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二十二話、怖くない

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「あなた、自分がどうなっても、よろしいの?」

 忌々しそうに言いますねぇ~。

 おどしですか?

「どうなっても?川にでも浮くと言いたいのですか?」
「それも、あり得るかも・・・」
「脅しですか。そのお年で脅して、権力をちらつかせ、従わせようとするのですか?」
「わたしは侯爵家の人間よ!」

 小さな子供のいいぶんか?

「だから?」
「えっ?」
「学園内は基本身分を問わないとあります。確かに表向きかもしれません。なぜなら、礼儀は存在するからです。
学園は貴族社会に入るための小さな社会と言えるでしょう。
でも、学園内は権力は存在しません。権力を持つのは基本当主である親だから、私たちは子供であり、権力を持たない。
なのに、権力、親をも巻き込むとあれば、こちらも黙ってはいられません。
今回、あなた様を呼び出したのはのため。ですが、権力を言葉にしたからにはになります。
そのため、学園長に報告させていただきます。よろしいですね」

 周りの顔色が変わりました。

 そりゃあ、そうよね。

 学園長先生に報告すると言われたら、びっくりよね。
 停学、退学も視野に入れなきゃならないものね。

 でも、そう言うものでしょ。
 考えが浅はかよ。


「あんたも脅してるじゃない?」

失礼な!

「脅してませんよ。話を聞こうともしなかっただけですよ」
「あんたたち、この女、少し痛めつけて」

 暴力ですか?

「でも・・・」
「痛い目に合えば喋る気も起きないでしょ。なら、人目のないところに連れ込んで楽しんできなさいよ。それぐらいしたら嫌でも従うわよ」


 いやいや、それは特に無理でしょ。
 言えないような女性ならともかく、わたしは学園長先生と情報共有してるから、一発でバレるけど。

 その前にわたし強いから勝つけどね。

 男たちはカロン様の言ったことを安直に考えたみたいで、直ぐにわたしに向き直りました。

      バカだよ・・・。

 しかも、みんな見てるのにも気付いてない。
 誰が先に手を出したかの証人はいくらでもいる。

 たとえ、全員買収されたとしても、そいつらも全員退学だ。

 ちゃんと、この様子を録画してるんだもんね。

 男たちが動いた。
 殴りかかってくる。

 慣れてないな。
 運動不足だよ。

 流石、冴えない下っ端たち。

 くるっと回って、はい、アッパー。
 手を握って、反動で逆側にド~ン。男の人の急所には手加減なしで、蹴りましょう。手加減したら、逆に危ないのよね。体重載せて、肘を鳩尾にいれましょう。


「なんだよ、コイツ・・・」

 アメリア・ブローですよ~。



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