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第211話 呼び出しの理由②
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「あ、あ、あ、ああいえいえ!! 別にそそそそんなことは言っておりませんでござるでござる!!」
百恵ちゃんの睨みつけに、あわてて取り繕う筆頭さんだが。
「いまそう言ったであろうがっ!!」
こみ上げてくる怒りのままに、バンッと畳を叩く百恵ちゃん。
「こ、こ、こ、怖い怖い怖いですぅ~~。いいいいやいや、ですから形式上ですからそそそそんなに怒らないでくくくくださいっ!!」
二重あごをタプタプ震わせながら眼鏡を曇らす筆頭さん。
しかしそのうっとおしい口調とむさ苦しさに、百恵ちゃんの怒りは静まるどころか余計にヒートアップする。
「これが怒らずにいられるか!! 吾輩たちはみな命がけで戦ってきたばかりじゃぞ!! 吾輩も姉も宝塚も!! 女将たちだってそんな吾輩たちを救出しに奮闘してくれた!! この中に裏切り者なんているわけがないっ!!」
「百恵様、落ち着いて下さい落ち着いてください!!」
今にも噛みつこうとする百恵ちゃんを必死に羽交い締めにして止める瀬戸さん。
筆頭さんはそんな百恵ちゃんにペコペコ頭を下げて言った。
「いいいいや、ですから形式上、書類作成上どうしてもひひひ必要なんですよぅ。そそそそそれに調べるのはああああなた方だけではあああありません、ここの職員全員が対象なんですよぉぉぉう!! はぁはぁはぁはぁ」
小学生女子に責め立てたれ、なぜか激しく興奮し、鼻息を荒くする変態筆頭監視官。
「そういうことだよ、だから気分が悪いのはわかるが我慢おし。これも必要なことなんだよ」
お茶を啜りながら女将が言った。
「でも、それでどうして私たちだけが呼ばれたんですか?」
恐る恐る手を上げて宇恵ちゃんが尋ねた。
そりゃそうだ、全員を検査するならわざわざ私たちだけ呼び出さずとも、列でも作らせて片っ端から調べてしまえば良いのだ。それをなぜ私たちだけが先に呼び出されたのだろう?
「おのれ、やっぱり吾輩たちだけを疑っておるのではないかっ!??」
トレードマーク(?)のマスクを吹き飛ばし、ツバを撒き散らして激高する百恵ちゃん。
「ぱくぱく、ととととんでもありません、ぱくぱく全員検査と言ってもぼぼぼ僕一人ではじじじ時間がかかってしまいますから、ぱくぱくぱくぱく」
――――ごすっ!!!!
「――――ふぐっ!!??」
「百恵様のツバを食うなツバを!! このド変態がっ!!!!」
その所業を目の当たりにして、ミイラ取りがミイラではないが、百恵ちゃんよりも先に切れてしまった瀬戸さん。
彼女にとっては雲の上の存在であるはずの筆頭監視官に全力のグーパンをお見舞いした。
「四本木よ……今日はいい天気だねぇ」
「ですなぁ女将。……そろそろ鍋もいいですなぁ」
「……あ、ニドラーン発見」
何も見ていない女将と料理長。
死ぬ子先生はスマホでモンスターを集めている。
あ~~あ……もう無茶苦茶だと、私は頭を抱えてうつむいた。
「おっほん……まぁ、つまり……もし操られてたと仮定して、驚異となる者を上位順に集めたと、まぁそういうわけだよ」
「……うぬぅ……そ、そうなのか……うるるるる……」
場を一旦仕切り直し、筆頭変態軽犯罪者の代わりに説明をする女将。
百恵ちゃんはとりあえず納得したようだが、まだまだ気を許してはいなかった。
牙を抜き出しにして瀬戸さんと一緒に睨みつけている。
「ほっほほ……本当です!!」
殴られた頬を擦り擦りしなだれるお偉いさん。
……このひとほんとに偉い人なんだよね……?
「それにメンバー選別をしたのは私さね。……敵に回るとやっかいだと思う者を私が独断で判断してここに呼んだのさ」
「え……?」
女将の言葉に宇恵ちゃんがちょっと嬉しそうに頬を赤らめる。
敵に回すとやっかい――――それは言わずもがな実力を認めているという証拠。
彼女が嬉しがるのも無理はないが、しかし私は宇恵ちゃんの実力がどの程度なのか見たことがない。料理長と同じく念力使いだと言っていたが……?
「ぶぶぶぶぶぶっちゃけて申しますと、ここにいる者以外の能力者には、たたたたとえ裏切られたとしても、たたた対処はいくらでも出来るんでしゅ、しかし、ああああなた方は違う……ももももし突然マステマによって暴走でもさせられたら、そそそその時の被害は甚大になります。でででですからままままずはあななななななななななななななんあ……」
「おおおおおぃっ!! 壊れてるのか貴様はっ!!」
もはや何を言っているのかわからない筆頭の頭を掴んでグルングルン揺さぶる百恵ちゃん。じゃっかん口癖がうつってしまっている。
「あ、ああんああんあああん♡」
とっても嬉しそうな人類最底辺生物。
よせ百恵ちゃん……それは逆効果だ。
しかし、本部の言わんとしていることはわかった。
所長の能力が念話による憑依・乗っ取りである以上、身内の潔白をまず証明するというのは必要な作業だろう。仲間同士疑心暗鬼になってしまったら今後の行動も何もあったもんじゃない。
それはここにいる全員が理解していた。
「それで、私たちが乗っ取られていないなんて……どうやって調べるんですか?」
私が尋ねる。
と、百恵ちゃんに触れられて、なぜか亀の様にうつむせに丸まっている変態肉饅頭は私を見上げ答えてくれる。
「そそそそれはもちろん、ぼ、ぼ、ぼぼ僕の能力で、です」
「能力?」
聞き返す私に変態ロリ饅は、自慢げに眼鏡をクイッとあげ、
「ぼ、ぼ、ぼ、ぼ、ぼ僕の能力はぜぜぜ前所長と同じ、ててて念話《テレパシー》ですうふふ、うふふ、うふふふふ!!」
と意味深げに興奮して笑った。
百恵ちゃんの睨みつけに、あわてて取り繕う筆頭さんだが。
「いまそう言ったであろうがっ!!」
こみ上げてくる怒りのままに、バンッと畳を叩く百恵ちゃん。
「こ、こ、こ、怖い怖い怖いですぅ~~。いいいいやいや、ですから形式上ですからそそそそんなに怒らないでくくくくださいっ!!」
二重あごをタプタプ震わせながら眼鏡を曇らす筆頭さん。
しかしそのうっとおしい口調とむさ苦しさに、百恵ちゃんの怒りは静まるどころか余計にヒートアップする。
「これが怒らずにいられるか!! 吾輩たちはみな命がけで戦ってきたばかりじゃぞ!! 吾輩も姉も宝塚も!! 女将たちだってそんな吾輩たちを救出しに奮闘してくれた!! この中に裏切り者なんているわけがないっ!!」
「百恵様、落ち着いて下さい落ち着いてください!!」
今にも噛みつこうとする百恵ちゃんを必死に羽交い締めにして止める瀬戸さん。
筆頭さんはそんな百恵ちゃんにペコペコ頭を下げて言った。
「いいいいや、ですから形式上、書類作成上どうしてもひひひ必要なんですよぅ。そそそそそれに調べるのはああああなた方だけではあああありません、ここの職員全員が対象なんですよぉぉぉう!! はぁはぁはぁはぁ」
小学生女子に責め立てたれ、なぜか激しく興奮し、鼻息を荒くする変態筆頭監視官。
「そういうことだよ、だから気分が悪いのはわかるが我慢おし。これも必要なことなんだよ」
お茶を啜りながら女将が言った。
「でも、それでどうして私たちだけが呼ばれたんですか?」
恐る恐る手を上げて宇恵ちゃんが尋ねた。
そりゃそうだ、全員を検査するならわざわざ私たちだけ呼び出さずとも、列でも作らせて片っ端から調べてしまえば良いのだ。それをなぜ私たちだけが先に呼び出されたのだろう?
「おのれ、やっぱり吾輩たちだけを疑っておるのではないかっ!??」
トレードマーク(?)のマスクを吹き飛ばし、ツバを撒き散らして激高する百恵ちゃん。
「ぱくぱく、ととととんでもありません、ぱくぱく全員検査と言ってもぼぼぼ僕一人ではじじじ時間がかかってしまいますから、ぱくぱくぱくぱく」
――――ごすっ!!!!
「――――ふぐっ!!??」
「百恵様のツバを食うなツバを!! このド変態がっ!!!!」
その所業を目の当たりにして、ミイラ取りがミイラではないが、百恵ちゃんよりも先に切れてしまった瀬戸さん。
彼女にとっては雲の上の存在であるはずの筆頭監視官に全力のグーパンをお見舞いした。
「四本木よ……今日はいい天気だねぇ」
「ですなぁ女将。……そろそろ鍋もいいですなぁ」
「……あ、ニドラーン発見」
何も見ていない女将と料理長。
死ぬ子先生はスマホでモンスターを集めている。
あ~~あ……もう無茶苦茶だと、私は頭を抱えてうつむいた。
「おっほん……まぁ、つまり……もし操られてたと仮定して、驚異となる者を上位順に集めたと、まぁそういうわけだよ」
「……うぬぅ……そ、そうなのか……うるるるる……」
場を一旦仕切り直し、筆頭変態軽犯罪者の代わりに説明をする女将。
百恵ちゃんはとりあえず納得したようだが、まだまだ気を許してはいなかった。
牙を抜き出しにして瀬戸さんと一緒に睨みつけている。
「ほっほほ……本当です!!」
殴られた頬を擦り擦りしなだれるお偉いさん。
……このひとほんとに偉い人なんだよね……?
「それにメンバー選別をしたのは私さね。……敵に回るとやっかいだと思う者を私が独断で判断してここに呼んだのさ」
「え……?」
女将の言葉に宇恵ちゃんがちょっと嬉しそうに頬を赤らめる。
敵に回すとやっかい――――それは言わずもがな実力を認めているという証拠。
彼女が嬉しがるのも無理はないが、しかし私は宇恵ちゃんの実力がどの程度なのか見たことがない。料理長と同じく念力使いだと言っていたが……?
「ぶぶぶぶぶぶっちゃけて申しますと、ここにいる者以外の能力者には、たたたたとえ裏切られたとしても、たたた対処はいくらでも出来るんでしゅ、しかし、ああああなた方は違う……ももももし突然マステマによって暴走でもさせられたら、そそそその時の被害は甚大になります。でででですからままままずはあななななななななななななななんあ……」
「おおおおおぃっ!! 壊れてるのか貴様はっ!!」
もはや何を言っているのかわからない筆頭の頭を掴んでグルングルン揺さぶる百恵ちゃん。じゃっかん口癖がうつってしまっている。
「あ、ああんああんあああん♡」
とっても嬉しそうな人類最底辺生物。
よせ百恵ちゃん……それは逆効果だ。
しかし、本部の言わんとしていることはわかった。
所長の能力が念話による憑依・乗っ取りである以上、身内の潔白をまず証明するというのは必要な作業だろう。仲間同士疑心暗鬼になってしまったら今後の行動も何もあったもんじゃない。
それはここにいる全員が理解していた。
「それで、私たちが乗っ取られていないなんて……どうやって調べるんですか?」
私が尋ねる。
と、百恵ちゃんに触れられて、なぜか亀の様にうつむせに丸まっている変態肉饅頭は私を見上げ答えてくれる。
「そそそそれはもちろん、ぼ、ぼ、ぼぼ僕の能力で、です」
「能力?」
聞き返す私に変態ロリ饅は、自慢げに眼鏡をクイッとあげ、
「ぼ、ぼ、ぼ、ぼ、ぼ僕の能力はぜぜぜ前所長と同じ、ててて念話《テレパシー》ですうふふ、うふふ、うふふふふ!!」
と意味深げに興奮して笑った。
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