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海賊編 第八章 棺
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数日後。
「着いたぜ。水の国の王都」
ガベルの言葉で、ラセは覚醒した。
「ありがとう。ねえ、国家の研究機関の場所わかる?」
「ああ。それなら」
ガベルは、簡単な地図をラセに書いて渡した。
「ありがとう。本当にガベルさんには、世話になった」
「俺もひさしぶりに、若い娘と旅が出来て、楽しかったぜ」
ガベルは豪快に笑った。
そして、お互いの無事を祈りながら別れた。
ラセは、さっそく教えてもらった研究機関へと足を運んだ。
「それが、クレイさん。申し訳ありません。
頼まれていた棺ですが、何者かに盗まれてしまいまして」
「バカ者が!あれは、大事な闇の霧への手がかりだったんだぞ。たく」
クレイと研究機関の研究員との言い争いをラセは、物陰に隠れて聞いていた。
(盗まれた?でも誰が盗んだのだろう?)
ラセは、興味が湧いて身を乗り出す。
その身体を誰かに後ろにひっぱられた。
ラセは、慌てて後ろを振り返る。
「まったく。あの役人に見つかったらどうするんだい。危なっかしい子だね」
「マム!」
ラセを物陰へと戻したのは、かつてラセがお世話になった情報屋マムだった。
「とりあえず、うちの情報屋にきな。あんたの事情は全部把握している。
全て知っていてなお、あたいは、ラセの味方になると決めたんだよ」
「……どうして?」
ラセは、警戒して、マムから離れた。
「まあ、辛い目に会ったって聞いたから、警戒するのもわかるけれど、現状がわからないと動きようがないだろ?騙されたと思って付いてきな」
マムは、裏道へラセを案内する。
ラセは、とりあえずマムに従うことにした。
「また会ったな。嬢ちゃん」
マムに案内されてきた情報屋には、なぜかガベルがいた。
「ガベルさん?どうしてここに?」
「いや、それは、こっちのセリフなのだが?」
「なんだい?あんたら知り合いかい?まあいいや。適当に腰かけてくれ」
マムに言われて、ラセは開いているソファーに腰を下ろした。
マムは、ガベルが持ってきた武器を品定めしている。
「あいかわらず、いい腕をしているね。盗賊辞めて正解だったんじゃないか?」
「おいおい。盗賊時代たくさんの武器を見て来たから、今の俺があるんだぜ」
マムとガベルは軽口を言い合っている。
随分と仲がよさそうだ。
「じゃあ。持ってきてくれた品は全部買い取るよ」
マムは、ガベルにお金を渡した。ガベルは金を確認すると満足げに微笑んだ。
「まいどあり」
どうやら、ガベルが武器を売りに来たのは、マムの情報屋だったらしい。
「で、ラセの話に移りたいのだけど、ガベルかかわる気あるかい?
あんたの家族と無関係な話じゃないのだけど?」
「トタプがかかわっているのか?」
「トタプだけじゃないよ。デチャニーの海賊船も、かかわっている。
それに、あんたの教え子達もね」
「わかった。話を聞こう」
ガベルはどっしりと構えた。
「現在デチャニーの海賊船は、王都では有名さ。
フォーチューン国からの闇の霧対策の協力を取り付けてきたってね」
ラセは瞬時にホークから渡された書状のことだと気付いた。
「へー大した功績じゃねーか」
「着いたぜ。水の国の王都」
ガベルの言葉で、ラセは覚醒した。
「ありがとう。ねえ、国家の研究機関の場所わかる?」
「ああ。それなら」
ガベルは、簡単な地図をラセに書いて渡した。
「ありがとう。本当にガベルさんには、世話になった」
「俺もひさしぶりに、若い娘と旅が出来て、楽しかったぜ」
ガベルは豪快に笑った。
そして、お互いの無事を祈りながら別れた。
ラセは、さっそく教えてもらった研究機関へと足を運んだ。
「それが、クレイさん。申し訳ありません。
頼まれていた棺ですが、何者かに盗まれてしまいまして」
「バカ者が!あれは、大事な闇の霧への手がかりだったんだぞ。たく」
クレイと研究機関の研究員との言い争いをラセは、物陰に隠れて聞いていた。
(盗まれた?でも誰が盗んだのだろう?)
ラセは、興味が湧いて身を乗り出す。
その身体を誰かに後ろにひっぱられた。
ラセは、慌てて後ろを振り返る。
「まったく。あの役人に見つかったらどうするんだい。危なっかしい子だね」
「マム!」
ラセを物陰へと戻したのは、かつてラセがお世話になった情報屋マムだった。
「とりあえず、うちの情報屋にきな。あんたの事情は全部把握している。
全て知っていてなお、あたいは、ラセの味方になると決めたんだよ」
「……どうして?」
ラセは、警戒して、マムから離れた。
「まあ、辛い目に会ったって聞いたから、警戒するのもわかるけれど、現状がわからないと動きようがないだろ?騙されたと思って付いてきな」
マムは、裏道へラセを案内する。
ラセは、とりあえずマムに従うことにした。
「また会ったな。嬢ちゃん」
マムに案内されてきた情報屋には、なぜかガベルがいた。
「ガベルさん?どうしてここに?」
「いや、それは、こっちのセリフなのだが?」
「なんだい?あんたら知り合いかい?まあいいや。適当に腰かけてくれ」
マムに言われて、ラセは開いているソファーに腰を下ろした。
マムは、ガベルが持ってきた武器を品定めしている。
「あいかわらず、いい腕をしているね。盗賊辞めて正解だったんじゃないか?」
「おいおい。盗賊時代たくさんの武器を見て来たから、今の俺があるんだぜ」
マムとガベルは軽口を言い合っている。
随分と仲がよさそうだ。
「じゃあ。持ってきてくれた品は全部買い取るよ」
マムは、ガベルにお金を渡した。ガベルは金を確認すると満足げに微笑んだ。
「まいどあり」
どうやら、ガベルが武器を売りに来たのは、マムの情報屋だったらしい。
「で、ラセの話に移りたいのだけど、ガベルかかわる気あるかい?
あんたの家族と無関係な話じゃないのだけど?」
「トタプがかかわっているのか?」
「トタプだけじゃないよ。デチャニーの海賊船も、かかわっている。
それに、あんたの教え子達もね」
「わかった。話を聞こう」
ガベルはどっしりと構えた。
「現在デチャニーの海賊船は、王都では有名さ。
フォーチューン国からの闇の霧対策の協力を取り付けてきたってね」
ラセは瞬時にホークから渡された書状のことだと気付いた。
「へー大した功績じゃねーか」
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