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二章、学園時代
カリナ 1
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わたくしはカリナ・ロザウド。ロザウド侯爵げの二女で、わたくしには自慢できるお姉様がいる。
お父様やお母様からお姉様はお勉強が忙しいから邪魔してはいけないと諭されるほど凛とした佇まいでとても優秀だった。
精霊の儀では変わった鳥を使役した。
そのお披露目もお祝いもしなかったので、わたくしにはどんな鳥なのかよくわからなかった。でも、精霊の儀が終わってからお姉様の肩で丸くなってとまる青い鳥を見るようにいになる。
自分も可愛い精霊に憧れた。
そんなお姉様には家庭教師がついた。魔術騎士団の中でも若手の人がついたと聞いて、わたくしは覗きに行く。
いえ、正直に言えばお姉様に遊んでもらいたくて邪魔をしに行ったのだ。
お姉様は嫌な顔一つせず、わたくしと遊んでくれた。
わたくしが10歳になった時、精霊の儀でクラルテを使役したことを報告すると、お姉様はにっこりと笑ってお祝いを言って喜んでくれた。
家族も盛大に祝ってくれる。
お披露目会でクラリの姿を見せると、誰もが驚いてくれるので嬉しかった。
だけど、そこにはお姉様の姿はなかった。
その頃だろう、お父様たちとお姉様の関係がおかしいことに気づき出す。
わたくしはそれを無理やり気づかないふりをする。
何かを言ってよけいこじれたらどうしよう・・・と思ったのだ。
だからわたくしたちに学園行きの話が聞こえだ時は驚いた。お姉様と一緒に行けるのを素直に喜んだ。なのに、お父様はお姉様を寮に入れと言う。知らないふりをして、どうしてか聞いた。
「うほん。カリナは入学と共に王太子妃教育になる。まだ王太子は決まってはいないが、光魔法を持つカリナは未来の王妃であることは確実だ。そんな姉が得体の知れない精霊を使役していては他に示しがつかん。一人でなんでもできるように、我侯爵家の恥にならないように生きてもらうためにも、寮生活をさせようというのだ」
こじつけにも聞こえたが、お姉様も納得するので、わたくしはそれ以上追求はしなかった。
どんな形でも一緒に学園に通えるなら嬉しい。
学園に行くまではわたくしも大変だった。基礎知識を身につけて、ある程度のマナーも学んだ。わからないお勉強はお姉さまに教わる。
いつも冷静で、優しく微笑むお姉様が好き。
学園に入学すると、わたくしの周りには人が寄ってきた。
たくさんの方と知り合えることは嬉しくて思うと同時にお姉様と一緒にいたいのになかなか時間が取れなくて寂しく思う。
授業が始まってすぐに実力テストがあった。お姉様はわたくしも驚くほどの魔術を使った。
お姉様はどうしてこんなことができるの?
驚き、自慢が心を占める。
そして、初めてお姉様に劣等感を感じた。
お姉様は家庭教師の先生がよかったから・・・きっとそう、と思い直す。
でも、一般教養の学力も群を抜いていた。
先生方が「教えることはない」と頭を抱えて困っていたという噂まで聞く。
お姉様の実力がわかって以来、わたくしから離れていった。ふらりと1人でいなくなることが増える。
代わりにわたくしは学園に入ってすぐにできた友人たちと仲良くお喋りをする。
お姉様は1人なのに、誰に媚びるでもなく凛としていた。
みんなはお姉様よりわたくしを見た。
それが惨めに思えてくる。
わたくしの能力などを見ていない。将来的に王太子妃になり、この国の王妃になることがわかっているわたくしに媚売っているようにしか思えなくなっていた。
わたくしの気持ちも知らずに生きているお姉様が羨ましく思えるようになった。
お父様やお母様からお姉様はお勉強が忙しいから邪魔してはいけないと諭されるほど凛とした佇まいでとても優秀だった。
精霊の儀では変わった鳥を使役した。
そのお披露目もお祝いもしなかったので、わたくしにはどんな鳥なのかよくわからなかった。でも、精霊の儀が終わってからお姉様の肩で丸くなってとまる青い鳥を見るようにいになる。
自分も可愛い精霊に憧れた。
そんなお姉様には家庭教師がついた。魔術騎士団の中でも若手の人がついたと聞いて、わたくしは覗きに行く。
いえ、正直に言えばお姉様に遊んでもらいたくて邪魔をしに行ったのだ。
お姉様は嫌な顔一つせず、わたくしと遊んでくれた。
わたくしが10歳になった時、精霊の儀でクラルテを使役したことを報告すると、お姉様はにっこりと笑ってお祝いを言って喜んでくれた。
家族も盛大に祝ってくれる。
お披露目会でクラリの姿を見せると、誰もが驚いてくれるので嬉しかった。
だけど、そこにはお姉様の姿はなかった。
その頃だろう、お父様たちとお姉様の関係がおかしいことに気づき出す。
わたくしはそれを無理やり気づかないふりをする。
何かを言ってよけいこじれたらどうしよう・・・と思ったのだ。
だからわたくしたちに学園行きの話が聞こえだ時は驚いた。お姉様と一緒に行けるのを素直に喜んだ。なのに、お父様はお姉様を寮に入れと言う。知らないふりをして、どうしてか聞いた。
「うほん。カリナは入学と共に王太子妃教育になる。まだ王太子は決まってはいないが、光魔法を持つカリナは未来の王妃であることは確実だ。そんな姉が得体の知れない精霊を使役していては他に示しがつかん。一人でなんでもできるように、我侯爵家の恥にならないように生きてもらうためにも、寮生活をさせようというのだ」
こじつけにも聞こえたが、お姉様も納得するので、わたくしはそれ以上追求はしなかった。
どんな形でも一緒に学園に通えるなら嬉しい。
学園に行くまではわたくしも大変だった。基礎知識を身につけて、ある程度のマナーも学んだ。わからないお勉強はお姉さまに教わる。
いつも冷静で、優しく微笑むお姉様が好き。
学園に入学すると、わたくしの周りには人が寄ってきた。
たくさんの方と知り合えることは嬉しくて思うと同時にお姉様と一緒にいたいのになかなか時間が取れなくて寂しく思う。
授業が始まってすぐに実力テストがあった。お姉様はわたくしも驚くほどの魔術を使った。
お姉様はどうしてこんなことができるの?
驚き、自慢が心を占める。
そして、初めてお姉様に劣等感を感じた。
お姉様は家庭教師の先生がよかったから・・・きっとそう、と思い直す。
でも、一般教養の学力も群を抜いていた。
先生方が「教えることはない」と頭を抱えて困っていたという噂まで聞く。
お姉様の実力がわかって以来、わたくしから離れていった。ふらりと1人でいなくなることが増える。
代わりにわたくしは学園に入ってすぐにできた友人たちと仲良くお喋りをする。
お姉様は1人なのに、誰に媚びるでもなく凛としていた。
みんなはお姉様よりわたくしを見た。
それが惨めに思えてくる。
わたくしの能力などを見ていない。将来的に王太子妃になり、この国の王妃になることがわかっているわたくしに媚売っているようにしか思えなくなっていた。
わたくしの気持ちも知らずに生きているお姉様が羨ましく思えるようになった。
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