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7.依頼
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「このところ、ロイド殿下は浜辺を散歩している。勿論自分を助けてくれた女性を探すためだ。その殿下が昨日、浜辺で身元不明の女性を助けた」
いきなりの話の進行に黙って聞いていた。
浜辺に女性・・・。それだけの話に期待で胸が熱くなる。
「その女性は喋ることができないようなんだ」
ーおぉっ・・・
「ここまで言えば理解するか?」
「人魚伝説そのままですねっ!」
王子を助け、しばらくして喋ることのできない女性を助ける・・・どう聞いても人魚伝説そのものでしかない。
思わず興奮してしまう。
「やはり、そう君も思うか!?」
アルフ様の子供っぽい笑みを見て、我に返り咳払いをした。冷静な態度を取り繕い言う。
「こほん・・・確実とは言えません。伝説は伝説ですし、脚色など当たり前ですから真実とは限りません」
「それはそうだろう。でも君は人魚に詳しい。ならば、殿下が助けた者が人魚かどうか確かめて欲しいんだ」
それを聞いて顔を顰めてしまう。
厄介なことに巻き込まれそうだ。
「あからさまに嫌そうな顔をしないでくれないかい?私は君よりはるかに身分は上だよ」
身分が上とはいえ、アンナ様からあまり信用されていないように感じるので、尊敬し切れないといったところなのだが。
そんか私を見てニヤリと笑ってきた。
「引き受けてくれた際の報酬は図書館利用だが、どうだろう?」
「と、図書館・・・ですか・・・?」
確か、この城には人魚に書かれた文献があるとおばさま方は言っていたはずだ。なんて魅力的な報酬をちらつかせてくるなんて卑怯だと思ってしまう。
「君がこの城の図書館の人魚の資料に興味があると聞いているよ。悪い話ではないはずだが?」
今すぐにでも取引したい。
でも、ホイホイと話に乗っかるのも癪だ。
考えるフリをする。
「その彼女に会ってから、お引き受けするか決めてもよろしいでしょうか?」
「そうくるか・・・」
ボソリと呟いたかと思うと、彼は艶やかに笑って頷いてきた。
「それでもいい。では早速会いに行こうか」
「今ですか??」
「早いに越したことはない」
行動の速さにびっくりした。
あれよあれよと連れていかれる。
殿下たちからも信頼の厚いアレフ様の後をついて歩く私を誰もが興味深そうに見てくるのだから、たまったものではない。
隠れたい気持ちを抑えついて行った。
東側の海の見える一室に着くと、彼はノックと共に部屋を開けた。
潮の香りがした。
そこには2人の男性と1人の女性がソファーに座っている。女性の傍には侍女がいた。
男性はリュート殿下とロイド殿下である。
そして女性には見覚えがあった。
金色に輝く髪に青い瞳ーあの日、私が見た人魚で間違いない。
彼女も私を見て目を見開いた。
気づいている。
「この方人魚ですよー」
なんて、私は言えなかった。
いきなりの話の進行に黙って聞いていた。
浜辺に女性・・・。それだけの話に期待で胸が熱くなる。
「その女性は喋ることができないようなんだ」
ーおぉっ・・・
「ここまで言えば理解するか?」
「人魚伝説そのままですねっ!」
王子を助け、しばらくして喋ることのできない女性を助ける・・・どう聞いても人魚伝説そのものでしかない。
思わず興奮してしまう。
「やはり、そう君も思うか!?」
アルフ様の子供っぽい笑みを見て、我に返り咳払いをした。冷静な態度を取り繕い言う。
「こほん・・・確実とは言えません。伝説は伝説ですし、脚色など当たり前ですから真実とは限りません」
「それはそうだろう。でも君は人魚に詳しい。ならば、殿下が助けた者が人魚かどうか確かめて欲しいんだ」
それを聞いて顔を顰めてしまう。
厄介なことに巻き込まれそうだ。
「あからさまに嫌そうな顔をしないでくれないかい?私は君よりはるかに身分は上だよ」
身分が上とはいえ、アンナ様からあまり信用されていないように感じるので、尊敬し切れないといったところなのだが。
そんか私を見てニヤリと笑ってきた。
「引き受けてくれた際の報酬は図書館利用だが、どうだろう?」
「と、図書館・・・ですか・・・?」
確か、この城には人魚に書かれた文献があるとおばさま方は言っていたはずだ。なんて魅力的な報酬をちらつかせてくるなんて卑怯だと思ってしまう。
「君がこの城の図書館の人魚の資料に興味があると聞いているよ。悪い話ではないはずだが?」
今すぐにでも取引したい。
でも、ホイホイと話に乗っかるのも癪だ。
考えるフリをする。
「その彼女に会ってから、お引き受けするか決めてもよろしいでしょうか?」
「そうくるか・・・」
ボソリと呟いたかと思うと、彼は艶やかに笑って頷いてきた。
「それでもいい。では早速会いに行こうか」
「今ですか??」
「早いに越したことはない」
行動の速さにびっくりした。
あれよあれよと連れていかれる。
殿下たちからも信頼の厚いアレフ様の後をついて歩く私を誰もが興味深そうに見てくるのだから、たまったものではない。
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東側の海の見える一室に着くと、彼はノックと共に部屋を開けた。
潮の香りがした。
そこには2人の男性と1人の女性がソファーに座っている。女性の傍には侍女がいた。
男性はリュート殿下とロイド殿下である。
そして女性には見覚えがあった。
金色に輝く髪に青い瞳ーあの日、私が見た人魚で間違いない。
彼女も私を見て目を見開いた。
気づいている。
「この方人魚ですよー」
なんて、私は言えなかった。
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