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紙を鳥や動物の形に切り、魔力をこめる。

いくつかは失敗した。
見たことのないものは上手くつくれない。

でも、力の限り作った。
そして、外に放った。

あのダンシャクレイジョウが力を使えば、動物たちが、阻止してくれる。
その時自分の力を直接ぶつければ相殺されるたろう・・・。

時を待った。



それは唐突に起きた。

あのダンシャクレイジョウが義弟おとうとたちに笑顔を見せた時、鳥が彼女の前に躍り出たのだ。

『なに?』
「ソノ、チカラ、ミリョウ。ワルイ、チカラ・・・」
『やだっ!』

義弟おとうとたちは立ちすくんでいる。

『なんなのよ。私に勝てるとでも?』
「・・・」

動物たちに通した魔力に上乗せする様に力を乗せ、自分の形を作る。

他から見ると、恐ろしい魔女の姿だっただろう。
伸ばしぱなしの髪に汚いふく。
魔女らしいだろう。

『魔女?』

「クダラ、ナイ、コト、スルナ」


喋るという行為など母が死んでからしたことがないのだ。
空気が通るだけで声にならない為魔力をつかいながら、声にする。

ダンシャクレイジョウは腰を抜かし、座り込んだ。

『ごめん、ごめんなさい。もう、やらない。だから、許して』


あっけない。

何がしたかったのだろうか?

わたしは、姿を消した。



鳥で見ていた。

ダンシャクレイジョウはオウタイシヒになりたかったと捕まった牢屋で語った。

そんなものの何がよいのか?

暖かい寝床。
優しい親。
美味しい食べ物。
明るい外。

どこに文句があるのだろう?
それ以上のものを求める理由があるのか?

彼女は唯一使える魅了の力を使って周りを貶めていったのだと言う。

魅了の力は魔女と同じく危険なものだったはずだ。

彼女は魔力封じの腕輪をかせられ国外追放になった。

そして、魔女の姿を見せた事で、国全体がわたしを探し始めたのだった。













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