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20.どうしてこうなった?
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四夫人は真っ赤な顔でアロン王太子殿下をみると同じ動きで王妃様以外が頭をさげます。
素晴らしいほど何事もなかったように振る舞います。
王妃様が代表で声をかけます。
「アロン。お誕生日おめでとう」
「ありがとうございます。といいたいですが、なんですか?婚約破棄からはじまり、セレナの暴走、小説論を解いたかと思えば閨ばなし。僕の計画を邪魔して」
計画?
そんなものがあったのですか。
おかわいそうに。
王太子殿下が近づいてきて、わたくしの前で膝をつきました。
「フィオナ嬢の。わたしの妻になってください」
唐突ですわね?
妻?
わたくしが?
冗談でしょう。
「あなたの笑顔に惚れました」
「婚約破棄されたばかりですわよ」
「婚約解消ですので大丈夫です」
「いえいえ・・・」
「私のこと、嫌いですか?」
「嫌いではありませんけど」
「なら・・・」
「そうやって、いつもいつも、わたしのをとる!!」
いきなりセレが叫びます。
ロバート様の腕の中でもがいています。
「こら、セレ!殿下に失礼だぞ」
「だって、アルト兄様とったし、リゼル兄様も近衛騎士でとったじゃない。リリアも、服飾で勧誘したし、フィオナさまも。なんで、同じ趣味なのよ!!アルト兄様のバカ」
同じ趣味?
セレはわたくしが好き。
つまり・・・、
本当にわたくしに好意を?
「認めてくれたんじゃないのか?」
「認めてるけど、最後くらい抵抗してもいいじゃない。いつも私が気に入ったものとるんだから。アルト兄様なら大事にしてくれるの知ってるけど、わかってるけど寂しいの!」
お二人のほうが実の兄妹に見えますわね。
いえ、セレが幼い子供のようです。
「同じ趣味だから犬猿の仲ですの。でも話が合うから言いたい放題してますの」
こそっと、隣でいたリリアが教えてくれました。
少し羨ましそうです。
きっといままでも言いたい事を二人は言い合っていたのでしょう。ほんとの兄妹に言えないことも・・・。
お互いに言い争いしていると王太子殿下がカツカツ近づくととセレに耳打ちします。
ピタっと黙ります。
何を言ったのでしょう。
静かになった瞬間に最終兵器を投入しました。
「ロバート、そいつ連れていけ。こっちに来た時点で婚姻届にサインして提出したんだろう。さっさと、初夜でもすませてこい!」
「ですが、皇太子殿下が」
「構わないよ。アロンが可哀想だし、セレナちゃんにしっかり教え込んで、小説の内容の向上をはかってもらわないと」
「ぴえっ」
「わかりました」
「みゅっ?!」
固まっているセレをロバート様は担ぎます。
お姫様だっこじゃないんですね。
逃げられないようにしてますね。
「フィオナ様~」
「セレ、ファイト。後でどうなったか教えてね」
追い討ちをかけてみましょう。
「みゃあ~っっっ」
手を伸ばして助けを乞う。
助けませんわ。
先程酷いことされましたもの。仕返しです。
にこやかに手を振ってさしあげました。
お二人は消えてゆきました。
愉快な悲鳴を残して・・・。
「やっと騒がしいのがいなくなった」
酷いいいようです。
わかりますが・・・。
「フィオナ嬢。返答は?」
「わたくし、妃教育もしていません。婚約解消とはいえ、傷物であるのにはかわりありませんわ。それに、昔のわたくしと違って淑女にはほど遠くなっています。このようなわたくしが認められるはずがありませんわ」
穏便に拒否しましょう。
わたくしに務まるはずありませんもの。
なるべく穏便に・・・。
「認められれば、かまわないということですか?」
「へっ?」
どういうことです?
認められればって?
セレも認めたとはいってましたが?
嫌な予感がします。
それ以上聞きたくないですわよ。
「なら、大丈夫です。貴女は母であるカレン王妃、ライア・フローレン公爵婦人、エルファ・サフィール侯爵婦人、エリミア・リンディスター伯爵婦人に認められています。お茶会はある意味テストだったのです。四夫人に認められたからには、他の者にとやかく有無はいわせません」
「「「「はあ~い。認めました。フィオナちゃんなら賛成で~す」」」」
声を揃えないでくださいっ!!
「あっ、あと、そのドレス、セレに言って僕の色で王家の紋章入れてもらったんだ。気づいてくれた?」
「・・・」
外堀埋められました?
埋めていました?
これって、逃げられませんよね~。
◇◇◇◇◇
次で本編の最終回です。
最後まであの方々がはっちゃけます。
その後、番外編が一話あります。
素晴らしいほど何事もなかったように振る舞います。
王妃様が代表で声をかけます。
「アロン。お誕生日おめでとう」
「ありがとうございます。といいたいですが、なんですか?婚約破棄からはじまり、セレナの暴走、小説論を解いたかと思えば閨ばなし。僕の計画を邪魔して」
計画?
そんなものがあったのですか。
おかわいそうに。
王太子殿下が近づいてきて、わたくしの前で膝をつきました。
「フィオナ嬢の。わたしの妻になってください」
唐突ですわね?
妻?
わたくしが?
冗談でしょう。
「あなたの笑顔に惚れました」
「婚約破棄されたばかりですわよ」
「婚約解消ですので大丈夫です」
「いえいえ・・・」
「私のこと、嫌いですか?」
「嫌いではありませんけど」
「なら・・・」
「そうやって、いつもいつも、わたしのをとる!!」
いきなりセレが叫びます。
ロバート様の腕の中でもがいています。
「こら、セレ!殿下に失礼だぞ」
「だって、アルト兄様とったし、リゼル兄様も近衛騎士でとったじゃない。リリアも、服飾で勧誘したし、フィオナさまも。なんで、同じ趣味なのよ!!アルト兄様のバカ」
同じ趣味?
セレはわたくしが好き。
つまり・・・、
本当にわたくしに好意を?
「認めてくれたんじゃないのか?」
「認めてるけど、最後くらい抵抗してもいいじゃない。いつも私が気に入ったものとるんだから。アルト兄様なら大事にしてくれるの知ってるけど、わかってるけど寂しいの!」
お二人のほうが実の兄妹に見えますわね。
いえ、セレが幼い子供のようです。
「同じ趣味だから犬猿の仲ですの。でも話が合うから言いたい放題してますの」
こそっと、隣でいたリリアが教えてくれました。
少し羨ましそうです。
きっといままでも言いたい事を二人は言い合っていたのでしょう。ほんとの兄妹に言えないことも・・・。
お互いに言い争いしていると王太子殿下がカツカツ近づくととセレに耳打ちします。
ピタっと黙ります。
何を言ったのでしょう。
静かになった瞬間に最終兵器を投入しました。
「ロバート、そいつ連れていけ。こっちに来た時点で婚姻届にサインして提出したんだろう。さっさと、初夜でもすませてこい!」
「ですが、皇太子殿下が」
「構わないよ。アロンが可哀想だし、セレナちゃんにしっかり教え込んで、小説の内容の向上をはかってもらわないと」
「ぴえっ」
「わかりました」
「みゅっ?!」
固まっているセレをロバート様は担ぎます。
お姫様だっこじゃないんですね。
逃げられないようにしてますね。
「フィオナ様~」
「セレ、ファイト。後でどうなったか教えてね」
追い討ちをかけてみましょう。
「みゃあ~っっっ」
手を伸ばして助けを乞う。
助けませんわ。
先程酷いことされましたもの。仕返しです。
にこやかに手を振ってさしあげました。
お二人は消えてゆきました。
愉快な悲鳴を残して・・・。
「やっと騒がしいのがいなくなった」
酷いいいようです。
わかりますが・・・。
「フィオナ嬢。返答は?」
「わたくし、妃教育もしていません。婚約解消とはいえ、傷物であるのにはかわりありませんわ。それに、昔のわたくしと違って淑女にはほど遠くなっています。このようなわたくしが認められるはずがありませんわ」
穏便に拒否しましょう。
わたくしに務まるはずありませんもの。
なるべく穏便に・・・。
「認められれば、かまわないということですか?」
「へっ?」
どういうことです?
認められればって?
セレも認めたとはいってましたが?
嫌な予感がします。
それ以上聞きたくないですわよ。
「なら、大丈夫です。貴女は母であるカレン王妃、ライア・フローレン公爵婦人、エルファ・サフィール侯爵婦人、エリミア・リンディスター伯爵婦人に認められています。お茶会はある意味テストだったのです。四夫人に認められたからには、他の者にとやかく有無はいわせません」
「「「「はあ~い。認めました。フィオナちゃんなら賛成で~す」」」」
声を揃えないでくださいっ!!
「あっ、あと、そのドレス、セレに言って僕の色で王家の紋章入れてもらったんだ。気づいてくれた?」
「・・・」
外堀埋められました?
埋めていました?
これって、逃げられませんよね~。
◇◇◇◇◇
次で本編の最終回です。
最後まであの方々がはっちゃけます。
その後、番外編が一話あります。
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