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異世界生活
フェンリル
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湖の畔で魔法の訓練中。
小腹が空いたため、ユグドラシルの出した世界樹の実を食べることにした。
そして、食べようとした瞬間。
蓮達の後ろから低い声がした。
「ふん。相も変わらず贅沢な食事じゃのう」
驚き振り返ると、そこには白銀の巨大な狼らしき魔物が居た。
「きゃっ」
「下がって!」
あまりの大きさと恐怖に桜が悲鳴を上げ、慌てて向日葵を抱き寄せる。
蓮は瞬時に立ち上がり、一歩前に出て睨みつける。
距離は10m以上は離れている。
しかし、それでもかなり大きい。
恐らく7人乗りの大型車に匹敵するであろう大きさだ。
「ゆっくり立ち上がって、家に入るんだ」
蓮は巨大な狼を睨みつけたまま、桜に小声で指示を出した。
その言葉を聞いて、桜はゆっくりと立ち上がった。
家までは20mないくらいの距離。
助かる可能性は低い。
結界があるんじゃなかったのか?
家に入ったとして、こいつから逃れられるのか?
蓮の頭に様々な思考が廻る。
それを蓮はゆっくりと深く息を吸い、吐き出しながら止めた。
そして全身に気を張り巡らせ、巨狼の一挙一動に集中した。
久しく押していなかった自分の中にある戦闘のスイッチ。
本気で闘うのはいつぶりだろうか。
武器も防具もない。
目、鼻、喉……。
牙、爪、尻尾、魔法……。
蓮は有効そうな攻撃箇所を探りながら、そして相手の攻撃を想像しながら、ゆっくりと構えた。
足を大きく広げ、半身になり、急所を隠す。
「ほぅ……。小僧。何者だ」
「……言葉を話せるのか。俺は蓮というものだ」
臨戦態勢は崩さない。
いや、崩せない。
見ればわかる。
下手に攻撃を仕掛ければ死ぬ。
圧倒的な戦力差。
一挙一動に隙が無い。
「ふん。その目。闘気。なかなかのものだが……異界人か」
異界人。
聞きなれない言葉。
しかし、それよりも言葉がこれだけ通じるのであれば、話す方が道が開けるかもしれない。
蓮がそう思うと同時に、ユグドラシルが口を開いた。
「レン様、サクラ様。ご安心ください。先ほど話していたのはこの者です」
ユグドラシルが言うには、この巨大な狼が蓮の訓練担当者だというのだ。
完全に人型の誰かを想像していた。
まさか狼が訓練担当などと想像もしていなかった。
蓮はその言葉を聞いて構えを解いた。
しかし、油断はできないと思い、意識は巨狼に向けたままだった。
「ふん。なかなか鍛え甲斐がありそうじゃな」
蓮の一連の行動。
そしてユグドラシルの言葉を聞いて、構えを解いてからも、心構えは解かない油断のなさ。
巨大な狼は称賛を込め、歩み寄りながら蓮に言った。
「先ほどは慌ててすみません。改めて、蓮と言います。こっちは妹の桜と向日葵」
蓮が挨拶をすると桜と向日葵は頭を少しだけ下げた。
「ふむ。我を前に堂々とした態度。気に入った。我は誇り高きフェンリル族の王だ」
白銀の巨大な狼はフェンリルだと名乗った。
その言葉を聞いて蓮と桜は顔を見合わせた。
フェンリルとは神話に出てくる空想上の生物だ。
ゲームや漫画などにも出てくるが、多くの場合が最強クラスの強さを持っている。
そんな超生物が蓮の訓練担当に就くというのだ。
「レン様の行動が気になり止めるのが遅くなり申し訳ありません」
挨拶を済ませる蓮達に、ユグドラシルが改めて謝罪した。
聞けば魔法の訓練の時とは一変して、あまりにも自然に戦闘態勢に入ったことで驚いたのだという。
「ふむ。戦闘神アレス様の加護を持っているのか。それでだろう」
鑑定で見たのか、フェンリルが言う。
どうやら、ユグドラシル同様にフェンリルにも思うところがあったようだ。
蓮や桜には何のことだかは分からない。
「先ほどサクラ様が無意識に魔法を使いこなしたように、蓮様は闘気を使いこなしていましたよ」
先程の魔法訓練時に、蓮は魔素を集め青みがかった光で手を包んだ。
それに対して桜は、全身を覆うほど膨大な魔素を操り、とんでもない才能を見せつけた。
今回の蓮は、その時の桜同様に、無意識の間に『闘気』を操っていたそうだ。
闘気はオーラとも呼ばれ、剣技や武技を使用する際に、必要不可欠なものだ。
いくらMPが多くても、使い方が分からなければ魔法は使えない。
同様に、SPが多くても、使い方が分からなければ剣技や武技は使えない。
MPを消費して魔素を操り魔法を放つ。
SPを消費して闘気を操り、剣技や武技を使用する。
こういう認識のようだ。
「しかも、かなり察知されにくくされていました」
ユグドラシルが言うには、高濃度の魔素は青色を帯びるが、高濃度の闘気は赤色を帯びるそうだ。
先程、桜が魔素を操った時は全身を青い光が覆っていた。
しかし、蓮はフェンリルに攻撃が察知されにくいように、全身の闘気を見えにくくしていたそうだ。
「たしかに、フェンリルさんにバレないように攻撃の隙を伺ってましたね」
闘気が右手に集まれば、右手で殴ってくるのが分かる。
それほど、闘気の流れは戦闘と関連性が高い。
非常に繊細なコントロールが要求されるが、蓮は無意識に行っていたようだ。
だからこそ、ユグドラシルは驚き、フェンリルとのやりとりを止めるのが遅れてしまったのだ。
「お主も鑑定があるのだろう。ステータスボードを見てみろ」
フェンリルに言われた通り、蓮はステータスボードを開き見てみる。
するとSPが少し減っていた。
しかし、SPはどんどん回復し、すぐに全回復した。
さらに良く見るとスキル欄に闘気操作Lv3が追記されていた。
「こ、こんなのなかったのに……」
「ほう。では今の対峙だけでここまで成長したという事か」
通常、スキルは一隻一兆で身につくものではない。
数週間、数か月と訓練を積んでやっと習得するものだそうだ。
命の危険を感じるほどの緊張感がある対峙だったとはいえ、蓮の習得はあまりにも早すぎる。
「戦闘神アレス様に感謝する事じゃな」
戦闘に関する技の習得や成長がかなり早まっているのは間違いなく戦闘神アレスの加護のおかげだそうだ。
そしてフェンリルは『加護に恥じぬように鍛え上げねばな』と言葉を続けた。
小腹が空いたため、ユグドラシルの出した世界樹の実を食べることにした。
そして、食べようとした瞬間。
蓮達の後ろから低い声がした。
「ふん。相も変わらず贅沢な食事じゃのう」
驚き振り返ると、そこには白銀の巨大な狼らしき魔物が居た。
「きゃっ」
「下がって!」
あまりの大きさと恐怖に桜が悲鳴を上げ、慌てて向日葵を抱き寄せる。
蓮は瞬時に立ち上がり、一歩前に出て睨みつける。
距離は10m以上は離れている。
しかし、それでもかなり大きい。
恐らく7人乗りの大型車に匹敵するであろう大きさだ。
「ゆっくり立ち上がって、家に入るんだ」
蓮は巨大な狼を睨みつけたまま、桜に小声で指示を出した。
その言葉を聞いて、桜はゆっくりと立ち上がった。
家までは20mないくらいの距離。
助かる可能性は低い。
結界があるんじゃなかったのか?
家に入ったとして、こいつから逃れられるのか?
蓮の頭に様々な思考が廻る。
それを蓮はゆっくりと深く息を吸い、吐き出しながら止めた。
そして全身に気を張り巡らせ、巨狼の一挙一動に集中した。
久しく押していなかった自分の中にある戦闘のスイッチ。
本気で闘うのはいつぶりだろうか。
武器も防具もない。
目、鼻、喉……。
牙、爪、尻尾、魔法……。
蓮は有効そうな攻撃箇所を探りながら、そして相手の攻撃を想像しながら、ゆっくりと構えた。
足を大きく広げ、半身になり、急所を隠す。
「ほぅ……。小僧。何者だ」
「……言葉を話せるのか。俺は蓮というものだ」
臨戦態勢は崩さない。
いや、崩せない。
見ればわかる。
下手に攻撃を仕掛ければ死ぬ。
圧倒的な戦力差。
一挙一動に隙が無い。
「ふん。その目。闘気。なかなかのものだが……異界人か」
異界人。
聞きなれない言葉。
しかし、それよりも言葉がこれだけ通じるのであれば、話す方が道が開けるかもしれない。
蓮がそう思うと同時に、ユグドラシルが口を開いた。
「レン様、サクラ様。ご安心ください。先ほど話していたのはこの者です」
ユグドラシルが言うには、この巨大な狼が蓮の訓練担当者だというのだ。
完全に人型の誰かを想像していた。
まさか狼が訓練担当などと想像もしていなかった。
蓮はその言葉を聞いて構えを解いた。
しかし、油断はできないと思い、意識は巨狼に向けたままだった。
「ふん。なかなか鍛え甲斐がありそうじゃな」
蓮の一連の行動。
そしてユグドラシルの言葉を聞いて、構えを解いてからも、心構えは解かない油断のなさ。
巨大な狼は称賛を込め、歩み寄りながら蓮に言った。
「先ほどは慌ててすみません。改めて、蓮と言います。こっちは妹の桜と向日葵」
蓮が挨拶をすると桜と向日葵は頭を少しだけ下げた。
「ふむ。我を前に堂々とした態度。気に入った。我は誇り高きフェンリル族の王だ」
白銀の巨大な狼はフェンリルだと名乗った。
その言葉を聞いて蓮と桜は顔を見合わせた。
フェンリルとは神話に出てくる空想上の生物だ。
ゲームや漫画などにも出てくるが、多くの場合が最強クラスの強さを持っている。
そんな超生物が蓮の訓練担当に就くというのだ。
「レン様の行動が気になり止めるのが遅くなり申し訳ありません」
挨拶を済ませる蓮達に、ユグドラシルが改めて謝罪した。
聞けば魔法の訓練の時とは一変して、あまりにも自然に戦闘態勢に入ったことで驚いたのだという。
「ふむ。戦闘神アレス様の加護を持っているのか。それでだろう」
鑑定で見たのか、フェンリルが言う。
どうやら、ユグドラシル同様にフェンリルにも思うところがあったようだ。
蓮や桜には何のことだかは分からない。
「先ほどサクラ様が無意識に魔法を使いこなしたように、蓮様は闘気を使いこなしていましたよ」
先程の魔法訓練時に、蓮は魔素を集め青みがかった光で手を包んだ。
それに対して桜は、全身を覆うほど膨大な魔素を操り、とんでもない才能を見せつけた。
今回の蓮は、その時の桜同様に、無意識の間に『闘気』を操っていたそうだ。
闘気はオーラとも呼ばれ、剣技や武技を使用する際に、必要不可欠なものだ。
いくらMPが多くても、使い方が分からなければ魔法は使えない。
同様に、SPが多くても、使い方が分からなければ剣技や武技は使えない。
MPを消費して魔素を操り魔法を放つ。
SPを消費して闘気を操り、剣技や武技を使用する。
こういう認識のようだ。
「しかも、かなり察知されにくくされていました」
ユグドラシルが言うには、高濃度の魔素は青色を帯びるが、高濃度の闘気は赤色を帯びるそうだ。
先程、桜が魔素を操った時は全身を青い光が覆っていた。
しかし、蓮はフェンリルに攻撃が察知されにくいように、全身の闘気を見えにくくしていたそうだ。
「たしかに、フェンリルさんにバレないように攻撃の隙を伺ってましたね」
闘気が右手に集まれば、右手で殴ってくるのが分かる。
それほど、闘気の流れは戦闘と関連性が高い。
非常に繊細なコントロールが要求されるが、蓮は無意識に行っていたようだ。
だからこそ、ユグドラシルは驚き、フェンリルとのやりとりを止めるのが遅れてしまったのだ。
「お主も鑑定があるのだろう。ステータスボードを見てみろ」
フェンリルに言われた通り、蓮はステータスボードを開き見てみる。
するとSPが少し減っていた。
しかし、SPはどんどん回復し、すぐに全回復した。
さらに良く見るとスキル欄に闘気操作Lv3が追記されていた。
「こ、こんなのなかったのに……」
「ほう。では今の対峙だけでここまで成長したという事か」
通常、スキルは一隻一兆で身につくものではない。
数週間、数か月と訓練を積んでやっと習得するものだそうだ。
命の危険を感じるほどの緊張感がある対峙だったとはいえ、蓮の習得はあまりにも早すぎる。
「戦闘神アレス様に感謝する事じゃな」
戦闘に関する技の習得や成長がかなり早まっているのは間違いなく戦闘神アレスの加護のおかげだそうだ。
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