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陰と陽の芸風

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今回は、長らくまとめられなかった『陰と陽の芸風』についてまとめてみたいと思う。

光あるところ必ず闇が生まれるように、この世界には二つの見え方が共存している。

それが『陰』と『陽』であり、それはコインの表と裏のように、常に両者が対等に均衡しあって成立する、この世界の絶対的な法則である。

この世界の法則は当然お笑いの世界にも適用され、芸人は『陰』と『陽』の芸風どちらを選ぶかの必然性に迫られることになる。

いや、自分はどちらも選ばない、『陰』でも『陽』でもなく『中庸』で行くという若手芸人がいれば、ちょっと待ってほしい。

その『中庸』というのが、いわゆる俳優やアイドル等の『お笑い素人』であり、芸人の世界ではタブーとされるものだ。

どっちつかずの中途半端というのが1番ダメで、笑いというものは『陰』と『陽』どちらかに振り切らなければ、面白くならないものなのである。

『陰』の芸風を一言で現すと、この世のネガティブな面で笑いを取ることを指し、『陽』の芸風はそれとは真逆の、ポジティブな面で笑いを取ることを指す。

芸風は、本人の生まれ持った性質によっても変わってくるが、性質通りの芸風の者(例、陽→陽 明石家さんま)もいれば、真逆の芸風の者(例、陰→陽 内村光良)もいる。

最近で言えば、サンシャイン池崎などは『陽』に極端に振り切った芸風だが、その本質はどちらかと言えば『陰』の方かと思われる。

ブルゾンちえみなどは『陰』でも『陽』でもなく『中庸』の部類かと思われるが、それだけに飽きられるのも早いと言えるだろう(例えば10年後忘れた頃に、サンシャインならもう一度見てもいいと思えるが、ブルゾンは見たいとは思わない。やはりこれはキャラを振り切っているかどうかの違いであり、暗いのか明るいのかはっきりしないキャラというのはダメなのだと思う)。

以下、筆者が個人的に選定する、もう一度見てもいい芸人と、あまり見たくない芸人の、陰と陽の芸風を交えた寸評である。

・もう一度見てもいい

【パイレーツ】中庸。笑い関係なし。ただ単に筆者がパイオツを拝みたいだけ。パイオツ評論界のパイオニアになりたい。(?)

【ダンディ坂野】陽のキャラ。昔は大好物だった。むしろ積極的に見たいが、全盛期に比べキレが落ちてきた。

【テツandトモ】陽に振り切った芸風。爆笑はしないが演芸として安定感はある。

【ヒロシ】陰に振り切った珍しいキャラ。本人の元々の性質とも合致している。完全に存在を忘却した頃に改めて見ると笑えないこともない。

【まいける】陽。服を脱いで踊るだけ。カタカナで検索してもジャクソンしか出てこない。

【長井秀和】陰のキャラ。皮肉なネタが持ち味。美人局事件さえなければ、今頃有吉ぐらいのポジションに座っていたとしても不思議ではない。惜しいことをしたと本人が一番思っているだろう。

【だいたひかる】陰。長井に似た芸風。

【コウメ太夫】陽。筆者の大好物。クオリティーが低すぎて腹を抱えて笑える。

【長州小力】陽。長州ありきのネタだが、動きは俊敏。

【にしおかすみこ】捻れた陽。忘れた頃に見れば見れないこともないだろう。

【まちゃまちゃ】陰。はぁ?の言い方は嫌いではない。

【小島よしお】陽の芸風というよりただのご陽気もの。オーシャンパシフィックピースよりラスタピーヤの方が面白い。

【ムーディ勝山】陰。初めて見た時は腹を抱えた。

【いつもここから】陰。面白い。きちんと笑える。

【天津木村】陰。エロ番組でワンチャン。

【クールポコ】陽。やっちまったなぁの言い方は嫌いではない。

【スギちゃん】軽い陽。一周回ると食べられなくはない。

【鳥居みゆき】捻れた陽。何をしでかすか分からないため、怖いもの見たさはある。

【田上よしえ】陰。実力があるのに売れない不遇の芸人。昨今売れている女芸人などより余程面白い。世間にもっと知ってほしい。

【佐久間一行】陽。珍しく大好きと言い切れる。人を傷つけず笑いを取れる数少ない芸人。実力と世間の評価が乖離している。

【日本エレキテル連合】陰。ツボに入ると危ない。世間的には一発屋として語られがちだが、それなりにコントの実力はある。

【ゴージャス】陽。というか宇宙海賊。くだらなすぎて好き。必死に場所を探す時とうまく見つかった時の喜ぶ感じが可愛い。

【じゅんいちダビッドソン】中庸なのに笑えるスゴイ奴。ネタが面白い。

【キンタロー】中庸。最近キンタローがツボにハマってめちゃくちゃ面白くなってきてしまった。

【厚切りジェイソン】陽。弟は同じく芸人の薄切りジェイソン。まぁ嘘なのだが、言葉のハンデを逆に利用して武器に変える計算高さがあり、外国人である自分の強みをよく理解している。

【マツモトクラブ】陰。まだ俳優が芸人をやっている。ネタのクオリティーにムラがある。

【永野】陽。嫌いではない。意外に口が悪いのが笑える。

【ですよ】陽。一周回って面白い。

【ハリウッドザコシショウ】突き抜けた陽。大好物。腹を抱えて笑える。くだらなすぎは褒め言葉。一時期ハリウッド・ザ・コシショウだと思っていた。個人的には日ハムのレアードにしか見えない。

【サンシャイン池崎】これまた陽に振り切った芸風。ネタの時フニャフニャの大剣が折れ曲がるのが個人的にツボ。フニャフニャの方が面白いので、売れたからといって作り替えなくても良い。フニャシャインフニャ崎。(??)

・あまり見たくない。

【三瓶】中庸。何故世に出てきたかも分からない。

【波田陽区】名前に陽が入っているのに、芸風は陽を装った陰。よって名前は『波田陰区』が正解となる。(?)

【レイザーラモンHG】陽に振り切っているにも関わらず、あまり見たくはない例。RGとの漫才も別に面白くはなく、RG単体の方が面白い。

【レギュラー】陽。安定感はあるが、もう一度見たいかと言われると苦しい。レギュラーではなくずっとベンチにいてほしい。(?)

【鉄拳】陰。かつてのフリップネタは見たいが、お涙頂戴は勘弁してほしい。ずっと家でナムコの鉄拳でも遊んでいればいいのに。(??)

【はなわ】陽。先に世に出たが、弟の方が面白い。

【いとうあさこ】陽。変な踊りはもう沢山。

【藤崎マーケット】陽。改心した漫才、コントは面白い。実力があるのに最初に変なキャラが付いてしまったのが逆にもったいない。

【エド・はるみ】陽に振り切っているのに見たくはない例パート2。

【世界のナベアツ】陽に振り切ったキャラ。パターンを覚えられると辛い。

【髭男爵】陽。ひぐち君は一周回って見たい。

【ジョイマン】陽。本人達はジョイだろうが、見てるこっちはジョイではない。

【芋洗坂係長】陽。服を着て踊るだけ。

【ゆってぃ】陽なのに不快という不可思議。

【ザ・たっち】陽。一生幽体離脱しててほしい。(?)

【ねづっち】陽。ドヤ顔が腹立つ。

【楽しんご】陽。全然楽しくない。

【アクセルホッパー】陽。そのままアクセルを吹かしてどこかにホッピングしていってほしい。(?)

【どぶろっく】陽。テレビでエロネタは線引きが難しいだろうなぁ。

【8.6秒バズーカー】陽。8.6秒も持たなかった。(?)

【クマムシ】中庸。全然あったかくない。

【三浦マイルド】陰。面白くはない。

【とにかく明るい安村】言うほど明るくはない。軽い陽。

【ピコ太郎】陽。ビーバーが楽しければそれでいい。

【平野ノラ】中庸。バブルのように泡と消えないように。

【ゆりやんレトリィバァ】陽。期待の若手らしいが、まったく面白くない。実力のない若手をプッシュするのは芸能界の悪しき慣習である。全てに於いて笑いのレベルが低く、まだ人様の前に出して良いレベルではない。年齢は若いので、千鳥が徐々に面白くなってきたように、これからの成長に期待というところか。

【横澤夏子】陰。劣化柳原。全てに於いて面白くなく、ネタでもトークでも一度も笑ったことがない。

【ブルゾンちえみ】中庸。個人的にはつのだじろうの絵にしか見えない。オチは顔だけでネタは凡庸。遠からず飽きられると思う。

【みやぞん】陽。最近何故かごり押しされているが、ネタもトークもリアクションも中途半端で、キャラも薄くまったく面白くない。ANZEN漫才なのに、漫才をしている姿を一度も見たことがない。何か突出した武器がなければ今年中に消えるだろう。個人的にはファイエムヒーローズのラインハルトにしか見えない。(?)

【アキラ100%】陽。売れるまで苦労してきて、一生懸命仕事に取り組んでいるのが痛いほど伝わるため、個人的には応援したいが、生き残るのは100%難しいと思う。どうか強く生きていってほしい。

……と、こうやってみると、意外にキャラを振り切ってもあまり見たくない芸人も多々いることが判明した。

となると、冒頭のサンシャインとブルゾンの比較によって導き出された結論は、一体なんだったというのか?

『世界の法則』とかいう仰々しい前フリ、キャラを振り切らなければダメだとあれほど強く言い放ちながら、キャラを振り切ってもダメな芸人が多々いるとはこれ如何に?

そしてこのお笑い論の存在価値を根底から揺るがす存在、『中庸』と判断されたにも関わらず、ダメではない『じゅんいちダビッドソン』とは一体……。

……。

……。

……。

……結局『ネタ次第』ってことでやんすかね!!

てへぺろ!!(^Q^)/

……と、ここまでが以前書いた部分で、ここからは追記。

後に考察を進めるにつれて、『中庸』と判断された『じゅんいちダビッドソン』は、『中庸』であると同時に『モノマネ芸人』でもあることに筆者は気付いた(アホなりに)。

つまり、じゅんいちダビッドソンはキャラ的に『中庸』ではあるが、それ以上に『ケイスケホンダ』のキャラが立っているからこそ笑えるということに気付いたのである。(なんできよきよしいぐらいカタカナやねん)

ということは、モノマネ芸人は別個のジャンルに置くとして、それ以外の芸人は『陰』と『陽』どちらかにキャラを振り切るのが、売れるための近道だという筆者の最初の主張は、やはり間違ってはいなかったのだ。

モノマネ芸人のように形態模写で笑いを取れる実力があるのであれば『中庸』多いに結構だが、それ以外の芸人は『陰』と『陽』どちらかに振り切らないと多分ダメだよ。と、全てのまだ世に出ていない芸人にエールを贈ったところで、本文を締めたい。
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