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卒業式。
わたしはあの方から頂いた黒をアクセントにあしらわれた帝国で今人気のドレスを身につけます。
美しい宝石。
今日が勝負。
負ける気はしない。
やるからには完全勝利を目指す。
エイテルには本当迷惑をかけるわ。
これからもかけるけど。
わたしは卒業式にむかった。
なぜ?
それが式に臨むわたしの疑問。
名前呼ばれませんでした。
はっ!!
よくもまあ・・・。学園長も気づいてないなんて。無能。
きっとあの方も怒ってるわね。
卒業式パーティーが始まる。
わたしの周りには誰もいません。
まあ、当然のことですし、気にしません。
でも・・・。
女の子集団でやってきて突き飛ばすのはやめて欲しい。
「なに、そのドレス?」
「ダサいドレス」
「あんたはお呼びじゃないの」
「さっさと出て行きなさいよ」
「会場が辛気臭くなるわ」
わぁお!
はじめて堂々と言ってくれました。
ドレスの価値もわからないことを堂々と。
素晴らしい。
素晴らしいわ。
その偽審美眼。
でも、どうしてわたしが出ていかないといけないの?
わたしは留学生よ。
「どうしたんだ」
あら、またエルキース王太子殿下とカロン嬢。
お二人とも、キラキラのお揃いコーデね。
目が痛くなるわね。
カロン嬢の胸元にはわたしのブローチ。
でもなぜかしら。
婚約者破棄したからと言って、まだお二人は婚約してもないのに。
噂ではいずれ・・・真実の愛に目覚めた二人とか巷では言われてるけど、実際にはまだなのよねぇ~。
なのに、お揃いとは・・・。
頭がお花畑って羨ましい。
何にも考えなくていいもの。
わたしに突っかかっていた令嬢たちはカーテシーをした。
わたしはしないけど。
「殿下。お目汚ししました」
「この方がいらしてはお二人の婚約発表に差し支えると思いまして・・・」
あら、この場でするのだったの。
見たいわ!!
「確かにそうだわ。殿下ぁ。わたしを虐める人にわたしたちを見て欲しくないですぅ」
いやー、やっぱり無理かも。
鳥肌、たった!!
カロン嬢は近くの給仕からワインをもらうと、わたしの頭にふっかけた。
ドレスが、汚れた・・・。
わたしの・・・。
あの方からいただいた・・・。
うそっ・・・。
涙が、でそう・・・。
そんな時扉が開き国王夫妻とあの方、そして真っ青な顔の学園長が入ってきた。
今?
見られたくない!!
彼らはわたしたちの側にやってきた。
「何をしている!エルキース!!」
国王陛下が怒りを露わにしている。
「ち、父上?」
「クロード皇帝陛下、申し訳ありません」
国王陛下はあの方・・・クロード様に許しを請うため膝をつき頭を下げたのだった。
王妃様も同様に。
黒髪黒目、整った顔立ち。
久しぶりのクロード様は相変わらず美しくて、ドキドキがとまりません。
ほぅ、と息が漏れます。
クロード様はわたしに近づきます。
「わたしの愛しのアンジュ」
彼が近づいてくる。
愛しの?!
胸がキュンとする。
って、
わたし濡れてます!!
汚いですぅ!!
わたしはあの方から頂いた黒をアクセントにあしらわれた帝国で今人気のドレスを身につけます。
美しい宝石。
今日が勝負。
負ける気はしない。
やるからには完全勝利を目指す。
エイテルには本当迷惑をかけるわ。
これからもかけるけど。
わたしは卒業式にむかった。
なぜ?
それが式に臨むわたしの疑問。
名前呼ばれませんでした。
はっ!!
よくもまあ・・・。学園長も気づいてないなんて。無能。
きっとあの方も怒ってるわね。
卒業式パーティーが始まる。
わたしの周りには誰もいません。
まあ、当然のことですし、気にしません。
でも・・・。
女の子集団でやってきて突き飛ばすのはやめて欲しい。
「なに、そのドレス?」
「ダサいドレス」
「あんたはお呼びじゃないの」
「さっさと出て行きなさいよ」
「会場が辛気臭くなるわ」
わぁお!
はじめて堂々と言ってくれました。
ドレスの価値もわからないことを堂々と。
素晴らしい。
素晴らしいわ。
その偽審美眼。
でも、どうしてわたしが出ていかないといけないの?
わたしは留学生よ。
「どうしたんだ」
あら、またエルキース王太子殿下とカロン嬢。
お二人とも、キラキラのお揃いコーデね。
目が痛くなるわね。
カロン嬢の胸元にはわたしのブローチ。
でもなぜかしら。
婚約者破棄したからと言って、まだお二人は婚約してもないのに。
噂ではいずれ・・・真実の愛に目覚めた二人とか巷では言われてるけど、実際にはまだなのよねぇ~。
なのに、お揃いとは・・・。
頭がお花畑って羨ましい。
何にも考えなくていいもの。
わたしに突っかかっていた令嬢たちはカーテシーをした。
わたしはしないけど。
「殿下。お目汚ししました」
「この方がいらしてはお二人の婚約発表に差し支えると思いまして・・・」
あら、この場でするのだったの。
見たいわ!!
「確かにそうだわ。殿下ぁ。わたしを虐める人にわたしたちを見て欲しくないですぅ」
いやー、やっぱり無理かも。
鳥肌、たった!!
カロン嬢は近くの給仕からワインをもらうと、わたしの頭にふっかけた。
ドレスが、汚れた・・・。
わたしの・・・。
あの方からいただいた・・・。
うそっ・・・。
涙が、でそう・・・。
そんな時扉が開き国王夫妻とあの方、そして真っ青な顔の学園長が入ってきた。
今?
見られたくない!!
彼らはわたしたちの側にやってきた。
「何をしている!エルキース!!」
国王陛下が怒りを露わにしている。
「ち、父上?」
「クロード皇帝陛下、申し訳ありません」
国王陛下はあの方・・・クロード様に許しを請うため膝をつき頭を下げたのだった。
王妃様も同様に。
黒髪黒目、整った顔立ち。
久しぶりのクロード様は相変わらず美しくて、ドキドキがとまりません。
ほぅ、と息が漏れます。
クロード様はわたしに近づきます。
「わたしの愛しのアンジュ」
彼が近づいてくる。
愛しの?!
胸がキュンとする。
って、
わたし濡れてます!!
汚いですぅ!!
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