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第6話 勢揃い
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「な、なんだ!?」
大騒ぎで走ってくる女を見て、アルテマは仰天して身構える。
女はそれには構わず飛び込んでくると、アルテマをギュッと抱きしめた。
「ぐ、ぐえぇえっ!??」
「はじめましてアルテマちゃん。私『ぬか娘』本名は萩野《はぎの》 真琴《まこと》っていいます!! よかった~~ぁ!! 元気になったんだね!?? ね、ね!! あなた鬼の子?? どうして山に倒れてたの!?? どこから来たの?? なにか特別な力とか使える???」
抱きしめつつ、矢継ぎ早に質問を浴びせてくるぬか娘と名乗った黒髪三つ編み丸眼鏡の女。わけがわからず、そして傷口が痛くてヒキガエルのような呻きを上げてもがくアルテマ。
「あ~~ん、ツノだツノだ♡ ね、ね、これ本物?? 触っていい? 触っていい?? いいよね、いやぁ~~んコリコリしてるぅ~~~~!!」
――――ドゴン!!
「ぐふぅ!??」
「いい加減にせんか、この妄想娘が!!」
そんなハイテンション娘の脳天に藤堂爺さんのゲンコツが突き刺さる。
「きゅ~~~~……」
おおきなコブを膨らませながら地面に伏して目を回すぬか娘。
そんな彼女を追いかけるように、道の向こうから新たな三人組が現れた。
「なんだなんだ、ぬか娘。突然走って一体どうしたんだよってあれ?? 鬼娘??」
「……ほんとだ……起きてる……」
「お、お、お、お、おはようございます。よ、よ、よ、ようこそ人間の世界へ!!」
男二人に女一人。
それぞれラフな格好をした彼らは、わらわらとアルテマの回りに集まって来るとみな興味深々な顔をして取り囲んできた。
「だ、だ、だ、だからなんだお前らは!?」
「こらこら、お前ら! まだアルテマは病み上がりなんじゃからな、あんまりベタベタかまうでないわ!!」
元一爺さんが、そんな騒がしい男女を怒鳴りつけるが、興奮した連中は一向にアルテマから離れようとはしなかった。
もみくしゃにされるアルテマ。
元一はそんなアルテマを引っ張り上げ胸に抱えると、
「ええい!! とりあえず離れんかお前たち。わかった、わかった、きちんと紹介してやるから!! 全員家に入れっ!!」
と、若者たちを無理やり散らせた。
「なんて素晴らしい装置だ……」
家に戻り、トマトの汁まみれになった顔を洗うようにと洗面所に案内されたアルテマは、蛇口から出続ける新鮮な水を見つめ固まっていた。
『蛇口。捻ればいくらでも飲水が出るよ。お金はかかるよ』
婬眼《フェアリーズ》の解析を聞いて腰を抜かしそうになった。
雨もなかなか降らない帝国では、水は一番の貴重品だった。
井戸を掘って、ようやくありつけたとしても、しばらくしたらすぐに枯れてしまってまた別の井戸を掘らなければならない。
なので庶民は手に入る水のほとんどを飲用に使い、洗濯や風呂などは砂を擦りつけて済ましていた。
それがこの世界では顔の汚れを落とすのにも飲料水を使うだと??
「ば、罰当たりな!!」
「いや、バチは当たらんから、さっさと顔を洗いなさいな」
節子お婆さんが苦笑いしながら蛇口を止めにくる。
洗面器に溜まった水を覗き込み、アルテマは、
――――ズズズズズズズズズ。
それを犬飲みで啜り込んだ。
「これこれこれこれ、はしたない、はしたない」
お婆さんはアルテマを洗面器から引っ剥がす。
そしてタオルを濡らすと、それでアルテマの顔を丁寧に拭いてあげた。
お座敷に入ると、元一とその他の年寄り、それからさっきの二人の青年と二人の女性がちゃぶ台を囲んで座っていた。
女性のうち片方はあのぬか娘である。
彼女はアルテマを見つめ鼻息を荒くしている。
「おお、アルテマよこっちへ来て座りなさい」
元一が自分の隣に敷いてある座布団を指してアルテマを招く。
全員の視線に少したじろぎながらも、アルテマは恐る恐るそこに片膝を立てて座った。
「……なんじゃ、その座り方は?」
元一が眉をひそめ聞いてくる。
「? おかしいか? 我が国に伝わる伝統的な着座の姿勢だが?」
「そう……か、いや、だったらいいんじゃが……」
「いや、よくないですよお爺さん。ほらほら女の子がそんなに足を上げてはしたないですよ!!」
またもやお婆さんがたしなめてくる。
アルテマはしぶしぶとお婆さんと同じ座り方『正座』とやらををしてみるが、これが何とも膝と腿あたりが突っ張って痛い。
「こ……こんな座り方……ほんとに合っているのかこれで……?」
プルプルと背を震わせて顔を引きつらせるアルテマ。
「そうですよ。これが正しい女の子の座り方ですよ」
見ると、対面に座る別のお婆さんや若い女性もみなこの座り方をしている。
「そ……そ、そうか……まぁ、郷に入らずんば郷に従えと……いうしな……くく」
「いや、まぁ、べつにそうだと決まっているわけじゃないしの、辛いのなら崩してもいいぞ、今はそんなかたっ苦しい場ではないからな」
元一が助け舟を出してくれて、アルテマはホッとして足を崩した。
するとぬか娘がクスリと笑って、お手本とばかりに横座りを披露してくれる。
アルテマはそれに習って同じように座り、ようやく一息ついた。
「さて、それでは集会を始めるかの」
元一爺さんは皆を見回しそう言うと、
「まずはアルテマよ。ここにいる者がこの集落の全員じゃ。いまのところ、この者たち以外はお前の存在は知られていない」
「む、そうなのか。……ということは、私はこの者たちにも世話になったと言うことか?」
「そうだな、まずは礼を言うといい」
元一爺さんに促され、アルテマは全員に向かって頭を下げた。
「諸事情あってこの世界に逃げ延びてきた暗黒騎士アルテマという者です。聞けば皆様にも隨分と世話を頂けたようで大変ありがたく思う」
「あ、あ、あ、あ、あ、暗黒騎士……♡」
そのフレーズを聞いて、ポタポタと鼻血を流すぬか娘。
その他の者にも異様な熱い視線を浴びせられ、アルテマは頬を引きつらせ嫌な予感を感じた。
大騒ぎで走ってくる女を見て、アルテマは仰天して身構える。
女はそれには構わず飛び込んでくると、アルテマをギュッと抱きしめた。
「ぐ、ぐえぇえっ!??」
「はじめましてアルテマちゃん。私『ぬか娘』本名は萩野《はぎの》 真琴《まこと》っていいます!! よかった~~ぁ!! 元気になったんだね!?? ね、ね!! あなた鬼の子?? どうして山に倒れてたの!?? どこから来たの?? なにか特別な力とか使える???」
抱きしめつつ、矢継ぎ早に質問を浴びせてくるぬか娘と名乗った黒髪三つ編み丸眼鏡の女。わけがわからず、そして傷口が痛くてヒキガエルのような呻きを上げてもがくアルテマ。
「あ~~ん、ツノだツノだ♡ ね、ね、これ本物?? 触っていい? 触っていい?? いいよね、いやぁ~~んコリコリしてるぅ~~~~!!」
――――ドゴン!!
「ぐふぅ!??」
「いい加減にせんか、この妄想娘が!!」
そんなハイテンション娘の脳天に藤堂爺さんのゲンコツが突き刺さる。
「きゅ~~~~……」
おおきなコブを膨らませながら地面に伏して目を回すぬか娘。
そんな彼女を追いかけるように、道の向こうから新たな三人組が現れた。
「なんだなんだ、ぬか娘。突然走って一体どうしたんだよってあれ?? 鬼娘??」
「……ほんとだ……起きてる……」
「お、お、お、お、おはようございます。よ、よ、よ、ようこそ人間の世界へ!!」
男二人に女一人。
それぞれラフな格好をした彼らは、わらわらとアルテマの回りに集まって来るとみな興味深々な顔をして取り囲んできた。
「だ、だ、だ、だからなんだお前らは!?」
「こらこら、お前ら! まだアルテマは病み上がりなんじゃからな、あんまりベタベタかまうでないわ!!」
元一爺さんが、そんな騒がしい男女を怒鳴りつけるが、興奮した連中は一向にアルテマから離れようとはしなかった。
もみくしゃにされるアルテマ。
元一はそんなアルテマを引っ張り上げ胸に抱えると、
「ええい!! とりあえず離れんかお前たち。わかった、わかった、きちんと紹介してやるから!! 全員家に入れっ!!」
と、若者たちを無理やり散らせた。
「なんて素晴らしい装置だ……」
家に戻り、トマトの汁まみれになった顔を洗うようにと洗面所に案内されたアルテマは、蛇口から出続ける新鮮な水を見つめ固まっていた。
『蛇口。捻ればいくらでも飲水が出るよ。お金はかかるよ』
婬眼《フェアリーズ》の解析を聞いて腰を抜かしそうになった。
雨もなかなか降らない帝国では、水は一番の貴重品だった。
井戸を掘って、ようやくありつけたとしても、しばらくしたらすぐに枯れてしまってまた別の井戸を掘らなければならない。
なので庶民は手に入る水のほとんどを飲用に使い、洗濯や風呂などは砂を擦りつけて済ましていた。
それがこの世界では顔の汚れを落とすのにも飲料水を使うだと??
「ば、罰当たりな!!」
「いや、バチは当たらんから、さっさと顔を洗いなさいな」
節子お婆さんが苦笑いしながら蛇口を止めにくる。
洗面器に溜まった水を覗き込み、アルテマは、
――――ズズズズズズズズズ。
それを犬飲みで啜り込んだ。
「これこれこれこれ、はしたない、はしたない」
お婆さんはアルテマを洗面器から引っ剥がす。
そしてタオルを濡らすと、それでアルテマの顔を丁寧に拭いてあげた。
お座敷に入ると、元一とその他の年寄り、それからさっきの二人の青年と二人の女性がちゃぶ台を囲んで座っていた。
女性のうち片方はあのぬか娘である。
彼女はアルテマを見つめ鼻息を荒くしている。
「おお、アルテマよこっちへ来て座りなさい」
元一が自分の隣に敷いてある座布団を指してアルテマを招く。
全員の視線に少したじろぎながらも、アルテマは恐る恐るそこに片膝を立てて座った。
「……なんじゃ、その座り方は?」
元一が眉をひそめ聞いてくる。
「? おかしいか? 我が国に伝わる伝統的な着座の姿勢だが?」
「そう……か、いや、だったらいいんじゃが……」
「いや、よくないですよお爺さん。ほらほら女の子がそんなに足を上げてはしたないですよ!!」
またもやお婆さんがたしなめてくる。
アルテマはしぶしぶとお婆さんと同じ座り方『正座』とやらををしてみるが、これが何とも膝と腿あたりが突っ張って痛い。
「こ……こんな座り方……ほんとに合っているのかこれで……?」
プルプルと背を震わせて顔を引きつらせるアルテマ。
「そうですよ。これが正しい女の子の座り方ですよ」
見ると、対面に座る別のお婆さんや若い女性もみなこの座り方をしている。
「そ……そ、そうか……まぁ、郷に入らずんば郷に従えと……いうしな……くく」
「いや、まぁ、べつにそうだと決まっているわけじゃないしの、辛いのなら崩してもいいぞ、今はそんなかたっ苦しい場ではないからな」
元一が助け舟を出してくれて、アルテマはホッとして足を崩した。
するとぬか娘がクスリと笑って、お手本とばかりに横座りを披露してくれる。
アルテマはそれに習って同じように座り、ようやく一息ついた。
「さて、それでは集会を始めるかの」
元一爺さんは皆を見回しそう言うと、
「まずはアルテマよ。ここにいる者がこの集落の全員じゃ。いまのところ、この者たち以外はお前の存在は知られていない」
「む、そうなのか。……ということは、私はこの者たちにも世話になったと言うことか?」
「そうだな、まずは礼を言うといい」
元一爺さんに促され、アルテマは全員に向かって頭を下げた。
「諸事情あってこの世界に逃げ延びてきた暗黒騎士アルテマという者です。聞けば皆様にも隨分と世話を頂けたようで大変ありがたく思う」
「あ、あ、あ、あ、あ、暗黒騎士……♡」
そのフレーズを聞いて、ポタポタと鼻血を流すぬか娘。
その他の者にも異様な熱い視線を浴びせられ、アルテマは頬を引きつらせ嫌な予感を感じた。
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