あなたの姿をもう追う事はありません

彩華(あやはな)

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1巻

1-1

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   プロローグ


 わたし――メニル・アゼラン子爵令嬢とカイルとの婚約は、必然の出来事だった。
 何故なぜなら、父親同士がおさな馴染なじみで、互いに子どもができ、その子が異性ならば結婚させようと約束していたのだ。
 カイルとわたしにはそれぞれお兄様がいる。お兄様同士は同い年で仲がとても良く、父親の領地が隣合っているわたしたちはよく四人で遊んだ。
 わたしは男の子特有のやんちゃな遊びに馴染なじめず、一人になることが多かった。そんな時、年の近いカイルだけが、わたしのそばにいてくれた。
 そんなカイルに恋心を抱いたのは自然なことだろう。
 両親は仲良く遊ぶカイルとわたしを見て、婚約を結んだ。
 カイルは伯爵家の次男なので、家を継ぐことはない。カイルが婿むこに入れば、わたしの家が行っている事業の一つ――輸出入に関わる商売を与える約束になった。
 カイルが十一歳、わたしが九歳の時だ。
 わたしはそれが嬉しかった。
 そしていつも、カイルの背中を追った。
 前を行くカイル。
 だけど、お兄様たちとの追いかけっこの時には、立ち止まって振り返り、わたしが追いつくのを待ってくれる。
 だから、わたしは彼の姿を追ったのだ。
 それは、物理的なことだけではない。
 わたしはカイルに見合う女性になるために努力した。
 マナーも勉強も一生懸命に身につけた。
 カイルが頑張っているから、わたしも頑張ったのだ。
 カイルはそんなわたしを見て微笑ほほえんでくれる。
 勉強で間違えた時は、教えてくれた。
 つたないダンスの練習相手もしてくれた。
 優しい二歳年上のお兄さん。
 いつも格好良くて、胸がドキドキした。
 カイルが宝物をくれる。
 手紙や野の花、珍しい柄の綺麗な紙。年齢を重ねるに従い、それらは庭に咲く一輪の薔薇ばらになり、リボンになり、可愛い小物になった。
 一つ一つが大切な思い出となる。
 大人になっていくカイルに対し、自分の子どもらしさが恥ずかしくなったこともあった。
 そんなわたしにカイルは「急がなくていいんだよ」と言って、頭をでてくれた。
 けれど、ほっぺをぷよぷよとつつかれることも多い。
 それをされると、気恥ずかしくなる。
 なのにお母様に相談しても、「あらあら、女の子ね」と、笑われるだけ。お父様にいたっては、「女の子の親は嫌だ」と泣き出した。お兄様も「まだ、やらん」とを言っている。
 二人の態度にお母様は笑いっぱなしだ。

「しっかり勉強しないといけないわね」

 そんなふうに、小さなわたしはカイルのために多くのことを学びながら過ごしていた。



   第一章


 わたしが十三歳の時、カイルは十五歳になり、王都にある王立学園に入った。
 王立学園は貴族が全員入る、学びの場。学力さえあれば、平民も入学できる。
 カイルは将来、わたしの家の商売を引き継ぐため、経済科に入ることになった。
 同時にお父様から、王都にある小さな雑貨店の経営を任される。
 将来のために――
 そのせいか嬉々としているカイルに対して、わたしは泣いてしまった。
 お兄様が学園に行く時は悲しくなどなかったのに、カイルとしばらく会えないと思うと寂しくてたまらない。

「メニー、そんなに泣くと目が溶け出しちゃうよ」

 カイルはわたしをメニルの愛称であるメニーと呼んで、ボロボロと涙を流しているのをなぐさめてくれた。彼の持っていたハンカチが絞れるくらい濡れている。

「いっぱい手紙を出すから。いっぱい友達を作って、メニーが入学する時は、みんなで出迎えてあげるよ」

 彼は笑って、そう言った。

「ほんとう?」
「うん、本当。約束するよ」

 彼は小指を差し出す。長いスラリとした指に、短く彼の倍はあるわたしの太い小指を絡ませる。

「指切りげんまん。嘘ついたら、ほっぺをつ~ねろ」

 そんな彼の言葉を聞いて、わたしはプフッと噴き出した。
 わたしのほっぺを見ながら言うなんて、ひどい。

「やっと笑った。メニー、休みには帰ってくるから。手紙も書くね」

 そんなふうに、カイルは王都に行ったのだ。


 わたしは、カイルがいなくなった寂しさをまぎらわすように、経営の勉強をした。
 ちょうど良い機会だと、お父様から小さな衣装店を一つ任されることになったのだ。
 扱う商品から経営方針まで、すべて自由にしていいと言われる。
 わたしは店に幾度も通って、真剣に経営にたずさわった。
 だから、教養として学んでいた音楽や刺繍ししゅうはやめたかったのだが、お母様からいずれ役に立つから今はダメと言われてしまう。
 やらなくてはいけないことが多すぎて処理が追いつかず、わたしはお母様によく泣きついた。

「自分の考えに固執しちゃダメよ。ちゃんと周りを見て、人の話を聞いて、そして考えなさい」

 お母様はいつもそう言ってくれた。
 カイルと結婚した時に役に立つように、わたしは必死になって学ぶ。
 彼から届く半月に一度の手紙が、頑張る力になった。
 手紙には王都で流行はやっているものや人気の場所が書いてある。どんな友達ができて、どんなことをしたのか、面白いこと、楽しいこともつづられていた。
 そして文末には決まって『メニーに会いたい』『好きだよ』としるされている。
 わたしも会いたい。
 カイルに触れたい。
 その思いで、忙しい時間の合間に返事を出す。
 早く休みになりますように、早く時間が進みますように、と思いながら毎日を過ごした。


 半年後。
 夏休みに入ったカイルが隣の領地に帰ってきた。
 すぐに沢山たくさんのプレゼントと土産みやげばなしを持って、会いに来てくれる。
 彼は背がグッと伸びて、筋肉もついていた。数ヶ月会わなかっただけで『男の人』になっているカイルに、わたしは驚く。
 ドキドキしっぱなしで、顔がまともに見られない。
 それでも、いっぱい話をした。
 この時ばかりは、お母様が習い事と勉強の時間を減らしてくれたのだ。
 わたしが伯爵家を訪ねたり、わたしの家の庭でお茶会をしたりした。
 カイルはわたしの誕生日を祝って、王都で人気だというネックレスをくれる。
 小さなイミテーションの青い石が入った、花の形をした綺麗なネックレス。
「学生の身だから、まだこんなものしか渡せないけど……」と、笑いながら言った。
 嬉しい。わたしのために選んでくれたんだ。
 カイルの気持ちがわたしの胸元をキラキラと飾る。


 毎日があっという間だ。
 すぐに休みは終わり、カイルは王都に帰った。
 名残惜なごりおしそうに。それでいて、楽しそうに。
 わたしも学園に通うようになれば、同じようになるのかな?
 しばらくして、カイルから『忙しくなるからあまり手紙を送れなくなる』と書かれた手紙が来た。
 以来、手紙の頻度が半月に一度から一ヶ月に一度に変わった。
 内容は、友達のことが多くなる。
 お父様に、「男の子は同性の友人との付き合いも大切だから。許してやりなさい」と言われた。
 女の子には分からないこと。
 疎外感が生まれる。
 するとお母様がちらりとお父様を見て苦笑した。
 わたしは仕方ないと思いながら、手紙を書く。
 カイルから来なくても、わたしが出してはいけないとは言われていないから。
 季節のこと、今日あったこと、変わったこと。カイルに知らせたいことはなんでも書いた。
 そうやってカイルが冬休みに帰ってくるのを待っていたが、友人の領地に行くから戻らないという手紙が届く。
 残念で寂しかった。
 代わりにお兄様が帰ってくる。
 お兄様は学園を卒業し、王宮で経理の仕事をしているのだ。お父様が子爵を引退するまで、王宮に務めるらしい。
 今の仕事が楽しいようで、お父様が何も言わないのを良いことに自由にしているみたいだ。
 早く婚約者を作らなければならないのに、仕事が忙しくて相手をなかなか見つけられないとぼやいている。
 お父様が見合いをセッティングしようと躍起やっきになっているが、お兄様はのらりくらりとかわしていた。
 そんなお兄様は、珍しいお菓子と綺麗な小物をお土産みやげにくれる。
 そして、カイルの話を教えてくれた。
 なんでも、同級生が学園の教師をしていて情報が入るのだそうだ。
 個人情報の扱いはどうなっているのかしら?
 そう思ったものの、正直を言えば、カイルの話が聞けるのは嬉しい。
 残念なことにカイルに任されたお店の売上はイマイチだという。
 慣れない経営に四苦八苦しているようだ。
 彼は友人との付き合いを優先していてお店にはなかなか顔を出さず、店員さんとも良好な関係が結べていないようだ、とお兄様は言った。
 学生のうちはままあることだと、何故なぜかお父様がお兄様に弁明する。今はそれでも構わない、と。
 信頼のおける支配人さんがひそかに店を切り盛りしているので、お父様はカイルの行動を黙認すると決めたみたいだった。


 カイルが王都に行って二年目に入った。
 その頃から、手紙がパタリと来なくなる。
 何度手紙を送っても、返事が来ない。
 カイルのご両親――おばさまに聞いても、実家にも連絡がないようだ。
 ただ時折、お金の無心だけはあるらしい。
 病気ではないみたいで良かったと思うべきだろうか。
 どうにもできない、もやもやとした気持ちばかりがつのる。
 カイルが恋しく、会えないことが寂しかった。
 わたしは夏休み前に手紙を出す。
「いつ帰ってきますか?」と。
 けれど、待てども待てども、返事は来ない。
 また手紙を送った。
「カイルに会いたい。待っています」と。
 やはり、返事が来ることはない。
 仕方なく、わたしはいつも行っているとある避暑地で夏を過ごすことにした。
 そこから帰ってくると、メイドから手紙を渡される。
 それを見て、胸がキュンとなった。
 カイルの字だ。
 懐かしい、右上がり気味のくせのある字。
 急いで封を切ると、わたしに会えなくて残念、と書かれているだけ。
 詳しく聞くと、わたしが出かけた翌日にカイルがうちの領地に来たという。
 滞在は一日。すぐに王都に帰ったそうだ。
 前もって連絡をしてくれたら、一日くらい都合をつけたのに……
 二日後に迫る、わたしの誕生日に対するお祝いの言葉もプレゼントもなかった。がっかりだ。
 涙が出てきた。
 わたしに会いたくなかったのかしら……と、不安になる。
 お母様がわたしを抱きしめてなぐさめてくれた。
「まったく、男どもは。もっと気を遣えないのかしら」と、ぷんぷんしながら文句を言う。
 お茶を用意してくれた侍女長も「本当ですわ!」と賛同してくれた。
 入り口を通りかかった、侍女長の夫――執事が足速に去っていくのが見える。わたしは思わず笑ってしまった。
 勉強や習い事、お店のことで忙しくしている間に、冬になる。
 あれから、カイルからの手紙は一度も来なかった。
 夏に会えなかったことへの謝りの手紙を送っても返信がない。
 この冬、領地に帰ってくるのかすら分からなかった。
 代わりというわけではないが、お兄様が帰ってきた。去年と同様、沢山たくさんのお土産みやげたずさえて。
 お菓子は勿論もちろんのこと、来年に迫った学園入学のお祝いもくれた。
 王都で流行はやりの髪飾りと、ネックレスに、イヤリング。そして、学園で使うようにと万年筆も。
 キラキラとピンクに輝く万年筆は可愛い。

「お兄様、ありがとうございます」

 わたしはお兄様に抱きつく。お兄様もしっかり抱きしめ返してくれた。

「僕のメニル。もう学園に入学する年齢になったか。大きくなったな」
「おじさんみたいよ」

 そんな会話をしつつ笑い合う。
 でも次の瞬間、お兄様は真剣な眼差まなざしになった。

「メニル。お前に言わなければならないことがあるんだ」
「なんですの?」

 急に改まってどうしたのかしら?

「カイルのことだ」

 わたしは静かにうなずく。

「あいつ、他の女性と付き合っている」

 まさか――
 一瞬、息ができなくなった。


     ◇ ◇ ◇


 北風がやんで南風に変わると、花が咲き乱れる季節になった。
 わたしは今、王都にいる。
 これからは王都にあるお屋敷でお兄様と暮らす。ここから、学園に通うのだ。
 わたしは領地から侍女のハルナとメイドのリリンを連れてきていた。
 信頼のおけるハルナと、気の置けないリリン。二人がいれば、怖いものなしだ。
 お兄様から聞かされた、カイルの話は信じていない。
 絶対に嘘だ。
 婚約者わたしがいるのだ。カイルがわたし以外の女性ひとと付き合っているわけがない。
 あの日、自分の目で見なければ信じられないとつっぱねたわたしに、お兄様は何も言わなかった。

「――お嬢様。大丈夫ですか?」

 ハルナがわたしの髪をきながら、聞く。
 元気がないのが丸分かりなのだろう。
 笑って「大丈夫よ」と言いたいのに、不安に押しつぶされて上手うまくできない。

「明日から学園です。早く寝てそなえましょう。カイル様に美しくなったお嬢様を見せつけなければ」

 見せつけるって……
 一年でそんなに、変わった気はしない。少しせたくらいだ。
 くせのある茶金色の髪に緑の目は、よく猫にたとえれられる。そんな様子なのに変わりはない。

「お嬢様はお綺麗になりました。カイル様のために自分を磨いてきたではないですか。自信を持ってください」

 そうだった。頑張ってきたのだ。カイルのために。

「そうと決まれば、さぁ、お休みください」

 わたしはハルナの言葉に従う。
 カイルに会えると思うと、不安より楽しみが勝ち、なかなか眠れなかった。


 次の朝。
 わたしは制服に着替えた。
 紺色こんいろの上着にスカート。上着のすそと袖には金の刺繍ししゅうほどこされている。
 胸元には学園のエンブレムがつけられていた。格好良い天秤と獅子ししのマーク。
『公平』『自由』『勇気』をかたどっていると、お兄様が言っていたっけ。

「見違えたな」

 食堂に行くと、すでに席に着いていたお兄様が、ニヤニヤしながら言う。
 お兄様は王宮の文官が着る制服を身につけていて、凛々りりしく見えた。
 お兄様こそ別人みたい。
 いつものダークブラウンのボサボサ頭がきちんとセットされているし、服も似合っていて、格好良い。
 いつも、こんなふうだったら、自慢できるのに。
 食事が終わりになった頃、お兄様が思い出したかのように言った。

「気をつけて行っておいで。何かあれば、友人……ブロークって奴に声を掛けるんだ。僕の名前を出せば、すぐにでも味方になってくれるから」

 お兄様の名前を出せば?

「弱みでも掴んでいるのですか?」
「メニル。人をなんだと思ってるんだ。普通の友人だよ」

 にっこりと笑うお兄様。
 怪しい。お兄様のことだから、何かありそうなんだけど……
 それを口にすれば頬っぺたをつねられそうなので、やめる。

「おっ⁉ やっと、余計な言葉は身を滅ぼすと分かったんだな?」
「もう! お兄様」
「ほら、早くしないと、入学式に遅れるぞ」

 時計を見ると、出発の時間が差し迫っていた。

「いってきます。お兄様も気をつけて行ってきてくださいね」
「おう、ありがとうな」

 目を細めて笑うお兄様に見送られ、わたしは急いで部屋に戻ってかばんを持ち、屋敷を出た。


 我が家の馬車に乗って十五分。
 わたしはいかつい門の前で馬車を降りる。
 ――王立学園。
 今日から、ここの生徒になるのだと思うと感無量だ。
 わたしは周囲を見回した。
 新入生を案内する者の中にカイルがいないだろうか。
 婚約者や兄妹などが園内を案内するのが一般的なのだ。
 今日、わたしが入学すると、カイルに手紙を送っている。返事はなかったけど、きっといるはず。
 待っていてくれているはず……
 だけど、どこにもいない。
 仕方なくわたしは係に案内されて入学式会場へ移動した。
 暗くなってはダメ。
 そう思いながら、指定された席に着く。あきらめ悪く、キョロキョロとカイルがいないか辺りを見回した。
 やはりいない。
 そうよね。ここにいるのは、新入生だけ。最高学年のカイルがいるわけがない。
 一人で苦笑していると、なんとカイルが会場の奥の壇に上がった。マイクの用意をしている。その腕には銀の腕章をしていた。
 カイル⁉
 確かあの銀の腕章は生徒会役員の印だ、とお兄様が言っていた。
 カイルは生徒会に入っていたの?
 知らなかった。
 すごいじゃない。なんで教えてくれなかったの?
 しばらくして、カイルの隣に銀髪の女性がいるのに気がつく。二人は楽しそうに会話をしている。
 どこからか、ヒソヒソ声が聞こえてきた。

「あれが噂の?」
「そうよ。今、学園内ベストカップルのお二人らしいわよ」
「カイル・ローゼン伯爵子息様とマリー・エルファ伯爵令嬢様よね?」
「カイル様はマリー様のために騎士科の二年に転籍されたそうよ」
「恋人のために? わざわざ?」
「マリー様の家系は代々騎士なんですって。強くないと認められないとか」
「愛よね~」
「生徒会の副会長と書記ですって?」
「お似合いね」
「カイル様には婚約者がいるらしいんだけど、醜悪しゅうあくな方みたいで婚約解消を嫌がっているそうよ」
「まあ。まるで物語の中の『悪役令嬢』ね。カイル様がお可哀想だわ」
「早く婚約を解消されればいいのに」
「お二人とも第二王子殿下とも交友が深いらしいわ」
「王子殿下もお二人の仲をお認めになっているとか?」
「じゃあ、いずれ王子殿下のお力で解消になるの?」
「それもあるかもね」

 何を話しているのだろうか? 噂のベストカップル?
 わたしは婚約解消の話など聞いていない。
 お兄様が言っていたことは本当だった⁉
 それに、カイルは騎士科に転籍したの?
 わたしはスカートをぎゅっと握り締める。しわになるのも気にならなかった。

「あなた、顔色が悪いけど大丈夫?」

 隣に座っていた、黒髪の女の子に尋ねられる。
 笑え、笑うのよ。何事もなかったように。

「大丈夫。緊張で朝ご飯が食べられなかったから、そのせいかな?」
「そう? ならいいけど。あまり無理しないでね」

 その優しい言葉に救われた。


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