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1章、契約の内容
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一時間ほどかけて街まで歩いた。
「馬が欲しいですね」
「意外にかかるね」
呑気に話しながら街を見ていく。
街は賑わっていた。至る所に市が建てられ、干し魚や野菜が売られている。市民向けの装飾品が売られていたり、古本市があったりとしている。
街を見れば領主の価値がわかるもの。
「きちんとされていますね」
「街中、見たいけど・・・ギルドが先よね・・・」
ギルドの看板を見つけ入っていく。
タバコと酒、汗の匂いのする室内。
中には鍛えられた男たちが集まっていた。
そんな中に現れるシェリルとアシュリー。場違いな容姿に男たちは冷笑していた。
「すみません」
誰もいないカウンターにシェリルが呼びかけると、奥から、兎獣人の女性が現れた。
「はいは~い。お待たせしましたぁ。なんですか?」
「はい、二年ほど更新してないので、更新したいのと、依頼したいこと、依頼を受けたいこと、あと売りたいものがあります」
シェリルは自分のギルドプレートを取り出し提示し、前もって準備しておいた薬の調合に必要な素材の依頼書を見せる。後ろからアシュリーが受ける依頼書を持ってくる。そして自分の作った薬の入ったカバンを机に置いた。
獣人の女性ーミルルは目を白黒させながらシェリルを見た。
「薬は商業ギルドの方がいいですか?」
「えっと、なんの薬ですか?」
「ポーションですけど。初級10本、中級10本、上級10本あります」
「ふぇ、ちょっ、待ってくださぁいっ」
彼女は泣きながら奥に入って行った。
しばらくすると白髪混じりの中年男がミルルとやってきた。
「ミルルが、すまねぇな。俺はギルマスのエルバス。ちょいと見せてもらうぜ」
そう言うと鞄の中を覗く。
確かに存在するポーションにゴクリと唾を飲み込む音が聞こえる。
「確かに・・・ポーションだな・・・。えっと・・・、まず、まず更新からさせてもらう・・・」
挙動不審な彼らを不思議そうにシェリルとアシュリーは見た。
「失礼、なぜそのような反応をされるのです?」
「いや、その・・・、ここがどういう地か知ってるよな?」
「北の辺境地。サウロス山脈がそびえサウス樹海に覆われている、魔獣の蔓延る地、ですよね。だからこそ冒険者もあとをたたない、ですよね」
「ああっ、だからこそ怪我人も絶えない・・・。ポーションも足りないんだ・・・」
二人は理解した。
足りないポーションを持ってきたら、渡りに船だ。しかも、それが初級だけではなく中級、上級ならますます驚きを隠せないだろう。
ちらりとアシュリーを見ると、アシュリーは細い眉を困ったように八の字にするだけだった。
エルバスは机の上に置かれたギルドプレートをとり名前の確認をする。
再び、手を止め顔とシェリルの顔を見比べる。
「えっと、間違いでない、よな?」
「はい。できれば内緒でお願いします」
コクコクとエルバスは頷いた。
ギルドプレートには正式な名前が書かれている。それが聖女の名前だとしても・・・。
「リルでお願いしますね」
可愛らしい笑顔にエルバスはデレっと笑ったのだった。
「馬が欲しいですね」
「意外にかかるね」
呑気に話しながら街を見ていく。
街は賑わっていた。至る所に市が建てられ、干し魚や野菜が売られている。市民向けの装飾品が売られていたり、古本市があったりとしている。
街を見れば領主の価値がわかるもの。
「きちんとされていますね」
「街中、見たいけど・・・ギルドが先よね・・・」
ギルドの看板を見つけ入っていく。
タバコと酒、汗の匂いのする室内。
中には鍛えられた男たちが集まっていた。
そんな中に現れるシェリルとアシュリー。場違いな容姿に男たちは冷笑していた。
「すみません」
誰もいないカウンターにシェリルが呼びかけると、奥から、兎獣人の女性が現れた。
「はいは~い。お待たせしましたぁ。なんですか?」
「はい、二年ほど更新してないので、更新したいのと、依頼したいこと、依頼を受けたいこと、あと売りたいものがあります」
シェリルは自分のギルドプレートを取り出し提示し、前もって準備しておいた薬の調合に必要な素材の依頼書を見せる。後ろからアシュリーが受ける依頼書を持ってくる。そして自分の作った薬の入ったカバンを机に置いた。
獣人の女性ーミルルは目を白黒させながらシェリルを見た。
「薬は商業ギルドの方がいいですか?」
「えっと、なんの薬ですか?」
「ポーションですけど。初級10本、中級10本、上級10本あります」
「ふぇ、ちょっ、待ってくださぁいっ」
彼女は泣きながら奥に入って行った。
しばらくすると白髪混じりの中年男がミルルとやってきた。
「ミルルが、すまねぇな。俺はギルマスのエルバス。ちょいと見せてもらうぜ」
そう言うと鞄の中を覗く。
確かに存在するポーションにゴクリと唾を飲み込む音が聞こえる。
「確かに・・・ポーションだな・・・。えっと・・・、まず、まず更新からさせてもらう・・・」
挙動不審な彼らを不思議そうにシェリルとアシュリーは見た。
「失礼、なぜそのような反応をされるのです?」
「いや、その・・・、ここがどういう地か知ってるよな?」
「北の辺境地。サウロス山脈がそびえサウス樹海に覆われている、魔獣の蔓延る地、ですよね。だからこそ冒険者もあとをたたない、ですよね」
「ああっ、だからこそ怪我人も絶えない・・・。ポーションも足りないんだ・・・」
二人は理解した。
足りないポーションを持ってきたら、渡りに船だ。しかも、それが初級だけではなく中級、上級ならますます驚きを隠せないだろう。
ちらりとアシュリーを見ると、アシュリーは細い眉を困ったように八の字にするだけだった。
エルバスは机の上に置かれたギルドプレートをとり名前の確認をする。
再び、手を止め顔とシェリルの顔を見比べる。
「えっと、間違いでない、よな?」
「はい。できれば内緒でお願いします」
コクコクとエルバスは頷いた。
ギルドプレートには正式な名前が書かれている。それが聖女の名前だとしても・・・。
「リルでお願いしますね」
可愛らしい笑顔にエルバスはデレっと笑ったのだった。
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