黒の瞳の覚醒者

一条光

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終章~人魔大戦~

望み

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 襲撃を受けてから二日、あれ以来双子の襲撃はない。ナハトが心配するのもあって野営地から出ていないからだろう、流石に人目がある中で襲う事はしないようだ。それでも見張られているような感覚を微かに感じる。
「ティナ達は今日も戻らぬな。主よ、まだ待つのか? 儂は我慢がならぬのだが」
「ありがとなクーニャ。でも待たないと駄目だ。襲う以外の方法があるならその方がいい」
 俺も我慢の限界を迎えつつあるが、あの男の能力は既に多くの人の拠り所になりつつある。失えば大きく士気は落ちるだろう、再起不能にする訳にはいかない。味方を攻撃すれば不信を招いて俺たち自身の首を締める……もうディアの王都は目前、こんな所で瓦解を招く原因を作る訳にはいかないんだ。
「そうだぞクーニャ、ティナは口にしたことはやる女だ。心配なのは分かるがもう少し待て。父様の話では大方纏まりつつあるのだ」
「しかし……二人の怯えた姿を思うとな」
 そう、あの二人が怯えていた。それはもう可哀想なほどに。何とかしたいというクーニャの気持ちは凄く嬉しい。でも後々の事も考えるとティナ達の方法で後腐れなく二人を手放させる方が良いはずだ。
「はぁ……少し出てくる」
「ワタル、外には――」
「出ない。少し風に当たりたいだけだ、湖岸を散歩してくる」
 心配した様子のナハトが声を掛けてくるが遮って目的を伝える。
「主、気を付けるのだぞ。あの娘の目は暗い感情で満たされていた。人目から離れすぎると――」
「分かってるよ。出来れば傷付けたくないしそういう状況を作らないつもりだ」
 アドラ側の存在だがフィオ達の妹達だ。怪我はさせたくない、あの娘の黒い感情もあの娘自身が歪んでいるからじゃない。環境が悪かったんだ。出来れば助けてやりたい。
「ならばよいが」
「クーニャこそ気を付けろよ? ロリっ娘が誘拐されると何されるかわかんないぞ」
「心配するな、誘拐犯もアレを削ぎ落とせば大人しくなろう」
 ニヤリと笑うクーニャに苦笑いしつつ天幕を出た。アレってなんだろう……双子は女の子なんだが、リーゼント方だろうか。

「あの目はマジだったな」
 湖岸を歩きながら先程のクーニャの目を思い出す。アレとはやはりだろうか……股間が縮み上がりそうだ。
 湖の水は澄み透明度が高いから泳いでいる魚がよく見える。息抜きに散歩をしている人もちらほら居る、これなら襲っては来ないだろう。気配の方も探ってはいるがよく分からない。あの時シエルはもう一人を隠す為にわざと俺に気配を悟らせていた可能性がある――というかそうだったんだろう。今は見られている、ような気が僅かにするくらいで確信が持てない程度に気配を感じないし。
「違和感はあると思うんだけどな――」
「如月さん、散歩ですか? 珍しいですね。いつも大体フィオちゃんが傍に居るのに」
 ラビと散歩をしていたらしい宮園さんが駆け寄ってきた。不安を煽るからとフィオ達の件は伝えないようにしてもらったおかげか宮園さんは事情を知らないようだ。
「そっちはデートですか?」
「違いますよ~、いくら今は落ち着いてるって言ってもそんな暢気な事してられる訳ないじゃないですか。休憩で来たら偶然会っただけです。そっちこそデートですか? またそんな美人のお姉さん引っ掻けて! 羨ましすぎる!」
「お姉さん? 何言って――っ!? レヴィリア、さん? いつの間に? 気配なんてなかったはず」
 俺の後ろにはレヴィリアさんによく似た女性ひとが立っている。何故本人と言い切れないのかというと、耳が丸いのだ。エルフの特徴の長耳じゃないんだ。それでも他人の空似と言うには似すぎている、纏う空気もあの神秘的で独特なものだ。
「レヴィリアさんって言うんですか? 俺は宮園和也です。この出会いを記念して素敵なアバンチュールを楽しみませんか――あーだだだだだだだっ――痛いっ! ラビさん許して、つい異国の美女に反応しちゃったんです。ほんの冗談だったんですよ」
「うるさい黙れ、私を裏切るとどうなるかたっぷり教えてやる。ワタル、こいつは貰っていくぞ」
「ご随意に」
 宮園さんはラビに耳を引かれ哀れみを誘う妙な歩き方で去っていった。取り残されたレヴィリア? さんは不思議そうに見送っている。ラビ達が離れた事で周囲から人気がなくなった。
「丁度いいですね。少し歩きましょう」
 声もそっくり……彼女はゆっくりと歩き出しこちらに視線を寄越さない。疑問を解消するには付いていくしかないようだ。

 湖畔を歩く美しい女性ひとはどこか落ち着かない様子で何か焦りを抱えている様にも見える。野営地を離れ始めている、これ以上はマズいか……俺を連れ出す事が目的か?
「何の目的なんです? というか本当にレヴィリアさんですか?」
「はい、この姿は一時的なものです。わたくしが動いたとなれば彼の者が行動を早めてしまう可能性がありますので」
「行動? ディーが何をしようとしているか知っているんですか?」
「あれの目的は恐らく……原初にして頂点であるオークキング『ザハル』の解放でしょう」
 解放? その言葉はおかしい。魔物の封印は解けて溢れ出している。だからこの世界はこんな事になっているんだ。まだ他にも封印があるのか? ティナ達からは何も聞いてないぞ。
「解放ってどういう事です? 魔物はもうとっくに解放されているでしょう?」
「ザハルは今跳梁跋扈している者達とは別に封印してあるのです」
「それはこの大陸に?」
「申し訳ないですが場所はお教え出来ません。ですが急いでください、彼の者は封印を狙ってずっと力を蓄えているのです。時間はあまり残されていません」
「それなら一緒に戦う事は出来ませんか? レヴィリアさんはハイエルフなんでしょう? 他のハイエルフにも呼び掛けて――」
「すみません。人間を信用出来ないというのもありますがわたくし達にも役目があるのです。数が少なく戦いに回せる者は居ないのです。私もあまり長居は出来ません、ですのでこれを」
 レヴィリアさんが手渡してきたのはペンダントのような物、リング状になった輪の中に菱形の青い鉱石が浮いたペンダントトップは不思議な輝きを放ち透けた鉱石の中には複雑な紋様が刻まれ、それは仄かに温かい。
「これは?」
「アミュレットです。わたくしからの信頼の形、といったところでしょうか。ハイエルフの加護が刻まれています。効果は……無茶の多い貴方には知らせない方がよろしいかもしれませんね」
「人間は信用出来ないんじゃないんですか?」
わたくしは少し違います。少なくとも今まで見てきた貴方の事は信頼に足る方だと思っています。ですのでどうか、この信頼に応えてみせてください」
 そう言葉を残してレヴィリアさんは前回と同様に前触れもなく一瞬で姿を消した。
「勝手を言ってくれるな…………」
 渡されたアミュレットを握り締める。不思議と力が湧き上がるような気がする……やれやれだ。まだ聞きたい事もあったのに都合よく押し付けられたもんだ。
「時間がない、か」
 次が最後の戦いだ。全部まとめてけりを付けてやる――まぁその前にフィオ達を取り戻すのが先だが!

「さあワタル、フィオ達を取り戻すわよ!」
「ああ!」
 双子の襲撃から三日目、ティナとリュン子が戻った。ドワーフの方もそうだがエルフの方は因縁があるのに三日でよく纏まったものだ。ティナがどれほど頑張ってくれたのかフィオ達を想ってくれているのかが伝わってくる。ドワーフもこの世界での事を考えればまだまだ不安定な部分が多いだろうに……リュン子も相当頑張ってくれたんだろう。絶対にフィオ達を取り戻すという決意の下俺たちはアドラの天幕に足を踏み入れた。
「てめえ、何の用――めちゃマブい……他のエルフと比べてもだんちじゃねぇか。おい、お前――」
「汚い手でティナに触るな」
「てめえはお呼びじゃねぇんだよッ、すっこんでろ。焼くぞゴラァ」
 近付きティナの肩を抱こうとした導の手を払うと敵意を剥き出しにして両手に黒炎を踊らせる。
「少し黙れ導」
「ッ! でもよぉ兄貴――わかった。わかったよ降参だ。その代わり話が終わったら――」
「結果次第だ」
 今にも襲い掛かりそうだった導を奥から出てきた毒島が制止した。横にはフィオ達を連れている……瞳は曇り生きることに希望を見出だせないといった様子だ。当然俺やティナに視線を向けもしない。
「それで、何の御用かな? そちら覚醒者も引き渡してくださるのか?」
 毒島の言葉でフィオ達に戦慄が走った。表情を出さないように努めていた二人の顔にはこの世の終わりでも見たような恐怖がありありと浮かんでいる。
「いいえ、ワタルは渡せないわ。今日伺ったのはフィオ達の件で交渉がしたいからよ」
「交渉? エルフのあなたが?」
「ええそうよ。私はクオリアの代表として話をしに来ているわ、そのつもりで聞いていただけるかしら?」
 参戦してからいくらかエルフを見たようだがアドラにとってエルフと人間は険悪な仲だというイメージが定着しているようでティナの申し出に毒島は少なからず驚いた様子だ。
「……伺いましょう。それで、交渉とは?」
 毒島がアリスに指示をすると奥から双子と、明らかに兵士ではない事務員っぽい人を連れてきた。ハーフアップの方と導は敵意を剥き出しの目を俺に向ける、それに反応してフィオ達が怯えながらも注意深く二人を見張っている。
「まず自己紹介させていただくわ。私はクオリア王家のティナ・クオリア、そしてこっちが――」
「如月航だ。それから――」
「ヴェッリル連山のドワーフ、アダマント氏族のリュンヌ・ルフレ・アダマントだ」
 ティナの名前を聞いた途端に毒島や他の者の眦が動いた。特に導と事務員の男は驚いたようで表情が固まっている。
「それはそれは、お姫様――いえ、女王様ですか? それがわざわざアドラの道具に興味をお持ちで?」
「っ! 立場は姫よ。ふぅ……単刀直入に言うわ、フィオとアリス二人の身請けをしたいの」
 道具という言葉に反応して冷静さを欠きそうだったティナは息を吐き冷静さを取り戻したようだ。
「そりゃまた酔狂なこって……お前がやらせてんのか?」
 導が俺を見下し馬鹿にしたような目を向けてくるが相手にはしない。話をするべきは毒島のみだ。無視された事で更に敵意を燃やし黒炎をチラつかせたが毒島に脅されて怒りを収めたようだ。
「やめろ導、邪魔をするなら退室しろ。でなければ……分かっているな?」
「わわ、わ、分かってるって兄貴、もうしない。傍観する」
「だといいがな……それではあなた方は対価として何を差し出される? これらは稀少品だ。内面に歪みが生じて不安定ではあるが性能自体は上がっている、これを手放せと仰るなら相応の対価が必要になるが」
 性能? 歪み? ……二人の感情を歪みと断じてどこまでも物として扱おうとする毒島の態度に腹立たしさが募っていく。それを察したのかティナが手を強く握って抑えろと視線を送ってくる。分かってるよ、ヘマやって台無しにする訳にはいかない。何としてでも今日取り戻す。
「こちらにはアドラ国民全ての食糧を三年間確実に賄えるだけの用意があるわ」
「しかし、食糧問題は五か国同盟からの支援で食い繋ぐだけであれば事足りる。わざわざ稀少品を渡す価値は見出だせない。貴族共が色々と試してはいるようだがこの水準の物は作られてはいないのでな、これは本当に稀少な物なのですよ」
 表情を欠片も出さないままにフィオの頭を掴んで揺すり回す毒島の手つきは人間を撫でているようなものではなく物に触れているそれだ。フィオは毒島に触れられているという事で怯えきって目を固く閉じている。
「何か?」
「……いいや、絶対に二人を取り戻そうと思っただけだ」
「力ずくかな?」
「いいえ! ワタルにそんな事はさせない。食糧支援の他に荒れた土地の再生の支援も可能よ、聞いた限りだと元の肥沃な大地に戻すにはかなりの歳月が必要なのでしょう? クオリアにはそういう事に長けた者も居るわ。再生に掛かる歳月はかなり短縮出来る、貴方たちはいつまでも支援に頼りっきりにはいかないでしょう? 食料自給率を元の水準に戻す事は大きな課題なのではないかしら? それに、私たちエルフには大した時の流れではなくてもあなた達人間にとって時間の短縮は大きなことではなくて?」
「……具体的にはどの程度の短縮が見込める?」
「焼失した規模によるわ。地図はあるかしら?」
 ティナの呼び掛けで毒島が事務員に視線を向けると冷や汗を流しつつ慌てて奥に引っ込み地図を片手に駆け戻ってきた。
「ここ、それから大体この辺りまでだな。この範囲はぺルフィディとやらが現れあっという間に広がった地域だ。領地に化け物が溢れる事を恐れた貴族が微調整できぬとも知らずにスヴァログで全て焼いて何も残ってはいない。そこからは自分だけ領地を失うなど耐えられぬと八つ当たりと化け物への混乱の連鎖で焦土の拡大だ」
 毒島が地図に印を付けて線で結び囲いを作る。こんなに広範囲を焼いたのか……一体どれだけの犠牲が――そんな事を考えていた時に囲われた範囲にあの港町があった。そうか……あの人達はもう…………。
「かなりの規模ね。大陸の半分近くが……そう、こんなに焼いたのね……そうね……流石にこれだと全てを再生させるには結構な歳月が必要だわ。ある程度再生させるのにも……人が暮らす範囲の最低限の農地とかだけなら二年くらい、かしら」
「へぇ~! そりゃ凄い。山火事とかで焼けた場所が再生するには何十年も掛かるって聞いたことがあるぜ」
 口笛を吹いた導がしまったという顔をした。毒島が少し思案をし始めた事で俺たちへの追い風になったと思ったんだろう。
「あたし達ドワーフは建築技術の供与とか、町の復興に協力する用意があるぞ。復興の為の物資もある程度提供出来る」
「……なるほど。確かに今のアドラに必要な支援と言える。だが再生も復興も時間が解決する、早いか遅いかだろう? この先何十年と使う道具を失う事に見合うかな」
 毒島の何十年という言葉に二人の瞳が宿す絶望の色がより一層濃くなるのを感じた。
「民の暮らしを安定させるのが上に立つ者の務めでしょう! これ以上一体何を望むっていうの!? ――取り乱してごめんなさい。では、アドラは他に何を望まれるのかしら? お国柄としてはエルフの奴隷かしら?」
「それは今必要としていない」
「あら意外ね、復興の為にいっぱい欲しいのだと思ったわ」
 エルフを要求されるかと身構えていたティナは拍子抜けしたようだ。 
「……皆退室してもらおう、残りの交渉は姫と二人で行う」
「ふざけるなッ、そんな危険なことさせられるかッ」
「ずりぃよ兄貴、俺も楽しみたいぜ――かーっ、じゃあ食べ残しを期待しとくよ」
 食い下がろうとした導だったが毒島の目を見ると事務員同様にさっさと出ていった。それに付いて双子も出ていく。
「私は退室しろと言ったのだが?」
「ふざけるな、ティナを一人に出来るかッ」
 導の言葉で不安が膨れ上がった。何よりフィオ達を道具扱いしてる奴だ、ならその思考はアドラそのものでエルフ達を奴隷と捉えている可能性が高い――。
「いいわ、フィオ達はワタルを連れて外に行きなさい」
「ティナ!?」
「行け」
「ちょ、放せ。フィオ! アリス!」
 二人に拘束されて天幕から連れ出された。戻ろうとする俺を震える二人の手が掴み、行く手を双子が阻んだ。
「兄貴の目に止まっちまうとは運がなかったなあの姫、どうなっちまうんだろうなァ?」
「退け」
「ざけんな、誰が退くかよ燃やすぞカス」
「ワタル駄目」
「シルベ……様も、ブスジマ様が怒ります」
 フィオとシエルが止めに入る中俺は男と睨み合う。フィオ達は絶対に取り戻さないといけない、でもその為にティナが犠牲になるなんて事あってはいけない。
「そういや聞いたぜ伝言、てめぇで来いだったよなァ? やってやるぜなよっちいオカマ野郎――」
「そこまで! ワタル落ち着いて」
「なッ!? 嘘だろ兄貴……超早漏――」
「リエル、導を叩き潰せ。お前はその下品な思考を少しは直せ」
「うぎゃーッ!?」
 一触即発の場に出てきたティナに押さえつけられて落ち着きを取り戻した俺とは違い、導の方はハーフアップの娘に局部を叩き潰された……ような気がする。あれ本当に潰れたんじゃなかろうか。
「ティナ、なんともないのか?」
「ええ、話をしていただけよ。心配し・す・ぎ」
「そうか……良かった」
「そ・れ・か・ら! フィオ、アリス、おかえりなさい」
『え…………?』
 俺と二人は意味が分からず視線をティナと毒島とを行き来させるとティナが微笑み書面を広げた。
「お前達は姫に引き渡す。もうアドラの物ではない」
 一瞬言葉が理解できず、次第に毒島の放った言葉は二人に浸透していき、それは雫となって溢れ出した。呪いとも言えるほどに二人を雁字搦めにしていた呪縛から解き放たれた瞬間だった。
「おお! ティナやったのか、あたしは蚊帳の外にされたから不安だったぞ」
「ティナ……ティナありがとう、リュン子もありがとう。助けてくれて……怖かった、ずっと怖かった。楽しいのも、幸せなのも、これで終わりなんだって――ずっと怖かったよわたるぅ」
「私も、私も怖かった。せっかくみんながくれた居場所にもう居られないって怖かったよぉ」
 フィオが俺に顔を押し付けて声を上げ始めたのにつられてアリスも泣きじゃくる。愛しいものを取り戻した――取り戻せた。大切なぬくもりを抱き寄せてその存在を確かめた。
「ケッ、なよっちいオカマでロリコンかよ。あー気色悪い、何でこんな道具にそこまで入れ込むかねぇ?」
「私のワタルや家族を馬鹿にしないでくれるかしら。男の嫉妬はみっともないわよ?」
「あ゛あ゛? 嫉妬だと? 姫だからってふざけたことぬかしてんなよ。ハメ殺すぞコラ」
「ワタルに勝てるものならやってみなさいよ!」
 なんで交渉が終わった途端に煽ってるんだよ……まぁ二人が帰ってきたからなんでもいいんだが。青筋を立てている導の後ろでリエルが目じりを吊り上げ眉間にしわを寄せて怒りを露にしている。シエルの方は信じられないものを見たといった様子で目を真ん丸にしてフィオを見つめている。
「毒島、そこの双子も身請けする事は出来ないか?」
「ちょ――ワタル!?」
 ようやく面倒な交渉を終えたばかりのティナが目を丸くした。それどころか毒島さえも何を言い出すのかと驚きを隠せない様子だった。
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