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異世界生活:王都レグナム編
異世界晩餐会②
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並べられた料理を皆、口を揃えて美味だと言う。
王族も、国家最高戦力すらも唸らせた。
そんな中、どうも気に入らない男が1人いる。
「こんな不味い料理が口に合うものなどこの城にはいない!」
男の名はゲイル。
ゲイル・ルードヴィヒ・ヴァン・グラウシス・ウィンクラー。
長すぎてほとんどの者がその名を覚えていないという哀れな男。
ソフィリアが部屋に来た時に少し話をしてくれたが、どうやら由緒正しき貴族の家の者らしい。
その家名の者は風魔法に秀でた者が多く、数多くの王宮魔法師を輩出しており、レグナム国の中でも五指に入る名家だそうだ。
おそらく厳しく育てられているのだろう。
規律や階級、身分を執拗に気にして、徹底した上下関係を確立する分、決して自分以下の者に劣るわけにはいかない。
そういう環境で育ち、人間性が歪んでしまったのだろう。
哀れ。
その歪みが命取りになる事を、ゲイルは先ほど学んだはずだった。
学び、歪みを正すべきだった。
「……した?」
「ん?なんだ?小娘が風情がこのレグナム国の中でも最上級貴族と言われる家系のゲイル・ルードヴィヒ・ヴァン・グラウシス・ウィンクラー様に何か言いたいことでもあるのか!?」
御剣家に存在する絶対ルール。
通常、五代禁忌。
一つ、家族を悲しませない事。
二つ、桜に胸の話をしない事。
そして今明かされる三つ目。
桜の料理を否定しない。
好みの話をするのであれば問題はない。
しかし、桜の料理を否定するのであれば2度とその者は桜の料理を口にする事はない。
「今、何て言いました?って聞いたんです」
「き、貴様の料理は不味いと言ったのだ!」
頭の奥で何かが切れる音がした。
蓮はアイテムボックスから竜狼蓮華を取り出し純然たる殺意だけを残して思考を止めた。
人前だろうと関係ない。
ゴブリンキングやゴブリンロードと同レベルの極刑を与えようとした時、桜が手を出し、それを止めた。
その様子を見て、蓮同様に臨戦体制に入っていたリル、ドラコ、ユグドラシルも同様に行動を止めた。
「今魔力が強くなってるからって何か勘違いしてませんか?」
桜はゲイルを鑑定し、ステータスの変化も保有スキルも確認して言葉にした。
その言葉を聞いてノームとアクアは自身や周囲のものを鑑定した。
「こ、これは!?」
「料理神フローラ様の祝福が発生してます!そ、それもとんでもなく強大な!」
ノームは驚きの声を上げ、アクアは状況をウォルスタッド王へ伝えた。
王だけでなく、その言葉が聞こえたものは一様に驚きの声をあげた。
高レベルの料理スキル保有者が作る料理には、低確率でステータスを上昇させる追加効果が発生する。
人間の間ではそれを料理神フローラの祝福と呼ばれているようだ。
桜は料理神フローラの加護により、料理の追加効果発生率上昇(大)と料理の追加効果性能補正(大)を賜っている。
その言葉を聞いてもゲイルの高飛車は止まらない。
「ふ、ふん!たまたま祝福が発生したくらいで騒がしい!それよりも貴様のその態度は……なん……だ……」
ゲイルは自身の目を疑った。
桜は瞬時にゲイル以外に強力な結界を張ると同時に水、火、風、氷、地、雷、闇、光の色とりどりの槍を発生させてゲイルに突きつけた。
結界魔法と含めると同時に9属性の魔法を使用していることになる。
それを見てゲイルは理解が追いつかず言葉を続けられなかった。
「あなたがもし実力主義者なら私に逆らう事がどう言うことかわかりますよね?」
憤怒の波動Lv8……Lv9……Lv10。
「分際わきまえてもらっても良いですか!?」
スキル昇華。
覇気Lv1。
そのままゲイルは大衆の面前で白目を剥き、泡を吹き、そして失禁しながらその場に倒れ込んだ。
先ほどは結界が貼られておらず、目撃者は一部にとどまったが、今回はゴルジアスやカロリーネ、メイド達など数多くの目撃者が居る。
ゲイルは二度と強い態度を取れないほどの屈辱とトラウマになった事は間違い無いだろう。
ゲイルはただの人族。
エルフ族のように魔法に長けている種族でもなく、鬼人族やドワーフ族のように得意な属性がある種族でもない。
蓮たちのように女神の加護を授かっている訳でも無く、四魔帝と呼ばれる国家最高戦力にまで上り詰めたのだ。
おそらく階級や種族などに対する差別が強い分、他者へ強く当たる分、己のことも厳しく律し続け、努力し続けてきたのだろう。
蓮は自身の殺意を納め、桜の肩に手を置いて、勝負がついた事を知らせた。
「あ、えっと……その……。怒っちゃいました。すみません」
桜は周囲に謝罪の言葉を口にしたが、蓮は気にしなくて良いと伝えた。
「命があっただけ感謝してもらわないとね」
蓮はそう言い、リルやドラコ、ユグドラシルに視線を向けた。
「良い魔素の流れじゃったな。素早く強力で驚いたぞ」
「一撃くらい当ててやればよかったのよ」
「この国の周辺では一切の植物が育たなくしましょうか」
リルは桜の魔法を褒め、ドラコはあの程度では足りないと口にした。
そしてユグドラシルは相当ご立腹のようで、怖い事を口にしてる。
目が本気だ。
精霊は嘘をつかない。
放っておけば、おそらく本当にやるだろう。
「部下が大変なご無礼を。サクラ殿。どうかお許しを」
それを察知したのか、ウォルスタッド王が席を立ち、少し移動し跪いた。
ソフィリアも慌てて続き、数瞬遅れて四魔帝と騎士団長も続き、跪いた。
「や、やめてください!私が悪いので……」
「いや、悪いのはゲイルだよ。ですよね?」
桜の自責の言葉を蓮が遮り、蓮の言葉に跪く者全てが同意を示した。
過保護だから思うのではなく、出された料理をろくに口にしてもいないのに感情論で批判したのだ。
誰に対してでも失礼極まりない行いに他ならない。
「こういう状況なので、話しておきますね」
蓮は自身や桜のレベルや授かっている加護、保有スキルについて説明し、次は容赦なく斬り伏せて帰る事を伝えた。
「寛大な対応に感謝する」
王は跪いたまま頭を下げ、他の者も後に続いた。
「さぁ!話はここまで!美味しい料理が冷めてしまいます!食べましょう!」
ゲイル以外に当たり散らすのは良くない。
蓮は気持ちを切り替え、ウォルスタッド王とソフィリア王女に手を差し伸べ、立たせ、食事を再開することにした。
王族も、国家最高戦力すらも唸らせた。
そんな中、どうも気に入らない男が1人いる。
「こんな不味い料理が口に合うものなどこの城にはいない!」
男の名はゲイル。
ゲイル・ルードヴィヒ・ヴァン・グラウシス・ウィンクラー。
長すぎてほとんどの者がその名を覚えていないという哀れな男。
ソフィリアが部屋に来た時に少し話をしてくれたが、どうやら由緒正しき貴族の家の者らしい。
その家名の者は風魔法に秀でた者が多く、数多くの王宮魔法師を輩出しており、レグナム国の中でも五指に入る名家だそうだ。
おそらく厳しく育てられているのだろう。
規律や階級、身分を執拗に気にして、徹底した上下関係を確立する分、決して自分以下の者に劣るわけにはいかない。
そういう環境で育ち、人間性が歪んでしまったのだろう。
哀れ。
その歪みが命取りになる事を、ゲイルは先ほど学んだはずだった。
学び、歪みを正すべきだった。
「……した?」
「ん?なんだ?小娘が風情がこのレグナム国の中でも最上級貴族と言われる家系のゲイル・ルードヴィヒ・ヴァン・グラウシス・ウィンクラー様に何か言いたいことでもあるのか!?」
御剣家に存在する絶対ルール。
通常、五代禁忌。
一つ、家族を悲しませない事。
二つ、桜に胸の話をしない事。
そして今明かされる三つ目。
桜の料理を否定しない。
好みの話をするのであれば問題はない。
しかし、桜の料理を否定するのであれば2度とその者は桜の料理を口にする事はない。
「今、何て言いました?って聞いたんです」
「き、貴様の料理は不味いと言ったのだ!」
頭の奥で何かが切れる音がした。
蓮はアイテムボックスから竜狼蓮華を取り出し純然たる殺意だけを残して思考を止めた。
人前だろうと関係ない。
ゴブリンキングやゴブリンロードと同レベルの極刑を与えようとした時、桜が手を出し、それを止めた。
その様子を見て、蓮同様に臨戦体制に入っていたリル、ドラコ、ユグドラシルも同様に行動を止めた。
「今魔力が強くなってるからって何か勘違いしてませんか?」
桜はゲイルを鑑定し、ステータスの変化も保有スキルも確認して言葉にした。
その言葉を聞いてノームとアクアは自身や周囲のものを鑑定した。
「こ、これは!?」
「料理神フローラ様の祝福が発生してます!そ、それもとんでもなく強大な!」
ノームは驚きの声を上げ、アクアは状況をウォルスタッド王へ伝えた。
王だけでなく、その言葉が聞こえたものは一様に驚きの声をあげた。
高レベルの料理スキル保有者が作る料理には、低確率でステータスを上昇させる追加効果が発生する。
人間の間ではそれを料理神フローラの祝福と呼ばれているようだ。
桜は料理神フローラの加護により、料理の追加効果発生率上昇(大)と料理の追加効果性能補正(大)を賜っている。
その言葉を聞いてもゲイルの高飛車は止まらない。
「ふ、ふん!たまたま祝福が発生したくらいで騒がしい!それよりも貴様のその態度は……なん……だ……」
ゲイルは自身の目を疑った。
桜は瞬時にゲイル以外に強力な結界を張ると同時に水、火、風、氷、地、雷、闇、光の色とりどりの槍を発生させてゲイルに突きつけた。
結界魔法と含めると同時に9属性の魔法を使用していることになる。
それを見てゲイルは理解が追いつかず言葉を続けられなかった。
「あなたがもし実力主義者なら私に逆らう事がどう言うことかわかりますよね?」
憤怒の波動Lv8……Lv9……Lv10。
「分際わきまえてもらっても良いですか!?」
スキル昇華。
覇気Lv1。
そのままゲイルは大衆の面前で白目を剥き、泡を吹き、そして失禁しながらその場に倒れ込んだ。
先ほどは結界が貼られておらず、目撃者は一部にとどまったが、今回はゴルジアスやカロリーネ、メイド達など数多くの目撃者が居る。
ゲイルは二度と強い態度を取れないほどの屈辱とトラウマになった事は間違い無いだろう。
ゲイルはただの人族。
エルフ族のように魔法に長けている種族でもなく、鬼人族やドワーフ族のように得意な属性がある種族でもない。
蓮たちのように女神の加護を授かっている訳でも無く、四魔帝と呼ばれる国家最高戦力にまで上り詰めたのだ。
おそらく階級や種族などに対する差別が強い分、他者へ強く当たる分、己のことも厳しく律し続け、努力し続けてきたのだろう。
蓮は自身の殺意を納め、桜の肩に手を置いて、勝負がついた事を知らせた。
「あ、えっと……その……。怒っちゃいました。すみません」
桜は周囲に謝罪の言葉を口にしたが、蓮は気にしなくて良いと伝えた。
「命があっただけ感謝してもらわないとね」
蓮はそう言い、リルやドラコ、ユグドラシルに視線を向けた。
「良い魔素の流れじゃったな。素早く強力で驚いたぞ」
「一撃くらい当ててやればよかったのよ」
「この国の周辺では一切の植物が育たなくしましょうか」
リルは桜の魔法を褒め、ドラコはあの程度では足りないと口にした。
そしてユグドラシルは相当ご立腹のようで、怖い事を口にしてる。
目が本気だ。
精霊は嘘をつかない。
放っておけば、おそらく本当にやるだろう。
「部下が大変なご無礼を。サクラ殿。どうかお許しを」
それを察知したのか、ウォルスタッド王が席を立ち、少し移動し跪いた。
ソフィリアも慌てて続き、数瞬遅れて四魔帝と騎士団長も続き、跪いた。
「や、やめてください!私が悪いので……」
「いや、悪いのはゲイルだよ。ですよね?」
桜の自責の言葉を蓮が遮り、蓮の言葉に跪く者全てが同意を示した。
過保護だから思うのではなく、出された料理をろくに口にしてもいないのに感情論で批判したのだ。
誰に対してでも失礼極まりない行いに他ならない。
「こういう状況なので、話しておきますね」
蓮は自身や桜のレベルや授かっている加護、保有スキルについて説明し、次は容赦なく斬り伏せて帰る事を伝えた。
「寛大な対応に感謝する」
王は跪いたまま頭を下げ、他の者も後に続いた。
「さぁ!話はここまで!美味しい料理が冷めてしまいます!食べましょう!」
ゲイル以外に当たり散らすのは良くない。
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