異世界は理不尽です ~転生して男の娘なった俺は拷問を受けたので闇に堕ちました~

とある青年は溜息混じりに大学の入試試験へ向かっていた。
 
 憂鬱に見舞われながら信号待ちをしていた彼は"何者"かに背中を押された。
 背中に残る手のひらの感覚。
 これは過失ではなく故意だ、そう思ったときには既に遅かった。

 ――そして、死んだ。いや、殺された。

 前世での記憶をそのままに世界を渡り、まるで美少女のような容姿の少年へ受肉した。

 これから生きていく事になるのは、魔物が蔓延る剣と魔術の異世界。
 
 平和に過ごしたかった新しい生活。
 だがそれは、叶わない。

 言われようのない暴力、嫉妬、裏切り。
 世界が変わらないのならば、自分が変わるしかない。
 
 この世界は汚く、醜く、理不尽だ。

 異世界を恨み始める彼は一体何を成すのか。
 その瞳に鈍く宿る光は──破壊か、救いか。
 
  彼の冒険譚が今、始まる。


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