黒の瞳の覚醒者

一条光

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番外編~フィオ・ソリチュード~

新しい旅

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 自衛隊の指揮官からの許可も出て今日クロイツを発つ。
 でも、クロエとシロナは一緒に来ない。
 本当は一緒に居たいけどワタルのしたい事の邪魔にはなりたくないって言ってた。
 それに、ずっと閉じ込められてたから、知らない事を学んで、挑戦して、ワタルが帰って来た時に癒してあげられるようになりたいとも、だから待つ方を選ぶって。

「ワタル様、本当に行ってしまわれるのですね」
 しばらく会えなくなる、それを思ってクロエの顔が曇る。
「友達なら恋とか紅月が居るだろ? それにせっかく自由なんだし何か始めてみたりとか……あ~…………そうだ、落ち着いたら色んな所を旅しよう。クロもシロも見たことない場所を回って、それで――」
「ふふふ」
 クロエの笑みに釣られて私も笑う、あの告白を覚えていなくても言ってくれた気持ちに嘘はない。
 あれはワタルの本心だった。
 それが証明された気がするから。

「フィオさん、ワタル様の事よろしくお願いしますね」
 優しい笑顔……ワタルの傍はこういうのが溢れててあたたかい。
「ん、絶対守る」
 ワタルを助けて支えてくれる人たちだから私も応えたい。
「んじゃあ行ってくる」
「はい、お気をつけて。お帰りをお待ちしてます」
 二人に見送られながら港町への陣に入った。

 陣ですぐにドラウトに向かわないのには理由があった。
 その理由を聞いたワタルは表情を強張らせる。
 天明はドラウト周辺の海域に出る海賊を捕らえたいみたいだけど、ワタルは人間との対峙に怯えてる。

 訓練の模擬戦なら私やナハトと何度も戦ってる、手抜き無しの本気でやって向き合わざるを得ないようにしてたつもりだけどやっぱり人との戦闘への忌避感の払拭には至ってないみたい。
 こういうのはつけ入られる隙になる。
 少し注意して見てた方がいいかもしれない。

「やっぱり強いなぁフィオちゃん。完全に俺の動きに付いてこれる相手なんて他にいないから良い練習相手だよ」
「ん、それは私も同じ」
 船に乗り、退屈凌ぎにワタルの訓練をしようかと思ってたところに天明が一戦申し込んできて相手をしてみることにしたんだけど――。

 正直驚いた。
 ワタルがよく褒めてるからなんとなくそこそこ強いんだろうって思ってたけど……まさかここまで食らい付いてくる異界者が居るなんて思ってもみなかった。
 よく動く、力も強い、反応速度も悪くない、わざと見せた隙には食い付かない、ワタルよりもとの戦闘に慣れてる。

 そして――。
 まだ本気じゃない。
 私の方も手を抜いてはいるけど……お互いに探り合いながらぶつかり合う。

 私に追い付けるかもしれない初めての人間……少し、やり方を変えて試してみよう。
 甲板を縦横無尽に跳ね回る、そして積み荷の陰に入った瞬間気配の一切を絶つ。
 流石にこの状態の私は感知出来ないのか視線を巡らせてる。

 視線が外れた瞬間を狙って積み荷の果物を投擲する――飛来する物体を一瞬で確認して躱しすぐに私の気配を探り始める
 位置を変えてもう一度積み荷の陰からの投擲と同時に一つを高く放る。
 そして投擲した場所の反対側で物音を立てる。

 飛来するものが果実だと知ってすぐに音のした方へ反応、そこに私が居ない事から予測したのか背後に迫る私の姿をその視界に捉えた。

 すごい、素直にそう思う。
 そう思わせるだけの反応速度を示した。
 でも――。

「うっ!?」
 私と組み合った瞬間天明の頭に果物が直撃して弾けた。
 敵を視界に捉えた事で他への警戒が緩んだ。
 一対一だと思い込んでたからこその結果だけど……もしも私との戦闘を繰り返してもっと色んな状況の経験を積んだら……私に追い付くことも可能かもしれない。

「ありがとうフィオちゃん、こんなに本格的な訓練が出来たのは久しぶりだよ」
「ん、私も面白かった」
 ワタルが認めてるだけはあった。
 日本は平和な世界、自衛隊みたいな所に所属しない限り戦闘とは無縁のはず。
 それなのに天明は私の動きに反応して次の動きへの予測も立てた。
 能力の高さは勿論あるけど……きっと、ヴァーンシアに来て積み重ねてきたものがワタルよりも大きいから――。
 ワタルもあのくらい動ければ少しは安心できるんだけど……。

 天明の動きは経験からくる予測、ワタルのはどちらかというと獣の勘みたいなもの……もっと色んな状況を経験させたいけど私とナハトだけだと限界が――。
「フィオちゃん眠いんですか? よかったらどうぞ」
 目を擦りながら船内に戻ると私に気付いたリオが自分の膝をぽんぽんしてた。
 私は迷うことなくリオにすがってその膝に顔を埋める。

 あたたかくて優しい匂い、戦闘の緊張感が簡単に解けて眠気がやってくる。
 リオはずるい、こんなんだと際限なく甘えたくなる。
 私もこんな感じになれたらワタルは普段から私に甘えたりするのかな……?

「フィオちゃん唇がどうかしたんですか?」
「ふぇ?」
 印を付け合った事を思い出して惚けてたせいで間抜けな声が出た……。
「なんでもない、ちょっとだけ寝る」
「はい、おやすみなさい」
 たぶんリオはあのことは寝てて知らないはず、一人占めした罪悪感が少し胸の奥を疼かせるけど秘密、私はもさを抱き寄せて襲ってきた眠気に身を任せた。

「フィオちゃん、フィオちゃん起きてください!」
「んぅ? なに?」
「海賊が出たみたいなんです。甲板にはワタル達が居ますから大丈夫だとは思うんですけど、念のため見てきてもらえますか」
「ん、行ってくる。大丈夫だから」
 リオは戦ってるワタルを見る事はあまりなかったはずだけど……もしかしたら何か感付いてるのかもしれない。
 不安そうな顔のリオにいつもとは逆に私が頭を撫でて甲板に向かう。
 
 外に出ると宙に浮く男が五人……同じ集団に属してるのを示すみたいに全員が同じ意匠の指輪をしてる。
 あれが海賊……? 体格からして大して鍛えてないのが分かる、とても賊として生計を立てられるようには見えないけど、となれば身体能力以外の何かがある。
 そして甲板上には水の玉に飲まれたワタルと天明――。

「まったく、何をやっておるのじゃ二人ともっ」
 天明の方はミシャがロープを投げ込んでるから私はワタルを出そう、甲板に置いておいたアル・マヒクで押し出すように水の玉を叩く。
「って、ちょ――ごぼぉ」
「無事?」
「げほ、げほっ……死ぬかと思ったわ!」
「ワタルが口開けたのが悪い」
 アル・マヒクで押し出そうとした瞬間に大口を開けるものだから結構水を飲んだみたい。

 私が見てないとすぐこんな風に捕まって……天明もだから逃げようがなかったのかもしれないけど、もっともっと鍛えないと安心できない…………。

「おいおい、なんだよ――あの可愛いロリっ子」
「そうじゃねぇだろ、剣だよ剣! 自分の倍くらいある剣を振ったぞ」
「いや、それも違うだろ。可愛い猫耳の娘までいるー! 船から確認した時にはあんな娘見えなかったのに、今回の船当たり過ぎるなっ」
「お前らなぁ…………」
 空中に浮く男たちが色めき立つ。
 見たところ全員異界者――浮いてるのが一人の能力なのか、それとも全員が同じ能力なのか――確率的には誰か一人の能力、なら残りの四人は? 全員覚醒者?

「重要なのはロリで可愛いかどうかだろ。あの娘目が紅いし混血なんだろ、怪力くらい珍しくもない」
「かっわいいなぁ、猫耳。俺あの娘もらおうかな」
「待てまてマテ、待てよ。エルフもレアだが獣人もレアだし一人しかいないんだから獣人は山分けだろ。なぁ?」
「俺はダークエルフさえもらえれば文句ない」
「俺はエルフロリと銀髪ロリな」
 下卑た会話……あぁ、分かった。
 アドラで何度も見てきた人種だ……ツチヤもヴァイスとよくこんな会話をしてた。
 能力に驕るただの馬鹿たち。

「どうするにしても仕事を終わらせてからだ!」
「んな事言ってると平の取り分なくなるぜ?」
「だからアブソリュートだ……俺も猫耳の娘がいい…………」
 盗賊をしてた時は特に興味も無くて聞き流してたものだけど、ワタルの傍に居てたくさん大切なものが出来た今は分かる。
 ああいう輩の視線に大切な人たちが晒されるのはとっても不愉快。

「旦那様、あやつらの視線が絡みつくようで気持ち悪いのじゃ」
「あぁ~、よしよし。もう油断しないからミシャ達は船室に隠れてろ」
 身を捩って縋り付いたミシャをワタルは一撫でしてみんなに船内に行くように促してる。
「本当に平気か? 私は元気だから加勢するぞ?」
「い、いや、大丈夫だ。ずっとティナの介抱してて疲れたろ? 休んでてくれ」
「っ! 気遣ってくれるのか。嬉しぞワタル」
 たぶん違う……ナハトは不快な人間相手だとワタルが言っても我慢しない時があるからやり過ぎないように追い払われただけ。

「あ~、はいはい」
 ほらやっぱり、返事が適当……。
 ナハトの方も撫でて早く隠れるようにって背中を押してる。
「何かお前ムカつくよ。アブソリュート、アストロノート! 玖島の方はお前らがやれよ。この真っ黒な奴は俺とハーヴェストがやる」
 変な名前……なんだか日本人っぽくない。
 でも目は黒い、日本人じゃない異界者?

 一人を残して二人ずつワタルと天明に向かっていく。
 さっきの事があるから少し心配だけど、ワタルは一応やる気みたいだしもう少し様子を見てみよう。

「すかしてんじゃねぇぞっ! 馬鹿にしやがって! 斬り刻んで半殺しにしてやる――なっ!?」
「なるほど、こういう感じか…………」
 空気を裂く見えない何かを躱して間に合わないものは黒剣で切り裂く。
 初めてエルフの土地に入った時のやつに似てる……あれよりか勢いも威力も劣ってるけど――それでも、見えないものを感知してちゃんと対処してる。
 成長はしてる、感覚も鋭くなってる。
 でも――。

「これももう飽きたぞ」
「んなっ!? なんだよそれ!?」
 水を操る男がさっきみたいに水の中に捕えようと海から水柱を立ち上らせたけどワタルは寄せ付けないように黒雷で吹き飛ばした。

 能力差は歴然、不安があるとすればワタルの精神の方……向けられた攻撃には対処出来てる。
 でも、これだけ実力差があればすぐに終わらせられるはず、なのにワタルは攻撃に移らない。

「く、来るなぁ!」
 力の差を理解した男たちは狼狽えて能力を乱射し始めた。
 剣じゃなくても黒雷で気絶させることも出来るはず、誰かの為に動く時に比べて次の行動までが明らかに遅い。
 意識してなのか無意識なのかは分からないけど、やっぱり人間との戦いを恐れてる。
 様子見はここまでにしよう……迷いは余計な危険を呼び込む。

『ふべっ!?』
「フィオ……俺がどうにかしようと思ってたのに…………殺してないだろうな?」
 ワタルが動き出すよりも速く駆けて男二人を船の外へアル・マヒクで叩き飛ばした。
「人間に剣を向けるのが怖いくせに」
 強がったところで訓練の時よりも動き出すまでに時間がかかったのは明らか、きっと不意の事態が起こったら決断出来ずに止まってしまう。

「ワタルを水から出した時と同じ、弾いただけ、死んでない……頭を打ってるかもしれないけど」
 まぁ、本気で叩き飛ばしたわけじゃないし、掬い上げるようにして飛ばしたから死にはしない……はず。
「っておい、気絶してる。顔を水に着けたまま浮いてる。あぁもうめんどくせぇ、結んだら合図するからこれ引っ張れよ」
「ん」
 凶器を向けてきてた相手を助ける為に躊躇なく海に飛び込む……さっきまでと大分違う。

「はぁ……」
 本当に呆れてしまう、殺し合いをした相手なんか放っておけばいいのに――ワタルの合図でロープを一気に引き上げそのまま男二人の頭を船体にぶつけた。
 このくらい、お仕置き。

「天明は……まだやってんのか」
「天明戦ってない」
 流石ワタルの友人ってとこなのか剣すら持たずに向かってくる男たちに日本への帰還が叶う事を説明してる。
 でもたぶんあれは無駄な事――。

「さっきから言ってるだろう、日本に帰れるんだ。今すぐこんな事はやめるんだ」
「うっせぇっ、俺たちは今の生活が気に入ってるん、だっ。くっ、やるな…………くそっ、なんで当たんねぇんだよ! 同じ身体強化のはずだろ!?」
 ほらね……目を見れば分かる。
 この男たちもツチヤみたいな目をしてる。
 自分と他人を線引きして獲物として見てる、こんな目をしてたらあの日本日常には帰れない。

「もうやめろ。差があるのは分かっただろ? 怪我をさせるつもりはないし、他の海賊の捕縛に協力してくれれば悪い扱いもしない」
 空中を蹴って飛び回って撹乱してる――つもりなんだろうけど……こんなのじゃ天明には全然足りない。
 動いた分だけ自分が消耗するだけ――そんな事も分からない素人の攻撃は簡単にかわされて手刀でナイフを落とされてる。

 しかも何が起こったのか理解してない、あれも見えないのにどうして勝てると思ったの……?
「う、ううっさいって言ってんだろ! ふごっ!? ――おい、アストロノートちゃんとやれよ。俺の動きに合わせろ」
 注意散漫……空中にあるらしい足場を踏み間違えて足首を捻って落ちてきた。
 なんだろう……すごく馬鹿で間抜け、これが海賊…………、

「っ! やってるだろ! お前が足を滑らせたんだ! 大体、偉そうに言ってたくせにこいつとお前とじゃ格が違い過ぎるじゃん。お前格下じゃん、完全無欠なんて名前付けておいてダッセェー」
 そんな意味の名前なんだ、程遠い。
「っ!? なんだとこの野郎」
「本当の事だから怒るんだろー、帰るぞグラッジビジブル。負けた奴らなんか放置だ、俺らは重用されてるから失敗して帰っても許してもらえるはず――」
 本当にアドラで見てきた人間にそっくり、自分に危険が及ぶと分かったら簡単に見切りをつける。
「待てゴラァ!」
 空に上る男二人、私が仕留めてもいいけど――仲間を見捨てようとした事に呆れたのか怒ったのか、今度は躊躇なく黒雷が向かっていく。

『ギャァァァァァ』
「逃がすわけないだろ」
 流石にそのまま落とすわけにもいかないから受け止めて甲板に放り捨てる。
 残った一人も流石にこの状況を理解して狼狽えてる。

「俺は、俺は強いんだ! お前らなんかよりずっと、だから船長も俺をリーダーにして一隻任せてくれて――失敗して捕まりました、なんて許されるかァァアアア」
『っ!?』
 視界を覆い尽くす煙……匂い消しも混ざってる。
 でもこの大量の煙の中を動けば煙の流れで位置が簡単に分かる――ここを、こう。
「ギャアアアアアー」
 っ!? 掴んだところが肩だったからそのまま外したのに無理矢理振りほどいて走り去った。
 痛みには従順そうに見えたけど、ちょっとびっくり。

「フィオ! 捕まえたのか?」
「逃げられた」
「うお!? だから気配を消して後ろに立つなと…………じゃあさっきの叫び声はなんだったんだ?」
「肩を外した」
 煙が流れてなくなるにつれて視界が晴れてくる。
 さっきの男は自分を見捨てようとした仲間をつれて遠くに見える船の方へ空を駆けてる。

「あんなのに逃げられるかぁー…………」
 格下にまんまとやられた不甲斐なさか、それとも人間との戦闘が終わった安堵か、ワタルは深く息を吐いて座り込んだ。
 普段なら諦めずに追おうとするけど――。

「飛ぶ?」
「嫌だよ。クラーケンの時みたいにって事だろ? 今回は着地先がないだろうが」
「あいつらの足場」
 この船と遠くに見える船、そして男たちの位置でおおよそどこに足場があるのかは分かってる。

「却下。天明がすぐに仕留めておけば逃げられなかったんだぞ」
 人のせいにしてる……自分も普段通りには動けてなかったのに……まぁ、ワタルがやりたくないならやらなくていいけど。

「同じ日本人だし帰れることを知れば気も変わって協力してくれると思ったんだけどね。ああいう事をしたい年頃って事なのか…………」
 異界者は海賊をしたい年頃なんてあるの……?
 変なの……あれだけ物に溢れてヴァーンシアよりも豊かな生活が出来る世界の人間なのに他人から奪いたくなるの?

「どうすんだ? 追うのか?」
「追えないよ。この船は一般の人が大勢乗ってるんだから、ドラウトへ着いたら彼らの能力の詳細を伝えて後は任せるしかないかな。まぁ、雇い主の方をどうにかすれば海賊も大人しくなりそうだし」
「雇い主?」
「彼らが着けてた指輪を見なかったか?」
「男の装飾なんて興味ない」
「…………エルフが作るものほど立派ではないけどドラウトにも紋様師がいて騎士団なんかの装備品を扱っているんだけど、あの五人が着けてたのは身体能力を向上させるものだと思う。それが海賊の手に渡っているって事は発注できる立場の者が彼らに流したって事になる」
 権力者の腐敗……今回の騒動からは手を引いた方がいいのかもしれない。
 今のワタルじゃ人との本気の殺し合いなんて出来ない。

「他の船を襲った時の盗品じゃないのか?」
「その可能性もないとは言い切れないけど、紋様が刻まれた製品は管理が厳重なんだ。奪われでもしたらそれこそ報告が上がってないとおかしいくらいに」
「はぁ~ん、金持ちが海賊雇って人攫いしてるってか……そういえば標的がどうとか言ってたな。自分の国に被害を及ぼすとか何考えてんだか」
「確かにね。色んな事がもっと円満に行けばいいのにって思うよ」
 どこの国にも汚れた部分がある……クロイツだってそう、嫌な貴族が居た。
 それでも国王が制御してるから機能してる。
 なら天明の国は……?

 アドラですら盗賊は討伐対象だった。
 なのに、ドラウトは権力者が海賊を飼ってる……私は新しい旅の先行きに不安を感じ始めていた。
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