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番外編~フィオ・ソリチュード~
本戦
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昼食をとってる間に残りの予選が消化されて本選の組み合わせが発表された。
第一試合は私とワタル――。
まぁ、雑魚と無駄な戦いをして体力を消耗した後になるよりいいか……剣が無いのを加味してもちょっとキツめに当たろう。
まだまだ伸びしろがあるのに日和らせるわけにはいかない。
「ワタルは?」
「控室じゃないかしら? 自分の剣も無しにフィオと戦うってなって青い顔してたからリオが追って行ったけど……手加減はしてあげないのよね?」
「それはワタルの為にならない、私は壁」
「確かに絶壁ね」
「そうだな」
どこ見て言ってるのこの二人は……私だってちゃんとあるもん!
腕を組んで胸を揺すったエルフ二人を睨むけど、大きく揺れるものが視界に入って虚しくなった。
ワタルは小さい私が好きだもん……悔しくない、悔しくない!
「さあ、いよいよ本選第一試合の開始です。ワタル選手とフィオ選手はワタル選手がこの世界に来て以来の付き合いだそうです。そんな二人がどのような試合を魅せてくれるのか楽しみです。試合開始!」
やる気七、不安二、油断一くらいかな……ティナが青い顔してたって言ってたけど、リオが立て直したのかな?
不安は剣が無い事に対してと私との差に対して、油断は試合だからさっきみたいに無駄無く一撃で終われるって思ってる?
なんにせよ、ワタルの近接の戦い方は武器の紋様の補助が大きい――もし、武器を使えない事態になったら確実に苦戦を強いられる。
今までは大体が武器込みの訓練だったし、今回は武器が無い時どうするのかっていう訓練ってことにしよう。
だってもうワタルが先の試合に出れる可能性無いし……なら徹底的に不利に追い込んで対処法を考えさせるようにしよう。
「なんでフィオは出場したんだ?」
「ワタルの成長を見る為、あんまり成長してなかったらもう少し厳しくするってナハトと相談した」
訓練量が増えるのを懸念して顔から血の気が引いて油断が消えて不安が増えた……ワタルが死なない為にしてあげてるのに。
焦ってるのか困惑してるのか、動きは止まって注意散漫――分かりやすく殺気を纏って刺突を放つ。
「うおっ!?」
ん、初撃が危うかったけど、その後の薙ぎに対しての反応は速かった。
剣が無い分能力で身体強化をしてるんだろうけど、普段に近い反応をした。
強化するほど体を痛めるって言ってたけど慣れてきたのかな?
「うん、剣が無いのにちゃんと反応出来てる。身体は大丈夫?」
「流石にな、散々慣らしたからこの程度じゃまだ痛みは来ないって」
へぇ……この程度ね、剣込みの時に近い速さだったんだけど……私との訓練に慣れ過ぎて自分の成長を自覚してない?
「そう、なら次」
予選で見せたのと同じように背後に回り込んでの蹴撃――。
「とっとと、危ねぇ」
ん……また反応出来た。
さっきのはまぐれじゃない、しっかり成長はしてる。慣らしたって言っても負荷はあるはずだし、性格上大切なものがかかってない時と生き死にの関係無いような戦いだと無理な使い方はしなさそうだし――。
なら、ワタル自身の地力が上がってる。
「は、速い、今の攻防をこの会場でどれほどの方が理解出来たでしょうか。ワタル選手は覚醒者、とはいえ身体能力を向上させるものではないそうです。それだというのに今のフィオ選手の攻撃に反応して防ぎ切りました。しかし力ではフィオ選手が優勢の様です」
「ワタルは攻撃しないの? 能力使わない様な遠慮をする余裕があるの? そんな事教えた覚えはないんだけど…………もっと訓練増やす?」
全部開放してなりふり構わない使い方をすればこの武舞台上を埋め尽くすくらいは出来るはずだし、そうなると万に一つの可能性くらいはありそうだけど……分かってる。
そうなったらこっちに対処法が無いかもしれないって考えてそれを私に向けたくないって思ってる事くらい――でも、それでも発破をかける。
「分かった、使う、使うって、痺れても知らないからな」
渋った表情からのふくれっ面、放出はしてる。
でも――全力とは違う気がする、音も光も激しさも敵に向けるのとは違う。
覚悟を決めたような表情をしてても無意識的に抑えてる。
「おおっ!? なんだこれは! ワタル選手の手から黒い雷がうねりフィオ選手に襲い掛かっている! なるほど、それで黒雷、二つ名に違わぬ能力です」
「遠慮が無くなったのはいいけど、やっぱりまだ私の速さに追いついてない」
自分を起点に武舞台全体に放出するくらいは出来るはずなのに半端な囲いを作って捕らえようとしてくる。
遠慮はしてない、でも――本気でもない。
そして、本気じゃないのに私をどうにか出来るほどワタルの能力はまだ洗練されてない。
だから簡単に隙間を抜けられる。
抜けると当時に振り下ろした一撃に纏わせた殺気に反応したのか電撃の制御のお粗末さとは打って変わってワタルはきっちり受けた。
その代償に互いの剣が砕け散った。
大会側が用意した武器にミシャがやたらと文句を付けてたけど……なるほど、粗悪品。
「っ!? うぐ、げほっげほっ」
砕けた剣を見つめて呆けてるところへ一撃打ち込むと簡単に決まった。
殺気を纏わせてたら反応出来たのかもしれないけど、そんな親切な敵ばかりじゃない。
打ち込まれる瞬間をただ見つめてた……私への攻撃を躊躇った。
「おおっと、剣が折れた事で出来た隙を突いたフィオ選手の一撃が決まったー! ワタル選手は動けないようだ。これで勝負が決まってしまうのか!?」
「電撃で自分を覆えば防げたのに、やっぱり加減してる」
「そりゃフィオもだろ。本気でやってたらこんなすぐに動けるはずない」
そりゃ私は力を加減しないとワタルの体に風穴空いてたし……必要だからするのと必要無いのにしてしまう悪癖は違う。
加減はしたけど罰としてそれなりの痛みを与えたから立ち上がれず片膝を突いたまま動かない。
「これで終わり」
もう少し別の方法を考えた方がいいのかな――。
手刀を打ち込む寸前に響くリオの声、その刹那にワタルの纏う空気が変わった。
「っ! これで逆転だ!」
敗北を受け入れてたはずが手刀を躱して飛び付いてきた――そして迸る黒い光。
私には外せなかったワタルの枷、リオは外せちゃうんだ……なんだか、ずるい。
「っ!? く、うぅぅぅ…………」
痛みが、痺れが全身を支配してる。
なんだ……ちゃんと出来るんだ。
足の踏ん張りが利かなくなって私はワタルに押し倒された。
悔しい……私には出来なかったのにリオには出来た。
私よりリオの方が特別なの……?
「おい? フィオ? やり過ぎたか? 脈は…………正常、だよな? 気絶か。よか――ふぐっ!? おわぁぁぁあああ!?」
ちょっとイラッとして伸し掛かってるワタルを蹴り上げた。このもやもや……たぶんやきもち――あ~……痺れて感覚が曖昧で加減間違えたかも、高く高く打ち上がったワタルは痛みで意識が朦朧としてるみたいで体を動かす気配が無い。
受け止めないと――立ち上がったのに足が上手く前に出ない……痛みはそれほどでもなかったのに、こんなにあとを引く攻撃だったんだ。
まずい、落ちてくる――。
「おーっと、フィオ選手が受け止めようとしましたが少女の細腕では無理だったー!」
「いやいやいや、少女の細腕って……その前にあの娘が細い足で何したか見てましたー?」
「ワンクッションありましたが殆ど勢いそのままに落ちたワタル選手は微動だにしません! これは勝ちが決まったかー!? ――おぉっと、審判から続行不可の合図です! フィオ選手の勝利だー! 可憐な少女が騎士を蹴り倒す大番狂わせだー!」
……動かない、腕を出したおかげで頭を酷く打ちはしなかったけど――運ばれてくワタルに縋ろうとしたけど体がちゃんと動かなくてそれすら出来なかった。
「フィオ~? いくら鍛える為だからって最後のは酷かったんじゃない?」
ティナがからかうように言ってくるけど何も言い返せない。
「ごめん……」
「まぁそう言うなティナ、お前はワタルの電撃を受けた事がないから分からないだろうがあれは相当に効くぞ? あれを受けた後では体の動きが上手くいかなかったのも頷ける。なにしろ私が受けた頃よりも強力になっているのだからな」
「ワタルは?」
「リオが付いておるのじゃ、闘技場専属の治癒能力者も居ると言っておったし医者も打撲以外は問題無いと診断したから直に目覚めるはずなのじゃ」
「そう……」
やり過ぎたの謝らないと――。
「こらこらどこ行くのよ? まだ試合が残ってるのよ」
「今のワタルの実力の確認はしたからもういい――」
「棄権ってこと? それきっとワタルは気にするわよぉ~?」
「どうして?」
「今会場ではクロイツの騎士を侮る人たちが多く居るわ、このままだとワタルはクロイツ評判を落として帰る事になりかねない。そうなったら――」
「出る」
「ええ、頑張りなさい」
クロイツの評判はどうでもいいけど、ワタルが侮られたままなのは嫌、確かにまだ洗練はされてない。
それでもちゃんと成長しててそこらの混ざり者なんかは問題にならなくなってる。
ワタルは頑張ってるのに……ちゃんと見てない人間が勝手な評価をするのは許せない。
私が優勝すれば、一回は私を押し倒せたワタルの評価だってある程度変わるはず。
第一試合は私とワタル――。
まぁ、雑魚と無駄な戦いをして体力を消耗した後になるよりいいか……剣が無いのを加味してもちょっとキツめに当たろう。
まだまだ伸びしろがあるのに日和らせるわけにはいかない。
「ワタルは?」
「控室じゃないかしら? 自分の剣も無しにフィオと戦うってなって青い顔してたからリオが追って行ったけど……手加減はしてあげないのよね?」
「それはワタルの為にならない、私は壁」
「確かに絶壁ね」
「そうだな」
どこ見て言ってるのこの二人は……私だってちゃんとあるもん!
腕を組んで胸を揺すったエルフ二人を睨むけど、大きく揺れるものが視界に入って虚しくなった。
ワタルは小さい私が好きだもん……悔しくない、悔しくない!
「さあ、いよいよ本選第一試合の開始です。ワタル選手とフィオ選手はワタル選手がこの世界に来て以来の付き合いだそうです。そんな二人がどのような試合を魅せてくれるのか楽しみです。試合開始!」
やる気七、不安二、油断一くらいかな……ティナが青い顔してたって言ってたけど、リオが立て直したのかな?
不安は剣が無い事に対してと私との差に対して、油断は試合だからさっきみたいに無駄無く一撃で終われるって思ってる?
なんにせよ、ワタルの近接の戦い方は武器の紋様の補助が大きい――もし、武器を使えない事態になったら確実に苦戦を強いられる。
今までは大体が武器込みの訓練だったし、今回は武器が無い時どうするのかっていう訓練ってことにしよう。
だってもうワタルが先の試合に出れる可能性無いし……なら徹底的に不利に追い込んで対処法を考えさせるようにしよう。
「なんでフィオは出場したんだ?」
「ワタルの成長を見る為、あんまり成長してなかったらもう少し厳しくするってナハトと相談した」
訓練量が増えるのを懸念して顔から血の気が引いて油断が消えて不安が増えた……ワタルが死なない為にしてあげてるのに。
焦ってるのか困惑してるのか、動きは止まって注意散漫――分かりやすく殺気を纏って刺突を放つ。
「うおっ!?」
ん、初撃が危うかったけど、その後の薙ぎに対しての反応は速かった。
剣が無い分能力で身体強化をしてるんだろうけど、普段に近い反応をした。
強化するほど体を痛めるって言ってたけど慣れてきたのかな?
「うん、剣が無いのにちゃんと反応出来てる。身体は大丈夫?」
「流石にな、散々慣らしたからこの程度じゃまだ痛みは来ないって」
へぇ……この程度ね、剣込みの時に近い速さだったんだけど……私との訓練に慣れ過ぎて自分の成長を自覚してない?
「そう、なら次」
予選で見せたのと同じように背後に回り込んでの蹴撃――。
「とっとと、危ねぇ」
ん……また反応出来た。
さっきのはまぐれじゃない、しっかり成長はしてる。慣らしたって言っても負荷はあるはずだし、性格上大切なものがかかってない時と生き死にの関係無いような戦いだと無理な使い方はしなさそうだし――。
なら、ワタル自身の地力が上がってる。
「は、速い、今の攻防をこの会場でどれほどの方が理解出来たでしょうか。ワタル選手は覚醒者、とはいえ身体能力を向上させるものではないそうです。それだというのに今のフィオ選手の攻撃に反応して防ぎ切りました。しかし力ではフィオ選手が優勢の様です」
「ワタルは攻撃しないの? 能力使わない様な遠慮をする余裕があるの? そんな事教えた覚えはないんだけど…………もっと訓練増やす?」
全部開放してなりふり構わない使い方をすればこの武舞台上を埋め尽くすくらいは出来るはずだし、そうなると万に一つの可能性くらいはありそうだけど……分かってる。
そうなったらこっちに対処法が無いかもしれないって考えてそれを私に向けたくないって思ってる事くらい――でも、それでも発破をかける。
「分かった、使う、使うって、痺れても知らないからな」
渋った表情からのふくれっ面、放出はしてる。
でも――全力とは違う気がする、音も光も激しさも敵に向けるのとは違う。
覚悟を決めたような表情をしてても無意識的に抑えてる。
「おおっ!? なんだこれは! ワタル選手の手から黒い雷がうねりフィオ選手に襲い掛かっている! なるほど、それで黒雷、二つ名に違わぬ能力です」
「遠慮が無くなったのはいいけど、やっぱりまだ私の速さに追いついてない」
自分を起点に武舞台全体に放出するくらいは出来るはずなのに半端な囲いを作って捕らえようとしてくる。
遠慮はしてない、でも――本気でもない。
そして、本気じゃないのに私をどうにか出来るほどワタルの能力はまだ洗練されてない。
だから簡単に隙間を抜けられる。
抜けると当時に振り下ろした一撃に纏わせた殺気に反応したのか電撃の制御のお粗末さとは打って変わってワタルはきっちり受けた。
その代償に互いの剣が砕け散った。
大会側が用意した武器にミシャがやたらと文句を付けてたけど……なるほど、粗悪品。
「っ!? うぐ、げほっげほっ」
砕けた剣を見つめて呆けてるところへ一撃打ち込むと簡単に決まった。
殺気を纏わせてたら反応出来たのかもしれないけど、そんな親切な敵ばかりじゃない。
打ち込まれる瞬間をただ見つめてた……私への攻撃を躊躇った。
「おおっと、剣が折れた事で出来た隙を突いたフィオ選手の一撃が決まったー! ワタル選手は動けないようだ。これで勝負が決まってしまうのか!?」
「電撃で自分を覆えば防げたのに、やっぱり加減してる」
「そりゃフィオもだろ。本気でやってたらこんなすぐに動けるはずない」
そりゃ私は力を加減しないとワタルの体に風穴空いてたし……必要だからするのと必要無いのにしてしまう悪癖は違う。
加減はしたけど罰としてそれなりの痛みを与えたから立ち上がれず片膝を突いたまま動かない。
「これで終わり」
もう少し別の方法を考えた方がいいのかな――。
手刀を打ち込む寸前に響くリオの声、その刹那にワタルの纏う空気が変わった。
「っ! これで逆転だ!」
敗北を受け入れてたはずが手刀を躱して飛び付いてきた――そして迸る黒い光。
私には外せなかったワタルの枷、リオは外せちゃうんだ……なんだか、ずるい。
「っ!? く、うぅぅぅ…………」
痛みが、痺れが全身を支配してる。
なんだ……ちゃんと出来るんだ。
足の踏ん張りが利かなくなって私はワタルに押し倒された。
悔しい……私には出来なかったのにリオには出来た。
私よりリオの方が特別なの……?
「おい? フィオ? やり過ぎたか? 脈は…………正常、だよな? 気絶か。よか――ふぐっ!? おわぁぁぁあああ!?」
ちょっとイラッとして伸し掛かってるワタルを蹴り上げた。このもやもや……たぶんやきもち――あ~……痺れて感覚が曖昧で加減間違えたかも、高く高く打ち上がったワタルは痛みで意識が朦朧としてるみたいで体を動かす気配が無い。
受け止めないと――立ち上がったのに足が上手く前に出ない……痛みはそれほどでもなかったのに、こんなにあとを引く攻撃だったんだ。
まずい、落ちてくる――。
「おーっと、フィオ選手が受け止めようとしましたが少女の細腕では無理だったー!」
「いやいやいや、少女の細腕って……その前にあの娘が細い足で何したか見てましたー?」
「ワンクッションありましたが殆ど勢いそのままに落ちたワタル選手は微動だにしません! これは勝ちが決まったかー!? ――おぉっと、審判から続行不可の合図です! フィオ選手の勝利だー! 可憐な少女が騎士を蹴り倒す大番狂わせだー!」
……動かない、腕を出したおかげで頭を酷く打ちはしなかったけど――運ばれてくワタルに縋ろうとしたけど体がちゃんと動かなくてそれすら出来なかった。
「フィオ~? いくら鍛える為だからって最後のは酷かったんじゃない?」
ティナがからかうように言ってくるけど何も言い返せない。
「ごめん……」
「まぁそう言うなティナ、お前はワタルの電撃を受けた事がないから分からないだろうがあれは相当に効くぞ? あれを受けた後では体の動きが上手くいかなかったのも頷ける。なにしろ私が受けた頃よりも強力になっているのだからな」
「ワタルは?」
「リオが付いておるのじゃ、闘技場専属の治癒能力者も居ると言っておったし医者も打撲以外は問題無いと診断したから直に目覚めるはずなのじゃ」
「そう……」
やり過ぎたの謝らないと――。
「こらこらどこ行くのよ? まだ試合が残ってるのよ」
「今のワタルの実力の確認はしたからもういい――」
「棄権ってこと? それきっとワタルは気にするわよぉ~?」
「どうして?」
「今会場ではクロイツの騎士を侮る人たちが多く居るわ、このままだとワタルはクロイツ評判を落として帰る事になりかねない。そうなったら――」
「出る」
「ええ、頑張りなさい」
クロイツの評判はどうでもいいけど、ワタルが侮られたままなのは嫌、確かにまだ洗練はされてない。
それでもちゃんと成長しててそこらの混ざり者なんかは問題にならなくなってる。
ワタルは頑張ってるのに……ちゃんと見てない人間が勝手な評価をするのは許せない。
私が優勝すれば、一回は私を押し倒せたワタルの評価だってある程度変わるはず。
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