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✠ 本編 ✠
048 幸せな日々① ※
しおりを挟むお姫様抱っこからの人前でのキス。義理の親子という立場、今までは人目を忍ぶ秘めた関係。大っぴらにそういったことをしてこなかった。だから外での、しかもメイド達の前でのクリフォードの愛情表現にトリシャが真っ赤になりガチガチに固まってしまった。メイドたちからも声なき悲鳴が上がる。だが行為に羞恥心のないクリフォードは動じない。
「ク!クリクリクリッ」
「ダメか?やっと君に愛を告げられる身になれた。ずっと堪えてたんだ、この位いいだろう?」
クリフォードはコリンズに人払いを言いつけ、トリシャを軽々と抱えたままエントランスホールを抜けて迷わず階段を上がる。行き先がわかりトリシャがさらに慌ててしまう。
まだ昼間なのに?こんな明るい時間から堂々と?
「クリフォード様!待って!」
「待てない。もう限界だ」
「でも」
「君は子供が欲しい、私は君を抱きたい。お互いの利害が一致している。私を煽ったのは君だ。だからこの異論は受け付けない」
「まだ私は未婚です!」
「すぐに手続きさせる。もう君は私の妻だ。今日子供ができても誤差の範疇だ」
「もっと自分を大事にしろとおっしゃったじゃないですか!」
「ああ確かに。だから言っただろ?隙を見せれば男はつけ込んでくるんだよ。もう遅い。君は駆け引きはまだまだだな」
トリシャを子供のように縦抱きにしたクリフォードは扉を開けて部屋に入る。そこはクリフォードの私室だ。トリシャはそこに初めて入った。広い居室を横断し続き間を通り抜け一番奥の部屋、寝室にたどり着いた。ブルーでまとめられた部屋にキングサイズのベッドが見える。
クリフォードはトリシャのコートを脱がせ髪を留めていたヘアピンも抜いて投げ捨てた。優しくベッドに寝かされ、トリシャのほどけた栗毛が艷やかにシーツに広がった。忙しくコートを脱ぎ捨てたクリフォードがトリシャを閉じ込めるようにのしかかりトリシャの肩口に両手をつく。癖のついた栗毛を一房手に取り愛おしげに口づけた。
「この部屋で君を抱く夢をずっと見ていた。やっと夢が叶う」
「クリフォード様‥」
「嫌か?出来れば断って欲しくないが。嫌なら言ってくれ」
「‥‥断ってもよろしいのですか?」
「よくはない。こちらも切実だが君が嫌なら我慢する」
そう言った先からクリフォードはトリシャに覆いかぶさってきた。顔を上向かせその口を荒々しく塞ぐ。口を割って滑り込んできた舌が飢えたようにトリシャの口内を舐り舌を追い詰めて淫らに絡め取ろうとする。
快楽に落として嫌だと言わせないつもりだ。それほどまでに望まれている。トリシャの背中をゾクゾクと喜悦が駆け抜けた。
嫌なわけがない。夜の睦み合いが恋しかったのはトリシャも一緒だ。明るいうちから愛し合うのはどうかと思ったが、深いキスにその思考も飛んだ。クリフォードの首に縋りつき必死に舌を使いキスを返す。トリシャに拒絶がないとわかりクリフォードの喉が鳴った。
長い口づけの後、クリフォードがトリシャの唇を親指でするりと撫でた。
「惜しいことをした。君との初めてのキスを私は憶えていない。もう生涯禁酒だな」
「わ‥私がその分憶えていますから‥」
「‥‥可愛いことを言ってくれる。君の初めての男に嫉妬したがそれがまさか自分とはな。男の嫉妬は醜いとジェシカにはよく言われてたのに‥‥、君のこととなると全然堪えが利かなかった」
「そんなことないです!‥‥私は‥クリフォード様が嫉妬下さって‥嬉しい‥です、とても」
「‥‥それは無自覚か?私を煽れば危ないと教えただろう?」
「危ない‥のですか?別にクリフォード様になら‥何をされても‥‥」
「‥‥そうやってまた煽る。知ってるだろう?私の理性はそれ程強くない」
クリフォードの手が性急にトリシャのドレスを脱がそうとする。喪服は前開きだがボタンが多いデザインだ。手荒いせいでドレスからボタンが飛んだ。促されてトリシャもクリフォードの服に手をかけた。
お互いの服を脱がせあい抱き合う。気持ちが通じ合った。この関係に未来がある。だからトリシャにも躊躇いはない。求めあう興奮が止まらない。
明るい部屋で恥じらい体を隠すトリシャの両手をクリフォードが捉えシーツに縫いとめる。無防備に裸体を晒し横たわる上気したトリシャを見下ろしクリフォードが目を細めた。夜の逢瀬がなくなりトリシャの体からクリフォードの赤い刻印は全て消えていた。
「すっかり痕が消えてしまったな。つけ直さないと」
柔らかい胸元の肌に吸い付いて白い肌に赤い花びらを散らしていく。胸の傷痕の上にも口づけを落とした。
「やッ クリフォード様ッ そんなにたくさんッ」
「君の肌は真っ白だ。本当によく色づくな」
その勢いで体中を貪られトリシャから切なげな嬌声が上がる。散々愛撫され吸い付かれトリシャも荒い息だ。白い肌のあちこちに赤い鬱血痕がつけられていた。
「クリフォード‥さま‥もう中に」
「クリフだ。それは最後だろう?君はすぐ欲しがるな。私は高めあうこの時間をもっと堪能したい。もっと善がる君を見たい」
クリフォードが唇を舐め目を細めトリシャを見下ろしている。その獰猛な笑みにトリシャの背筋にゾクゾクと震えが走る。それは肉食獣が捕食動物を捕らえ、好きに嬲っているようにも見えた。
「もっと私を欲しがれ」
両足を開かれ秘所を晒される。明るい部屋で全てを見られ恥ずかしいがひどく貪られ喘がされてもう体に力が入らない。
「ダメ‥クリ‥フ‥見ないで」
「もうこんなに濡れている。きれいだ、トリシャ」
そうして秘唇に深く口づけられた。舌を膣孔に捩じ込まれ舐られトリシャの体が痙攣したようにびくびくと跳ねる。
「ひんッ ヤッ ああんッ」
すでにたっぷりこぼしていた蜜を舌で舐めとられその舌が官能を誘うように秘裂をぬるぬると這う。そして赤く勃ち上がる陰核を舌がべろりと舐めた。腰に響く快楽にトリシャの体が勝手にのけぞった。
「イッ きゃあぁッ アァンッ」
赤く勃ち上がる蕾に吸いつかれ舌で転がされ、たまらず甲高い嬌声を上げてしまったが慌てて口を押さえて声を殺した。
「トリシャ、声を出せ。人払いしてある。ここは奥の部屋だから外に聞こえない」
人払いしてあったとしても今は昼間で、奥の部屋だろうが大きな声ならメイド達に聞こえてしまうかもしれない。それは恥ずかしすぎる。涙目で赤い顔を振って拒絶するトリシャに苦笑したクリフォードがその口に深く口づけた。
クリフォードの手がトリシャの胸を弄ぶ。硬く勃ち上がった突起を指でしごかれ潰され弾かれ、たまらず上げたトリシャの甘い声がクリフォードの口中に消えた。溢れる愉悦の涙が止まらない。
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