじゃあ航君、私たちはソレイユさんを陸将たちの所へ案内してきますので」
「それなら俺も――」
「だめ」
「ワタルはこっちに居た方がいいと思うの」
 ティナ達に叱られるのを察したワタルが逃げようとするのを私とアリスが引き止めた。

「頑張ってください!」
「あぁ待って――はぁ……最初に言っとくぞ待機はしない。待つのも見てるだけなのも我慢出来ないからな、それと俺の不注意でああなったんじゃないから手加減してください」
「なに言ってるの、それだと私たちがワタルをいじめるみたいじゃない。そんな事しないわ、ただ安心できるまで傍に居て欲しいだけよ」
 惧瀞が逐一連絡を取っていたからこっちの状況は伝えられてたはずだけどそれでも目の前で地割れに飲まれれば私だって心配するしその光景を見たみんなの衝撃は相当なものだったんだと思う。
 その衝撃を物語るようにティナとナハトはワタルの手を握って放さない。

「フィオもアリスも無事で良かったのじゃ。いくら強くとも大地そのものが相手ではどうにも出来ぬからとても心配したのじゃ」
「心配してくれてありがと。私も流石に駄目かと思ったけど丁度良く横穴がある亀裂だったみたいでどうにか助かったわ」
 アリスのミシャと手を取り合って無事を喜んでる。
 もうすっかりみんなとも打ち解けて完全にうちの一員になってる。
『きゅっきゅっきゅ』
「ただいま」
『きゅ~』
 駆け寄ってきたもさを抱き上げて頬擦りをする。
 あったかい。

「ところで主よ、聞きたい事があるのだが。先程の娘に手を出していないだろうな?」
「そうそれ、女の子が助けを求めてるって聞いて私も心配してたの」
 クーニャの言葉で帰りを待っていた全員の視線がワタルに鋭く突き刺さる。
 今回に限ってはその心配は要らない気がする、西野がぐいぐいしてたし……。
「何かしてる訳ないだろ! 俺を何だと思ってるんだ」
『女好きの旦那様』
 うん、間違ってないし私もそう思う。
「特に何もないからな、仲良さそうにしてたのは西野さんだから」
 そう言われて安心したもののそれはそれで大丈夫? とティナ達は眉を顰めた。

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