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第一章:転生と旅立ち
新しい魔法を試してみた
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「マーカスおかえりなさい。あら、そのぼう・・・」
そのぼうやは誰?・とお袋が言わないうちに俺は言葉を浴びせた。
「彼女(・・)は俺のパーティーの一員のミンミン。しばらく面倒見てほしいんだ」
「はじめてお目にかかります、ミンミンです」
ミンミンが頭を下げる。
「あら、はじめましてマーカスの母です。いつもマーカスがお世話になってます」
「いえ、こちらこそマーカス様にはお世話になりっぱなしで、このたびも突然お邪魔いたしまして、ご迷惑ではないでしょうか?」
お袋は満面の笑みを浮かべて言った。
「マーカスの初めての仕事のお仲間ですもの。迷惑なわけありませんわ。それに礼儀正しいお嬢さん。ミンミンさん、どうぞごゆっくり過ごしてくださいね」
お袋は俺たちをリビングに通す前に、あわてて先に入っていった。
あらかじめ親父にミンミンが大人の女性であることを言い含めに言ったのだろう。
「さっそく初クエストを成功させたか。しかも心強い仲間を得て。マーカス、お前もなかなか大したものだ」
親父に褒めてもらったのはマーカス人生で初めてかもしれない。
「ミンミンさん、お食事はお済みならお風呂に入ってください。その後お茶にしましょう」
お袋がそう言うとミンミンは深々と頭を下げた。
「ミンミンさん、そのローブはお預かりしますよ。この寝間着に着替えてください」
「お母さま、失礼して申し訳ございませんが、この魔法使いのローブは人前では脱げないのです」
「あら、そういうものなんですか」
「はい、なのでこのままお風呂場に行かせてもらいます」
ミンミンはそう言ったあと、俺に近づいてささやいた。
「マーカス様、覗かないでくださいね」
・・・覗くか!!
ミンミンは俺をどんな人間だと思っているんだろう。
ミンミンは俺の隣の部屋を寝室に使うことになった。
俺はその夜ミンミンの部屋をノックした。言っておくが夜這いではない。
「ミンミン、ちょっと入っていいか?」
「マーカス様?いけません。ミンミンはそんな女じゃありませんわ」
いやだから夜這いじゃないって!!
「そうじゃなくて、魔法について聞きたいんだよ!」
少し待たされてからミンミンがドアを開けた。
しっかりとローブを身にまといフードを被っている。
俺は鞄の裏のステータス表示をミンミンに見せた。
「魔法欄にツーハンてのが追加されたんだけど、これ何?」
ミンミンは首をかしげて少し考えてから言った。
「わかりません。魔法アカデミーで習った魔法にはツーハンというのはありませんわ。そのググルも初めて見ます」
やはり、おれの魔法はこの世界のものではないようだ。
「そうか。でも大体検討はつく。お前の魔法欄にもテレポというのが追加されたけど、これはテレポーテーションのことだよね?」
「はい、これはアカデミーで学んだものです。MPが増えたので追加されたんですよ」
「つまりテレポを使えばどこにでも行けるのか?パーティー丸ごと王都にも行ける?」
「いえ、そういうわけじゃありません。行けるのはあらかじめ印を付けた場所だけです。今回はこの町のギルドに印を付けましたので、どこからでもギルドまでテレポートできます」
「なるほど・・・王都まですぐ行けるわけじゃないのか。。」
「マーカス様は王都に行きたいのですか?」
ここで俺はミンミンに俺の目的のひとつを明かした。
「俺のこの世界での目的は勇者になることだ。そのためには王都に行って国王のクエストを引き受け達成しなきゃならない」
ミンミンは心底驚いた顔をした。
「勇者ですか?マーカス様にそんな大きな望みがあったとは、ミンミンちっとも気づきませんでしたわ」
そして唇をきっと結んで俺の顔を見つめる。
「マーカス様の夢をかなえるため、ミンミンも身を粉にして働きますわ」
「ミンミン、ありがとう」
「ところで・・・・」とミンミンは一呼吸おいてから言う。
「この世界での目的ってことは、異世界での目的もあるんですか?」
ああ、その説明は難しい。。。
「うん、まあ俺にはもっと大きな目的がある。それはいずれ明かすことになるだろうが、とりあえず今はクエストをこなして金とレベルを稼ぐことだな」
「はい、では明日もしっかり稼ぎましょう。おやすみなさい」
「おやすみ」
俺は自分の部屋に戻った。
鞄の中から魔法の鏡を取り出し「ツーハン」と呪文を唱える。
おなじみの起動音のあと、アイコンの並ぶ選択画面が表示された。
思った通りだ。
そのアイコンは日本の大手ショッピングモール各種と、日本とアメリカのオークションサイトだ。
試しに500円のインスタントコーヒーを通販サイトで購入してみる。送料は400円。
鞄のアイテム欄にインスタントコーヒーが追加され、俺の所持金は9640キルトから料金900キルトが差し引かれ8740キルトになった。
この魔法で転生前の世界の物品を取り寄せられるが、やはり金はかかるみたいだ。
そのぼうやは誰?・とお袋が言わないうちに俺は言葉を浴びせた。
「彼女(・・)は俺のパーティーの一員のミンミン。しばらく面倒見てほしいんだ」
「はじめてお目にかかります、ミンミンです」
ミンミンが頭を下げる。
「あら、はじめましてマーカスの母です。いつもマーカスがお世話になってます」
「いえ、こちらこそマーカス様にはお世話になりっぱなしで、このたびも突然お邪魔いたしまして、ご迷惑ではないでしょうか?」
お袋は満面の笑みを浮かべて言った。
「マーカスの初めての仕事のお仲間ですもの。迷惑なわけありませんわ。それに礼儀正しいお嬢さん。ミンミンさん、どうぞごゆっくり過ごしてくださいね」
お袋は俺たちをリビングに通す前に、あわてて先に入っていった。
あらかじめ親父にミンミンが大人の女性であることを言い含めに言ったのだろう。
「さっそく初クエストを成功させたか。しかも心強い仲間を得て。マーカス、お前もなかなか大したものだ」
親父に褒めてもらったのはマーカス人生で初めてかもしれない。
「ミンミンさん、お食事はお済みならお風呂に入ってください。その後お茶にしましょう」
お袋がそう言うとミンミンは深々と頭を下げた。
「ミンミンさん、そのローブはお預かりしますよ。この寝間着に着替えてください」
「お母さま、失礼して申し訳ございませんが、この魔法使いのローブは人前では脱げないのです」
「あら、そういうものなんですか」
「はい、なのでこのままお風呂場に行かせてもらいます」
ミンミンはそう言ったあと、俺に近づいてささやいた。
「マーカス様、覗かないでくださいね」
・・・覗くか!!
ミンミンは俺をどんな人間だと思っているんだろう。
ミンミンは俺の隣の部屋を寝室に使うことになった。
俺はその夜ミンミンの部屋をノックした。言っておくが夜這いではない。
「ミンミン、ちょっと入っていいか?」
「マーカス様?いけません。ミンミンはそんな女じゃありませんわ」
いやだから夜這いじゃないって!!
「そうじゃなくて、魔法について聞きたいんだよ!」
少し待たされてからミンミンがドアを開けた。
しっかりとローブを身にまといフードを被っている。
俺は鞄の裏のステータス表示をミンミンに見せた。
「魔法欄にツーハンてのが追加されたんだけど、これ何?」
ミンミンは首をかしげて少し考えてから言った。
「わかりません。魔法アカデミーで習った魔法にはツーハンというのはありませんわ。そのググルも初めて見ます」
やはり、おれの魔法はこの世界のものではないようだ。
「そうか。でも大体検討はつく。お前の魔法欄にもテレポというのが追加されたけど、これはテレポーテーションのことだよね?」
「はい、これはアカデミーで学んだものです。MPが増えたので追加されたんですよ」
「つまりテレポを使えばどこにでも行けるのか?パーティー丸ごと王都にも行ける?」
「いえ、そういうわけじゃありません。行けるのはあらかじめ印を付けた場所だけです。今回はこの町のギルドに印を付けましたので、どこからでもギルドまでテレポートできます」
「なるほど・・・王都まですぐ行けるわけじゃないのか。。」
「マーカス様は王都に行きたいのですか?」
ここで俺はミンミンに俺の目的のひとつを明かした。
「俺のこの世界での目的は勇者になることだ。そのためには王都に行って国王のクエストを引き受け達成しなきゃならない」
ミンミンは心底驚いた顔をした。
「勇者ですか?マーカス様にそんな大きな望みがあったとは、ミンミンちっとも気づきませんでしたわ」
そして唇をきっと結んで俺の顔を見つめる。
「マーカス様の夢をかなえるため、ミンミンも身を粉にして働きますわ」
「ミンミン、ありがとう」
「ところで・・・・」とミンミンは一呼吸おいてから言う。
「この世界での目的ってことは、異世界での目的もあるんですか?」
ああ、その説明は難しい。。。
「うん、まあ俺にはもっと大きな目的がある。それはいずれ明かすことになるだろうが、とりあえず今はクエストをこなして金とレベルを稼ぐことだな」
「はい、では明日もしっかり稼ぎましょう。おやすみなさい」
「おやすみ」
俺は自分の部屋に戻った。
鞄の中から魔法の鏡を取り出し「ツーハン」と呪文を唱える。
おなじみの起動音のあと、アイコンの並ぶ選択画面が表示された。
思った通りだ。
そのアイコンは日本の大手ショッピングモール各種と、日本とアメリカのオークションサイトだ。
試しに500円のインスタントコーヒーを通販サイトで購入してみる。送料は400円。
鞄のアイテム欄にインスタントコーヒーが追加され、俺の所持金は9640キルトから料金900キルトが差し引かれ8740キルトになった。
この魔法で転生前の世界の物品を取り寄せられるが、やはり金はかかるみたいだ。
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