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2章、サウス樹海の中
3.グレン視点
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「美味しいですね~」
あまり感情がこもっていない、トマーの言葉。
なぜ、こいつがここにいる?今日は休みなのは知っている。しかし、なぜ、彼女らと一緒にいるのかはわからない。
しかも、場が読めないのか?!
もくもくと食べるなか、一人滑稽なほどにツルツル滑りながら喋るトマー。
大丈夫か?
俺は少し離れたところに座る聖女を横目で見た。
*****
あの日、俺は彼女を押し退けた。
マクロンとザックに言われ始めて、聖女だったのだと気づいた。
二人にニーナを治療したのだと聞かされ、自分のした行動を確かに悔いた。
女性に乱暴するつもりは一切なかった。だがあの時はニーナの事で頭がいっぱいで・・・。
ニーナ・・・。
俺は、振られた。
恋人でもなんでもなかった。
一方通行の思いだった。
ニーナは全てを我慢していた。
知らなかった。
幸せそうにマクロンと抱き合い、キスを・・・キス・・・・・・・・・。
キス・・・。
俺の恋は終わった。
すべて、終わった。
ザックが悟りに満ちた目で俺の肩を叩いた・・・。
あの後のことはよく覚えていない。
それから、数日してー、
ニーナとマクロンの結婚が決まった。
マクロンは父の傍系にあたる、伯爵の三男だから、平民のニーナとの結婚に反対されないようだ。
ケリー夫人の裁判はまだだか、ニーナは割り切っていた。
もともと、あまり仲が良くなかったのもあるようで、庇う気はないといいきった。ただ、使い込んだお金はケリー夫人の持ち物を売って精算し、まだ足りないお金や治療にかかった費用は何としても自分で払うと言った。マクロンも協力するそうだ。
ケリー夫人の使い込みは自分で精算させるとして、治療費はかまわないといったが、ケジメだと言われた。借りを作ったままは嫌だと言い切った。
その瞬間、ほんとに俺に何の感情を抱いていなかったのだと思い知った。
時間が経つごとに、ますます実感する。
ニーナはメイドになり精力的に動くようになった。
本来の彼女を初めて見た。
マクロンの顔が二割増に輝いていた。
爆散すれば、いいのに・・・。
館の中は様変わりした。
ザックが、かなりの数の執事、侍女やメイド、調理人、従者、小間使いを解雇し新しく雇い直しのだ。
一斉解雇に今後、やっていけるのかと驚きを隠せず、聞くと、「再教育するのと新しく雇うのとでは手間は変わりません」と言っていた。
そんなに酷かったのか?!
自分の見えていないことがボロボロとでてくる。周りを見ていなかったことに対して自己嫌悪。情けなさが溢れた。
いろいろな意味で失格だ。
自分の事でいっぱいの俺にザックは追い討ちをかける。
「聖女様をどうするおつもりですか?」
どうしよう・・・。
廊下で見かけたニーナがザックに言っていた。
「聖女さまのメイドになりたいですっ。なのに、北の棟にいけないなんて、どうしてですか?」
・・・俺のせいですね。
じわじわと抉る。
一人になりたい。
俺はまだ失恋から立ち直っていないんだ!
一人にさせてくれ!!
感傷にひたらしてくれ!!
聖女のことなんて、それからだ!!
俺は、一人になるべく樹海に行くことにしたのだった。
あまり感情がこもっていない、トマーの言葉。
なぜ、こいつがここにいる?今日は休みなのは知っている。しかし、なぜ、彼女らと一緒にいるのかはわからない。
しかも、場が読めないのか?!
もくもくと食べるなか、一人滑稽なほどにツルツル滑りながら喋るトマー。
大丈夫か?
俺は少し離れたところに座る聖女を横目で見た。
*****
あの日、俺は彼女を押し退けた。
マクロンとザックに言われ始めて、聖女だったのだと気づいた。
二人にニーナを治療したのだと聞かされ、自分のした行動を確かに悔いた。
女性に乱暴するつもりは一切なかった。だがあの時はニーナの事で頭がいっぱいで・・・。
ニーナ・・・。
俺は、振られた。
恋人でもなんでもなかった。
一方通行の思いだった。
ニーナは全てを我慢していた。
知らなかった。
幸せそうにマクロンと抱き合い、キスを・・・キス・・・・・・・・・。
キス・・・。
俺の恋は終わった。
すべて、終わった。
ザックが悟りに満ちた目で俺の肩を叩いた・・・。
あの後のことはよく覚えていない。
それから、数日してー、
ニーナとマクロンの結婚が決まった。
マクロンは父の傍系にあたる、伯爵の三男だから、平民のニーナとの結婚に反対されないようだ。
ケリー夫人の裁判はまだだか、ニーナは割り切っていた。
もともと、あまり仲が良くなかったのもあるようで、庇う気はないといいきった。ただ、使い込んだお金はケリー夫人の持ち物を売って精算し、まだ足りないお金や治療にかかった費用は何としても自分で払うと言った。マクロンも協力するそうだ。
ケリー夫人の使い込みは自分で精算させるとして、治療費はかまわないといったが、ケジメだと言われた。借りを作ったままは嫌だと言い切った。
その瞬間、ほんとに俺に何の感情を抱いていなかったのだと思い知った。
時間が経つごとに、ますます実感する。
ニーナはメイドになり精力的に動くようになった。
本来の彼女を初めて見た。
マクロンの顔が二割増に輝いていた。
爆散すれば、いいのに・・・。
館の中は様変わりした。
ザックが、かなりの数の執事、侍女やメイド、調理人、従者、小間使いを解雇し新しく雇い直しのだ。
一斉解雇に今後、やっていけるのかと驚きを隠せず、聞くと、「再教育するのと新しく雇うのとでは手間は変わりません」と言っていた。
そんなに酷かったのか?!
自分の見えていないことがボロボロとでてくる。周りを見ていなかったことに対して自己嫌悪。情けなさが溢れた。
いろいろな意味で失格だ。
自分の事でいっぱいの俺にザックは追い討ちをかける。
「聖女様をどうするおつもりですか?」
どうしよう・・・。
廊下で見かけたニーナがザックに言っていた。
「聖女さまのメイドになりたいですっ。なのに、北の棟にいけないなんて、どうしてですか?」
・・・俺のせいですね。
じわじわと抉る。
一人になりたい。
俺はまだ失恋から立ち直っていないんだ!
一人にさせてくれ!!
感傷にひたらしてくれ!!
聖女のことなんて、それからだ!!
俺は、一人になるべく樹海に行くことにしたのだった。
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