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マルクの回顧録

出てくる情報

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 まず、向かったのは勿論兄のところ。
 今日あったことを全て話すと、兄は立ち上がり俺に抱きついてきた。

 「兄上?」
 「そうか、殿下が。わかった。私も調べてみるから、お前は学園をまわれ」

 手始めに中等科の職員室に行くことにした。

 いや~、ロディク殿下の内容は、久々に出るわ出るわの碌でもない話ばかり。中等科からやばかったのか?

 遅刻に無断欠席。教師を脅し賄賂を握らせて試験内容を横流し。注意した教師は陰湿ないじめをし、冤罪を被して退職に追い込む。
 ・・・別に監査に来たわけではなかったのに、芋づる式にでた情報によって処分せざる得なくなったじゃないか。

えいっ、父上と兄上に丸投げだ。

 ちなみにアイリ嬢の評価は高評価だった。天然な所を除くと、真面目で勉強に熱心。やはり行動は、風変わりな令嬢だった。

 高等科ではロディク殿下に隠れる様にして聞き込みをした。バレたら後々が面倒臭い。

 中等科と同じくよくない話しばかり。成績も王太子としてはあり得ない程低く、生活態度も悪い。授業中野次を飛ばすこともあるそうだ。王太子という事でみな強くでれないらしい。生徒会も放棄しているようだった。

 そこにバルロ•ランディル侯爵子息、ケイ•セフリスト伯爵子息、ヤコフ・アルゼルト子爵子息という名前が入ってきた。彼らはロディク殿下をおだて、担ぎ上げている人物らしかった。彼らもロディク殿下の威を借り好き勝手していた。

 そしてピンクブロンドの髪のエミリー・ミリシア男爵令嬢。彼女は三馬鹿トリオを従えロディク殿下の腕にぶら下がっているという。

 毎日周りに見せつけるかの如くの行為。

 ここにも、違う意味で令嬢ではない女性がいた。

 どちらがましだ?常識無視令嬢と常識無し令嬢と。がぜん常識無視令嬢の方がいいか。彼女は出来ないわけでなく、していないだけなのだから。

 二、三日して兄からも情報がはいってきた。俺より詳しい情報。

 ロディク殿下とアイリ嬢の関係。あまりの淡白さに顎が落ちそうだった。
 兄の眼も冷めている。

 「よく、婚約解消も破棄もしませんね」 
 「マクアリス伯爵も我関せずを貫き通してる。私と同じく情報を集めていずれ陛下に反旗を翻す気だろうね」
 「反乱ですか?」
 「いや、あの人は自分からは動かないよ。王宮に来て働くのさえ面倒臭さがる人だよ。国を出るのも厭わない人だから自分が持つ知識を他国にでも売ったり、他の国をけしかけたりするんじゃない?」
 「それはそれで問題ですよね」
 「ねぇ、伯爵なのもある程度の自由を得るためだもんね。あの一族を侮ってるよね」

 兄上、笑っていますが笑い事じゃありませんよ。どれだけヤバい一族ですか?!
 
 「あと、馬鹿ピンクね、手広く男関係を結んでるよ。君の言ってた三馬鹿トリオ以外にも五、六人は身体関係あるね。そういう尻軽さんを王族にお迎えなんて出来ないのにね。これに関しては父上にも言っておくよ。」
 「学園内では、居るはずないアイリ嬢がピンク頭を虐めていると言うか話もちらほらあがっていました」
 「お粗末だね。そっちにも気をかけとくね」
 「兄上に仕事を押し付けるようで、すみません」
 「いいよ。マルクは殿下の為に動けばいいんだよ」
  
 兄に頭を下げて、部屋を退出した。
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