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終章~人魔大戦~
全てを焼き尽くすその日まで
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結論から言おう…………逃げられませんでした! 二つ目の願いで俺の事を婿にすると言い出したロフィアはアリシャを呼びつけその能力で俺の力では絶対に壊せない首輪と鎖を出現させて俺に取り付けた。勿論抵抗はしたが消耗している俺に持久戦を挑んできたエピカリにもイェネにも敵うはずもなく、難なく押さえ付けられ首輪を装着された。鍵はロフィア、エピカリ、イェネ、リニスの四人が持っていて全部揃えないと外せないというおまけ付きだ。
ロフィアは今、首輪に繋がれた鎖を弄んでご満悦の表情でソファーに寝そべっている。俺の女運って両極端だよな……フィオやリオみたいなかけがえのない存在に出会いもすればシズ姉ぇにアスモデウス、今回のロフィアみたいなのに絡まれたりもする。女難の相でもあるんだろうか……?
「帰りたいんだが…………」
「おめぇがなんでもするって言ったんだろ。ロフィア様が満足されるまでお前は一生ペットだよ」
「そもそもなんで俺なんだ?」
「くだらぬ事を聞くな、ファーディンを倒せる能力、妾たちに取り込むべきものだ。より優秀な子孫を残す為にもな。就いては種を提供する者達を選出する。今回良い土産を持って帰ったアルアナは当然として……そうだな、お前を待っていた者達と……あとはエピカリ、イェネ、それとリニスもいっておくか?」
俺を無視して超展開に……ミシャが大変な時にこんなのに付き合ってられるか。アルとサナって娘にお礼をしてこれ以上訳のわからん状態に陥る前にどうにか帰らねぇと……俺はミシャに会いたいんだ!
「ロフィア様、私は辞退させていただきたく存じます」
「むっ? 何が不満だ? 性格か? そこは我慢せよ。妾も正直あまり好かぬ、戦士のくせに軟弱なきらいがある。まぁそこは妾の調教次第で改善が可能なはずだ、安心せよ。何より強い子が出来るのが重要だ」
酷い言われ様だ……別に好かれなくていいが、なら解放してくれと……力だけが目当てなんだなぁ。そこをいくと好意がある分シズ姉ぇとかは可愛げがあったかもしれない。
「あぁいえ、そうではなくロフィア様所有の者から御情けを受けるのは問題があるかと思いますので」
「そのような事を気にするな、妾は気にせぬ。そなたら三人は近衛の中でも妾が特に信頼する三人、なれば同じ種で子を宿すというのも一興。どの子も継ぐ才能は多かろう、アマゾーンの未来を切り拓く素晴らしい人材となるだろう」
「悪いが俺は嫌だぜ。何が悲しくてこんな奴の子を宿さないといけないんだ。いくらロフィア様の命令でもこればっかりは聞けない。当然アルにも辞退させる」
親の仇でも見るかの如くイェネは鋭い眼差しを向けてくる。隙あらば潰してやるというチリチリとした殺気を下半身に感じて居心地が悪い。俺が一体何をした…………。
「……イェネ、よもや男の相手をするのが恐ろしいのではないだろうな?」
「なっ!? 何を馬鹿なっ、いくらロフィア様だろうと俺は怒るぜ、そりゃもう存分に暴れてやるさ。こんな奴が怖いもんか」
「ふむ……妾とばかり伽をしていたせいで男を毛嫌いするようになってしまったな。性格がどうであれ強い者は強いと認められる度量はあったはずだが。優れた者はその血を多く残すべきだろう? 残すなら相手も優れている方がいい、妾たちが倒せなんだファーディンを倒した者だ。戦いぶりはアルアナから聞いたであろう、これ以上の相手が他に居るか?」
俺の意識は完全においてけぼりで話は進む。正直イェネがどうしようが興味が無いらしいエピカリは俺の背中にのし掛かり腕を握ってみたり太腿を撫でたりと一々挑発するような行動を取る。睨み付けようと目を合わせようものなら嬉しそうに妖艶な笑みを向けてくる。色香があるのもアスモデウスに近いかもしれない。まぁ今の俺は一切惑わされる事はないが……生きていると分かっても自分で確認するまでは落ち着かない。声を掛ければ気が付くかもしれない、そんな淡い希望もあって早く帰りたかった。ミシャだけじゃない、フィオ達の病状も気になるし飛び出してきたからナハトが心配しているだろう……一刻も早く帰らねぇと――この鎖……壊すのは無理、ならこのまま脱走すべきだが、イェネと言い合いをしていてもロフィアはしっかりと鎖を握り締めていて軽く引っ張ってみても放す気配はない、こちらを一瞥して後で可愛がってやるから大人しくしていろと言い放ちイェネとリニスの説得に戻った。
「ねね、先に始めちゃう?」
「何をだ……俺には決まった相手が居るんだよ。お前達の相手なんてしてられるか――アリシャ、これ解いてくれ」
「それはちょっと無理かな。そんな事したら首飛ばされちゃう」
「……アリシャの能力って何でも出来るんだろ? イェネを男にして相手を務めさせればいいんじゃないのか。アマゾネスの中で一番なんだろ?」
「おいてめぇふざけんなよ、俺達は女だけの部族だ。男になんてなったら用がすんだら追放されるだろうが! 俺の居場所はここだ!」
憤慨したイェネは俺の首を掴み持ち上げ締め上げる。なんつう馬鹿力だ……フィオ達だって俺をぶん投げる力はあるがこいつも相当だ。呼吸出来ずに死ぬよりも首が折れて死ぬ方が早そうだ。締め上げるイェネの手の間に自分の指を滑り込ませているが全く引き剥がせない……やべ、意識飛ぶ――。
「放、せ……!」
「っ! チッ、アルの言ってた黒い雷か」
飛び退いたイェネに落とされ膝を突き咳を繰り返しながら体が欲しがる酸素を必死に吸い込む。危なかった、一瞬死んだ母さんやばあちゃん達とお花畑が見えた。
「落ち着きなさいイェネ、アリシャの能力は生物に直接作用する事が出来ないのは実験済みでしょう? 生物にも影響与えられるならファーディンを楽に倒せてたはずなのだから。それにロフィア様がそんな事を望むはずないでしょう?」
「お、おう。そうだった、こいつが馬鹿な事言うもんだから頭に血が上った」
「生物に直接作用してもファーディンの反転で無効化されちゃってた可能性が高いですけどね」
そういえばバイコーンに追われた時にそんな事を言ってたか……?
「なぁ、アリシャの能力ってなんなんだ?」
「ん~? あの娘の能力は意識して言葉にした事が現実になるってものよ。口にした嘘は真実に、事実は嘘に……あなたの能力が雷ならあの娘は虚実ね。ファーディンにはその悉くが反転させられて力を発揮出来なかったけどね」
小声での問いにエピカリも小声で返してきた。どのくらいの規模まで効果を及ぼすのか分からないがそれでもとんでもない能力な気がする。使い方次第か……前回の様子から考えてまだ慣れてないんだろうな。
「はぁはぁ……やっと落ち着いてきた。鎖放してくれませんか?」
「嫌だ。何故そのような事をしなければならない? 貴様は既に妾の婿逃げられぬぞ」
「俺は帰る」
「他の女が気になるのか……ならば縁を切れ。これが次の願いだ」
さも当たり前の事だとでも言うようにロフィアがフィオ達との別れを強要してきた。
「絶対に嫌だ!」
「何が不満だ? ここには女はいくらでも居るぞ、強い血を残すならば妾は何人でも咎めぬが?」
「だからそもそもそれが嫌だって言ってんだろ、種馬なんてやらねぇぞ」
「どこに不満がある? 女を囲う程に性欲の強い男が。妾の身体も好きに出来るのだぞ、これ以上の幸せもあるまい?」
身体のラインをなぞり強調しながらのドヤ顔……うんまぁ見た目は美人ですよ。見た目はね。だからって目ん玉抉ったサディストな女とそんな訳の分からん関係になれるものか、俺はミシャが心配で仕方ないんだ。さっさと帰らせろ。
「お断りします」
「そうだろうそうだろう、この世のものとは思えぬ喜びと栄誉……なぬっ!? 今、なんと申した?」
「お断りします。興味ないので」
「なっ!? なんだとぉう!? 妾だぞ! 妾の身体だぞ!? それに触れても良いと言っているのになんだその態度は! 貴様、この素晴らしき肢体に触れたくはないのかっ!」
「綺麗なだけの女に興味も意味もありません」
俺は中も外も揃ってこそ美人だと思うのだよ。そしてそんな存在は身近に多い。
「くっ……ならエピカリはどうだ? 同性とて惑わされる色香、貴様もそそるであろう? 婿であれば好きに出来るぞ? 妾の言いなりとなれ」
開いた口が塞がらないといった様子だったロフィアは眉間に皺を寄せて僅かに思案するとエピカリへと水を向けた。こいつは完全に俺の事を性欲の権化だと思い込んどるな……アスモデウスの誘惑にも耐え、普段の何気ない誘惑挑発全てを撥ね退けている近年稀に見る我慢強さですよ俺は。
「似たような雰囲気の女を知ってるが俺とは相性が悪い。それに今は惑わされる事もないな」
「……ならっ! リニスはどうだ。貴様を追って来たのは小さい子供だったな、であれば、奇特だが小さいのが好みなのではないか? ここにはリニス以上の小柄は居らぬ。貴様も目を奪われる愛らしさであろう?」
引っ張り出されたリニスと俺は何とも言えない空気の中で見つめ合う。澄んだ翠の瞳と横にまとめた鴇羽色の髪がどうしたものかと揺れている。なんとなく察してしまった、この人気苦労が多そう……相手も何かを察したようでお互いに長いため息を吐いた。
「大変そうですね」
「いえ、あなたの方こそ周囲に振り回されて大変そうです」
「色々あってね」
「分かります」
俺達は通じ合い固い握手を交わした。あぁ、この人普段貧乏くじ引いてんだろうなってのが直感で分かってしまった。
「うむうむ、分かりあえたようで何より。では三人で楽しむとするか」
『お断りします』
「っ!? 貴様ら何を結託している! リニスはこちら側であろうが。いい加減にしろ貴様、さっきから無理だ嫌だとそればかりではないか、妾は一つも満足しておらぬぞ。ファーディンの件で男でありながら認めてやったというのに……調子に乗りすぎではないか?」
鎖を引き俺を引き倒して頭を踏み付ける。倒される瞬間に見えた表情は苛立ちと嗜虐に染まっていた。
「やはり最初からこうしておけばよかった。まともに扱ってやろうと思ったがやめだ。最初に会った時に妾は言ったな、目が無くとも手足が無くとも種馬は務まると、再生しているそれをもう一度抉ってやろう。妾は欲しいものは全て手に入れる、良い玩具も! 強い後継も! 弱い男など相手にする価値も無い。選んでやったのだ、ありがたく思い何度でも果てよ」
果てよってどっちの意味だ!? ナイフ片手に鎖を短く持ち、蹴り転がして仰向けにした俺の上へと跨がった。あぁ、やれやれ……そろそろ我慢も限界だし気絶してもらおう。愉悦に染まった表情で見下ろすロフィアを一瞥して黒雷を纏おうとした刹那にイェネがロフィアをつまみ上げた。おかげ黒雷は空振りだ。
「おぉ、良い見切りだイェネ。妾としたことが興奮して警戒を忘れておった。先ずは手足を潰すとしよう、動けねば逃げる気も起きまい?」
逃げる気満々ですが? 感電を避ける為に放した鎖を手繰り寄せて回収、これは帰った後でどうにかしよう。バテてるが雷迅で一気に駆け抜ける!
「ざんね~ん、私もあなたに興味があるから邪魔しちゃうわね。この四人から逃げられるかしら?」
絶対帰る、さっさと帰る、今すぐ帰る……帰る? 帰る帰る…………。
「ああっ!? そうだよ、帰せばいいんだ! さっき何一つ叶えてないって言ったな、呪いの解除は可能性がある。あとは元の世界への帰還でどうだ? 帰れるなら俺なんてどうでもいいだろ?」
「帰還? 帰れるのですか!?」
「一応世界の移動は可能です」
自分の世界以外の行き来は経験ないがもさふさが居ればどうにかなるはず、召喚出来たなら帰す事も出来るはずだ。
「ロフィア様! 帰還が叶います!」
嬉しげにロフィアを止めに入るリニスだったが女王は渋い表情をして考え込んでいる。
「帰る、だと? 妾たちは理不尽にこの世界へと呼びつけられた。その上捕らえられた同胞たちは豚共の玩具にされ無惨に殺され打ち捨てられた。ファーディンは始末出来てもまだ他にも居るだろう? それを殺し尽くすまで帰るなどという言葉を口にするな。無念を晴らし敵に妾たちを呼びつけた事を後悔させ殺してくれと懇願させる、それをしてこそ女王であろう?」
「くっくっく、流石ロフィア様だぜ。俺が惚れた女王様、どこまでもお供するぜ」
「当然だ馬鹿者、豚に見下されたままでいられるものか。この目的は絶対だ。つまりは戦力が要る、しっかりと働け種馬よ」
結局そこに戻るのかよ!?
「待てマテまて、魔物を倒すって目的が一緒なら協力しよう。一応認めてくれたんでしょう? あと無茶苦茶するとまた呪いを受けますよ。あんなにブチ切れたフィオ俺でも止められないですからね」
「あの子供か……確かにあのような戦力があるなら共闘を考えるのも悪くはない、か。忌々しい子供め……あのような無様な敗北……まだ傷が疼くわ」
殆ど痕は残っていないがフィオとの戦闘を思い出してかロフィアが苦い表情で自身の身体を撫でる。
「少し考える。貴様で遊ぶのはまただ。アリシャ、鎖をその辺に繋いでおけ。外れぬようにな。世話はリニスに任せる」
『かしこまりました』
退室するロフィアに付いてイェネとエピカリも出ていった。残されたのはリニスと人間の頭程の太さの杭に鎖を繋がれた俺とアリシャ。これじゃ外で飼われてる犬だ。室内だけど…………。
「それは心配ですね、早く帰りたいというお気持ち分かります」
「なら――」
「ですが私はロフィア様にお仕えする身、裏切りを働く訳には参りません。どうかご容赦ください」
駄目か……本当に申し訳なさそうにするリニスに無理を言うのも可哀想だろう、彼女は命令に従ってるだけなのだ。それにしても以外だ、種馬だなんだと道具扱いだっただけに理解を示してくれるとは思わなかった。この人が一番話の分かる人かもしれない。
「話を変えましょう。アイオーンの森の先の事に興味はありませんか?」
「っ! 何か知っているんですか? 魔物に連れられて結界から出たとか? 何か情報があるならなんでも」
「期待させて申し訳ありませんが我々の知っている事は多くありません。先に行った者が居たとしても帰ってはいません。我々が知っているのは三つ、先ずは結界の先からこちらに侵入してきたものの事を」
侵入してきた? 行き来を自由にするって事は敵の情報伝達係か何かか? 或いはディーに直接関係するものの可能性も――。
「あぁ、あれですねリニス様。あのへびがわ……思い出しただけで気分が…………」
蛇革? 侵入者の話じゃないのか? そいつが身に付けていたとかか? よほど嫌なのかアリシャの顔は相当に渋いものへと変わってしまった。
「ワタル、何か勘違いしてそうだけど、蛇のかわだよ」
「革だろ?」
アリシャと二人して妙なジェスチャーを繰り返す。今の動きはどう見ても革を表してるだろ、何が違うんだ。
「こうだよっ」
「こうだろっ?」
「何やってるんですか二人とも、落ち着きなさい。ワタルさん流れる川の事です。流れているのは水ではなく蛇でしたが……大小様々な蛇が森の向こうから侵入してきて人を襲い囓り殺す。少量なら切り捨てればいいだけですが大河となるほどの量では被害も出てしまいました」
「魔物じゃなく蛇ですか? 多頭の物や異常な大きさだったとかは?」
「いいえ、どれも蛇の範疇の大きさで特殊な形の物はいなかったはずです」
嫌な事を思い出したのかリニスも眉をひそめてため息を吐いている。蛇、か……蛇、ヘビ、へび…………そういえばニーズヘッグは多くの蛇を従えているってのを何かで読んだ覚えが……名前が同じだけじゃないのか。ニーズヘッグが居るとは限らないが可能性は高いかもしれない。
「次に、白くぶよぶよとした皮に覆われ所々に膿疱のようなもののある人型の生き物です。ですがこれは人間魔物問わずに襲い掛かっていましたので魔物にとっても敵と言っていいかもしれませんね」
ペルフィディ……ここに至るまで見かける事がなかったが大陸の北部に移動していたのか。
「それとは戦いましたか?」
「はい。襲い掛かってきたので仕留めたと聞いています。それが何か?」
「瘴気を浴びてなんともなかったんですか?」
「瘴気? 膿疱から噴き出した煙や液体ですか? 確かに討伐にあたった者には多少障りが出ていますが……ワタルさんはあれについてご存知なのですか?」
多少の障り程度で済んでいるのか……リニス達にペルフィディについて話すと元が人間だという事に酷く驚いた様子だった。そしてどうにかワクチンを譲って欲しいと頭を下げられた。症状から考えて必要はないかもしれないが念の為って事だろう。
「最後は侵入してきたものではありません。私たちがこの世界へと呼ばれて間もない頃森の調査をして行き止まりぶつかった時に大きな地鳴りのようなものを感じました。そして耳を劈くような怪物の声も……地を伝う震動は何か巨大な生き物が暴れているようでした。ロフィア様はああ仰ってましたが私は先へ進む事に些かの不安があります。地形の有利などもあったとはいえ私達はファーディンすら倒せなかった。それなのに敵の首領へと近付く事は無謀ではないでしょうか、と。ワタルさんにはそういった不安はありませんか?」
「不安はあります。ただし、何もしなかったら全てを失うって不安です。魔物はもう何度も人間の領域に侵入してきている。滅ぼさないと、いつ大切なものを失うか分からない。理不尽に奪われたくないなら立ち向かうしかない、そう考えています。後悔しないためにも」
「そう……ですね。留まった所で奴らに襲われるのを待つだけ、そのような事は戦士として我慢なりません。皆殺しにしなくては」
澄んだ翠に狂気の色を宿してリニスぽつりと呟いた。あの狂気は俺にもあるんだろう、魔物だって生き物だ。元を辿れば魔物だって呼び出された被害者、それでも尚殺し尽くすべきだと俺も思うのだから。
ロフィアは今、首輪に繋がれた鎖を弄んでご満悦の表情でソファーに寝そべっている。俺の女運って両極端だよな……フィオやリオみたいなかけがえのない存在に出会いもすればシズ姉ぇにアスモデウス、今回のロフィアみたいなのに絡まれたりもする。女難の相でもあるんだろうか……?
「帰りたいんだが…………」
「おめぇがなんでもするって言ったんだろ。ロフィア様が満足されるまでお前は一生ペットだよ」
「そもそもなんで俺なんだ?」
「くだらぬ事を聞くな、ファーディンを倒せる能力、妾たちに取り込むべきものだ。より優秀な子孫を残す為にもな。就いては種を提供する者達を選出する。今回良い土産を持って帰ったアルアナは当然として……そうだな、お前を待っていた者達と……あとはエピカリ、イェネ、それとリニスもいっておくか?」
俺を無視して超展開に……ミシャが大変な時にこんなのに付き合ってられるか。アルとサナって娘にお礼をしてこれ以上訳のわからん状態に陥る前にどうにか帰らねぇと……俺はミシャに会いたいんだ!
「ロフィア様、私は辞退させていただきたく存じます」
「むっ? 何が不満だ? 性格か? そこは我慢せよ。妾も正直あまり好かぬ、戦士のくせに軟弱なきらいがある。まぁそこは妾の調教次第で改善が可能なはずだ、安心せよ。何より強い子が出来るのが重要だ」
酷い言われ様だ……別に好かれなくていいが、なら解放してくれと……力だけが目当てなんだなぁ。そこをいくと好意がある分シズ姉ぇとかは可愛げがあったかもしれない。
「あぁいえ、そうではなくロフィア様所有の者から御情けを受けるのは問題があるかと思いますので」
「そのような事を気にするな、妾は気にせぬ。そなたら三人は近衛の中でも妾が特に信頼する三人、なれば同じ種で子を宿すというのも一興。どの子も継ぐ才能は多かろう、アマゾーンの未来を切り拓く素晴らしい人材となるだろう」
「悪いが俺は嫌だぜ。何が悲しくてこんな奴の子を宿さないといけないんだ。いくらロフィア様の命令でもこればっかりは聞けない。当然アルにも辞退させる」
親の仇でも見るかの如くイェネは鋭い眼差しを向けてくる。隙あらば潰してやるというチリチリとした殺気を下半身に感じて居心地が悪い。俺が一体何をした…………。
「……イェネ、よもや男の相手をするのが恐ろしいのではないだろうな?」
「なっ!? 何を馬鹿なっ、いくらロフィア様だろうと俺は怒るぜ、そりゃもう存分に暴れてやるさ。こんな奴が怖いもんか」
「ふむ……妾とばかり伽をしていたせいで男を毛嫌いするようになってしまったな。性格がどうであれ強い者は強いと認められる度量はあったはずだが。優れた者はその血を多く残すべきだろう? 残すなら相手も優れている方がいい、妾たちが倒せなんだファーディンを倒した者だ。戦いぶりはアルアナから聞いたであろう、これ以上の相手が他に居るか?」
俺の意識は完全においてけぼりで話は進む。正直イェネがどうしようが興味が無いらしいエピカリは俺の背中にのし掛かり腕を握ってみたり太腿を撫でたりと一々挑発するような行動を取る。睨み付けようと目を合わせようものなら嬉しそうに妖艶な笑みを向けてくる。色香があるのもアスモデウスに近いかもしれない。まぁ今の俺は一切惑わされる事はないが……生きていると分かっても自分で確認するまでは落ち着かない。声を掛ければ気が付くかもしれない、そんな淡い希望もあって早く帰りたかった。ミシャだけじゃない、フィオ達の病状も気になるし飛び出してきたからナハトが心配しているだろう……一刻も早く帰らねぇと――この鎖……壊すのは無理、ならこのまま脱走すべきだが、イェネと言い合いをしていてもロフィアはしっかりと鎖を握り締めていて軽く引っ張ってみても放す気配はない、こちらを一瞥して後で可愛がってやるから大人しくしていろと言い放ちイェネとリニスの説得に戻った。
「ねね、先に始めちゃう?」
「何をだ……俺には決まった相手が居るんだよ。お前達の相手なんてしてられるか――アリシャ、これ解いてくれ」
「それはちょっと無理かな。そんな事したら首飛ばされちゃう」
「……アリシャの能力って何でも出来るんだろ? イェネを男にして相手を務めさせればいいんじゃないのか。アマゾネスの中で一番なんだろ?」
「おいてめぇふざけんなよ、俺達は女だけの部族だ。男になんてなったら用がすんだら追放されるだろうが! 俺の居場所はここだ!」
憤慨したイェネは俺の首を掴み持ち上げ締め上げる。なんつう馬鹿力だ……フィオ達だって俺をぶん投げる力はあるがこいつも相当だ。呼吸出来ずに死ぬよりも首が折れて死ぬ方が早そうだ。締め上げるイェネの手の間に自分の指を滑り込ませているが全く引き剥がせない……やべ、意識飛ぶ――。
「放、せ……!」
「っ! チッ、アルの言ってた黒い雷か」
飛び退いたイェネに落とされ膝を突き咳を繰り返しながら体が欲しがる酸素を必死に吸い込む。危なかった、一瞬死んだ母さんやばあちゃん達とお花畑が見えた。
「落ち着きなさいイェネ、アリシャの能力は生物に直接作用する事が出来ないのは実験済みでしょう? 生物にも影響与えられるならファーディンを楽に倒せてたはずなのだから。それにロフィア様がそんな事を望むはずないでしょう?」
「お、おう。そうだった、こいつが馬鹿な事言うもんだから頭に血が上った」
「生物に直接作用してもファーディンの反転で無効化されちゃってた可能性が高いですけどね」
そういえばバイコーンに追われた時にそんな事を言ってたか……?
「なぁ、アリシャの能力ってなんなんだ?」
「ん~? あの娘の能力は意識して言葉にした事が現実になるってものよ。口にした嘘は真実に、事実は嘘に……あなたの能力が雷ならあの娘は虚実ね。ファーディンにはその悉くが反転させられて力を発揮出来なかったけどね」
小声での問いにエピカリも小声で返してきた。どのくらいの規模まで効果を及ぼすのか分からないがそれでもとんでもない能力な気がする。使い方次第か……前回の様子から考えてまだ慣れてないんだろうな。
「はぁはぁ……やっと落ち着いてきた。鎖放してくれませんか?」
「嫌だ。何故そのような事をしなければならない? 貴様は既に妾の婿逃げられぬぞ」
「俺は帰る」
「他の女が気になるのか……ならば縁を切れ。これが次の願いだ」
さも当たり前の事だとでも言うようにロフィアがフィオ達との別れを強要してきた。
「絶対に嫌だ!」
「何が不満だ? ここには女はいくらでも居るぞ、強い血を残すならば妾は何人でも咎めぬが?」
「だからそもそもそれが嫌だって言ってんだろ、種馬なんてやらねぇぞ」
「どこに不満がある? 女を囲う程に性欲の強い男が。妾の身体も好きに出来るのだぞ、これ以上の幸せもあるまい?」
身体のラインをなぞり強調しながらのドヤ顔……うんまぁ見た目は美人ですよ。見た目はね。だからって目ん玉抉ったサディストな女とそんな訳の分からん関係になれるものか、俺はミシャが心配で仕方ないんだ。さっさと帰らせろ。
「お断りします」
「そうだろうそうだろう、この世のものとは思えぬ喜びと栄誉……なぬっ!? 今、なんと申した?」
「お断りします。興味ないので」
「なっ!? なんだとぉう!? 妾だぞ! 妾の身体だぞ!? それに触れても良いと言っているのになんだその態度は! 貴様、この素晴らしき肢体に触れたくはないのかっ!」
「綺麗なだけの女に興味も意味もありません」
俺は中も外も揃ってこそ美人だと思うのだよ。そしてそんな存在は身近に多い。
「くっ……ならエピカリはどうだ? 同性とて惑わされる色香、貴様もそそるであろう? 婿であれば好きに出来るぞ? 妾の言いなりとなれ」
開いた口が塞がらないといった様子だったロフィアは眉間に皺を寄せて僅かに思案するとエピカリへと水を向けた。こいつは完全に俺の事を性欲の権化だと思い込んどるな……アスモデウスの誘惑にも耐え、普段の何気ない誘惑挑発全てを撥ね退けている近年稀に見る我慢強さですよ俺は。
「似たような雰囲気の女を知ってるが俺とは相性が悪い。それに今は惑わされる事もないな」
「……ならっ! リニスはどうだ。貴様を追って来たのは小さい子供だったな、であれば、奇特だが小さいのが好みなのではないか? ここにはリニス以上の小柄は居らぬ。貴様も目を奪われる愛らしさであろう?」
引っ張り出されたリニスと俺は何とも言えない空気の中で見つめ合う。澄んだ翠の瞳と横にまとめた鴇羽色の髪がどうしたものかと揺れている。なんとなく察してしまった、この人気苦労が多そう……相手も何かを察したようでお互いに長いため息を吐いた。
「大変そうですね」
「いえ、あなたの方こそ周囲に振り回されて大変そうです」
「色々あってね」
「分かります」
俺達は通じ合い固い握手を交わした。あぁ、この人普段貧乏くじ引いてんだろうなってのが直感で分かってしまった。
「うむうむ、分かりあえたようで何より。では三人で楽しむとするか」
『お断りします』
「っ!? 貴様ら何を結託している! リニスはこちら側であろうが。いい加減にしろ貴様、さっきから無理だ嫌だとそればかりではないか、妾は一つも満足しておらぬぞ。ファーディンの件で男でありながら認めてやったというのに……調子に乗りすぎではないか?」
鎖を引き俺を引き倒して頭を踏み付ける。倒される瞬間に見えた表情は苛立ちと嗜虐に染まっていた。
「やはり最初からこうしておけばよかった。まともに扱ってやろうと思ったがやめだ。最初に会った時に妾は言ったな、目が無くとも手足が無くとも種馬は務まると、再生しているそれをもう一度抉ってやろう。妾は欲しいものは全て手に入れる、良い玩具も! 強い後継も! 弱い男など相手にする価値も無い。選んでやったのだ、ありがたく思い何度でも果てよ」
果てよってどっちの意味だ!? ナイフ片手に鎖を短く持ち、蹴り転がして仰向けにした俺の上へと跨がった。あぁ、やれやれ……そろそろ我慢も限界だし気絶してもらおう。愉悦に染まった表情で見下ろすロフィアを一瞥して黒雷を纏おうとした刹那にイェネがロフィアをつまみ上げた。おかげ黒雷は空振りだ。
「おぉ、良い見切りだイェネ。妾としたことが興奮して警戒を忘れておった。先ずは手足を潰すとしよう、動けねば逃げる気も起きまい?」
逃げる気満々ですが? 感電を避ける為に放した鎖を手繰り寄せて回収、これは帰った後でどうにかしよう。バテてるが雷迅で一気に駆け抜ける!
「ざんね~ん、私もあなたに興味があるから邪魔しちゃうわね。この四人から逃げられるかしら?」
絶対帰る、さっさと帰る、今すぐ帰る……帰る? 帰る帰る…………。
「ああっ!? そうだよ、帰せばいいんだ! さっき何一つ叶えてないって言ったな、呪いの解除は可能性がある。あとは元の世界への帰還でどうだ? 帰れるなら俺なんてどうでもいいだろ?」
「帰還? 帰れるのですか!?」
「一応世界の移動は可能です」
自分の世界以外の行き来は経験ないがもさふさが居ればどうにかなるはず、召喚出来たなら帰す事も出来るはずだ。
「ロフィア様! 帰還が叶います!」
嬉しげにロフィアを止めに入るリニスだったが女王は渋い表情をして考え込んでいる。
「帰る、だと? 妾たちは理不尽にこの世界へと呼びつけられた。その上捕らえられた同胞たちは豚共の玩具にされ無惨に殺され打ち捨てられた。ファーディンは始末出来てもまだ他にも居るだろう? それを殺し尽くすまで帰るなどという言葉を口にするな。無念を晴らし敵に妾たちを呼びつけた事を後悔させ殺してくれと懇願させる、それをしてこそ女王であろう?」
「くっくっく、流石ロフィア様だぜ。俺が惚れた女王様、どこまでもお供するぜ」
「当然だ馬鹿者、豚に見下されたままでいられるものか。この目的は絶対だ。つまりは戦力が要る、しっかりと働け種馬よ」
結局そこに戻るのかよ!?
「待てマテまて、魔物を倒すって目的が一緒なら協力しよう。一応認めてくれたんでしょう? あと無茶苦茶するとまた呪いを受けますよ。あんなにブチ切れたフィオ俺でも止められないですからね」
「あの子供か……確かにあのような戦力があるなら共闘を考えるのも悪くはない、か。忌々しい子供め……あのような無様な敗北……まだ傷が疼くわ」
殆ど痕は残っていないがフィオとの戦闘を思い出してかロフィアが苦い表情で自身の身体を撫でる。
「少し考える。貴様で遊ぶのはまただ。アリシャ、鎖をその辺に繋いでおけ。外れぬようにな。世話はリニスに任せる」
『かしこまりました』
退室するロフィアに付いてイェネとエピカリも出ていった。残されたのはリニスと人間の頭程の太さの杭に鎖を繋がれた俺とアリシャ。これじゃ外で飼われてる犬だ。室内だけど…………。
「それは心配ですね、早く帰りたいというお気持ち分かります」
「なら――」
「ですが私はロフィア様にお仕えする身、裏切りを働く訳には参りません。どうかご容赦ください」
駄目か……本当に申し訳なさそうにするリニスに無理を言うのも可哀想だろう、彼女は命令に従ってるだけなのだ。それにしても以外だ、種馬だなんだと道具扱いだっただけに理解を示してくれるとは思わなかった。この人が一番話の分かる人かもしれない。
「話を変えましょう。アイオーンの森の先の事に興味はありませんか?」
「っ! 何か知っているんですか? 魔物に連れられて結界から出たとか? 何か情報があるならなんでも」
「期待させて申し訳ありませんが我々の知っている事は多くありません。先に行った者が居たとしても帰ってはいません。我々が知っているのは三つ、先ずは結界の先からこちらに侵入してきたものの事を」
侵入してきた? 行き来を自由にするって事は敵の情報伝達係か何かか? 或いはディーに直接関係するものの可能性も――。
「あぁ、あれですねリニス様。あのへびがわ……思い出しただけで気分が…………」
蛇革? 侵入者の話じゃないのか? そいつが身に付けていたとかか? よほど嫌なのかアリシャの顔は相当に渋いものへと変わってしまった。
「ワタル、何か勘違いしてそうだけど、蛇のかわだよ」
「革だろ?」
アリシャと二人して妙なジェスチャーを繰り返す。今の動きはどう見ても革を表してるだろ、何が違うんだ。
「こうだよっ」
「こうだろっ?」
「何やってるんですか二人とも、落ち着きなさい。ワタルさん流れる川の事です。流れているのは水ではなく蛇でしたが……大小様々な蛇が森の向こうから侵入してきて人を襲い囓り殺す。少量なら切り捨てればいいだけですが大河となるほどの量では被害も出てしまいました」
「魔物じゃなく蛇ですか? 多頭の物や異常な大きさだったとかは?」
「いいえ、どれも蛇の範疇の大きさで特殊な形の物はいなかったはずです」
嫌な事を思い出したのかリニスも眉をひそめてため息を吐いている。蛇、か……蛇、ヘビ、へび…………そういえばニーズヘッグは多くの蛇を従えているってのを何かで読んだ覚えが……名前が同じだけじゃないのか。ニーズヘッグが居るとは限らないが可能性は高いかもしれない。
「次に、白くぶよぶよとした皮に覆われ所々に膿疱のようなもののある人型の生き物です。ですがこれは人間魔物問わずに襲い掛かっていましたので魔物にとっても敵と言っていいかもしれませんね」
ペルフィディ……ここに至るまで見かける事がなかったが大陸の北部に移動していたのか。
「それとは戦いましたか?」
「はい。襲い掛かってきたので仕留めたと聞いています。それが何か?」
「瘴気を浴びてなんともなかったんですか?」
「瘴気? 膿疱から噴き出した煙や液体ですか? 確かに討伐にあたった者には多少障りが出ていますが……ワタルさんはあれについてご存知なのですか?」
多少の障り程度で済んでいるのか……リニス達にペルフィディについて話すと元が人間だという事に酷く驚いた様子だった。そしてどうにかワクチンを譲って欲しいと頭を下げられた。症状から考えて必要はないかもしれないが念の為って事だろう。
「最後は侵入してきたものではありません。私たちがこの世界へと呼ばれて間もない頃森の調査をして行き止まりぶつかった時に大きな地鳴りのようなものを感じました。そして耳を劈くような怪物の声も……地を伝う震動は何か巨大な生き物が暴れているようでした。ロフィア様はああ仰ってましたが私は先へ進む事に些かの不安があります。地形の有利などもあったとはいえ私達はファーディンすら倒せなかった。それなのに敵の首領へと近付く事は無謀ではないでしょうか、と。ワタルさんにはそういった不安はありませんか?」
「不安はあります。ただし、何もしなかったら全てを失うって不安です。魔物はもう何度も人間の領域に侵入してきている。滅ぼさないと、いつ大切なものを失うか分からない。理不尽に奪われたくないなら立ち向かうしかない、そう考えています。後悔しないためにも」
「そう……ですね。留まった所で奴らに襲われるのを待つだけ、そのような事は戦士として我慢なりません。皆殺しにしなくては」
澄んだ翠に狂気の色を宿してリニスぽつりと呟いた。あの狂気は俺にもあるんだろう、魔物だって生き物だ。元を辿れば魔物だって呼び出された被害者、それでも尚殺し尽くすべきだと俺も思うのだから。
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