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5章、最終章
番外編、ニーナの決意
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その情報を聞いた時、わたしは、カラスのフンがついた窓ガラスを洗っていた。
庭の木に棲みついたカラスと毎日格闘している。
奥様が、淑女らしからぬバタバタと走ってるのを見えた。
しばらくして、奥様の侍女が呼びにきたので、ビショビショになったメイド服を着替え、執務室に行くと、旦那様と奥様が待っていた。
そこで、シェリル様とグレン様の結婚が無効になったこと、シェリル様が北の辺境地かはいなくなることを知った。
理解が出来なかった。徐々に理解できると、足の力が抜けて座り込んでしまった。
「ニーナさん。どうします?会いに行きますか?」
奥様が静かな眼差しで聞いてきましたが、首を振った。
シェリル様に会いたいというのが、本音。
でも、今は会えない。手紙も今はだせない。
まだ、わたしは変われていないから。
次に会うときには、立派なーアリスさんに負けないくらいのメイドになっていると決めたのだから、今はまだ、会えない。
自分で決めた決意を覆したくない。
「そう。わかったわ。仕事に戻りなさい」
わたしは、お辞儀をして、再び仕事に戻った。
それからというのも、旦那様が読み終わった新聞を読み、戦争の情報を仕入れた。
国王様は何を考えてらっしゃるのかしら。
シェリル様はお元気かしら?
大丈夫かしら?
しばらくして、旦那様がアレクディア様から聞いてきたところによると、グレン様がシェリル様のために王都に行ったというのだ。
ふつふつと怒りが湧く。
今更?遅くない?
行くならさっさと行きなさいよ!!
少し後悔した。
もし、あっちでいたら、重いお尻を蹴飛ばしてあげたのに!
くよくよしていようあの間抜け顔に張り手してやったのに!
『力』を使ったら、記憶が無くなっちゃうのよ!
急ぎなさいよ。
今、男気見せないで、いつ見せるのよ!
わたしのせいで、いいとこなし男が、しっかりしなさいよ。
マクロン様もマクロン様ね。
なんで首根っこ締め上げなかったの!
情けないわね!
持っていた雑巾が捻れ破れかけていた。
「ニーナさん、顔が怖いわよ」
奥様に言われ、慌てて顔を揉み解した。
「ニーナさんは平気なの?」
冷静な眼差しを向けてくる、奥様。
真正面から見た。
「三年間、ここで、お世話になると誓いました。それを覆したくありません。どんな形であれ、次にシェリル様に会った時には堂々とお仕えするつもりです。胸を張って会いに行けるよう、しごいてください」
「そう、なら、しっかり働きさい」
ふっと、満足そうに口角があがった。
数ヶ月後、戦争が終わった。
聖女様たちも、無事だとわかった。
シェリル様・・・。
シェリル様は記憶を失っていると、聞こえてきた。
遅かった・・・?
グレン様!!!なんでもっと早く・・・。
アレクディア様が、それでも無事でよかったと言っていたけど、遅いよ。
わたしとの出会いも、関わりも思い出も失ってしまった・・・。
誰もいない所で、一人泣いた。
何もできない自分が悔しかった。
大口を叩いたけど、やっぱり寂しかった。
胸を張って会いに行く・・・。
どんな形でも・・・。
突きつけられた現実に心が折れそうになる。
どう言えばいい?
『はじめまして?』
嫌だ。
『はじめまして』なんて言いたくない。
「ニーナさん」
奥様がいた。
「やはり会いに行けばよかったと思う?」
何も言えなかった。
どっちつかずの答えしかなかった。
二つの心がせめぎ合っていた。
「後悔はある?」
ある。
だけど、自分で決めたことだからと言う気持ちは事実で、後悔しないともあの時に決めたのも本当。
「きっと、どちらも正しいのでしょうね。そして、どっちも間違っているのでしょう。堂々としていなさい。それがあなたを育てるわ。次に会う時、あなたはどんな顔をするの?」
それは・・・。
どうどうと、笑いながら会いたい。
会って・・・。
「シェリル様のメイドになりにきた、ニーナです!」と答えるの!!
「答えは出たわね。じゃあ、今することは何?」
「仕事に戻ります」
涙を拭き、仕事に戻る。
カラスのフンがついた窓洗い。
それが、わたしの仕事。
シェリル様、あと二年半頑張りますので待っていてください。
庭の木に棲みついたカラスと毎日格闘している。
奥様が、淑女らしからぬバタバタと走ってるのを見えた。
しばらくして、奥様の侍女が呼びにきたので、ビショビショになったメイド服を着替え、執務室に行くと、旦那様と奥様が待っていた。
そこで、シェリル様とグレン様の結婚が無効になったこと、シェリル様が北の辺境地かはいなくなることを知った。
理解が出来なかった。徐々に理解できると、足の力が抜けて座り込んでしまった。
「ニーナさん。どうします?会いに行きますか?」
奥様が静かな眼差しで聞いてきましたが、首を振った。
シェリル様に会いたいというのが、本音。
でも、今は会えない。手紙も今はだせない。
まだ、わたしは変われていないから。
次に会うときには、立派なーアリスさんに負けないくらいのメイドになっていると決めたのだから、今はまだ、会えない。
自分で決めた決意を覆したくない。
「そう。わかったわ。仕事に戻りなさい」
わたしは、お辞儀をして、再び仕事に戻った。
それからというのも、旦那様が読み終わった新聞を読み、戦争の情報を仕入れた。
国王様は何を考えてらっしゃるのかしら。
シェリル様はお元気かしら?
大丈夫かしら?
しばらくして、旦那様がアレクディア様から聞いてきたところによると、グレン様がシェリル様のために王都に行ったというのだ。
ふつふつと怒りが湧く。
今更?遅くない?
行くならさっさと行きなさいよ!!
少し後悔した。
もし、あっちでいたら、重いお尻を蹴飛ばしてあげたのに!
くよくよしていようあの間抜け顔に張り手してやったのに!
『力』を使ったら、記憶が無くなっちゃうのよ!
急ぎなさいよ。
今、男気見せないで、いつ見せるのよ!
わたしのせいで、いいとこなし男が、しっかりしなさいよ。
マクロン様もマクロン様ね。
なんで首根っこ締め上げなかったの!
情けないわね!
持っていた雑巾が捻れ破れかけていた。
「ニーナさん、顔が怖いわよ」
奥様に言われ、慌てて顔を揉み解した。
「ニーナさんは平気なの?」
冷静な眼差しを向けてくる、奥様。
真正面から見た。
「三年間、ここで、お世話になると誓いました。それを覆したくありません。どんな形であれ、次にシェリル様に会った時には堂々とお仕えするつもりです。胸を張って会いに行けるよう、しごいてください」
「そう、なら、しっかり働きさい」
ふっと、満足そうに口角があがった。
数ヶ月後、戦争が終わった。
聖女様たちも、無事だとわかった。
シェリル様・・・。
シェリル様は記憶を失っていると、聞こえてきた。
遅かった・・・?
グレン様!!!なんでもっと早く・・・。
アレクディア様が、それでも無事でよかったと言っていたけど、遅いよ。
わたしとの出会いも、関わりも思い出も失ってしまった・・・。
誰もいない所で、一人泣いた。
何もできない自分が悔しかった。
大口を叩いたけど、やっぱり寂しかった。
胸を張って会いに行く・・・。
どんな形でも・・・。
突きつけられた現実に心が折れそうになる。
どう言えばいい?
『はじめまして?』
嫌だ。
『はじめまして』なんて言いたくない。
「ニーナさん」
奥様がいた。
「やはり会いに行けばよかったと思う?」
何も言えなかった。
どっちつかずの答えしかなかった。
二つの心がせめぎ合っていた。
「後悔はある?」
ある。
だけど、自分で決めたことだからと言う気持ちは事実で、後悔しないともあの時に決めたのも本当。
「きっと、どちらも正しいのでしょうね。そして、どっちも間違っているのでしょう。堂々としていなさい。それがあなたを育てるわ。次に会う時、あなたはどんな顔をするの?」
それは・・・。
どうどうと、笑いながら会いたい。
会って・・・。
「シェリル様のメイドになりにきた、ニーナです!」と答えるの!!
「答えは出たわね。じゃあ、今することは何?」
「仕事に戻ります」
涙を拭き、仕事に戻る。
カラスのフンがついた窓洗い。
それが、わたしの仕事。
シェリル様、あと二年半頑張りますので待っていてください。
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