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第3章 剣術競技祭で刃を向けられる者

第14話 クラス対抗戦術戦、対四組戦①

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 フィールドを包んでいた淡い光が消えると、白銀の世界が現れていた。
 そして、審判が手で何かの合図を出す。

『皆様、お待たせしました! 第一試合、開始!』

 実況の声と同時に乾いた爆発音が響いた。
 同時に、生徒達の足元に魔方陣が現れた。

 そして、次の瞬間には生徒達はフィールドの中に転送されていた。

 この競技の初期位置はランダムだ。
 最低でも相手と20メトルは離れたところに転移する。

「全員伏せて」
「「了解」」

 この競技では、通信機なる魔導具の使用が許されている。
 だから――

「索敵班、移動開始」

 ――チームを分割した作戦が可能なのだ。

 二組の索敵班2つはそれぞれ散開して移動を始めた。

『索敵1、本隊8時の方向に敵影発見。数1、距離120』
「了解。討伐を」

 同じ頃――

『敵が丘の上から来たぞ!』
「何人いる?」
『2人! こっちに来てる!』
「逃げろ!」
『分かっグェッ!?』

 四組の生徒が最初に死亡判定を受けた。
 背後に回り込まれていたのだ。

『索敵2、敵の本隊を確認。3時の方向、距離140。本隊との距離420』
「了解。別動隊、背後に回り込んで。挟み撃ちにするぞ」
『別動隊、了解』
「索敵1、本隊の周辺警戒を」
『索敵1、了解』

 四組は索敵要員を5人用意していた。
 だが、まだ発見したのは二組の索敵隊だけだ。

「高いところに移動しよう」
「そうね」

 同じ頃、二組の索敵2――

『こちら索敵2。敵が迫ってきてます。場所は丘の上。敵距離80』
「撤退せよ」
『了解』

 通信を終え、立ち上がった時だった。
 白銀の中で迫るひときわ輝いている銀光が迫るのを1が捉えた。

 すぐに、予め決めておいたハンドサインで仲間に知らせる。

「もらったああぁぁぁぁ!」

 1人が囮になって敵の剣を受け止める。
 その間に、背後に回ったもう1人が首を斬りつけて、勝敗は決した。

『4組、また1人倒されたああぁぁぁぁ――ッ! 戦闘時間は残り2時間40分、まだまだ勝負の行く手は分かりません!』

 実況の声が観客席に響く。

『索敵2、意見具申』
「索敵2、どうぞ」
『本隊の接近まで、敵の注意を引き付けます』
「体力は大丈夫か?」
『問題ありません』
「了解。作戦を許可する」

 同じ頃、ハルクとレイシアとシルフィは敵陣のすぐそばに隠れていた。
 予め着ておいた、砂地用、雪山用、山岳用の迷彩服の内、雪山用の迷彩服を着て、雪に隠れていた。

 そんな事を知らない四組は……

『敵の本陣を発見、真っ直ぐそちらに向かってます!』
「了解。全員、作戦名プロジェクトコード、千対一、用意!」

 この戦闘、最大の戦いが幕を開けようとしていた。
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