【完結】シロツメ草の花冠

彩華(あやはな)

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2アルト

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 僕ーアルト・ブライドはミリアと幼い頃に出会った。
 母親のお茶会に連れていかれた会場で、同じように連れてこられた子供同士で遊んだのだ。
 その時にミリアに出会った。
 男の子たちにからかわれ泣いている女の子の前に立ちはだかり立ち向かおうとしていたのが、ミリアだった。

 どうして良いのかわからなかった僕は大人を呼びに行って、ことなきを得た。
 
 その時に、ミリアは僕に「一人じゃなにもできないの?」と、怒ってきた。
 真っ直ぐに見てくる彼女が格好よく見えたのを覚えている。

「ミリア!あなたはもう!」

 慌てて来た、ミリアの母親が怒りながら連れ帰ったのか印象的だった。

 二度目に会ったのは、それから1ヶ月ほどたっての、母が親友であるアスローディ伯爵夫人をお茶会に呼んだときだった。

 彼女は僕を見るなりカーテシーをする。
 だが、よく見るのとは少し違っていた。手の位置が左右対称ではなくドレスを持つ手が斜めになっている。つまり下手くそだった。

「ミリア!」

 彼女の母親の声にグッと唇を引き締め、カーテシーのやり直しをした。今度は綺麗なものになる。

「本当にもう!礼儀作法の授業をさぼるから恥ずかしい思いをするのですよ」

 ミリアはこの日、先日のことを謝りにきたのだった。

「先日はすみません。アルト様が大人を呼んできてくれたから助かったのに。文句を言ってごめんなさい」

 ぺこりと頭を下げる。

「謝らないで。僕は何もできなかったのは本当だから。君のような止めることもできない僕は情けないよね」
「ううん。全然そんなことない」

 僕らの会話はそんな話から始まった。
 お茶会を始めた母たちをみながら、僕らは木陰に座わる。

「どうしてもカーテシーは苦手なの。ちいさいころお父様にいっぱい褒められて一人でたくさん練習をしてたんだけど、間違ったもの覚えたみたいでなかなか直らないの」

 恥ずかしそうに顔を真っ赤にしている姿が可愛らしい。

 彼女との会話は新鮮だった。

 活発なミリアは僕の知らない世界を持っている。彼女は僕の見ている世界を知りたがってくれた。

 話をしながら彼女は器用にシロツメ草の花で花冠を作る。
 僕も見よう見まねで作ったもののうまくできなかった。
 彼女は優しく笑い、できた花冠を僕の頭に乗せる。

「似合ってる」
「君の方が似合うよ」

 花冠を彼女の頭にのせかえる。
 それがお姫様のように可愛くて、胸がドキドキしてしまった。

 彼女と話をすることで小さな世界が広がっていくのがわかり、それが楽しくて、彼女となら見ていたいと思わせてくれる。

 

 数ヶ月後、僕らの婚約が決まる。
 二人で喜ぶ。
 
 いつまでも二人で楽しいことも悲しいことも乗り越えていくのだと思うと幸せだった。

 それほど、僕はミリアが好きだ。愛している。
 それは彼女も同じだと信じていた。

 成長し、他の人とも出会いがあり、考え方やものの見方にも変化はある。
 僕もミリアもあれからもっと世界は広がり、対人関係にもつまずいたり悩むこともあった。勉学に対しても互いに切磋琢磨をして自分を磨いていく。
 この国の繁栄のためになにができるのかも話した。
 

 楽しい時間を過ごす。ミリアがいたからこそ頑張れたことも多くあった。



 だが、それは崩れたー。
 
 
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