音楽ランキング ＳＳランク編

音楽ランキング ＳＳランク編 ブラッドサースティーブッチャーズ

ブラッドサースティーブッチャーズ　ＳＳランク

死ぬまでに聴かないと損する度　１００　ＳＳランク

【解説】
ブッチャーズに関してはナンバーガールを知った数年後ぐらいには既に知っていたのだが、点数を一体何点にすればいいのか悩んでいる内にここまで来てしまった。

そうして色々と深く考え込んだ結果、やはりこれは１００点のＳＳランク以外はありえないだろうという結論に達し、今回のランキングとなった訳だ。

正直に告白すると、筆者は当初、ブラッドサースティーブッチャーズの『良さ』というものを計りかねていた。

偽らざる最初に聴いた本音を言うと、演奏やメロディーはとても良いものの、ボーカルが不安定で下手なバンドという印象を受けた。

が、徐々に聴き込んでいく内に、このバンドやこのサウンド、この世界観には、このボーカルでなくてはダメ、他のどんなボーカルが歌っても、この音楽は成立しないのだと気付いたのである。

どんなに歌の上手いボーカルが歌ったとしても、ブッチャーズのボーカル『吉村秀樹』と同じ味は絶対に出せないと断言してもいい。

筆者がその不思議な魅力に初めて気付いたのは、おそらくブッチャーズの代表曲というか、ブッチャーズの楽曲群の中でも屈指の名曲、『７月』という曲だった。

けして歌が上手いという訳ではない。

表面上の上手さというだけであれば、もっと歌が上手いボーカルは世の中にたくさん存在するだろう。

しかし、何故か聴く者の心を強く震わせる。

切なさや若さ故の焦燥、誰もが心の奥底に持っている青春のきらめきや思い出を、思い起こさせるような。

そこには不器用ながらも純粋に、真っすぐに音楽を愛する『心』が存在していた。

どうしてこんなに胸が締め付けられるのだろう。

筆者はそこで初めて、音楽というものは小手先の技術や表面上の上手さではなく、その中身、『魂』『ハート』なのだと分かったのだ。　

ブッチャーズのボーカル吉村秀樹は、まだ４６歳という若さでこの世を去った。

ブラッドサースティーブッチャーズの音楽を聴いた後、何故こんなに心が震えるのか、涙が溢れるのか。

それはきっと、偽物じゃないから。

不器用ながらもひたむきに、ただ純粋に音楽を愛した男の、魂が宿っているからだ。