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✠ 本編 ✠

028 約束④ ※

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 シーツに広がるトリシャの栗色の髪を一房手に取りキスを落とす。髪に感覚があるはずないのに、トリシャはびくんと体を震わせた。

「トリシャの髪‥ずっと口づけたかった。柔らかくていい香りだ」
「ゃん‥」
「こんなにきれいだ。結い上げるのはもったいない。私の前では髪は下ろしてくれ」

 額、頬、まぶた。口づけが髪から顔中に降ってきて最後にトリシャの口を塞いだ。ゆっくりと焦らすようになぞる唇と舌の感触に甘い声が出る。その頃には大きな両手はトリシャの胸をもてあそんでいた。下からすくい上げ寄せあげる。繰り返し優しく揉みしだかれトリシャがたまらず羞恥で身を捩った。

 大きい胸ではないがクリフォードの手に比べてば随分小さく見えてしまう。自分が子供のように見えてそれが更に恥ずかしい。ちゅぅと首筋に吸い付かれ堪えていたのに艶声が出てしまう。

「ぁんッ」
「胸は初めてか?いや、知ってるな」
「ん‥ちが‥」
「いや、快楽を知ってる顔だ。ここも上書きしよう」

 上書き、それは———

「ンッ」

 うなじを這っていたクリフォードの顔が胸の谷間に埋まり柔らかい肉を食む。たまにキツく吸いついて傷痕の上に赤い痕を残していく。宣言通りすでに消えた温室の痕に上書きしているようだ。再び赤くなる自分の胸を見下ろしトリシャにビクビクと震えが走る。それはクリフォードに愛された痕だ。

 唇は胸を這うも乳房の突起になかなかたどり着かない。すでに硬くなった先端は過敏になっていて痛いほどだ。そこを愛撫される快楽をトリシャは知っている。そうとわかっていてクリフォードに焦らされている。胸元から上目遣いで目を細めて見上げるクリフォードと目が合う。

「ん‥クリフ‥おねが」
「欲しくなってきたか?どうして欲しい?」
「あぁんッ」
「ここには誰もいない、声を出せ」

 誰もいない。初めてふたりきりになった。
 我慢する必要がない。そう思えば口から勝手にねだる言葉が漏れた。

「むね‥‥さわって‥」

 トリシャにねだられクリフォードが口角を上げた。親指でするりと硬く尖る頂を擦り撫でられトリシャに電気が走る。転がすようにかすかに擦られるだけで気持ちがいい。もう一つの先端も口に含まれた。記憶の中のあの狂おしい快楽がトリシャを襲う。舌で転がされ潰され優しく噛まれれば甘い嬌声がこぼれ出てしまう。体の奥がじゅっと熱くなる。熱が溢れ出してくる。
 足先まで口づけられ、更にうつ伏せにされた背後から胸を揉まれ頂を転がされる。背中にも吸い付かれた。その愛撫で呼吸もままならない。たっぷりと哭かされた。

「やぁ!‥ぅん‥ハァッ アアアッ」
「どこも感度がいいな。可愛がりがいがある」
「イヤぁ‥もうダメ‥」
「まだだ、もっと善くなれ」

 嫣然と微笑んだクリフォードが自分の指を二本べろりと舐める。再び仰向けにされ舌で胸をねぶられ乱れる中で唾液を纏った指がトリシャの太ももの付け根を撫でた。
 クリフォードの意図がわかり慌てて足を閉じるも手はそこにたどり着いていた。下穿きはすでに脱がされている。剥き出しのそこを唾液でぬめる手がゆっくりと這っていく。指が蜜をこぼす秘唇に触れた。ぐるりと蜜口をなぞる。初めて触れられるその未知の感覚にトリシャの体がこわばった。

「あッ あッ」
「ここは初めてか?痛いか?」
「痛くはな‥んんッ」
「大丈夫だ、濡れている」
「ンッ」

 これから起こる未知の行為。なんとなく程度の知識しかない。クリフォード相手でも恐れがないわけではない。クリフォードがそこを気遣ってきた。

「怖いか?」
「少しだけ‥‥」
「大丈夫だ、知らないと怖いな。一つずつ教える。知れば怖くない」
「‥‥‥はい」

 トリシャを守り教え導いてくれたクリフォードになら安心して身を任せられる。あやすように頭を撫でられながら深いキスを受け入れる。優しく食むようなキスに鼻から甘い声が出た。クリフォードの指が秘唇を緩くなぞる。

「ここに指を入れる。中をほぐさないと痛む。ゆっくりするから」

 性行為に無知なトリシャに教えてくれているのだが、言葉にされると恥ずかしい。頬を染めて恥じらうトリシャが伏し目がちに小さく頷いた。

 ゆるゆると蜜口をなぞっていた中指がゆっくり膣内に入ってきた。思わず下腹部に力が入る。なだめるようなキスが降ってきた。クリフォードに唇を優しく食まれる。
 クリフォードの中指がゆっくりと膣内を探っている。その未知の異物感で膣襞が生理的に指を締め付けてしまう。しばらく中を探っていた指がゆっくり出し入れされれば溢れる蜜で卑猥な水音が聞こえてくた。
 初めての内側の愛撫にトリシャの体がこわばる。思っていたよりも痛みはないがそれ以上に初めて中を愛撫されるも不思議な感覚だ。時間をかけてクリフォードが中をほぐしている。

 胸の突起を舐められしゃぶられる。その快楽で弛緩したところで指がもう一本侵入してきた。つれるような痛みにトリシャがのけぞりくぐもった声を上げる。

 クリフォードがトリシャと繋がるための準備をしている。そう思えば体の奥がさらに熱くなった。

 不意にクリフォードの親指が秘裂を撫でる。蜜を纏いそろそろと何かを探して、見つけ出したそれを優しく押し潰した。

「ひッ ああぁッ」
「大丈夫だ、中はまだ善くないだろう?ここなら感じられる」

 初めてそこに触れられその淫悦に悲鳴を上げる口を深く塞がれる。親指は動いていないが膣内の指の動きで陰核に振動をじんと伝えてくる。それがたまらない。
 体を愛撫されて口内を貪られ秘芯を刺激される。与えられた熱が体の奥で燻る。気持ちがいい、快楽が膨らむもどうしていいかわからない。痛いほどに腰の奥が疼く。それがとても辛い。

「‥クリフ‥たすけて‥もう‥」

 トリシャがぼろぼろと涙を流しクリフォードにねだった。

「まだ早い、もう少し」
「や‥奥がじんじんして‥‥」
「トリシャ」
「つらぃの‥」

 クリフォードは躊躇ったがトリシャに何度もねだられ、指を抜いてトリシャの足を大きく開いた。

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