【完結】好きになったので

彩華(あやはな)

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わたしは主人あるじに拾われたました。

わたしがまだ、6歳のころのことです。

わたしの母は片田舎の娘でした。
父がたまたま、田舎にきて見染めたらしく、母に婚約者がいるのも構わず連れ帰ったそうです。
すぐにわたしを身籠りました。
その時にはすでに父は母に興味を失せていたそうです。

母はわたしを産みました。

母はわたしが疎ましかったようです。
わたしが男ならまだしも、女でしたから。

わたしがいなければ、田舎に帰れたのに、わたしが男なら、まだ父が見てくれたのに・・・と。

母は病気で死にました。
医者にもかかれず・・・。きっと父は母の存在を忘れていたのでしょう。

母が死んだ時、それが6歳の時でした。

どうやって生きようか、ぐーぐーなるお腹をさすりながら必死に考えていた時に、主人に会いました。

天使のようでした。
いえ、黒天使?のほうがしっくりくるでしょう。

主人はわたしにご飯をくれました。
寝るところをくれました。
着る物を用意してくれました。
学ぶ場を与えてくれました。

最高です。

主人に生涯を捧げよう、そう思いました。


でも、わたしは出会ったのです。

一目惚れしたのです。

13歳の時、主人が出席するパーティーでその方を。

すごく綺麗な方でした。

わたしにはないー、

プラチナブロンドの髪に淡い青い目。

主人の妹君が持っている人形のようでした。

主人も引かれているのに気づきましたが、それどころじゃありません。

友達・・・いえ、あの方にお仕えしたい。
そう心の底から思ったのです。

次の日わたしは早速行動に起こしたのです。

主人に辞表を出しました。
びっくりされました。
慌てていました。
ダメ、と言われました。

そんな事関係ありません。
わたしは決めたのですから。


主人のお父上様からも話がありました。

でも、関係ありません。
わたしの意志を通します。

そして、なんとか認めてもらいました。条件付きで。


1.主人の名前を出さない。
   出しませんとも。
2.勝手に暴走しない。
   がんばります。
3. 暴力を振るわない。
   この7年の集大成を使わない。嫌われたくないので従います。
4.とある貴族の庇護に入り、紹介状を持ってゆくこと。
   いいですとも。
5.いずれ婚約者と結婚する。
   仕方ないので受け入れます。


呑みます。
あの方の元へゆけるなら、なんでもします。

わたしは庇護に入る貴族の元にいきました。
説明を受けます。

早くして欲しい。
そればかりしか思わず、説明半ばで出て行きました。
きちんと紹介状を奪い取って。

数日かけて行きます。

そして、あの方の家の門を叩きました。
やっと逢える。

紹介状の強さを知りました。




わたしはやっと辿り着いたのです。

やはりお美しい・・・。

鼻血が出そう・・・。

わたしは、貴女に仕える為に生まれたのです。

ユーファミア様。

わたしは
わたしは、

貴女様が好きなのですっ!










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