【完結】私は死んだ。だからわたしは笑うことにした。

彩華(あやはな)

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「お前は・・・」

グランバード伯爵はその人物を見て全てを悟ったようだった

「遅い!」

もう一度いってやる。
待った。待ちくたびれた。

「おまえ、手紙が来てからここまで来るんだぞ。時間がかかるのに決まってるだろう。しかも屋敷にはいないし、これでも急いで来てやったのに、そのいい草はないだろう」
「起きてすぐに送った。ずっと待ってた」
「ミネルバ!浮気だな」

 はあ?アルス様何いってるの?

「馬鹿じゃないの?スカスカ頭ね。コイツとは10年以上会ってもないわよ。ミネルバなんてコイツの存在だってしらないわ」

ブライドがいるとどうしても素がでてしまう。
スカスカ頭と言ったせいかアルス様は撃沈している。

「なぜお前がいる?ミネルバはどこだ?」

今更何を言っているのか?
どこにいるのか、本当に気になるの?
本当に?

「答えてやれ。彼女は?」
「何処にいるのか、知らないわ。・・・そうね、あえていえば、かしら?」

もうどこにもいない。
可哀想なミネルバ。
にいなくなった。

「どう言う事だ?詳しく教えろ」
「手紙に書いたでしょ。階段から落ちたって。起きたらわたしにって。階段から落ちた時には死んでもいいって思ったのよ。わたしに全て押し付けていなくなっちゃったの。探してもいないの」

はい、さよなら、なんて酷い。
お願いね、なんて、あり得ない。
全て押し付けるなんて、ずるい。

今もわたしの中で眠っているのかも存在も感じることができない。
ポッカリ半身が居なくなった。
身体の半分がなくなった。


グランバード伯爵は膝をついて震えた。

「どう言う事だ・・・?」

訳の分からないステンディング侯爵たち。

「わたしはミネルバの中に眠るもう一つの意識よ。小さい頃から存在してたの」

幼い頃、両親が忙しくしていた為、ミネルバは寂しい思いをしていた。寂しさを紛らわす為鏡に向かって喋っているうちにわたしが生まれた。

ある日、誰もいない部屋で鏡に向かい一人喋るミネルバを母親みた。その姿が異様でその日から注意深くみるようになった。複話術のように語らうのを見て両親はひどく驚き、急いで病院につれて行ったのだった。

そこで、わたしという存在を知り、有名な精神科医を紹介されたのだ。
それが彼の父親だった。
わたしはそこで彼と知り合い、ある条件のもとミネルバの中で大人しくすることにした。
もしもの時は手紙をだすと約束してー。
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