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実力があるにも関わらず過小評価されている芸人
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今回は少し趣向を変えて、高い実力を持ちながら世間に過小評価されている芸人を数組ご紹介していきたいと思う。
まずは前回もご紹介したこちらのコンビ。
【ニューヨーク】
今回惜しくもM-1の決勝に漏れてしまったが、本来持っている実力からすれば審査は不当としか言いようがない。
過去にもパンクブーブーやサンドウィッチマンなどの実力派が、長年に渡って理不尽に落とされ続けていたことからも分かる通り、M-1の準決勝の審査は明らかにクソである。
サンドウィッチマンが敗者復活から決勝に進出した年などは、紳助や巨人が「なんでこいつら準決勝で落ちたんや」と不思議がっていたが、理由は明白、審査がクソだからである(本当は決勝審査員も分かってるくせに)。
この準決勝の審査は、『その時一番面白かったやつ』というM-1の明白な審査基準以外のものが審査に含まれており、『女芸人枠』だとか、『ダークホース枠』だとか、『数字的にどうだ』とか、漫才の面白さとはまったく関係のないクソほどどうでもいい恣意的な審査がなされている。
そもそも、過去の大会でアジアンや変ホ長調などを決勝に通している時点で、そのレベルが窺い知れるというものだろう。
これにより、真面目にコツコツと頑張って、面白い漫才だけを目指して日々命を削っている芸人が、クソどうでもいい枠削りのクソ審査により、長年浮かび上がれないという状況が続いてしまう。
この状況が筆者はどうしても許せないのだが、ここでどれだけ批判したところで審査が覆ることはないため、理不尽に落とされた芸人達は、たった1枠しかない敗者復活枠をかけて、下手すると決勝進出者より手強い準決勝進出者と争い、枠をつかみ取らなければならない。
それが出来てこそ真に面白い芸人なのだという向きもあるかもしれないが、本来選ばれていたはずの人間を落とし、その人生を狂わせた責任は、非常に重い。
準決勝の審査員達は、芸人の人生を預かっているその重みを、本当に理解しているのだろうか。それともただ単に、本当に見る目がないだけなのか。いずれにしても、サンドウィッチマンやパンクブーブーを落としてしまうような審査員に、漫才を審査する資格はないというのが筆者の見解である。
むしろ、準決勝からは審査員ではなく、会場のお客さんに決めて貰った方が良い。その方が、よほど公正な審査が期待出来るというものだ。
サンドウィッチマン、トレンディエンジェル、決勝進出どころか優勝してしまうようなコンビを準決勝で落としてしまう審査員に、一体何を期待しろというのか。
視聴者はそういうクソどうでもいい恣意的な審査ではなく、実力通りにガチンコで選出された、本当の意味での決勝戦を見たいのだということを、どうか理解して頂きたい。
怒りのあまり話が逸れてしまった。
ニューヨークのことである。
芸風は日常のどこかで見た覚えのある『イタい奴』を、ディスってディスってディスり倒すという芸風であり、確かに人を選ぶ芸風ではあるかと思う。
基本はコント漫才なのだが、ネタの発想や切り口にセンスが溢れており、本人達もリスペクトしているのだろう、ごっつ時代の松本に似たセンスがある(コンビ名もダウンタウンを思いっきり意識している)。
松本が『人の恥ずかしさ』を笑いにしていたのに対し、ニューヨークは『人のイタさ』を笑いにしていると言えるだろう。
構成や役に成り切る演技力、いずれも高い水準にあり、紳助ではないが「なんでこいつら準決勝で落ちたんや」である。
細かいツメの部分にはやや粗さが残るものの、実力は間違いないものがあるため、敗者復活での勝ち上がりに期待している。
というか、絶対に上がってきて、準決のクソ審査員にサンドウィッチマンの再来を見せてほしい。
そうでなければ、M-1は面白くない。
ニューヨークが優勝でもすれば、これまで実力がありながら浮かばれなかった芸人達は、皆歓喜することだろう。
【ジグザグジギー】
ネタが面白く、クオリティも高いのに、何故か一般層からの評価は得られていない不遇のコンビである。
ネタの発想、構成、演出、演技力、いずれも高い水準にあり、キングオブコントを優勝出来るだけの実力があるにも関わらず、何故か一般層からの評価は得られていない不遇のコンビでもある。
以前キングオブコントに出場した際、狼男のネタでダダすべりしていた記憶があるため、ネットで改めて観たらなんであんなにダダすべりしていた記憶があるのか分からないほどちゃんと笑えたにも関わらず、何故か一般層からの評価は得られていないという不遇のコンビだ。
そのダダすべりの印象が尾を引いて、ザ・パンチのように面白くないコンビだと認知されてしまったのであれば、その認識は間違いだと言えるが、何故か一般層からの評価は得られていない。
いや、冗談抜きでジグザグジギーは日本のコント師の中でも有数の実力があって、本当に面白いのである。懐疑的な方々は、どうか筆者を信用してほしい。
……が、何故か一般層からの評価は得られていないのは、生まれつきそういう星の下に生まれてしまったコンビとしか言いようはないのかもしれないが、本当に、騙されたと思ってもう一度彼らのコントを観て、一から評価し直してやってほしい。
何故か一般層からの評価は得られていないが、ジグザグジギーは本来キングオブコントで優勝してもおかしくないぐらいの実力があるのだ。
何故か一般層からの評価は得られていなくても、少なくとも筆者だけはその高い実力を認めているので、ジグザグジギーのお二人には今後も面白いコントを生み出し続けてほしい。
次は、高い将来性を感じさせるものの、現段階では粗さが残るコンビだ。
【Aマッソ】
女芸人の漫才と言えば、古くはハイヒール、近年で言うとハリセンボンに代表されるように、至って正統派の漫才が主流となってきた訳だが、Aマッソの芸風はこれまでの全ての女芸人の概念をぶち壊す『シュール系』の漫才だった。
男でシュール系の漫才は、ダイアンやポイズンガールバンドなど数が挙がるが、女でシュール系の漫才をやっている例は極めて少ないはずであり、その意味でもAマッソの漫才は非常に希少価値が高いものである。
シュール系の漫才には本人達の高度なセンスが要求されるが、センスは非凡なものを持っており、むしろありすぎて暴走するセンスを、キャリア不足のために上手く操縦することに四苦八苦している印象を受ける。
まだまだ全体的に粗さが目立ち、ネタのクオリティが安定していないが、元々高いセンスの持ち主であるため、後はそれを活かす技術や経験が付けば、女芸人初のM-1優勝も見えてくるかもしれないほどの、高い将来性を感じる。
GAG少年楽団の時に語ったのとはまるで逆のことが、今後Aマッソには求められるだろう。
とはいえ、生まれ持ったセンスは努力ではどうにもできないのに対し、そのセンスを既に持っている彼女達に必要なのは、後は努力だけである。
こうなると、芸人にとって一番大事なのは努力ではなくセンスだということが分かってくるが、いくらセンスがあっても努力しなければ一流にはなれないのも、また真なりと言えるだろう。
女芸人でM-1を獲れる可能性があるのは、日本でこのAマッソのみかと思われるので、Aマッソには是非努力を重ねて完全体になってもらい、女芸人初のM-1優勝の夢を見せてほしい。
【大自然】
個人的には髪の短い方の声がケンドーコバヤシにしか聴こえない。
Aマッソと同じく全体的に粗さが目立つが、ボケの手数を増やすのが主流の近年の漫才界において、独特の間や空気感で笑いを取ろうとしている姿勢は高く評価できる。
間や空気感で笑いを取る漫才は、おぎやはぎやスリムクラブなどの名が挙がるが、まだまだ開拓しつくされていない分野である。
そのため、このタイプの漫才には自ずと独自性が生まれ、他の漫才と差別化され高評価を得やすくなる。
それだけに、真似をして参考に出来る前例が少ないため、このタイプの漫才を自分のものにするのはかなり難しいが、他の手数勝負のハイテンポ漫才とは完全に一線を画すだけに、今後更に完成度を高めることができれば、自然とM-1優勝も見えてくるはずだ(大自然だけに)。
Aマッソ同様将来性は高く、今後必ず決勝に名前が挙がるコンビとなるだろう。
以上、今回は実力がありながら世間に過小評価されているコンビ2組と、荒削りながら将来性の高いコンビ2組をご紹介させて頂いた。
ブルゾンちえみやにゃんこスターなどが持て囃される昨今、その場のノリや雰囲気などではなく、これらの本当に実力を持ったコンビが正当に評価される社会が来ることを祈って、本文を締めたい。
まずは前回もご紹介したこちらのコンビ。
【ニューヨーク】
今回惜しくもM-1の決勝に漏れてしまったが、本来持っている実力からすれば審査は不当としか言いようがない。
過去にもパンクブーブーやサンドウィッチマンなどの実力派が、長年に渡って理不尽に落とされ続けていたことからも分かる通り、M-1の準決勝の審査は明らかにクソである。
サンドウィッチマンが敗者復活から決勝に進出した年などは、紳助や巨人が「なんでこいつら準決勝で落ちたんや」と不思議がっていたが、理由は明白、審査がクソだからである(本当は決勝審査員も分かってるくせに)。
この準決勝の審査は、『その時一番面白かったやつ』というM-1の明白な審査基準以外のものが審査に含まれており、『女芸人枠』だとか、『ダークホース枠』だとか、『数字的にどうだ』とか、漫才の面白さとはまったく関係のないクソほどどうでもいい恣意的な審査がなされている。
そもそも、過去の大会でアジアンや変ホ長調などを決勝に通している時点で、そのレベルが窺い知れるというものだろう。
これにより、真面目にコツコツと頑張って、面白い漫才だけを目指して日々命を削っている芸人が、クソどうでもいい枠削りのクソ審査により、長年浮かび上がれないという状況が続いてしまう。
この状況が筆者はどうしても許せないのだが、ここでどれだけ批判したところで審査が覆ることはないため、理不尽に落とされた芸人達は、たった1枠しかない敗者復活枠をかけて、下手すると決勝進出者より手強い準決勝進出者と争い、枠をつかみ取らなければならない。
それが出来てこそ真に面白い芸人なのだという向きもあるかもしれないが、本来選ばれていたはずの人間を落とし、その人生を狂わせた責任は、非常に重い。
準決勝の審査員達は、芸人の人生を預かっているその重みを、本当に理解しているのだろうか。それともただ単に、本当に見る目がないだけなのか。いずれにしても、サンドウィッチマンやパンクブーブーを落としてしまうような審査員に、漫才を審査する資格はないというのが筆者の見解である。
むしろ、準決勝からは審査員ではなく、会場のお客さんに決めて貰った方が良い。その方が、よほど公正な審査が期待出来るというものだ。
サンドウィッチマン、トレンディエンジェル、決勝進出どころか優勝してしまうようなコンビを準決勝で落としてしまう審査員に、一体何を期待しろというのか。
視聴者はそういうクソどうでもいい恣意的な審査ではなく、実力通りにガチンコで選出された、本当の意味での決勝戦を見たいのだということを、どうか理解して頂きたい。
怒りのあまり話が逸れてしまった。
ニューヨークのことである。
芸風は日常のどこかで見た覚えのある『イタい奴』を、ディスってディスってディスり倒すという芸風であり、確かに人を選ぶ芸風ではあるかと思う。
基本はコント漫才なのだが、ネタの発想や切り口にセンスが溢れており、本人達もリスペクトしているのだろう、ごっつ時代の松本に似たセンスがある(コンビ名もダウンタウンを思いっきり意識している)。
松本が『人の恥ずかしさ』を笑いにしていたのに対し、ニューヨークは『人のイタさ』を笑いにしていると言えるだろう。
構成や役に成り切る演技力、いずれも高い水準にあり、紳助ではないが「なんでこいつら準決勝で落ちたんや」である。
細かいツメの部分にはやや粗さが残るものの、実力は間違いないものがあるため、敗者復活での勝ち上がりに期待している。
というか、絶対に上がってきて、準決のクソ審査員にサンドウィッチマンの再来を見せてほしい。
そうでなければ、M-1は面白くない。
ニューヨークが優勝でもすれば、これまで実力がありながら浮かばれなかった芸人達は、皆歓喜することだろう。
【ジグザグジギー】
ネタが面白く、クオリティも高いのに、何故か一般層からの評価は得られていない不遇のコンビである。
ネタの発想、構成、演出、演技力、いずれも高い水準にあり、キングオブコントを優勝出来るだけの実力があるにも関わらず、何故か一般層からの評価は得られていない不遇のコンビでもある。
以前キングオブコントに出場した際、狼男のネタでダダすべりしていた記憶があるため、ネットで改めて観たらなんであんなにダダすべりしていた記憶があるのか分からないほどちゃんと笑えたにも関わらず、何故か一般層からの評価は得られていないという不遇のコンビだ。
そのダダすべりの印象が尾を引いて、ザ・パンチのように面白くないコンビだと認知されてしまったのであれば、その認識は間違いだと言えるが、何故か一般層からの評価は得られていない。
いや、冗談抜きでジグザグジギーは日本のコント師の中でも有数の実力があって、本当に面白いのである。懐疑的な方々は、どうか筆者を信用してほしい。
……が、何故か一般層からの評価は得られていないのは、生まれつきそういう星の下に生まれてしまったコンビとしか言いようはないのかもしれないが、本当に、騙されたと思ってもう一度彼らのコントを観て、一から評価し直してやってほしい。
何故か一般層からの評価は得られていないが、ジグザグジギーは本来キングオブコントで優勝してもおかしくないぐらいの実力があるのだ。
何故か一般層からの評価は得られていなくても、少なくとも筆者だけはその高い実力を認めているので、ジグザグジギーのお二人には今後も面白いコントを生み出し続けてほしい。
次は、高い将来性を感じさせるものの、現段階では粗さが残るコンビだ。
【Aマッソ】
女芸人の漫才と言えば、古くはハイヒール、近年で言うとハリセンボンに代表されるように、至って正統派の漫才が主流となってきた訳だが、Aマッソの芸風はこれまでの全ての女芸人の概念をぶち壊す『シュール系』の漫才だった。
男でシュール系の漫才は、ダイアンやポイズンガールバンドなど数が挙がるが、女でシュール系の漫才をやっている例は極めて少ないはずであり、その意味でもAマッソの漫才は非常に希少価値が高いものである。
シュール系の漫才には本人達の高度なセンスが要求されるが、センスは非凡なものを持っており、むしろありすぎて暴走するセンスを、キャリア不足のために上手く操縦することに四苦八苦している印象を受ける。
まだまだ全体的に粗さが目立ち、ネタのクオリティが安定していないが、元々高いセンスの持ち主であるため、後はそれを活かす技術や経験が付けば、女芸人初のM-1優勝も見えてくるかもしれないほどの、高い将来性を感じる。
GAG少年楽団の時に語ったのとはまるで逆のことが、今後Aマッソには求められるだろう。
とはいえ、生まれ持ったセンスは努力ではどうにもできないのに対し、そのセンスを既に持っている彼女達に必要なのは、後は努力だけである。
こうなると、芸人にとって一番大事なのは努力ではなくセンスだということが分かってくるが、いくらセンスがあっても努力しなければ一流にはなれないのも、また真なりと言えるだろう。
女芸人でM-1を獲れる可能性があるのは、日本でこのAマッソのみかと思われるので、Aマッソには是非努力を重ねて完全体になってもらい、女芸人初のM-1優勝の夢を見せてほしい。
【大自然】
個人的には髪の短い方の声がケンドーコバヤシにしか聴こえない。
Aマッソと同じく全体的に粗さが目立つが、ボケの手数を増やすのが主流の近年の漫才界において、独特の間や空気感で笑いを取ろうとしている姿勢は高く評価できる。
間や空気感で笑いを取る漫才は、おぎやはぎやスリムクラブなどの名が挙がるが、まだまだ開拓しつくされていない分野である。
そのため、このタイプの漫才には自ずと独自性が生まれ、他の漫才と差別化され高評価を得やすくなる。
それだけに、真似をして参考に出来る前例が少ないため、このタイプの漫才を自分のものにするのはかなり難しいが、他の手数勝負のハイテンポ漫才とは完全に一線を画すだけに、今後更に完成度を高めることができれば、自然とM-1優勝も見えてくるはずだ(大自然だけに)。
Aマッソ同様将来性は高く、今後必ず決勝に名前が挙がるコンビとなるだろう。
以上、今回は実力がありながら世間に過小評価されているコンビ2組と、荒削りながら将来性の高いコンビ2組をご紹介させて頂いた。
ブルゾンちえみやにゃんこスターなどが持て囃される昨今、その場のノリや雰囲気などではなく、これらの本当に実力を持ったコンビが正当に評価される社会が来ることを祈って、本文を締めたい。
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