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空手市場調査
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それから、このコロンボで最初に泊まったゲストハウスですごした1週間の間には、毎日新しい旅人が同じドミトリーの部屋に泊まり、去っていきました。
同室したのはすべて白人の旅行者でした。
彼らとの日常は結構面白いことも多かったので書き記そうかとも思ったのですが、それだけでおそろしく長い話になりそうですので、これは割愛することにしました。
面白いエピソードを思い出したら、また別にの機会にということで・・・・。
とにかく私は毎日コロンボの街を歩き回ることにしました。
およそコロンボ市内に関しては、ほとんどすべて踏破したと思います。
私は極端な方向音痴ですので、道に迷うこともしばしばでしたが、それもまた楽しです。
こうして私はコロンボの気候にかなり慣れてきました。
スリランカも3~4日も居ると、最初の頃の何を見ても驚くということがなくなりました。
サリーの女の人も、しつこいトゥクトゥクの客引きも、ノラ牛も・・・すべてが当たり前の日常になる。
むしろ日本のことが遠い世界のような・・・まるで昔見た夢のように思えてくるから不思議だ。
「ハーイ!トミー!フレンド!どこへ行く?」
ボウイはよく私の宿の周辺をうろついておりますので、すぐに声をかけてきます。
「あー、またお前か。。なあ、お前さあ・・ガイドの客を見つけたいんなら、僕みたいなの相手にしないで、もっと金持ちのヨーロピアンを探しなよ。仕事は効率よくやらなきゃ」
「仕事じゃないよ。友達だから声をかけてるんじゃない・・・なあトミー、オレ今日のメシ代が無いんだよ。100ルピーくれないか?」
・・・言ってる尻からそれかよ!冗談みたいですが、スリランカ人の特に豊かではない者は、どんなに仲良くなっても挨拶のようにカネをせびります。
「メシおごってやるよ。お前に2、3聞きたいこともあるしな。そこの食堂に行こう」
スティーブオススメだった安食堂に入ります。
すぐにライスが運ばれてくる。
「なあ、オレに聞きたいことってなんだよ?」
ボウイは器用に右手の指先でカレーとライスをかき混ぜながらたずねます。
「お前さ、空手やってるって言ってたろ?何て言う道場なの?」
「オレ?オレはモンキー流カラテさ」
「は?モンキー流??何それ、聞いたことも無いぞ」
「モンキー流は小さいからね。先生はバトウ先生と言って本業はオレらと同じガイドボーイさ。こないだのお寺のカッサバ先生の弟子のそのまた弟子らしい。なんかスリランカの猿の動きを見て、自分のカラテが完成したんだって言ってた。だからモンキー流」
・・・ふうむ。なかなか怪しげな流派のようです。
「で、バトウ先生は道場をいつごろ始めたんだ?」
「一年くらいじゃないかなあ。。オレも先生が道場始めるからって言うんで入門したんだ。そうだね、ちょうど一年くらいだよ」
「稽古はどこでやってるの?生徒はどのくらい居る?」
「道場は先生の家だよ。生徒は20人くらいかな?みんなガイドボーイかトゥクトゥクだよ」
「・・・20人。そんなんでバトウ先生、食っていけるのか?」
「ムリムリ!だって月謝なんか碌に払えない連中ばかりだぜ!オレはこう見えてもちゃんと払ってるけどさ」
・・・胸を張って言いますが、本当か?
コロンボを最初に歩き回ったとき、壁一面の空手道場のポスターには驚かされましたが、実情はこんなものなのでしょう。有象無象の流派が乱立しており、中にはモンキー流のような超弱小流派もあるわけか・・・・しかし、私もモンキー流を笑うことはできません。
我が中空会館もモンキー流となんら変わらない弱小なんですから。。。
「なあ、トミーはコロンボにカラテをやりにきたのかい?どこでやるの?」
逆にボウイが質問します。
「うん。**ホテルでやる予定なんだけどね」
「**か。こっから近いね。いつからやるの?」
「来週くらいかなあ・・・・・」
「トミー!」
ボウイは突然立ち上がります。
「なんだよ急に大声出して」
「オレ、トミーの道場に移るよ!」
「移るよって・・・・お前、モンキー流はどうするんだよ」
ボウイはもう一度椅子に座りなおすと西洋人のように肩をすくめます。
「オレさあ・・・実はバトウ先生にはちょっとアタマにきてるんだよね。オレはちゃんとしたカラテがやりたかったんだけど、あの先生が道場始めるってんで、半ばムリヤリ入門させられたんだよ。だって、先生はこの仕事の先輩だからさ。でもあの先生、あんまり教えてくれないんだよね。オレももう入門して一年になるのに、稽古の内容はずっと一緒だし・・・あの先生、本当はカラテの事をろくに知らないんじゃないかって思うんだ」
ボウイはグチをこぼします。
しかし、それはこっちも似たようなものです。
「それは先生が基本を大事にしてるからだろ?お前、だいたい空手の稽古ってのは毎日同じ事を延々と繰り返すもんだよ。それはウチに来ても変わらないぜ。もっと長く続けてから、そういうことは考えろよ」
「でもさ、トミーは日本のカラテを知ってるだろ?バトウ先生は日本に行ったことも無いんだから。オレは日本のカラテが習いたいんだよ。な、いいだろ?」
「勝手にしろよ。でもその前にちょっとお前の腕前を見たいな。モンキー流一年でどのレベルか知りたい」
これは今後の参考にもなると思いました。
「メシ食ったら、ちょっとそこの広場に行って技を見せてくれ。いいな?」
同室したのはすべて白人の旅行者でした。
彼らとの日常は結構面白いことも多かったので書き記そうかとも思ったのですが、それだけでおそろしく長い話になりそうですので、これは割愛することにしました。
面白いエピソードを思い出したら、また別にの機会にということで・・・・。
とにかく私は毎日コロンボの街を歩き回ることにしました。
およそコロンボ市内に関しては、ほとんどすべて踏破したと思います。
私は極端な方向音痴ですので、道に迷うこともしばしばでしたが、それもまた楽しです。
こうして私はコロンボの気候にかなり慣れてきました。
スリランカも3~4日も居ると、最初の頃の何を見ても驚くということがなくなりました。
サリーの女の人も、しつこいトゥクトゥクの客引きも、ノラ牛も・・・すべてが当たり前の日常になる。
むしろ日本のことが遠い世界のような・・・まるで昔見た夢のように思えてくるから不思議だ。
「ハーイ!トミー!フレンド!どこへ行く?」
ボウイはよく私の宿の周辺をうろついておりますので、すぐに声をかけてきます。
「あー、またお前か。。なあ、お前さあ・・ガイドの客を見つけたいんなら、僕みたいなの相手にしないで、もっと金持ちのヨーロピアンを探しなよ。仕事は効率よくやらなきゃ」
「仕事じゃないよ。友達だから声をかけてるんじゃない・・・なあトミー、オレ今日のメシ代が無いんだよ。100ルピーくれないか?」
・・・言ってる尻からそれかよ!冗談みたいですが、スリランカ人の特に豊かではない者は、どんなに仲良くなっても挨拶のようにカネをせびります。
「メシおごってやるよ。お前に2、3聞きたいこともあるしな。そこの食堂に行こう」
スティーブオススメだった安食堂に入ります。
すぐにライスが運ばれてくる。
「なあ、オレに聞きたいことってなんだよ?」
ボウイは器用に右手の指先でカレーとライスをかき混ぜながらたずねます。
「お前さ、空手やってるって言ってたろ?何て言う道場なの?」
「オレ?オレはモンキー流カラテさ」
「は?モンキー流??何それ、聞いたことも無いぞ」
「モンキー流は小さいからね。先生はバトウ先生と言って本業はオレらと同じガイドボーイさ。こないだのお寺のカッサバ先生の弟子のそのまた弟子らしい。なんかスリランカの猿の動きを見て、自分のカラテが完成したんだって言ってた。だからモンキー流」
・・・ふうむ。なかなか怪しげな流派のようです。
「で、バトウ先生は道場をいつごろ始めたんだ?」
「一年くらいじゃないかなあ。。オレも先生が道場始めるからって言うんで入門したんだ。そうだね、ちょうど一年くらいだよ」
「稽古はどこでやってるの?生徒はどのくらい居る?」
「道場は先生の家だよ。生徒は20人くらいかな?みんなガイドボーイかトゥクトゥクだよ」
「・・・20人。そんなんでバトウ先生、食っていけるのか?」
「ムリムリ!だって月謝なんか碌に払えない連中ばかりだぜ!オレはこう見えてもちゃんと払ってるけどさ」
・・・胸を張って言いますが、本当か?
コロンボを最初に歩き回ったとき、壁一面の空手道場のポスターには驚かされましたが、実情はこんなものなのでしょう。有象無象の流派が乱立しており、中にはモンキー流のような超弱小流派もあるわけか・・・・しかし、私もモンキー流を笑うことはできません。
我が中空会館もモンキー流となんら変わらない弱小なんですから。。。
「なあ、トミーはコロンボにカラテをやりにきたのかい?どこでやるの?」
逆にボウイが質問します。
「うん。**ホテルでやる予定なんだけどね」
「**か。こっから近いね。いつからやるの?」
「来週くらいかなあ・・・・・」
「トミー!」
ボウイは突然立ち上がります。
「なんだよ急に大声出して」
「オレ、トミーの道場に移るよ!」
「移るよって・・・・お前、モンキー流はどうするんだよ」
ボウイはもう一度椅子に座りなおすと西洋人のように肩をすくめます。
「オレさあ・・・実はバトウ先生にはちょっとアタマにきてるんだよね。オレはちゃんとしたカラテがやりたかったんだけど、あの先生が道場始めるってんで、半ばムリヤリ入門させられたんだよ。だって、先生はこの仕事の先輩だからさ。でもあの先生、あんまり教えてくれないんだよね。オレももう入門して一年になるのに、稽古の内容はずっと一緒だし・・・あの先生、本当はカラテの事をろくに知らないんじゃないかって思うんだ」
ボウイはグチをこぼします。
しかし、それはこっちも似たようなものです。
「それは先生が基本を大事にしてるからだろ?お前、だいたい空手の稽古ってのは毎日同じ事を延々と繰り返すもんだよ。それはウチに来ても変わらないぜ。もっと長く続けてから、そういうことは考えろよ」
「でもさ、トミーは日本のカラテを知ってるだろ?バトウ先生は日本に行ったことも無いんだから。オレは日本のカラテが習いたいんだよ。な、いいだろ?」
「勝手にしろよ。でもその前にちょっとお前の腕前を見たいな。モンキー流一年でどのレベルか知りたい」
これは今後の参考にもなると思いました。
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