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『三納物語』について

今回は以前ご紹介した『三納物語』について、補足という形で語っていきたい。

以前にご紹介した人物に関しては、余程のことがない限り再び取り上げることはない筆者であるが、先日三納がアップした動画を観て、これだけはどうしても書いておかなければならないということが筆者の中で発生したため、今再びこうして筆を執らせて頂いている。

それは、『自殺未遂で警察に保護されていました』という動画である。

三納の病気に関しては以前ユーチューバーランキングにて少し触れたが、この動画では三納が病気で苦しんでいる様が克明に画面に映し出されていた。

詳しい内容は件の動画を観て頂いた方が早いと思うが、筆者はこの動画を観て多大なるショックを受けた。

表向きは道化を演じて視聴者を楽しませている三納だが、その内面ではこれほどまでに葛藤し、苦しんでいたのかと。

近年では病気のため活動も休止せざるを得なくなり、本人もあまり納得の行かないクオリティーの動画を出さざるを得ないこともあったのだろう。

ここで一つ注意しておかなければならないことは、病気のことと『作品の巧拙』に関しては切り離して考えなければならないということ。

病気であろうとなかろうと、表現者というものは『出したものが全て』だし、出したものは出したものとして、『作品の巧拙』のみで評価されなければならない。

そしてそれは、表現者である三納が一番良く理解しているし、誰よりも覚悟していること。

だからこそ理想と現実の狭間で苦しんで、精神を疲弊してしまうのだろう。

これまではチャンネル名の意味など考えたことはなかったが、件の動画を観て三納の苦しみ、創作への覚悟に少しでも触れたことで、筆者は初めて『三納物語』というチャンネル名に、三納が託した意味に気付いた。

『三納物語』とは、『三納貴弘の物語』。

三納が己の全て、人生の全てを賭して作り上げてきたもの、そして、この先も作り上げていく『物語』。

つまり、ユーチューブチャンネル『三納物語』とは、『三納貴弘という人間の生き様』『人生そのもの』だったのである。

これがその辺の信念も何もない、内容はどうでもよく金が稼げれば良いだけの中身空っぽのクズチューバーであれば、『三納チャンネル』とか『スリーチャンネル』とか軽薄な感じのチャンネル名にしただろうが、三納がユーチューブに懸ける『想い』は、そんな生半可なものではない。

三納は何故自身のチャンネル名を『三納物語』としたのか？

それは、自身の全身全霊を賭して『好きなもの』『面白いもの』を作り、その過程で悩み、苦しみ、成長し、『自分がなりたい姿』『本物の表現者』になっていく『物語』を、視聴者と共に歩んでいきたかったからだ。

凡百のゴミクソチューバーとは比較にもならない、並々ならぬ『覚悟』『強い信念』があったからこそ、三納は『物語』の名を自身のチャンネル名に託したのである。

かつて三納はこう語っていた。

『自分の動画を観て、同じような病気で苦しんでいる方々に勇気を与えたい』と。

これまで人並み外れて頑張ってきた三納に対して、筆者は『頑張れ』とは言わない。

しかし、これだけは言っておきたい。

筆者は『本当に価値のあるもの』にしか、高い評価を与えたりはしない。

自分の人生の貴重な時間を使って高い評価をするのは、『三納貴弘の作品』に価値があるからだ。

再生数や登録者数などの『数字』に騙されて中身を見ない（見れない）、その辺のアホよりは見る目はあるつもりである。

三納がこれまで一つ一つ地道に積み重ねてきた『作品』『想い』は、見る目のある良質な視聴者に、確実に届いている。

『表現』とは、贈る者と受け取る者、その二つが揃って初めて成立するという。

『三納貴弘』は、けして一人ではない。

『三納物語』とは、三納が贈ったものを誰かが受け取り、その誰かが贈り返したものを、今度は三納が受け取る、『誰かと共に歩んでいく物語』のはずだ。

少なくとも筆者は、『三納貴弘』が贈ってくれたものを受け取った。

だからこそ今、こうして贈り返そうとしている。