24 / 115
コロンボの宿へ
しおりを挟む
白ヒゲに案内されたタクシーは、日本製のワゴン車でした。
白ヒゲはその車の運転手に何か話しかけたあと車の後部座席のドアを開け、私に乗るように言います。
「グッバイ・ジャパニー。スリランカをエンジョイしてくれ」
「ありがとう。オジサン」
「じゃあな」
白ヒゲが手を振りました。
車が発進します。
「あんた、コロンボのどこに泊まるんだい?」
口ひげをたくわえた30過ぎくらいの運転手が尋ねます。
「決まってないんだけど・・・どこか安くて安全なゲストハウス知らない?」
「ドミトリーがいいのかい?」
・・・・んん?ちょっと考えます。
ドミトリーというのが一部屋にベッドをいくつも並べた、雑魚寝部屋であるということは知識としては知っていましたが、タイでは利用したことがありませんでした。
なにかプライバシーが無いのが嫌だったのです。
しかし私は英語にもっと慣れなければいけませんので、他の国と旅行者と話す機会の多いドミトリーは良い勉強になるかもしれません。。
「うん。ドミトリーがいい」
「わかった。フォートの近くにわりと有名なゲストハウスがあるよ。そこでいいか?」
「OK。そこにやってくれ」
言うと運転手は一気にアクセルを踏み込みます。
・・・・うわわわわーーーーー。。。。
フルスピードです。。
「ちょっと!速すぎるよ!もうすこしゆっくり走って!!」
「わはは。心配するなって。オレは運転上手いんだから」
ヤシの木が両側に生い茂った道を、おそろしいスピードでぶっ飛ばします。
対向車が現れるとクラクションをけたたましく鳴らす。
・・・とんだスピード狂です。。
飛行機の中で読んだガイドブックで得た知識ですが、いわゆるコロンボ空港(カトゥナヤカ空港)というのは、コロンボにあるのではなく、コロンボからかなり離れた場所にあり、むしろ港町のニゴンボに近いらしい。。。コロンボ空港という名前は東京ディズニーランドのようなものでしょう。
車でも1時間以上かかる道のりです。
いかにも熱帯の島・・といった風景も首都圏にはいるとさすがに都会らしくなってきます。
コロンボは古くから貿易で栄えた都市ですから、田舎町ではありません。
舗装された道路もあります・・・が、しかし。
走っている車は全部、お前ら走り屋か!と突っ込みたくなるくらい、飛ばしております。
そしてみんなけたたましくクラクションを鳴らす。
つまり、私の乗ったタクシーの運転手は特別ではなく、スリランカでは標準的なドライバーであることが分かりました。
「着いたぜ。ここだ」
コンクリートで出来た少し大きめの家・・といった風情のゲストハウスです。
ドライバーは車を降りると私の荷物・・・といってもリュックひとつですが・・・を下ろして、レセプションまで運びます。
運転手に代金を支払い、レセプションにドミトリーのベッドの有無を尋ねる。
レセプションの若い男は、着いて来いというゼスチャー。
案内された部屋はかなり大きく、ベッドが20個ほど並んでおりましたが、旅行者は3人ほどしか
見えません。すべて白人で男がふたりと女がひとり。ベッドに腰掛けて談笑しております。
部屋に入ると、彼らの隣のベッドに荷物を降ろします。
私はあまり外国人と会話したことがありませんでしたので、少々緊張しておりました。
しかし何事も経験が大事だ。
「ハロー。。。」おそるおそる彼らに声をかけます。
「ハロー」「ハーイ」・・彼らはみんな友好的にスマイルを浮かべます。
「やあ、君はどこから来たんだい?」
金髪でわりと身奇麗な男性が話しかけてきます。
「はい。日本から来ました。あなたたちは?」
「僕らはみんなイギリス人さ。といっても一緒に来たのは彼女とで、そっちの彼とはここで出あったんだけどね」
もうひとりの男性・・・こちらは髪とひげを伸ばしたヒッピー風です。
「ハイ!スリランカには今着いたところかい?ここの前にはどこにいたの?」
「タイにいました」
「ああ、オレもこの後タイに行くんだ。明日出発だよ」
私は部屋の中を見回して尋ねます。
「ここは旅行者が少ないですね。いつもこんなですか?」
ヒッピー風が答えます。
「うん。最近はテロが多いだろ?旅行者も減ってるんじゃないかなあ。。すごく少ないよ。なあ?」
もうひとりの男性が
「そうだね。僕らはヒッカドゥワのビーチから帰ってきたんだけど、あっちもガラガラだったよなあ。何年かまえには、インドのゴアと並ぶグッドなビーチだったと聞いてたんだけど」
そして彼女の方も
「本当にどこに行っても旅行者はすくなかったわ。悪いニュースが世界中で報道されたからかしらね」
「つい2,3日まえにもコロンボで爆弾テロがあって、10人以上死んでいるからね」
・・・そんな報道、全然知らなかった。。
白ヒゲはその車の運転手に何か話しかけたあと車の後部座席のドアを開け、私に乗るように言います。
「グッバイ・ジャパニー。スリランカをエンジョイしてくれ」
「ありがとう。オジサン」
「じゃあな」
白ヒゲが手を振りました。
車が発進します。
「あんた、コロンボのどこに泊まるんだい?」
口ひげをたくわえた30過ぎくらいの運転手が尋ねます。
「決まってないんだけど・・・どこか安くて安全なゲストハウス知らない?」
「ドミトリーがいいのかい?」
・・・・んん?ちょっと考えます。
ドミトリーというのが一部屋にベッドをいくつも並べた、雑魚寝部屋であるということは知識としては知っていましたが、タイでは利用したことがありませんでした。
なにかプライバシーが無いのが嫌だったのです。
しかし私は英語にもっと慣れなければいけませんので、他の国と旅行者と話す機会の多いドミトリーは良い勉強になるかもしれません。。
「うん。ドミトリーがいい」
「わかった。フォートの近くにわりと有名なゲストハウスがあるよ。そこでいいか?」
「OK。そこにやってくれ」
言うと運転手は一気にアクセルを踏み込みます。
・・・・うわわわわーーーーー。。。。
フルスピードです。。
「ちょっと!速すぎるよ!もうすこしゆっくり走って!!」
「わはは。心配するなって。オレは運転上手いんだから」
ヤシの木が両側に生い茂った道を、おそろしいスピードでぶっ飛ばします。
対向車が現れるとクラクションをけたたましく鳴らす。
・・・とんだスピード狂です。。
飛行機の中で読んだガイドブックで得た知識ですが、いわゆるコロンボ空港(カトゥナヤカ空港)というのは、コロンボにあるのではなく、コロンボからかなり離れた場所にあり、むしろ港町のニゴンボに近いらしい。。。コロンボ空港という名前は東京ディズニーランドのようなものでしょう。
車でも1時間以上かかる道のりです。
いかにも熱帯の島・・といった風景も首都圏にはいるとさすがに都会らしくなってきます。
コロンボは古くから貿易で栄えた都市ですから、田舎町ではありません。
舗装された道路もあります・・・が、しかし。
走っている車は全部、お前ら走り屋か!と突っ込みたくなるくらい、飛ばしております。
そしてみんなけたたましくクラクションを鳴らす。
つまり、私の乗ったタクシーの運転手は特別ではなく、スリランカでは標準的なドライバーであることが分かりました。
「着いたぜ。ここだ」
コンクリートで出来た少し大きめの家・・といった風情のゲストハウスです。
ドライバーは車を降りると私の荷物・・・といってもリュックひとつですが・・・を下ろして、レセプションまで運びます。
運転手に代金を支払い、レセプションにドミトリーのベッドの有無を尋ねる。
レセプションの若い男は、着いて来いというゼスチャー。
案内された部屋はかなり大きく、ベッドが20個ほど並んでおりましたが、旅行者は3人ほどしか
見えません。すべて白人で男がふたりと女がひとり。ベッドに腰掛けて談笑しております。
部屋に入ると、彼らの隣のベッドに荷物を降ろします。
私はあまり外国人と会話したことがありませんでしたので、少々緊張しておりました。
しかし何事も経験が大事だ。
「ハロー。。。」おそるおそる彼らに声をかけます。
「ハロー」「ハーイ」・・彼らはみんな友好的にスマイルを浮かべます。
「やあ、君はどこから来たんだい?」
金髪でわりと身奇麗な男性が話しかけてきます。
「はい。日本から来ました。あなたたちは?」
「僕らはみんなイギリス人さ。といっても一緒に来たのは彼女とで、そっちの彼とはここで出あったんだけどね」
もうひとりの男性・・・こちらは髪とひげを伸ばしたヒッピー風です。
「ハイ!スリランカには今着いたところかい?ここの前にはどこにいたの?」
「タイにいました」
「ああ、オレもこの後タイに行くんだ。明日出発だよ」
私は部屋の中を見回して尋ねます。
「ここは旅行者が少ないですね。いつもこんなですか?」
ヒッピー風が答えます。
「うん。最近はテロが多いだろ?旅行者も減ってるんじゃないかなあ。。すごく少ないよ。なあ?」
もうひとりの男性が
「そうだね。僕らはヒッカドゥワのビーチから帰ってきたんだけど、あっちもガラガラだったよなあ。何年かまえには、インドのゴアと並ぶグッドなビーチだったと聞いてたんだけど」
そして彼女の方も
「本当にどこに行っても旅行者はすくなかったわ。悪いニュースが世界中で報道されたからかしらね」
「つい2,3日まえにもコロンボで爆弾テロがあって、10人以上死んでいるからね」
・・・そんな報道、全然知らなかった。。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる