【完結】R18 秘密 〜 恋に落ちた人が義父になりました

ユリーカ

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✠ 本編 ✠

034 夢の国⑤ ※

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 クリフォードが外で果てた。直視はできなかったが、少ない知識でその意味を理解しトリシャがさらに目を瞠った。クリフォードが顔を伏せ肩で息をしている。そこでトリシャの脳裏に昨晩の記憶が蘇った。

 確か昨日もこんな風に——— 

「な‥‥」

 なぜと問おうとしたところで両足を乱暴に持ち上げられ、トリシャの膣内に楔が一息に打ち込まれた。

「ッ!ヤァァッ」

 少し緩いそれは緩やかな抽挿によりトリシャの中で再び硬くなる。その甘い刺激で体がのけ反りトリシャの思考が飛んだ。

「辛くないか?まだまだイけるな?」

 クリフォードが荒い息を吐いてトリシャを見下ろしている。着崩れていた寝間着を乱暴に脱ぎトリシャの下腹部を拭い投げ捨てた。汗に濡れた前髪をかきあげ獰猛に目を細める。閨でしか見せないクリフォードのその色香にトリシャが目を瞠った。

「ハァッ 善すぎだ。この薬は効きすぎる‥‥だが一度達したから今度は長くできる‥‥もう少しキツくするぞ」
「ふぇ?ャぁッ ダッ アアァッ」

 え?今度は長く?キツくって?

 意味がわからない中で繋がったまま片足をクリフォードの肩にかつぎ上げられ体を転がされる。トリシャが横を向いたところで再び抽挿が始まりひどく揺さぶられた。
 クリフォードの暴走。体位が変われば抉られる場所も変わる。快楽の激しい渦にトリシャは再び呑み込まれた。何度も達してくたくただが媚薬効果なのか体は飢えたように快楽を、クリフォードを求め続ける。

 もう離れたくない
 抜いて欲しくない
 中に欲しい
 クリフォードの全てが欲しい

 クリフォードに抱きつきたくて喘ぎ声とともに両手を広げれば、トリシャの足を下ろしたクリフォードに正面からきつく抱き締められた。抱きしめて抱きしめられて口づけて舌を絡ませ合ってひとつになる。トリシャの心が熱くなった。
 本能から激しく動く腰に足を絡める。そうすればまた違う場所が擦れて更にトリシャを淫悦に落とした。奥が疼いてきゅんと膣内の怒張を締め上げる。トリシャの嬌声にクリフォードのうめき声が重なった。共に深い快楽に落ちた。

「ハァッ クリフ‥もっと‥‥きもちぃッ」
「‥トリシャ‥トリシャ‥‥」

 結局クリフォードが次に達する前に散々イかされたトリシャの体力が先に尽き、意識を失ってしまった。




 そこからふたりは時間を忘れて愛し合った。何も知らないトリシャにクリフォードが一つ一つ教えていく。クリフォードに導かれトリシャは様々な快楽を知った。

 吹雪は落ち着いたが雪が積もっていて馬車がやって来れる状況ではない。まるで銀世界の夢の国のよう、二人だけの世界が続いていた。
 トリシャが眠っている間、クリフォードはチェスターと馬の世話をしていた。食事も作る。風呂も沸かしたが、手伝うというクリフォードを押し切って入浴はトリシャひとりでした。

 お世話されてばかり。動けないトリシャが済まなそうにするとクリフォードは嬉しそうに破顔してトリシャの頭を撫でた。

「そんなこと気にしていたのか。動けないのは私のせいだろう?君の世話を焼くのも私はすごく楽しい。癖になりそうだ」

 四日間寝室に籠り、五日目。よく晴れて暖かい。秋が戻ってきた。
 クリフォードに抱き上げられてトリシャは初めて庭の雪原に出た。初めての雪遊びにチェスターも大興奮で新雪の上を転がっている。トリシャも駆け回りたかったが腰が立たない。結局クリフォードの膝の上で雪玉を作った程度だった。雪玉を投げればチェスターが嬉しそうに追いかけている。動けない自分が悔しい。

「チェスターばっかりずるいわ」
「雪が気に入ったか?また一緒に来よう」

 ご褒美の笑顔で甘く口づけられる。クリフォードとの約束が増える。それはとても嬉しいことだ。

「冷えてきた。戻ろうか」

 トリシャを部屋に戻したあと、遊び足りないチェスターをクリフォードがようやく捕まえた。雪まみれのコーギーと汗だくのクリフォードを見てトリシャは吹き出してしまった。

 起き上がれるようになったトリシャもクリフォードを手伝いキッチンに立つ。馬の世話も初めてした。伯爵夫人だった頃にはできなかった経験だ。
 世間のしがらみも人の目もなくただの男と女でいられる世界。クリフォードと笑い合い抱きしめられ口づけられる。幸せに満ちた世界だ。

 愛おしい夢の国‥‥ずっと続いたらいいのに。


 そして夢の国はあっけなく終わった。


 七日目、帰る予定日に馬車が迎えにやってきた。雪は嘘のように溶けて無くなっていた。

「トリシャ、準備はできたか?」
「はい」

 荷造りを終えたトリシャが笑顔でクリフォードを見上げた。その顔にクリフォードが眩しそうに目をすがめる。

 ここに来た七日前と今日。自分はクリフォードに別人に作り変えられた。そして愛される快楽を知ってしまった。
 だが夢は終わった。雪は溶けてまた日常が始まる。親子に戻る。

 戻れるだろうか、いや戻らないといけない。
 あれは夢の中での話だ。現実ではあり得ない。
 たくさん愛してもらった。
 一生分のいい思い出だった。そう思おう。

 赤い痕が散った体を抱きしめる。
 この痕が一生消えなければいいのに。
 切にそう願った。

 悲しみを押し殺し、差し出されるクリフォードの手を笑顔で取った。グレースと別れを交わしトリシャは名残惜しげに馬車に乗り込んで帰路についた。

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