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異世界生活:グリーデン編
門番とギルドマスター
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グリーデンに到着した一行。
大きな木製の門の前に斧と槍を持つ門番が居る。
どちらも筋骨隆々の人族。
日に焼けた肌の色。
元居た世界の白色人種の様に濃い顔立ち。
まるで鍛え抜かれた軍人のようだ。
元居た世界でなら、絶対に関わりたくない。
そんなことを思いながら門へと歩みを進める。
「お、お前たち何者だ!?通行証はあるのか!?」
近づくと、斧を持った男がより一層に表情を険しく声を荒げた。
この感じ。
「こ、こここ、こ怖くなんかないぞ!」
槍を構えながらもう一方の男が言う。
どうやら2人ともリルを警戒しているようだ。
「ご安心を。この子の従魔ですので害はありません。」
「こ、こんな小さい子がシルバーウルフを!?」
シルバーウルフがどの程度の魔物かは分からないが、種族など何でも良い。
蓮はとりあえず安全であることを説明しようと言葉を発しかけた。
その時。
「おい!貴様!我をそんな下賤な魔物と一緒にするでないわ!」
リルが怒りながら蓮よりも先に言葉を発した。
リルにとっては少し苛立った程度であったが、気圧されて槍の男は失神。
斧の男は倒れず、臆しながらも斧を構えた。
「ま、待ってください。大丈夫ですので!」
リルを宥め、話を再開。
通行証を持っていないことを説明。
トラブル防止で、フェンリルである事を隠したかったが、リルの名誉の為に、リルがフェンリルであることも伝えた。
「旅をして、魔物の素材や果物を売るため街に来ました」
「う、嘘をついても無駄だからな……?」
蓮がゆっくりと丁寧に説明をしたおかげで、少し緊張が解け始めているようだ。
話しをしていると、ぞろぞろと応援の武器を持った者たちが現れた。
何族かは分からないが、中には顔は人族だが、耳が毛に覆われた種族が居る。
金属の鎧を装備している者も居れば、革の鎧のような軽装備の者も居る。
性別もバラバラ。
まるで冒険者を寄せ集めたかのような統一感のなさだ。
口々に、ホワイトウルフやシルバーウルフなど魔物の名前を口にする。
リルからすると下位の魔物でも、人間には脅威の魔物なのだろう。
「とりあえず中に入って良いですか?」
蓮がそう言うと、増援者の1人が、何やら小さな半透明の水色のガラス玉のようなものを持ってきた。
「な、何をしている。早く触って魔力を込めろ」
どうやら魔素を流し込めば良いらしい。
蓮が言われるがまま手を触れて、魔素を流すと、球は水色に発光。
続いて、桜、向日葵も触れるが当然のように水色に発光。
「ふむ。問題ないな」
それが何かは分からないが、通行許可は出たようだ。
「次。お、おい、竜人族の女!お前もだ!あと、妖精族か?そっちの女も早くしろ!」
その言葉が今度はドラコとユグドラシルの逆鱗に触れる。
「あ゙ぁ゙ん゙!?」
「私に言ってるのですか?」
ドラコの覇気とユグドラシルの神威が発動。
十数名居た増援も、実力の無いものは失神し倒れ、腕に覚えのある数名だけが残った。
その中でも斧の男と、増援できた白い毛で耳が覆われた獣人の男は武器を構え、臨戦対戦に入っている。
恐怖し、圧倒的な力の差を感じ取りながらも街を守るために構える姿勢は賞賛に値するが、相手が悪すぎる。
「まずい!この2人の方が喧嘩っ早い!?」
蓮にとって予想外だった。
リルは先ほど覇気のスキルを使っていない。
個体としての強さだけで威嚇し、それに怯えた槍の男が失神しただけだ。
しかしこの2人は違う。
ドラコの闘気の流れとユグドラシルの魔素の流れで分かる。
スキルを発動している。
数名が残っていることから加減をしていることは分かるが、明らかにやりすぎた。
「ちょ、ちょっと待って!」
蓮が慌てて2人を制止。
生き残った数名が倒れたものを気遣って居ると、さらに十数名の増援が来た。
「こ、この街には、魔物の素材と果物を売りに来ただけなんです!」
蓮はそう言うとこ小さなリンゴを1つアイテムボックスから取り出し、斧の男に渡した。
アイテムボックスを有していることで、どよめきが走る。
かなりのレアスキルのようだ。
斧の男が警戒しているため、別のリンゴを取り出して食べて見せた。
シャリッ。
「皮ごと食べれて美味しいですよ」
蓮が食べるのを見て、斧の男も口にする。
すると、あまりの美味しさに一気に食べてしまった。
勢いよく食べるため、慌てて芯の部分には種があるため食べない様に伝えた。
「な、なんだこれは!疲れが吹っ飛んだぞ!」
小さいが効果は絶大。
並の人間ならば全回復するだろう。
試しに、もう一人。
失神しなかった耳が白い毛に覆われた男にはミカンを渡した。
同じく蓮が実食。
皮をむいて食べて見せた。
渡された男は真似るように皮をむき、匂いを嗅いでから口に運ぶ。
小ぶりのため一口だ。
「う、うまい!しかも回復量が下級ポーションの比じゃねぇ!」
無害の証明だけでなく、宣伝効果もありほつだ。
蓮は周囲の表情を確認してから、話しを進めた。
独自に作っている果物で、これをこの街で安価で売りたい。
そのために街へ入れてほしい。
効果を知った者が、そう説明されて断れるわけがない。
「ま、まぁ。確認玉さえ青くなりゃ通せるが……。」
ドラコとユグドラシルにも触るように指示し、問題なく青く光ったことで、通る許可は得られた。
「そ、そっちの従魔……。人語を話したよな。まさか本当にフェンリルなのか……?」
フェンリルという言葉を聞いて、再びどよめきが走る。
「はい。間違いありません」
聞けば、従魔が問題を起こした場合に処罰されるのは契約者である向日葵。
その保護者である蓮となるそうだ。
事と次第によっては一家総出で罰せられる。
「リル。何かあれば怒らずに、冷静にね」
『罰せられるものならやってみろ』などと口にする前に蓮が念を押す。
この世界での向日葵の立場が危ぶまれる可能性があるからだ。
リルも向日葵の事となると弱い。
『ふむ。わかった』と素直に聞き入れた。
「じゃ、じゃあ大人と従魔は銅貨2枚。子供は銅貨1枚だ」
どうやら通行料が必要のようだ。
想定していなかった。
当然ながら無一文のため、後払いにできないかと交渉するができそうにない。
「俺が立て替えよう」
その声に増援者が道を空ける。
声の主は佇まいからして強者だとわかる背の高い男。
鍛え抜かれた筋肉の隆起する腕。
引き締まった腹。
鋭い眼光。
顔にある大きな傷。
腰には大きめの剣と拳には篭手。
動きやすく丈夫そうな布製の服。
魔法ではなく闘気主体の接近戦タイプだと予測できる。
そして、いくつもの修羅場をくぐり抜けてきたことが見ただけで分かった。
「ギ、ギルマス。いいんですか?」
「ああ。そのまま冒険者ギルドに連れて行く。あとはこちらで請け負おう」
斧の男が『ギルマス』と口にした。
恐らく冒険者ギルドのギルドマスターなのだろう。
冒険者を束ねるだけあって、人望も実力もあるようだ。
「冒険者ギルドに登録すれば、次から通行料は要らなくなる。魔物の素材も買い取れる。悪くない話だと思うが?」
蓮に視線を移し、ギルドマスターが言う。
「わかりました。それで大丈夫です。助かります」
蓮がそう言うと、ギルドマスターは通行料を立て替え、冒険者ギルドに蓮達を先導した。
大きな木製の門の前に斧と槍を持つ門番が居る。
どちらも筋骨隆々の人族。
日に焼けた肌の色。
元居た世界の白色人種の様に濃い顔立ち。
まるで鍛え抜かれた軍人のようだ。
元居た世界でなら、絶対に関わりたくない。
そんなことを思いながら門へと歩みを進める。
「お、お前たち何者だ!?通行証はあるのか!?」
近づくと、斧を持った男がより一層に表情を険しく声を荒げた。
この感じ。
「こ、こここ、こ怖くなんかないぞ!」
槍を構えながらもう一方の男が言う。
どうやら2人ともリルを警戒しているようだ。
「ご安心を。この子の従魔ですので害はありません。」
「こ、こんな小さい子がシルバーウルフを!?」
シルバーウルフがどの程度の魔物かは分からないが、種族など何でも良い。
蓮はとりあえず安全であることを説明しようと言葉を発しかけた。
その時。
「おい!貴様!我をそんな下賤な魔物と一緒にするでないわ!」
リルが怒りながら蓮よりも先に言葉を発した。
リルにとっては少し苛立った程度であったが、気圧されて槍の男は失神。
斧の男は倒れず、臆しながらも斧を構えた。
「ま、待ってください。大丈夫ですので!」
リルを宥め、話を再開。
通行証を持っていないことを説明。
トラブル防止で、フェンリルである事を隠したかったが、リルの名誉の為に、リルがフェンリルであることも伝えた。
「旅をして、魔物の素材や果物を売るため街に来ました」
「う、嘘をついても無駄だからな……?」
蓮がゆっくりと丁寧に説明をしたおかげで、少し緊張が解け始めているようだ。
話しをしていると、ぞろぞろと応援の武器を持った者たちが現れた。
何族かは分からないが、中には顔は人族だが、耳が毛に覆われた種族が居る。
金属の鎧を装備している者も居れば、革の鎧のような軽装備の者も居る。
性別もバラバラ。
まるで冒険者を寄せ集めたかのような統一感のなさだ。
口々に、ホワイトウルフやシルバーウルフなど魔物の名前を口にする。
リルからすると下位の魔物でも、人間には脅威の魔物なのだろう。
「とりあえず中に入って良いですか?」
蓮がそう言うと、増援者の1人が、何やら小さな半透明の水色のガラス玉のようなものを持ってきた。
「な、何をしている。早く触って魔力を込めろ」
どうやら魔素を流し込めば良いらしい。
蓮が言われるがまま手を触れて、魔素を流すと、球は水色に発光。
続いて、桜、向日葵も触れるが当然のように水色に発光。
「ふむ。問題ないな」
それが何かは分からないが、通行許可は出たようだ。
「次。お、おい、竜人族の女!お前もだ!あと、妖精族か?そっちの女も早くしろ!」
その言葉が今度はドラコとユグドラシルの逆鱗に触れる。
「あ゙ぁ゙ん゙!?」
「私に言ってるのですか?」
ドラコの覇気とユグドラシルの神威が発動。
十数名居た増援も、実力の無いものは失神し倒れ、腕に覚えのある数名だけが残った。
その中でも斧の男と、増援できた白い毛で耳が覆われた獣人の男は武器を構え、臨戦対戦に入っている。
恐怖し、圧倒的な力の差を感じ取りながらも街を守るために構える姿勢は賞賛に値するが、相手が悪すぎる。
「まずい!この2人の方が喧嘩っ早い!?」
蓮にとって予想外だった。
リルは先ほど覇気のスキルを使っていない。
個体としての強さだけで威嚇し、それに怯えた槍の男が失神しただけだ。
しかしこの2人は違う。
ドラコの闘気の流れとユグドラシルの魔素の流れで分かる。
スキルを発動している。
数名が残っていることから加減をしていることは分かるが、明らかにやりすぎた。
「ちょ、ちょっと待って!」
蓮が慌てて2人を制止。
生き残った数名が倒れたものを気遣って居ると、さらに十数名の増援が来た。
「こ、この街には、魔物の素材と果物を売りに来ただけなんです!」
蓮はそう言うとこ小さなリンゴを1つアイテムボックスから取り出し、斧の男に渡した。
アイテムボックスを有していることで、どよめきが走る。
かなりのレアスキルのようだ。
斧の男が警戒しているため、別のリンゴを取り出して食べて見せた。
シャリッ。
「皮ごと食べれて美味しいですよ」
蓮が食べるのを見て、斧の男も口にする。
すると、あまりの美味しさに一気に食べてしまった。
勢いよく食べるため、慌てて芯の部分には種があるため食べない様に伝えた。
「な、なんだこれは!疲れが吹っ飛んだぞ!」
小さいが効果は絶大。
並の人間ならば全回復するだろう。
試しに、もう一人。
失神しなかった耳が白い毛に覆われた男にはミカンを渡した。
同じく蓮が実食。
皮をむいて食べて見せた。
渡された男は真似るように皮をむき、匂いを嗅いでから口に運ぶ。
小ぶりのため一口だ。
「う、うまい!しかも回復量が下級ポーションの比じゃねぇ!」
無害の証明だけでなく、宣伝効果もありほつだ。
蓮は周囲の表情を確認してから、話しを進めた。
独自に作っている果物で、これをこの街で安価で売りたい。
そのために街へ入れてほしい。
効果を知った者が、そう説明されて断れるわけがない。
「ま、まぁ。確認玉さえ青くなりゃ通せるが……。」
ドラコとユグドラシルにも触るように指示し、問題なく青く光ったことで、通る許可は得られた。
「そ、そっちの従魔……。人語を話したよな。まさか本当にフェンリルなのか……?」
フェンリルという言葉を聞いて、再びどよめきが走る。
「はい。間違いありません」
聞けば、従魔が問題を起こした場合に処罰されるのは契約者である向日葵。
その保護者である蓮となるそうだ。
事と次第によっては一家総出で罰せられる。
「リル。何かあれば怒らずに、冷静にね」
『罰せられるものならやってみろ』などと口にする前に蓮が念を押す。
この世界での向日葵の立場が危ぶまれる可能性があるからだ。
リルも向日葵の事となると弱い。
『ふむ。わかった』と素直に聞き入れた。
「じゃ、じゃあ大人と従魔は銅貨2枚。子供は銅貨1枚だ」
どうやら通行料が必要のようだ。
想定していなかった。
当然ながら無一文のため、後払いにできないかと交渉するができそうにない。
「俺が立て替えよう」
その声に増援者が道を空ける。
声の主は佇まいからして強者だとわかる背の高い男。
鍛え抜かれた筋肉の隆起する腕。
引き締まった腹。
鋭い眼光。
顔にある大きな傷。
腰には大きめの剣と拳には篭手。
動きやすく丈夫そうな布製の服。
魔法ではなく闘気主体の接近戦タイプだと予測できる。
そして、いくつもの修羅場をくぐり抜けてきたことが見ただけで分かった。
「ギ、ギルマス。いいんですか?」
「ああ。そのまま冒険者ギルドに連れて行く。あとはこちらで請け負おう」
斧の男が『ギルマス』と口にした。
恐らく冒険者ギルドのギルドマスターなのだろう。
冒険者を束ねるだけあって、人望も実力もあるようだ。
「冒険者ギルドに登録すれば、次から通行料は要らなくなる。魔物の素材も買い取れる。悪くない話だと思うが?」
蓮に視線を移し、ギルドマスターが言う。
「わかりました。それで大丈夫です。助かります」
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