【完結】R18 秘密 〜 恋に落ちた人が義父になりました

ユリーカ

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✠ 本編 ✠

000 奈落 ※

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「クリフォード‥さま‥」

 トリシャが掠れた声で身じろぎすればベッドがぎしりと鳴った。天蓋付きベッドの天井、横柱からくくられたガウンのベルトがトリシャの両手を頭上で拘束している。全裸のトリシャはベッドの上で腰を下ろして縛されていた。

「どうした?トリシャ」

 その様子をトリシャの下から見上げていたクリフォードがうっすらと笑みを浮かべた。トリシャのくびれた腰や丸みを帯びた乳房に大きな手が淫らに這えばトリシャの体がびくんと跳ねた。

「ぁん‥や‥おねがい‥てを‥といて‥」
「だめだ、これを解いたら君は逃げてしまうだろう?」
「あぁんッ」

 ずんと下から突き上げられトリシャがのけぞった。すでにクリフォードの陰茎はトリシャの膣内に埋められていた。

「に‥にげ‥ませんからッ やんッ」
「逃げない?でも私の上に乗ることは嫌がった」

 少し低い声にクリフォードの不機嫌が感じられた。

「そ‥それは」

 当然だ。こんな恥ずかしいことできるはずがない。トリシャが恥じらいクリフォードの上に乗ることを拒絶すれば罰と言わんばかりにガウンの紐で両手を拘束されてしまった。結局この拘束のままクリフォードの上にまたがりそそり立つ怒張を呑み込むことを強要された。

「それに手を解いたら体を隠してしまうだろう?こんなにいい眺めなのに、もったいない」

 深夜、いつもは仄暗いトリシャの寝室は今はランプが灯されて明るい。明るい中でクリフォードに全裸を見られている。普段はこのような事をしない。


 手を縛り明るい中で羞恥を誘う体位で裸を晒す。
 わざとトリシャが恥ずかしがることをする。
 今日のクリフォードは意地悪だ。


 トリシャは特に人前に肌を晒さない。纏う服も詰襟または浅い襟ぐりのドレス。肌を晒すこと自体も恥ずかしい。それなのにさらにクリフォードの前で全裸を晒すなど気を失いそうな程だ。何度も見られた体だがそれでも慣れることではない。

 クリフォードが後ろ手に手をついて半身を起こした。耳まで赤く染めて羞恥に震えるトリシャを抱き寄せ嬉しそうに胸にちゅぅと吸い付いた。白い肌に赤い痕が残る。
 全身に散るまだらな痕。痕が消えてもまた新たな痕がつけられる。元々一人で着替えはしていたが、この刻印も恥ずかしくてトリシャはメイドに肌を晒せないでいる。

 トリシャの肌に痕をつけていたその口が尖る胸の突起にしゃぶりついた。硬くなった先端を舌で転がされトリシャの背骨にぞくぞくと快楽が走る。

「あぁんッ」
「今きゅっと中が締まった。これがイイか?」

 クリフォードに上目遣いで顔を覗きこまれ、反対の乳首をつねられてトリシャが更に体をのけぞらせた。口に含んだ乳首もチュッとキツく吸われる。その痛みの刺激さえ快楽となりトリシャを悶させた。

「あぁッ それダッ ゃんッ」
「それとも体を晒しているからか?こんなにきれいなのになぜ隠す?もう散々見ているんだがまだ恥じらうか?」

 クリフォードの手がトリシャの薄い下腹部を下から撫であげた。二人の下腹部が繋がっている。普段見ることがないクリフォードの下腹部をつい見てしまいトリシャは羞恥で慌てて視線を逸した。
 きれいと言われてトリシャの胸が暖かくなる。醜い体。トリシャのこの体をクリフォードは厭わず愛してくれている。

 とがる舌先で胸の頂を転がされ、もう一つも親指でくすぐるように擦られてさらに体の奥から熱くなった。トリシャの腰の奥、子宮が痺れるように疼いている。

「あ‥やんッ ‥そこばっかり‥もうヤ‥」
「また締めた。やはりこれが善さそうだな」

 下腹部に力を入れるも月のものの時のように蜜があふれ出した。クリフォードをひどく汚していると思えば恥ずかしい。

 すでにクリフォードのたぎる陰茎はトリシャの中にギチギチに打ち込まれている。文字通りトリシャを繋ぎ止める楔となっていたが、一向に動く気配はない。クリフォードはただトリシャの体を貪り快楽に落とそうとする。
 拘束され焦らされて、トリシャのこぼした蜜がクリフォードの太ももまで流れ出していた。

 普段優しいクリフォードの機嫌が今日は特に悪い。こんな意地悪をされる日は決まっていた。

 アーサーがトリシャに会いにきた日。
 レイノルズのアーサーに会うとクリフォードは機嫌が悪くなる。それ程にレイノルズを嫌いなのだろうか。

「クリフォード‥さまぁ」
「クリフだ。君にはそう呼ばれたい」

 トリシャの胸を揉みしだきながらクリフォードが囁いた。

 クリフ。それは深夜の秘め事の時だけの呼び名。
 これは許されない秘密の関係。

「もう‥うごいて‥」
「トリシャが気持ちいいように動いてごらん?できるだろう?」

 それができないから困っている。動き方がわからない。もじもじ動いてもちっとも体の奥の疼きは収まらない。両手を拘束されては大した動きもできないのに。せめてと秘裂をクリフォードに擦り付けて感じる程度しかできない。
 涙を浮かべるトリシャにクリフォードの口角が上がる。そしてトリシャの腰を支えぐんと突き上げた。トリシャの体が弓のようにしなる。

「ああァんッ」
「じゃあ少しだけ手伝おうか?」

 くちゅりといやらしい水音が耳朶に響いて恥ずかしい。耳を塞ぎたいが手は拘束されている。せめてと目をぎゅっと瞑った。

「ぁんッ ヤッ」
「あぁ、せっかく栓をしていたのにこんなにこぼれてきたな。ぐしょぐしょだ。音が聞こえるか?」
「やぁ‥‥ぃわ‥ないでぇ」
「イヤ?やめるか?善くなりたいだろう?」
「ちがッ やめ‥なぃで‥‥ッ」
「じゃあ善くなれるよう動いてごらん」

 ぬちゃぬちゃとわざと音を立てるようにクリフォードが腰をゆっくり振っている。トリシャが必死に膝を立て体を浮かすと浅く感じやすいところにクリフォードの屹立が擦れてトリシャは首を逸らして悶えた。膣壁の気持ちいいところに当たって欲しくてトリシャが腰をゆらゆらと揺らす。ぐちょぐちょと寝室に卑猥な音が響いたがトリシャは羞恥に耐えて体をくねらせた。
 全身をバラ色に染めて快楽を求め動くその艶姿をクリフォードが目を細めて見上げていたがクリフォードの動きが止まってしまった。

「や‥‥いじわる‥しないで‥うごいて‥」
「もうやり方はわかっただろう?自分で動くんだ」

 手を釣り上げられて体を支えられない。不安定な体勢でトリシャが膝立ちから腰を落としまた上げて落とす。硬いクリフォードが奥を抉って気持ちがいい。でも緩慢な動き、じれったい、これだけでは足りない。たまに膣襞が中のクリフォードをぎゅっと締め上げればクリフォードからもくぐもった声が漏れた。

 もう少しで善くなれる、だが満たされない。
 体の奥が疼いて気が狂いそうだ。

 もっと愛して欲しい。
 もっと気持ちよくなりたい。なって欲しい。
 そして奥に出して欲しい。

 堪らずトリシャが動かないクリフォードにねだった。

「ハァ‥クリフ‥おねがい‥もっとおく‥ついて」
「ッ‥そんな風にねだられたら‥‥」

 クリフォードに腰を掴まれて下からガツガツと打ちつけられ涙目のトリシャは体を反らせて身悶えた。やっと与えられた膣内の愛撫に快楽が突き抜けた。体の奥の疼きが甘い悦楽に変わる。その甘美に腰が痺れて溶けた。

「あぁッ ひぃんッ」

 激しく奥を穿たれる。上半身を起こし荒い息の中でトリシャの体を抱きよせ貪るクリフォードにトリシャが囁いた。

「おねがい‥てを‥といて‥もう‥」

 我慢できない。クリフォードに抱きつきたい。縋りついて深く口づけたい。もっと愛したい。愛されたい。

「クリフに‥ふれたいの‥おねがい‥」

 トリシャの涙目と懇願にクリフォードがくッと喉を鳴らす。伸ばしたクリフォードの手で手首の拘束が解かれた。解放されたトリシャの体がクリフォードの上に落ちる。その勢いのままにクリフォードの首に手を回し深く口づけて飢えたように舌を絡ませあった。クリフォードの力強い抱擁とその甘露にトリシャはうっとりと目を閉じた。

「クリフ‥んッ‥‥ゥンッ」
「ぐッ トリシャ‥もう‥」

 ベッドを転がりクリフォードがトリシャの上になった。そしてトリシャの足を抱え上げ腰を叩きつける。再び深く口づけ合いながらトリシャの奥をさらに抉った。激しい抽挿にぎしぎしとベッドが鳴る。トリシャが達してびくびくと体を震わせるもクリフォードの動きは止まらない。

「クリフまってッ いまダメッ アァんッ」
「トリシャッ イけッ‥もっと‥ッ」
「ひぃんッ またイッちゃッ ィヤァッ ぁァアアッ」

 抵抗虚しくトリシャの膣奥に屹立が打ち込まれ続けた。トリシャは堪らず再び絶頂を迎える。クリフォードの腰に足を絡め必死に大きな体に縋りついた。

 果て無く動くクリフォードに嬌悦に落とされる。それがこれほどに嬉しい、たとえそこが抜け出せない奈落の深淵だったとしても。この時だけでも愛されている。クリフォードに抱かれるトリシャの瞳から愉悦と、悲痛の涙が溢れ出した。


 遺言状が公開された
 あの運命の日から三ヶ月———
 断とうとしたこの想いは膨らむばかりだ

 誰にも知られてはいけない
 私のこの報われない想いもこの関係も


 これは私の秘密


 私は義父に恋焦がれている

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