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コスモエナジー救世会本部

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 田村と真奈美を乗せた乗用車は、郊外にあるコスモエナジー救世会の本部の門前に停車した。
 かなり広い敷地の本部はまるで刑務所のように高い塀で囲われ、門前には物々しい装備の警備員が立っていた。

「電話でアポイントを取っています、科学捜査研究所の田村です」

 田村が警備員にそう言うと、大きな門が開かれた。
 乗用車で内部に進むと、すぐに大きな屋外駐車場があったので、そこに駐車する。

「これほど簡単に入れてくれるとは、ようするにいくら調べられても大丈夫という自信があるんだな」

「そうみたいですね」

 目の前に見える建物は神社の神殿を模したような建築で、そこに続く庭には玉砂利が敷き詰められていた。

 その庭で、ひとりでしゃがみ込んでゲーム機をいじっている7~8歳くらいの少年がいる。

「宮下君、あの少年を読んでくれ」

 田村にそう言われた真奈美は、目を細めて少年を見つめた。

「普通の小学生ですね。頭の中はゲームとアニメとヒーローでいっぱい。勉強は頑張ってるけどあまり好きではないみたいです」

「そうか。あの子にちょっと話を聞いてみよう」

「私が行きます」

 真奈美は愛想のよい笑みを浮かべて少年に近づいた。

「こんにちは。私は宮下真奈美。警察から来たんだけど、ボクは誰かな?」

「お姉さんはお巡りさん?僕は東心学とうしんまなぶだよ」

「東心学君?じゃあ、東心悟さんというのは?」

「僕のお父さんだよ。あ、お父さんが出てきたよ」

 神殿の方を見ると、質素な作務衣に身を包んだ一見柔和そうな中年男性が歩いてきていた。
 彼がここの教主・東心悟か・・・真奈美は目を細めて東心悟を見つめた。

「科捜研の方ですね?私がここの責任者の東心悟です」

 東心悟はにこやかに真奈美に話しかけた。

「あ、はい。はじめまして、科学捜査研究所の宮下と申します」

 後から早足で近づいて来た田村も自己紹介する。

「科学捜査研究所所長の田村です。今日はお忙しいところすみません」

「いいえ、どうぞこちらにお通りください。喫茶室がございますので、そちらでお話しましょう。学はそろそろ勉強の時間だぞ。先生が来ているから、はやく家に帰りなさい」

「はーい、お父さん」進はゲーム機を畳むと、小走りで神殿横にある住居らしい建物に向かって行った。

 東心悟は先に立って奥に進む。

 田村は真奈美に耳打ちした。

「東心悟はどうだった?何か読めたか?」

「・・・読めませんでした。私が集中しても読めないのは所長以外では初めてです」
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