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2章、サウス樹海の中
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女性、2人は抱き合うようにして隅で寝た。
彼女たちから離れた場所で、シェリルは子供たちの側で座っていた。
既に夜になっているのか、子供たちは団子のようになって眠っている。
眠ることができず、タルクとしゃべる。
「姉ちゃんは本物の聖女?」
「うん。早く言えばよかったね」
「ううん、初めに言われた方が信じられねぇや。なんの力があるの?」
「わたしは器用貧乏なんだ。ティティ姉様の先見、千里眼はないけど、他の力ならなんとかあつかえるかな・・・」
「普通一つじゃないの?」
「普通はね。わたしは力はあまり多くなくて、使う力も抑えないと命に関わるから、あまり当てにできないんだよね」
「嘘だ。すごいよ。絶対にすごいって!!」
興奮するタクルに困った顔を向けた。
「聖女には制限があるから、無闇に力は使えないんだ。だからできないことも多い。すごくないよ」
その制限があるからこそ、使うことができない。ダメ聖女と言われる所以だった。
それを知るのはアシュリーとアリス。姉聖女たちと司祭レニー。あとは、何人かいるが、それも偶然知ったものたちであり、誰も口外しないと約束してくれている。
誰にもバレたくない。
ひた隠しにしている。
まだ知られていないことに安心しているが、もしバレたら、自分はどうなるのか不安だった。
「姉ちゃん?」
タクルにが呼びかけてくる。
「大丈夫よ」
クゥクゥと眠る子供たちを見つめる。
早く解放してあげたかった。
早く来て欲しい。
待つしかないのがもどかしかった。
ヒンッ
?!
フヒッン
鉄格子をみる。
鉄格子に挟まった小さなケヴィンがいた。
さっと立ち上がり鉄格子まで行って挟まったケヴィンを見た。押しても引いても動かないほどのジャストサイズで挟まっている。
ウルウルと見上げてくる。
「ケヴィン。もう少し小さくなれば?」
ヒンッ!?
ガーン、そんな効果音が聞こえてきそうだ悲しそうな顔で見上げてくる。
「あっ、ごめん・・・」
いじけるようにして、もう一段階小さくなったケヴィンは、スルリと鉄格子を通り、シェリルの手の中に収まった。
「姉ちゃん?」
「助けがくるわ」
確信した。
でなければケヴィンが来るわけがない。
タクルの元に戻るとケヴィンを見せた。
「えっ、生きてるの?」
「賢蒼馬のケヴィンよ。友達なの」
自己紹介をされたケヴィンはヒンッとポーズをとった。だが、小さいのでぬいぐるみのようにしか見えない。
「おまえ、みんなにその姿見せたら、もみくちゃにされるぞ」
ヒウッ!!!
緊張感のない会話を続けた。
「楽しそうだな~。聖女様。ちょいと俺らと話でもしようぜ」
ねっとりととした言葉が聞こえてきた。
いつの間にかあの男が立っていた。
「姉ちゃん?」
「ケヴィン、みんなをお願いね。タルク、ケヴィンを置いていくから、よろしくね」
「姉ちゃん!」
立ち上がり、シェリルは開かれた鉄格子をくぐったのだった。
彼女たちから離れた場所で、シェリルは子供たちの側で座っていた。
既に夜になっているのか、子供たちは団子のようになって眠っている。
眠ることができず、タルクとしゃべる。
「姉ちゃんは本物の聖女?」
「うん。早く言えばよかったね」
「ううん、初めに言われた方が信じられねぇや。なんの力があるの?」
「わたしは器用貧乏なんだ。ティティ姉様の先見、千里眼はないけど、他の力ならなんとかあつかえるかな・・・」
「普通一つじゃないの?」
「普通はね。わたしは力はあまり多くなくて、使う力も抑えないと命に関わるから、あまり当てにできないんだよね」
「嘘だ。すごいよ。絶対にすごいって!!」
興奮するタクルに困った顔を向けた。
「聖女には制限があるから、無闇に力は使えないんだ。だからできないことも多い。すごくないよ」
その制限があるからこそ、使うことができない。ダメ聖女と言われる所以だった。
それを知るのはアシュリーとアリス。姉聖女たちと司祭レニー。あとは、何人かいるが、それも偶然知ったものたちであり、誰も口外しないと約束してくれている。
誰にもバレたくない。
ひた隠しにしている。
まだ知られていないことに安心しているが、もしバレたら、自分はどうなるのか不安だった。
「姉ちゃん?」
タクルにが呼びかけてくる。
「大丈夫よ」
クゥクゥと眠る子供たちを見つめる。
早く解放してあげたかった。
早く来て欲しい。
待つしかないのがもどかしかった。
ヒンッ
?!
フヒッン
鉄格子をみる。
鉄格子に挟まった小さなケヴィンがいた。
さっと立ち上がり鉄格子まで行って挟まったケヴィンを見た。押しても引いても動かないほどのジャストサイズで挟まっている。
ウルウルと見上げてくる。
「ケヴィン。もう少し小さくなれば?」
ヒンッ!?
ガーン、そんな効果音が聞こえてきそうだ悲しそうな顔で見上げてくる。
「あっ、ごめん・・・」
いじけるようにして、もう一段階小さくなったケヴィンは、スルリと鉄格子を通り、シェリルの手の中に収まった。
「姉ちゃん?」
「助けがくるわ」
確信した。
でなければケヴィンが来るわけがない。
タクルの元に戻るとケヴィンを見せた。
「えっ、生きてるの?」
「賢蒼馬のケヴィンよ。友達なの」
自己紹介をされたケヴィンはヒンッとポーズをとった。だが、小さいのでぬいぐるみのようにしか見えない。
「おまえ、みんなにその姿見せたら、もみくちゃにされるぞ」
ヒウッ!!!
緊張感のない会話を続けた。
「楽しそうだな~。聖女様。ちょいと俺らと話でもしようぜ」
ねっとりととした言葉が聞こえてきた。
いつの間にかあの男が立っていた。
「姉ちゃん?」
「ケヴィン、みんなをお願いね。タルク、ケヴィンを置いていくから、よろしくね」
「姉ちゃん!」
立ち上がり、シェリルは開かれた鉄格子をくぐったのだった。
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