30 / 57
30.ソレイユ王女2
しおりを挟む
お父様と共にアトラス国にはいりました。
私の髪のこともあるらしく50年ぶりに交友を結びたいとのことだったようです。
アトラス国の王宮は青色を基調にした静かな印象でした。
青い地色に黄や白、赤などの色で美しい模様が描かれているので飽きることはありません。
それでも部屋から出るのは抵抗がありました。
正直、白色の髪なんて老婆みたいで恥ずかしいのです。自国ならまだ理解はあるのでましですが他国になればコンプレックスにしかなりません。
あの日はまだ朝日が登ってすぐでしたから気にならなかったですが・・・。
それにしても、お父様も急にどうしたのでしょうか。
私にすれば、どこかであの方に会えればと思いますが、修道院でいたような自由もないので、探しに行くこともできません。
大きな窓から海を眺めて波音を聞いては、あの日のことを思い出していたのです。
サリナだけは慌ただしく動いていました。
そして、聞かされていなかったパーティーに参加することになっていたのです。
「サリナ!私が苦手なのを知っているでしょう」
問答無用で準備にかかるサリナにいいました。
「大丈夫です。ぜっっーーたいに大丈夫ですから。このサリナを信じてください」
その根拠はどこからくるのだろうか、逆に不安になりました。
「自信をお持ちになってください。お嬢様は素晴らしい方です。どうどうとなさってください」
「サリナ・・・」
サリナに励まされ、パーティーへと飛び込んだ。
口から心の臓が飛び出しそなくらいドキドキしました。
好奇のあるたくさんの眼差しを受け、震えるのを無理やり抑え微笑みます。
「カナイラ国王女、ソレイユです」
そう口にした時、私は気づいたのです。
あの時より豪華な衣装に身を包んでいますが間違いありません。あの方のです。
そしてあの方も気づいてくれました。
「やっと見つけた。あなたですよね。僕を助けてくれたのは・・・探していました。やっと、やっと、見つけた・・・」
ー嘘!なんてことなの!!
そんな再会があるのでしょうか。
私が求めていた方がすぐそこにいたのです。サリナが強く「大丈夫」を繰り返していた理由がわかりました。
ーサリナはわかっていたのね。
忠実な侍女に感謝しかありません。
彼は私に近づいてきました。
ゆっくりと私の手を取ると、キスを落としてきました。
このような運命が現実に起こるとは思いませんでした。
愛おしくて目を細めま彼を見ました。
「あの時の・・・」
嬉しくて仕方ありません。
『私たち王家の女性は運命がわかるの。そんな一族なの』
叔母さまの声がした気がしました。
私が幼い頃、お父様の妹であるカローナ様が優しく教えてくれた言葉です。
『きっとあなたもその時がくればわかるでしょう。そして、レフィシア様の一族に会った時も同じようにわかるのでしょうね』
一途に夫を愛し、事故で亡くなった夫の後を追って死んでしまった優しい叔母さま。
叔母さまの言いたいことが今わかったのです。
私はこの方に恋しているのだとー。
そんな愛おしい時間を邪魔するものが現れました。
「お待ちください」
乱入してきたのはずぶ濡れの黒髪の女性でした。
その方を見た時、痺れた感じがしました。
自分の中の何が弾けるようというのでしょう。視界が開けたともいえます。
叔母さまの言葉の最後・・・レフィシア様の一族・・・このことなのね・・・そう感覚が訴えたのです。
一夜でこんな出会いが起きるのは偶然でしょうか?いえ、起こりうる出来事だと私は感じたのです
私の髪のこともあるらしく50年ぶりに交友を結びたいとのことだったようです。
アトラス国の王宮は青色を基調にした静かな印象でした。
青い地色に黄や白、赤などの色で美しい模様が描かれているので飽きることはありません。
それでも部屋から出るのは抵抗がありました。
正直、白色の髪なんて老婆みたいで恥ずかしいのです。自国ならまだ理解はあるのでましですが他国になればコンプレックスにしかなりません。
あの日はまだ朝日が登ってすぐでしたから気にならなかったですが・・・。
それにしても、お父様も急にどうしたのでしょうか。
私にすれば、どこかであの方に会えればと思いますが、修道院でいたような自由もないので、探しに行くこともできません。
大きな窓から海を眺めて波音を聞いては、あの日のことを思い出していたのです。
サリナだけは慌ただしく動いていました。
そして、聞かされていなかったパーティーに参加することになっていたのです。
「サリナ!私が苦手なのを知っているでしょう」
問答無用で準備にかかるサリナにいいました。
「大丈夫です。ぜっっーーたいに大丈夫ですから。このサリナを信じてください」
その根拠はどこからくるのだろうか、逆に不安になりました。
「自信をお持ちになってください。お嬢様は素晴らしい方です。どうどうとなさってください」
「サリナ・・・」
サリナに励まされ、パーティーへと飛び込んだ。
口から心の臓が飛び出しそなくらいドキドキしました。
好奇のあるたくさんの眼差しを受け、震えるのを無理やり抑え微笑みます。
「カナイラ国王女、ソレイユです」
そう口にした時、私は気づいたのです。
あの時より豪華な衣装に身を包んでいますが間違いありません。あの方のです。
そしてあの方も気づいてくれました。
「やっと見つけた。あなたですよね。僕を助けてくれたのは・・・探していました。やっと、やっと、見つけた・・・」
ー嘘!なんてことなの!!
そんな再会があるのでしょうか。
私が求めていた方がすぐそこにいたのです。サリナが強く「大丈夫」を繰り返していた理由がわかりました。
ーサリナはわかっていたのね。
忠実な侍女に感謝しかありません。
彼は私に近づいてきました。
ゆっくりと私の手を取ると、キスを落としてきました。
このような運命が現実に起こるとは思いませんでした。
愛おしくて目を細めま彼を見ました。
「あの時の・・・」
嬉しくて仕方ありません。
『私たち王家の女性は運命がわかるの。そんな一族なの』
叔母さまの声がした気がしました。
私が幼い頃、お父様の妹であるカローナ様が優しく教えてくれた言葉です。
『きっとあなたもその時がくればわかるでしょう。そして、レフィシア様の一族に会った時も同じようにわかるのでしょうね』
一途に夫を愛し、事故で亡くなった夫の後を追って死んでしまった優しい叔母さま。
叔母さまの言いたいことが今わかったのです。
私はこの方に恋しているのだとー。
そんな愛おしい時間を邪魔するものが現れました。
「お待ちください」
乱入してきたのはずぶ濡れの黒髪の女性でした。
その方を見た時、痺れた感じがしました。
自分の中の何が弾けるようというのでしょう。視界が開けたともいえます。
叔母さまの言葉の最後・・・レフィシア様の一族・・・このことなのね・・・そう感覚が訴えたのです。
一夜でこんな出会いが起きるのは偶然でしょうか?いえ、起こりうる出来事だと私は感じたのです
5
お気に入りに追加
193
あなたにおすすめの小説
【完結】名ばかりの妻を押しつけられた公女は、人生のやり直しを求めます。2度目は絶対に飼殺し妃ルートの回避に全力をつくします。
yukiwa (旧PN 雪花)
恋愛
*タイトル変更しました。(旧題 黄金竜の花嫁~飼殺し妃は遡る~)
パウラ・ヘルムダールは、竜の血を継ぐ名門大公家の跡継ぎ公女。
この世を支配する黄金竜オーディに望まれて側室にされるが、その実態は正室の仕事を丸投げされてこなすだけの、名のみの妻だった。
しかもその名のみの妻、側室なのに選抜試験などと御大層なものがあって。生真面目パウラは手を抜くことを知らず、ついつい頑張ってなりたくもなかった側室に見事当選。
もう一人の側室候補エリーヌは、イケメン試験官と恋をしてさっさと選抜試験から引き揚げていた。
「やられた!」と後悔しても、後の祭り。仕方ないからパウラは丸投げされた仕事をこなし、こなして一生を終える。そしてご褒美にやり直しの転生を願った。
「二度と絶対、飼殺しの妃はごめんです」
そうして始まった2度目の人生、なんだか周りが騒がしい。
竜の血を継ぐ4人の青年(後に試験官になる)たちは、なぜだかみんなパウラに甘い。
後半、シリアス風味のハピエン。
3章からルート分岐します。
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
表紙画像はwaifulabsで作成していただきました。
https://waifulabs.com/
頑張らない政略結婚
ひろか
恋愛
「これは政略結婚だ。私は君を愛することはないし、触れる気もない」
結婚式の直前、夫となるセルシオ様からの言葉です。
好きにしろと、君も愛人をつくれと。君も、もって言いましたわ。
ええ、好きにしますわ、私も愛する人を想い続けますわ!
五話完結、毎日更新
【完結】優しくて大好きな夫が私に隠していたこと
暁
恋愛
陽も沈み始めた森の中。
獲物を追っていた寡黙な猟師ローランドは、奥地で偶然見つけた泉で“とんでもない者”と遭遇してしまう。
それは、裸で水浴びをする綺麗な女性だった。
何とかしてその女性を“お嫁さんにしたい”と思い立った彼は、ある行動に出るのだが――。
※
・当方気を付けておりますが、誤字脱字を発見されましたらご遠慮なくご指摘願います。
・★が付く話には性的表現がございます。ご了承下さい。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
妻のち愛人。
ひろか
恋愛
五つ下のエンリは、幼馴染から夫になった。
「ねーねー、ロナぁー」
甘えん坊なエンリは子供の頃から私の後をついてまわり、結婚してからも後をついてまわり、無いはずの尻尾をブンブン振るワンコのような夫。
そんな結婚生活が四ヶ月たった私の誕生日、目の前に突きつけられたのは離縁書だった。
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
婚約破棄されるはずの悪役令嬢は王子の溺愛から逃げられない
辻田煙
恋愛
灯里(あかり)が転生したのは、前世でプレイした乙女ゲーム『悲劇のマリオネット』の世界。しかも、ゲームのヒロインであるジャン王子に婚約破棄される悪役令嬢――ミラ・シェヴァリエだった!
婚約破棄の後に待っているのは、死を免れることのできない破滅ルート……。
そんな運命を回避するために、ミラはゲームの知識を駆使してジャン王子や姉と親しくなろうと奮闘するが、次々と起こるトラブルや彼らの溺愛に振り回される。ゲームとは違う展開に戸惑いつつも、破滅ルートを回避の為の選択をし続けるミラ。
ゲームの主人公であるハンナ・ロールの登場と接触、そしてジャン王子との恋の行方はどうなるのか?
果たして、ミラは婚約破棄からの破滅ルートを回避することができるのか?
恋愛も冒険も楽しめる異世界溺愛ファンタジー、ここに誕生。
【感想、お気に入りに追加】、エール、お願いいたします!m(__)m
※2024年2月10日より、毎日更新中!
※この作品は、カクヨム・小説家になろうにも投稿しています。
※表紙の著作権は作家が持っています。
【Twitter】(更新報告など)
@tuzita_en(https://twitter.com/tuzita_en)
【主要作品リスト・最新情報】
lit.link(https://lit.link/tuzitaen)
真実の愛を見つけましたわ!人魚に呪いをかけられた箱入り令嬢は、好みの顔した王子様のようなお方を溺愛しております
蓮恭
恋愛
「お父様、このように丸々と太った酒樽のような方とは暮らせませんわ。隣に立てば暑苦しいったらないでしょう」
「この方も背がひょろりと高過ぎてまるで棒切れのよう。私が扇で仰げば倒れてしまうのではなくて?」
「あらあら、この方はまるで悪党のように悪いお顔をなさっておいでです。隣に立てば、私の命まで奪い取られそうですわ」
そう言って父親であるメノーシェ伯爵を困らせているのは娘であるジュリエット・ド・メノーシェである。
彼女は随分と前から多くの婚約者候補の姿絵を渡されては『自分の好みではない』と一蹴しているのだ。
箱入り娘に育てられたジュリエットには人魚の呪いがかけられていた。
十八になった時に真実の愛を見つけて婚姻を結んでいなければ、『人魚病』になってしまうという。
『人魚病』とは、徐々に身体が人魚のような鱗に包まれて人魚のような尻尾がない代わりに両脚は固まり、涙を流せば目の鋭い痛みと共に真珠が零れ落ちるという奇病で、伝説の種族である人魚を怒らせた者にかけられる呪いによって発病すると言われている。
そんな箱入り娘の令嬢が出逢ったのは、見目が好みの平民キリアンだった。
世間知らずな令嬢に平民との結婚生活は送れるのか?
愛するキリアンの為に華やかな令嬢生活を捨てて平民の生活を送ることになったジュリエットのドタバタラブコメです。
『小説家になろう』『ノベプラ』でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる