黒の瞳の覚醒者

一条光

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番外編~フィオ・ソリチュード~

地獄に住まうモノ

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 私たちが見つけたのと同様の痕跡が他の区画でも見つかっていた。
 でも、掃討した魔物の中にはものは発見されていない。
 そしてマルシアの掃除はしてる。
 ワタルを人の腹から生まれた何かと遭遇させる可能性は低くなったけど悍ましいものが存在してる事実は消えない。

 これがこの町だけのことならここに駐留する部隊が安全圏を拡大させる際にいずれ片をつけるかもしれない――けどその存在を隠し通すのは難しくなりそうだけど。

「どうなのじゃ旦那様? 良い香りなのじゃ?」
「ん~……まぁそうだな、俺煙とか作った匂いとかきついのはダメなんだけどこれは割りといいかもな」
「うにゃ? 旦那様も敏感なのじゃ? なら焚くのはこっちの方がよかったのじゃ、匂い抑え目なのじゃ。あとは……ほれ、お茶なのじゃ、口に含んでゆっくりと飲むのが良いのじゃ」
 第一の拠点になる場所の確保は終えて明日には遠征隊は移動を再開する事になってて十分に休む為に陣で設備の整ってる王都に戻っているけど……ワタルの部屋は騒がしい。

「私はこの香は苦手だ、止めてくれ」
「そうねぇ、私もあまり好きではないかも。そんなのよりこっちのにしましょうよ」
 見せつけるように胸の間から取り出してそれを見せびらかしてる。
「嫌なら出て行けばいいのじゃ……それはなんなのじゃ?」
「これ? こ・れ・はぁ~――国に帰った時に露店で見つけたどんな大人しい男の子もたちどころに夜の魔王へと変貌を遂げるという超絶怪しい香よ」
「お、おいティナ、そんなものを使ったらワタルが……私を求めて止まなくなってしまうのではないか!?」
 馬鹿になってたまに見せる良いところの分をマイナスにしないといけない病気でも抱えてるの……?

 ティナやナハトに感心する事がある、参考にしようって思うことも。
 なのにどうしてわざわざアホになるのか……。

「あ、ついちゃった」
「ついちゃったじゃねぇだろ!? 煙噴き出してんじゃねぇか! さっさと外に捨てろ、そして臭いぞ」
「うわっ! 本当に臭いのじゃ! 妾これ嫌いなのじゃ」
 妙な煙に満たされる前に窓を開け放ちベランダに逃げ出して外の空気を肺いっぱいに取り込む。
 煙が部屋から抜けるまでは開けておいた方がよさそう――。

「あー、フィオちゃんだぁ! もぅ、フィオちゃんはずるいでふ、強いからワタルの傍に居られて……可愛いからいつでも腕の中にも収まってずる過ぎましゅう! 聞いているんでしゅか?」
 怪しい煙がリオを壊した…………。

「くしゃいのじゃ……妾頭がくらくらしてきたのじゃぁ」
「俺も、なんか気分悪い……」
「ふむ、期待した感じじゃないわね……でも私もナハトもなんともないのだけど」
「うぅ……この匂いはシュリカなのじゃ、この植物の香で酔っ払ったみたいになるのは年若い者だけなのじゃ、年寄りのエルフに効かなくても当然なのじゃ……妾もうダメなのじゃ……」
 よほど耐えかねたのかミシャはベッドに倒れ込んで布団に潜り込んでしまった。

 歳が若いと駄目なら私も部屋に戻ったら変になるのかもしれない、そう思うとベランダから動く気にはなれそうにない。
「誰が年寄りよ! まぁ、それはそれとして、ワタルはどう? 魔王になっちゃう?」
「人の話聞いてたか……? 俺は臭いのは駄目なんだっての……頭くらくらして気分悪いぞ――」
「わたりゅぅ、どぉゆぅことなんでしゅか! ぬぁんでいつもフィオちゃんばっかり構うんでしゅか、しょんなにわらしは可愛くないって言うんでしゅか!」 
 ベランダに避難しようとしたワタルをとんでもなくめんどくさい事になってるリオが押し留めて部屋の中に押し返してる。

「いや、あのとりあえずベランダに―― 」
「またそうやってはぐらかして、いいでしゅいいでしゅ! どうせわらひにゃんて見る価値ないでしゅよ……」
 ものすごい勢いでいじけ始めた。
 体調が悪そうなワタルも流石に困ったのか立ち止まって――リオの方へ倒れた。

「あ、あの困りましゅよそんないきなり……こ、こういうのはもっと手順が……」
 胸に顔を埋めてるワタルを見てもじもじしてる……それどころじゃないはずなのに、やっぱりリオが壊れてる。

「おいティナ何が魔王だっ、結局ワタルの体調が悪くなっただけではないか」
「変ねぇ……ま、まぁ、早めに休んで体力回復~って事にしておきましょ。寝ちゃえば余計なことも考えないのだし、終わり良ければ全て良し――」
 ワタルをベッドに寝かせて隣に潜り込もうとしたティナをナハトが睨み付けた。
「そんなわけあるかっ――お前まだ妙な物を隠し持っていないだろうな?」
 目を逸らして妖しく笑ったティナを追ってナハトが飛び出していった。

 散らかし放題のやり逃げ……これどうするの……?
 まずは煙を噴いてるあれを捨てないと――呼吸を止めて部屋に戻って素早く原因の排除を済ませた。
 これ以上匂いが満ちる事はないけど……部屋に残った匂いだけでも私駄目かも……。
 頭が回らなくなってきた……ふらふらとベッドまで歩いて倒れ込む。
 もういい、めんどくさい、寝る…………。
「あーっ、フィオちゃんずるいでしゅ、わらしも一緒に寝ましゅ」
 隣に倒れてきたリオが柔らかくて気持ちよすぎる眠りに落ちた。

「ふにゃーっ!? 変態なのじゃ変態なのじゃっ! 旦那様はすっごい変態なのじゃ!」
 騒がしい声に薄目を開けて隣を窺うとミシャが仁王立ちして尻尾の毛を逆立ててワタルを威嚇してた。
「こんなの破廉恥なのじゃーっ!」
 顔を熟れた果物みたいに赤くして走り去って、あとには気絶したっぽいワタルと固まったリオと状況が飲み込めない私だけが残された。

「何があったの?」
「ええと……私目が覚めたらワタルの腕の中で……びっくりして思わず押し退けてしまって……そしたら」
「そしたら?」
「丁度ワタルが寝返りを打って隣に寝ていたミシャちゃんの、その、あの……とにかく乗ってしまって」
「それだけ?」
「そ、それだけって、寝起きであんな状況だと女の子は驚いて当然ですよ!」
 よく分からないけど大変な状態だったらしい。

「それであれはミシャがやったの?」
「はい……一撃必殺でした……」
 思い悩んでるよりも騒がしく女に振り回されてる方がいいのかな……小さくため息を吐くと私は集合時間に遅れないようにワタルを起こす事にした。

 港町を目指す旅は順調に進み、五日目には行程の三分の二まで辿り着いた。
 やっぱり車と陣という移動手段があるのが大きい。
 速度を上げれば道中の魔物はある程度無視が出来たし大部隊での行軍じゃないから速度も維持しやすい、そして目的地に陣を設置してしまえば王都に控えている部隊が一気に制圧する。

 きっとヴァーンシアの人間だけだと何日も掛かる事を日本人たちは容易く進めてしまう。
 あとひとつ町を奪還すれば残りは最終目的地の港町、ここは他国の軍が魔物を排除しているから辿り着くだけでいい。

 懸念してたものもその痕跡も道中発見されてないし町を取り戻しているのもあってかワタルはあまり暗い表情をしなくなってた。

 まるで誰が隠したんじゃないかと思うくらいに人から魔物が産まれた痕跡は見つかってない。
 何かが動いているのか、それともあれはあの町だけのことだったのか――それならそれで構わないんだけど……。

 最後の町が視界に入る頃、異変は起こった。
 先行してた車両が宙を舞った。
 それを確認した瞬間ティナが跳び落下中の車体を空間の裂け目へと納めた。

「デカっ! なんだよありゃ……通常の三倍サイズじゃねぇか!? ミノタウロスとセットの馬面とか牛頭馬頭かよ」
「牛頭馬頭ってなんなのじゃ?」
「地獄に住んでるバケモンだよ」
 先行車両が居た位置には巨大な影が二つ……おかしい、あの巨体ならこの位置でももっと早くに気付けたはず――。
 その角で車両を跳ね上げたミノタウロスがこっちの車体に狙いを定めて大斧を空に掲げて咆哮した。

 隣に並ぶ馬の頭をした魔物が唸りと共に金棒を振り下ろした瞬間地割れになって街道が砕けた。
「くっそ、マジか!? 姐さんあの馬の魔物ってあれが普通なのか?」
「いや、ミノタウロスもグラシャンも元々怪力ではあるが……あの個体は異常だ」
 街道を外れ、草原を疾走する車両から銃撃が行われてるけど致命傷はおろか出血させるにも至ってない。
 むしろ怒りを煽って地を抉った礫で反撃を受けてる。

「どんな体毛してんだ!? 宮園ラムぶっぱなせ!」
「狙ってるから揺らすなって」
「無茶言うな、道なんてねぇんだぞ」
「っ! ――後方の安全確認――っしゃ! 狙いばっちし」
 宮園が撃った巨大な弾丸が魔物目掛けて飛翔していく。
 でも、見たことないはずのその攻撃の異様さを察知した馬頭が人間の大人ひとり分はありそうなラウンドシールドを構えてミノタウロスの前に出た。

 弾丸が接触した瞬間炸裂して炎と爆風が広がり粉塵が立ち上る。  
 大抵の魔物なら簡単に消し飛ばしそうな攻撃、それでもグラシャンは耐えていた。
 衝撃と爆風に押されて後退はしたものの、威力そのものは盾で受け流し倒れることはなくその眼光は私たちを射ぬいている。
 「駄目だ、仕留めていないぞ。私が焼く、他の連中に離れるよう伝えるんだ!」

 ナハトが能力を使う為に車外へ身を乗り出した瞬間魔物達の目付きが変わった。
 殺意なんか生ぬるい――憎悪、怨念、怨嗟、憤怒――戦いに身を置けば誰でも感じた事のあるもの、それとは比べものにならないものを向けられて車内の人間は怯み次への動きが遅れた。

 グラシャンは砕いた街道を抉り瓦礫を掬い、打ち出した。
「遠藤左に切れっ!」
 ワタルの叫びに反応して左へと逸れ始めた刹那に地面が弾け飛んだ。
 礫の着弾の衝撃で横転しそうになっているところへ追撃が襲い来る。

 礫に続き飛来した金棒が大きな衝撃を生み私たちの乗っていた車は完全にひっくり返った。
「フィオ、ミシャ、ナハトも無事か?」
「ん、問題ない。ワタルは私の傍から離れないで、あれは――」
『ゴォォォオオオオオッ!』
 っ!? 速い――あの巨体で一気に距離を詰めてくるなんて――この近距離での咆哮は……耳がダメになった。
「この牛ッ」
 この旅をべく振り下ろされる大斧――。

「うわっ!? お嬢マジか!?」
 車体を割って入ってきた刃をグリーブで受けた。
「邪魔ッ」
 両足で大斧を押し返しそのまま亀裂を押し広げて車体を完全に割って全員が脱出出来るようにする。

「総員撤退――」
『ウゴォォォオオオオオッ!』
 言葉を……理解している。
 撤退の言葉を聞いた瞬間ミノタウロスとグラシャンが動きを変えた。
 目の前の標的わたしたちから撤退支援の為の銃撃をしていた車両をその邪魔な眼光が捉えた。

 それを誰より早く察したワタルが駆け出して、僅かに遅れて私とナハトも駆け出す。
「ワタル! お前は前に出るな! フィオとアル・マヒクで狙撃を――」
 車両へ悪意を向けつつもナハトの動きに反応した二匹が再び咆哮した。
 共鳴して突き抜ける音の攻撃、耳の痛みに全員の動きが一瞬止まった。

 今目の前に居る敵はそれを見逃すような間抜けじゃない。
 能力持ちを先に潰そうと判断したのかミノタウロスは一番近いワタルよりもナハトにその大斧を振り抜いた。
「ナメるなッ!」
 大斧を斜に構えた刃の上を滑らせてやり過ごすと返す刃に炎を灯し斬り上げた。
 刃は通った――でも、浅かった。
 致命傷には至らない、追撃するナハトの攻撃をグラシャンが寄越した盾で防ぎこの程度かとでも言いたげに嗤った。

 盾をミノタウロスへ渡したグラシャンは自衛隊のさっきの攻撃を警戒して礫の雨を降らせる。
 車両が更に一台横転した。
「この馬面がッ」
 この状況にワタルが黙ってるはずもなくグラシャンへと突貫していく。
 それに合わせるように私もアル・マヒクを握り直して背後へ迫る。
 自衛隊の攻撃を防いだあの盾はたぶん壊せない、でもそれを手離した今ならこいつは殺せる――。

「なっ!? 能力持ち……?」
 接近するワタルへ金棒を放り投げ、振り抜いた私の一撃は急に現れた盾で受けきった。
 ミノタウロスが投げて寄越した訳じゃない、あいつも盾は持ったまま、もう一つ盾が存在している。
 投擲したはずの金棒も盾と同じように生み出し右手に握り締めている。

「だからどうしたッ」
 金棒を回避して黒を纏ったワタルが剣を両手で突き出して構える。
 その意味を理解した私は射線上から離れる、でもグラシャンの方は剣で攻撃するには妙なその構えを警戒せず私に敵意を向けワタルに背を向けた。

 刹那に弾けた黒がグラシャンの左肩を吹き飛ばした。
 ぼとりと落ちた自身の腕を見て魔物は雄叫びを上げる。
 痛みよりも怒りが勝るのか狂ったように金棒で地面を叩き鳴らす。
 地割れが広がり粉塵が舞う、ミノタウロスも同様の行動を始めて周囲の地形が崩れ、二体の姿が土煙に完全に覆われ――。

 そして――町の方角から魔物が押し寄せてきた。
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