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異世界生活
女神の加護で成長チート①
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訓練を終え、話す蓮達。
その後ろで音がし、振り返るとフェンリルよりも二回りほど巨大な鳥が横たわっていた。
「美味い奴が居たぞ」
フェンリルはどこか得意げな表情を浮かべている。
しかし、血を流した巨大な鳥の登場は、日本育ちの蓮達には、主に向日葵には刺激が強すぎた。
「うえぇぇん」
向日葵の号泣に慌てた様子のフェンリル。
悪気はなかったようだ。
「ちょっといいかな?」
「ちょっといいかしら?」
闘気をむき出しにした蓮と、魔力を漲らせた桜に、フェンリルはただただ怒られた。
「む、むぅ……」
涙ぐむ向日葵を見てたじろぎ、そして小さく『すまぬ』と言葉を漏らした。
まだ少し啜り泣きをしている向日葵に擦り寄り、柔らかい毛で覆われた身体で向日葵を優しく包んだ。
その一連の言動を見て、ユグドラシルは驚いた。
「あなた……。ひょっとして……」
「なんと……。よもやフェンリルの王たる我が従魔になるとはな」
従魔。
聞きなれないが、向日葵のスキル欄には確か従魔術Lv10と記載されていた。
「どういうこと?」
蓮が状況を確認すると、フェンリルが答えた。
「その言葉の通り。我はこやつの従魔となったのじゃ」
その言葉を聞いて桜が『こやつって誰のこと?』と怒りを口にした。
フェンリルは桜にも弱いようで、慌てて『ヒマワリじゃったな』と訂正した。
理解が追い付かない蓮達にユグドラシルが補足する。
従魔とは、魔物と意思疎通を図り、従える事。
身体が大きい魔物や飛行能力のある魔物を移動用従魔にする事もあれば、強力な力を持つ魔物を戦闘用従魔にする事もある。
従魔契約は、主人か従魔のどちらかが死ぬまで続くそうだ。
「これも女神様のお導きか……。ヒマワリよ。我に名を授けよ」
フェンリルは納得したような表情を浮かべ、向日葵に名を付けるように言う。
言葉の意味が分かっていない向日葵に、蓮が『狼さんにお名前つけてあげて』と補足する。
「おなまえ……。んー。リル!リルちゃん!」
「ちゃ、ちゃんはやめよ」
ちゃん付けを恥ずかしがるフェンリル改めリル。
名付けたことで従魔契約完了。
完了の証に、向日葵とリルを青白い光が包み、すぐに消えた。
向日葵のステータスボードを見ると従魔の欄が増えていた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【ヒマワリ・ミツルギ Level:1 人族♀ 4歳】
HP:110 / 110
MP:830 / 830
SP:350 / 350
筋力:40 攻撃力:340
耐久:55 防御力:1055
知力:430 魔力:1430
抵抗:85 抵抗力:1085
敏捷:70
器用:83
幸運:7777
【ユニーク】
創造神エマーテルの加護、運命神フォルトゥナの加護、アイテムボックス、鑑定、自由奔放
【スキル】
従魔術Lv10、愛嬌Lv10、癒しLv10、水魔法Lv1、
【属性】
水Lv5、火Lv5、風Lv5、氷Lv5、地Lv5、雷Lv5、光Lv5、支援Lv10
【装備】
世界樹の衣、世界樹の杖
【従魔】
リル(フェンリル族)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「レベルが上がらなくてもステータスは伸びるんだね」
魔物などの命を奪う事で生命力が流れ込みレベルが上がる。
レベルが上がるよりも成長率は悪いが、鍛えれば各ステータスはそれぞれ成長する。
努力が目に見えるのはモチベーションに繋がる。
装備が制服からユグドラシルお手製の服と杖になったことで、攻撃力や防御力などの数値が大幅に上昇している。
「成長の確認程度の目安にしておけ」
フェンリルもユグドラシル同様にあくまで目安の数値であるという。
戦いにおいて、数値は時に意味をなさないことを経験から知っているのだろう。
「腹が減ったな。お主らの確認は後にして食わぬか?」
登場した時は威厳溢れ、神々しくさえあったフェンリル。
数は少ないが、強大な力を有するフェンリル。
リルはそのフェンリル族の王。
今は、狩ってきた巨大な鳥を前に、涎を垂らしながら尻尾を振り『こいつは美味いのだぞぉ』と言っている。
どうやら可愛げのある奴のようだ。
「先にお食事にしましょうか」
ユグドラシルはそう言うと右の掌を地にかざし、大きな木のテーブルと椅子を用意した。
更に地魔法を使い、大きな石の台を作り出した。
石の台の下に木々を並べ、リルに火を灯すように言う。
家の中にあるのと同じような、即席の石製の焼き台だ。
「さぁ、温めているうちに捌いてしまいましょうか」
ユグドラシルは食べなくても大丈夫。
リルは生のままでも食べられる。
しかし、蓮達はそうはいかない。
解体と調理をしなければならない。
「状態異常にはならぬだろう?」
お腹を壊したり病気になることはないが、そういう問題ではない。
「私がやるよ」
桜は釣ってきた魚を捌くくらいのノリで、自身が巨大な鳥を捌くというのだ。
桜は蓮に向日葵の目を覆うように指示し、世界樹の魔杖を構えた。
「リル。鳥を上に投げてくれない?」
桜の言葉に応じ、リルは巨大な鳥を咥えて、宙へ放り投げた。
投げ上げられた鳥が落下する前に、桜は結界魔法を発動。
物理障壁を生み出し、落下を止め、宙に固定した。
さらにその結界内に炎を生み出し、鳥の羽を焼き払った。
繊細な魔力制御がされており、羽は燃えているが、皮膚はほどんど焼けていない。
「あとは細切れにして、血抜きして……」
結界内に風の刃を発生させ、鳥を切り刻む。
水を発生させ、洗濯機の様に結界内で水をかき混ぜて血を洗い流す。
内臓と血を大量に含んだ水は、湖から流れる川に流し、残った肉をアイテムボックスへ流し込む。
「たいしたものじゃな」
リルが思わず賞賛する。
あっという間の出来事に、蓮は開いた口が塞がらない。
結界魔法と同時に、火魔法、風魔法、水魔法を使って見せたのだ。
腰に手を当ててドヤ顔の桜。
思わずユグドラシルを見る蓮。
ユグドラシルは『の、後程お話ししますね』と言って、食事の準備を進めた。
その後ろで音がし、振り返るとフェンリルよりも二回りほど巨大な鳥が横たわっていた。
「美味い奴が居たぞ」
フェンリルはどこか得意げな表情を浮かべている。
しかし、血を流した巨大な鳥の登場は、日本育ちの蓮達には、主に向日葵には刺激が強すぎた。
「うえぇぇん」
向日葵の号泣に慌てた様子のフェンリル。
悪気はなかったようだ。
「ちょっといいかな?」
「ちょっといいかしら?」
闘気をむき出しにした蓮と、魔力を漲らせた桜に、フェンリルはただただ怒られた。
「む、むぅ……」
涙ぐむ向日葵を見てたじろぎ、そして小さく『すまぬ』と言葉を漏らした。
まだ少し啜り泣きをしている向日葵に擦り寄り、柔らかい毛で覆われた身体で向日葵を優しく包んだ。
その一連の言動を見て、ユグドラシルは驚いた。
「あなた……。ひょっとして……」
「なんと……。よもやフェンリルの王たる我が従魔になるとはな」
従魔。
聞きなれないが、向日葵のスキル欄には確か従魔術Lv10と記載されていた。
「どういうこと?」
蓮が状況を確認すると、フェンリルが答えた。
「その言葉の通り。我はこやつの従魔となったのじゃ」
その言葉を聞いて桜が『こやつって誰のこと?』と怒りを口にした。
フェンリルは桜にも弱いようで、慌てて『ヒマワリじゃったな』と訂正した。
理解が追い付かない蓮達にユグドラシルが補足する。
従魔とは、魔物と意思疎通を図り、従える事。
身体が大きい魔物や飛行能力のある魔物を移動用従魔にする事もあれば、強力な力を持つ魔物を戦闘用従魔にする事もある。
従魔契約は、主人か従魔のどちらかが死ぬまで続くそうだ。
「これも女神様のお導きか……。ヒマワリよ。我に名を授けよ」
フェンリルは納得したような表情を浮かべ、向日葵に名を付けるように言う。
言葉の意味が分かっていない向日葵に、蓮が『狼さんにお名前つけてあげて』と補足する。
「おなまえ……。んー。リル!リルちゃん!」
「ちゃ、ちゃんはやめよ」
ちゃん付けを恥ずかしがるフェンリル改めリル。
名付けたことで従魔契約完了。
完了の証に、向日葵とリルを青白い光が包み、すぐに消えた。
向日葵のステータスボードを見ると従魔の欄が増えていた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【ヒマワリ・ミツルギ Level:1 人族♀ 4歳】
HP:110 / 110
MP:830 / 830
SP:350 / 350
筋力:40 攻撃力:340
耐久:55 防御力:1055
知力:430 魔力:1430
抵抗:85 抵抗力:1085
敏捷:70
器用:83
幸運:7777
【ユニーク】
創造神エマーテルの加護、運命神フォルトゥナの加護、アイテムボックス、鑑定、自由奔放
【スキル】
従魔術Lv10、愛嬌Lv10、癒しLv10、水魔法Lv1、
【属性】
水Lv5、火Lv5、風Lv5、氷Lv5、地Lv5、雷Lv5、光Lv5、支援Lv10
【装備】
世界樹の衣、世界樹の杖
【従魔】
リル(フェンリル族)
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「レベルが上がらなくてもステータスは伸びるんだね」
魔物などの命を奪う事で生命力が流れ込みレベルが上がる。
レベルが上がるよりも成長率は悪いが、鍛えれば各ステータスはそれぞれ成長する。
努力が目に見えるのはモチベーションに繋がる。
装備が制服からユグドラシルお手製の服と杖になったことで、攻撃力や防御力などの数値が大幅に上昇している。
「成長の確認程度の目安にしておけ」
フェンリルもユグドラシル同様にあくまで目安の数値であるという。
戦いにおいて、数値は時に意味をなさないことを経験から知っているのだろう。
「腹が減ったな。お主らの確認は後にして食わぬか?」
登場した時は威厳溢れ、神々しくさえあったフェンリル。
数は少ないが、強大な力を有するフェンリル。
リルはそのフェンリル族の王。
今は、狩ってきた巨大な鳥を前に、涎を垂らしながら尻尾を振り『こいつは美味いのだぞぉ』と言っている。
どうやら可愛げのある奴のようだ。
「先にお食事にしましょうか」
ユグドラシルはそう言うと右の掌を地にかざし、大きな木のテーブルと椅子を用意した。
更に地魔法を使い、大きな石の台を作り出した。
石の台の下に木々を並べ、リルに火を灯すように言う。
家の中にあるのと同じような、即席の石製の焼き台だ。
「さぁ、温めているうちに捌いてしまいましょうか」
ユグドラシルは食べなくても大丈夫。
リルは生のままでも食べられる。
しかし、蓮達はそうはいかない。
解体と調理をしなければならない。
「状態異常にはならぬだろう?」
お腹を壊したり病気になることはないが、そういう問題ではない。
「私がやるよ」
桜は釣ってきた魚を捌くくらいのノリで、自身が巨大な鳥を捌くというのだ。
桜は蓮に向日葵の目を覆うように指示し、世界樹の魔杖を構えた。
「リル。鳥を上に投げてくれない?」
桜の言葉に応じ、リルは巨大な鳥を咥えて、宙へ放り投げた。
投げ上げられた鳥が落下する前に、桜は結界魔法を発動。
物理障壁を生み出し、落下を止め、宙に固定した。
さらにその結界内に炎を生み出し、鳥の羽を焼き払った。
繊細な魔力制御がされており、羽は燃えているが、皮膚はほどんど焼けていない。
「あとは細切れにして、血抜きして……」
結界内に風の刃を発生させ、鳥を切り刻む。
水を発生させ、洗濯機の様に結界内で水をかき混ぜて血を洗い流す。
内臓と血を大量に含んだ水は、湖から流れる川に流し、残った肉をアイテムボックスへ流し込む。
「たいしたものじゃな」
リルが思わず賞賛する。
あっという間の出来事に、蓮は開いた口が塞がらない。
結界魔法と同時に、火魔法、風魔法、水魔法を使って見せたのだ。
腰に手を当ててドヤ顔の桜。
思わずユグドラシルを見る蓮。
ユグドラシルは『の、後程お話ししますね』と言って、食事の準備を進めた。
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