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18.小説とは?

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「ふふっ、そのネタいただきましたぁ」

??!
なに?

見ると、金髪美男子の腕の中でいるセレがいつもの顔(?)でいました。
ハイテンションですが・・・。

「愛しい人の罪を暴く。カエラエピソードにもってこいですっ。アロン兄様、ネタをネタを私にください」
「「「セレ(ナ)いい加減にしろ」」」
「なぜですか?美味しいネタじゃないですか!!」

まだセレは壊れています。
しかし・・・ネタ?タネじゃなくてネタ?
とある事が頭に横切りました。

「セレ。『君にバラの花束を』の作者って、まさか・・・」
「私です」

セス・リディンがセレなの?

「セレなの?嘘?!」
「言うつもりでしたが、機会が無くて」

女性たちの黄色い悲鳴。そうですわよね。
憧れのがこの場にいれば!!
・・・・・・。
ふと、思いました。
君バラがなければ、わたくしは悪役令嬢と言われなかったのでは?と。婚約破棄されなかったり?
だって、君バラ影響が凄かったから・・・

と、ともかく、こんなのを書かれたら嫌だわ。阻止しなきゃ。

「セレ!君バラで婚約破棄した者もいるのよ。そんな簡単にネタだなんて、不謹慎よ。今どれだけ君バラの影響があるか・・・」
「それなんですが、なぜ影響があるのですか?たかが小説、ですよ」

えっ?

みなさまも同じく思ったでしょう。
ホールが再びたび静寂に包まれます。

セレだけがわからない様子です。

君バラ現象は物凄いです。
持ち物からファッションまで。
そして婚約にまで影響を及ぼしました。
なのに、肝心要の制作者たるセレはわかっていない?
どう言う事ですか?

「小説ですよ。確かに我が商会の物品が売れる様に作ったものです。恋愛に対しては、理想を作り出す事で楽しみを作っただけ。勝手にみなさまが結婚破棄などをしただけで、影響を与えたというのは語弊があります」
「でも・・・」

事実影響はありました。

「第一、君バラの対象者は若者。あの小説が若者に人気があるのは、自分の理想とする世界に近いからです。つまり憧れ、です。
身分差とかいっていますが、君バラには名前だけで爵位は書いていません。それでも身分差と思ったのは、そうであって欲しいという願望からでしょう」

書いてないわね。
わたくしたちが勝手に思い込んでただけ?
お互いに顔を見合わせます。

「若者だけ人気で結婚されてる方たちにはそう思わない。それはちゃんと理由があるからです。事実は小説より奇なりと言うでしょう。つまり、小説の様な事なんて実際には「「ないないない」」」

大人たちが一斉のハモリです。
しかも、手を振る仕草つき。
生暖かい眼差しで、若者を見守る大人たち。

「誰も婚約破棄して欲しくて書いていません。それでも小説に影響されたと言うならば、現実を見ないお馬鹿さんだったと言う事です。
大人たちに小説に憧れたから婚約破棄したと言ってうなづきますか?違いますよね。現実はもっと過酷です」

そうですわね。
貴族としての責任はありますわね。
恋愛を語る前に家がついてきます。それを考えるのが貴族というもの。

「大人たちが今まで何も言わなかったのは、ただの小説だったからです。分かりきってるからこそ言う必要も無かった。
みなさんは勝手にふるいにかかっただけです。
小説と現実を見ましょうよ」

重い雰囲気です。
そうですよね。
君バラに踊らされていたのはわたくしたちですもの。
なんとも言えない雰囲気です。

そんななか笑い声が聞こえて来ました。














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