空手バックパッカー放浪記

冨井春義

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キャンディでドサ回りの準備をする

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古都キャンディはコロンボに次ぐスリランカ第二の都市ということですが、街の雰囲気は全く違います。

コロンボのような騒々しさはまったくない、風光明媚な地方都市といった雰囲気です。

ガイドボーイも居ることは居るのですが、コロンボのようにしつこくない。

都心部はキャンディレイクという湖の周辺なのですが、このあたりもたいへんのどかで落ち着いた街です。

標高が高いせいもあってか、コロンボのような凶悪な日差しや暑さもありません。

私は今夜の宿を探しがてら湖の周りを散策しました。

コロンボなら10mも歩かないうちに誰かがしつこく話しかけてくるでしょうが、ここではそんなこともありません。

おかげで立ち止まって湖をのんびり眺めたり、日陰で涼みながらコーラを飲んだりもできます。

・・・なんていいところなんだろう。

コロンボの一歩外に出れば油断も隙も無いせわしなさに疲れていた私は、心底ほっとした安らぎを感じていました。

・・・しかし・・・

コロンボのときは、ボウイとの出会いなんかもそうでしたが、ただブラブラ歩いているだけで何事かのきっかけが向こうからやってきました。

ここではこちらから何かアクションを起こさないかぎり、何事も始まらないかもしれない。

・・・とにかく早く宿を決めて、何かアクションを起こすことだ。

スリランカにはバックパッカー向けの安宿はおよそ2つのタイプがあります。

ひとつはゲストハウス。

安ホテルとか、YMCAなんかも含む宿泊施設です。

面白いのは仏教国スリランカにはYMBA(青年仏教徒協会)というのもあります。

もうひとつはペイ・アコモデーションという、いうなればお金を払うホームステイのようなスタイル。

これは一般の民家が、余っている部屋を旅行者に提供しているものです。

食事なども、その家のリビングで食べられるので、その家庭の人々とのふれあいが楽しめます。

私は後にはわりと後者のスタイルの宿に好んで泊まっていましたが、このときは簡易なゲストハウスを宿に定めました。

さっそく荷物を置いて市内を調査することにします。

観光より先に、ドサ回りの下調べです。
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