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シンジツその1 『学校』ってなに?
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皆さんご無沙汰しております、シンジツ博士です。
前回のご挨拶から一つのシンジツがようやく形になりましたので、ここにご報告させて頂きます。
今回のテーマは、『学校』のシンジツについて。
親や教師、そして国が絶対に教えない『学校』のシンジツを、一緒に追求していきましょう。
【シンジツその1】 『学校』ってなに?
さて、まずは形としての『学校』は、ここで改めて説明する必要もないくらい皆さんよくご存知と思います。
日本人であれば、誰しもが中学校までは半強制的に『学校』に通うことになりますので、現在子供の方も現在大人の方も、ほぼ全ての方が『学校』というものを経験している訳です。
そこで皆さんは、次のような疑問を覚えたことはないでしょうか。
『学校ってなに?』
『どうして行かなきゃいけないの?』
『学校』に行かなくても、少なくとも衣食住があれば生きていくことは出来る訳ですから、そんな疑問を覚えても不思議はありません。
皆さんがそんな率直な疑問を投げかけたとすると、親や教師は次のように答えることでしょう。
「あなたの将来のためよ。学校には必ず行かなきゃいけない決まりになってるの。グズグズ言ってないで早く学校に行ってきなさい」
この回答は一見疑問に答えているようで、その実何も答えてはいません。
『決まりになっている』という言葉でそれ以上の思考をシャットアウトし、その次に『早く行ってきなさい』という言葉で行動を急かすことで、明確な答えをはぐらかしているのです。
実は、この『何故学校に行かなければならないのか?』という疑問に答えられる人間は、そう多くはありません。
何故なら、その疑問に答えるべき親や教師自身が、『何故学校に行かなければならないのか?』に対する明確な答えを持っていないからです。
ほとんどの人間が『ただ何となく』『そう決まっているから』『親に言われて』『漠然と惰性で』通っているため、いざ『何故?』と問われても、自分も分からずに通っていたのですから、答えられるはずがありません。
その答えを導き出すためには、まずは『学校』というものの『システム』について目を向ける必要があります。
『学校』では大まかに分けて、以下のような流れで生徒を卒業まで導きます。
・入学→勉強→成長→卒業
これから通るという方も、既に通られたという方も、皆さん誰もがご存知の道と思いますが、この『学校の卒業』のシステムに非常に酷似したシステムがあります。
そう、それは『家畜の出荷』システムです。
『家畜の出荷』では大まかに分けて、以下のような流れで家畜を出荷まで導きます。
・入牧→飼育→成長→出荷
これを『学校の卒業』のシステムと並べてみましょう。
・入学→勉強→成長→卒業
・入牧→飼育→成長→出荷
そう、つまり『学校』とは、皆さんに勉強を教えることで読み書きや計算など『社会で通用する一定のレベル』に育て上げ、『社会に出荷する』ためのシステムだったのです。
この『社会で通用する一定のレベル』にまで皆さんを育てる学習内容を、『学校』では『義務教育』と呼びます。
と、こういった身も蓋も無いシンジツを述べると、「人間と家畜を一緒にするなんて!!」「非常識じゃないか!!」といった反論が現れることが予想されますが、私は人間も家畜も命の価値は平等だというのがシンジツだと思いますし、それに関しては最後にまた違う形のシンジツを述べたいと思いますので、ここでは敢えて言及は致しません。
『学校の卒業』が『家畜の出荷』と同じシステムだということを理解すると、『そういう決まりになっている』『だから行かなければならない』という思考停止の考えからは絶対に見えてこない、様々な『シンジツ』が浮き彫りとなってきます。
国が何故『義務教育』で皆さんを『社会に出荷』していかなければならないのかというと、皆さんに社会に出て働いて貰うことで、国に対して『税金』を納めて貰う必要があるからです。
『家畜が出荷』され、売れた分のお金を生産者が得るのと同じように、皆さんが『社会に出荷』され、そこで売れた人が社会で働くことで、国は皆さんから『税金』というお金を得ることが出来るのです。
皆さんを『学校』で『義務教育』によって育てるのは、『家畜を育てて良い商品にしなければ市場で売れない』のと同じく、『皆さんを育てて良い人材にしなければ社会で売れない』からに他なりません。
将来の『税金』を目的として『学校』そして『義務教育』があるというのは、全ては日本が『資本主義』の国であるということに帰結するのですが、このシンジツに関しては少し話が脱線することになりますので、いつか別のシンジツで語らせて頂くことにしましょう。
後、これは『家畜の出荷』システムとは少しニュアンスが異なりますが、『学校という箱で多種多様な人間と学ばせる』理由は、将来『会社という箱で多種多様な人間と働く』ことへの予行演習、『人間への耐性、コミュニケーション能力を身につけさせる』ためであり、これは人と触れ合うことのない『通信教育』ではけして得られないことなのです。
ではここで、『学校』についてのシンジツをまとめてみましょう。
①『学校の卒業』システムは『家畜の出荷』システムとほぼ同じ。
②『義務教育』で育て『社会に出荷』するのは、そこで働いて『税金』を納めて貰うため。
③将来の『税金』を目的として『学校』『義務教育』があるのは、日本が『資本主義』の国だから。
④『学校』という箱で多種多様な人間と学ばせるのは、将来社会に出た時の予行演習。
となります。
つまり、前述の『何故学校に行かなければならないのか?』という問いに対して、親や教師が答えなければならなかった、たった一つのシンジツとは、
「学校とはお前を社会で通用するレベルに育てる場所で、その目的は将来お前を社会で働かせることで税金を納めさせること。それが『資本主義』というものだ。『学校』では『通信教育』ではけして得られない生の人間相手の貴重な経験が得られる。『学校』とはそういう場所であり、分かったらさっさと準備をして『学校』に行ってこい」
だったのです。
『あなたの将来のため』や『行かなきゃいけない決まり』などとあやふやな返答で煙に巻かれるより、余程シンジツを突いた誠実な答え方であると言えるでしょう。
最後に。
ここまでずっと『学校の卒業』システムと『家畜の出荷』システムはほぼ同じと語ってきましたが、皆さんと家畜とで決定的に違う点があります。
それは、人間は『自らの意思で考え、未来を変えられる』こと。
家畜の未来は人間によってコントロールされ、それは家畜がどんなに願っても変えることの出来ない絶対的なものです。
しかし、皆さんには自らの意思で考え、動き、抗い、未来を変えることの出来る力があります。
『学校』という場所から『義務教育』を経て、『社会に出荷』された後に、どんな未来を描くか。
そこにはきっと、皆さんだけにしか見えない、果てしない景色が広がっているはずです。
本日も、シンジツのご静聴ありがとうございました。
前回のご挨拶から一つのシンジツがようやく形になりましたので、ここにご報告させて頂きます。
今回のテーマは、『学校』のシンジツについて。
親や教師、そして国が絶対に教えない『学校』のシンジツを、一緒に追求していきましょう。
【シンジツその1】 『学校』ってなに?
さて、まずは形としての『学校』は、ここで改めて説明する必要もないくらい皆さんよくご存知と思います。
日本人であれば、誰しもが中学校までは半強制的に『学校』に通うことになりますので、現在子供の方も現在大人の方も、ほぼ全ての方が『学校』というものを経験している訳です。
そこで皆さんは、次のような疑問を覚えたことはないでしょうか。
『学校ってなに?』
『どうして行かなきゃいけないの?』
『学校』に行かなくても、少なくとも衣食住があれば生きていくことは出来る訳ですから、そんな疑問を覚えても不思議はありません。
皆さんがそんな率直な疑問を投げかけたとすると、親や教師は次のように答えることでしょう。
「あなたの将来のためよ。学校には必ず行かなきゃいけない決まりになってるの。グズグズ言ってないで早く学校に行ってきなさい」
この回答は一見疑問に答えているようで、その実何も答えてはいません。
『決まりになっている』という言葉でそれ以上の思考をシャットアウトし、その次に『早く行ってきなさい』という言葉で行動を急かすことで、明確な答えをはぐらかしているのです。
実は、この『何故学校に行かなければならないのか?』という疑問に答えられる人間は、そう多くはありません。
何故なら、その疑問に答えるべき親や教師自身が、『何故学校に行かなければならないのか?』に対する明確な答えを持っていないからです。
ほとんどの人間が『ただ何となく』『そう決まっているから』『親に言われて』『漠然と惰性で』通っているため、いざ『何故?』と問われても、自分も分からずに通っていたのですから、答えられるはずがありません。
その答えを導き出すためには、まずは『学校』というものの『システム』について目を向ける必要があります。
『学校』では大まかに分けて、以下のような流れで生徒を卒業まで導きます。
・入学→勉強→成長→卒業
これから通るという方も、既に通られたという方も、皆さん誰もがご存知の道と思いますが、この『学校の卒業』のシステムに非常に酷似したシステムがあります。
そう、それは『家畜の出荷』システムです。
『家畜の出荷』では大まかに分けて、以下のような流れで家畜を出荷まで導きます。
・入牧→飼育→成長→出荷
これを『学校の卒業』のシステムと並べてみましょう。
・入学→勉強→成長→卒業
・入牧→飼育→成長→出荷
そう、つまり『学校』とは、皆さんに勉強を教えることで読み書きや計算など『社会で通用する一定のレベル』に育て上げ、『社会に出荷する』ためのシステムだったのです。
この『社会で通用する一定のレベル』にまで皆さんを育てる学習内容を、『学校』では『義務教育』と呼びます。
と、こういった身も蓋も無いシンジツを述べると、「人間と家畜を一緒にするなんて!!」「非常識じゃないか!!」といった反論が現れることが予想されますが、私は人間も家畜も命の価値は平等だというのがシンジツだと思いますし、それに関しては最後にまた違う形のシンジツを述べたいと思いますので、ここでは敢えて言及は致しません。
『学校の卒業』が『家畜の出荷』と同じシステムだということを理解すると、『そういう決まりになっている』『だから行かなければならない』という思考停止の考えからは絶対に見えてこない、様々な『シンジツ』が浮き彫りとなってきます。
国が何故『義務教育』で皆さんを『社会に出荷』していかなければならないのかというと、皆さんに社会に出て働いて貰うことで、国に対して『税金』を納めて貰う必要があるからです。
『家畜が出荷』され、売れた分のお金を生産者が得るのと同じように、皆さんが『社会に出荷』され、そこで売れた人が社会で働くことで、国は皆さんから『税金』というお金を得ることが出来るのです。
皆さんを『学校』で『義務教育』によって育てるのは、『家畜を育てて良い商品にしなければ市場で売れない』のと同じく、『皆さんを育てて良い人材にしなければ社会で売れない』からに他なりません。
将来の『税金』を目的として『学校』そして『義務教育』があるというのは、全ては日本が『資本主義』の国であるということに帰結するのですが、このシンジツに関しては少し話が脱線することになりますので、いつか別のシンジツで語らせて頂くことにしましょう。
後、これは『家畜の出荷』システムとは少しニュアンスが異なりますが、『学校という箱で多種多様な人間と学ばせる』理由は、将来『会社という箱で多種多様な人間と働く』ことへの予行演習、『人間への耐性、コミュニケーション能力を身につけさせる』ためであり、これは人と触れ合うことのない『通信教育』ではけして得られないことなのです。
ではここで、『学校』についてのシンジツをまとめてみましょう。
①『学校の卒業』システムは『家畜の出荷』システムとほぼ同じ。
②『義務教育』で育て『社会に出荷』するのは、そこで働いて『税金』を納めて貰うため。
③将来の『税金』を目的として『学校』『義務教育』があるのは、日本が『資本主義』の国だから。
④『学校』という箱で多種多様な人間と学ばせるのは、将来社会に出た時の予行演習。
となります。
つまり、前述の『何故学校に行かなければならないのか?』という問いに対して、親や教師が答えなければならなかった、たった一つのシンジツとは、
「学校とはお前を社会で通用するレベルに育てる場所で、その目的は将来お前を社会で働かせることで税金を納めさせること。それが『資本主義』というものだ。『学校』では『通信教育』ではけして得られない生の人間相手の貴重な経験が得られる。『学校』とはそういう場所であり、分かったらさっさと準備をして『学校』に行ってこい」
だったのです。
『あなたの将来のため』や『行かなきゃいけない決まり』などとあやふやな返答で煙に巻かれるより、余程シンジツを突いた誠実な答え方であると言えるでしょう。
最後に。
ここまでずっと『学校の卒業』システムと『家畜の出荷』システムはほぼ同じと語ってきましたが、皆さんと家畜とで決定的に違う点があります。
それは、人間は『自らの意思で考え、未来を変えられる』こと。
家畜の未来は人間によってコントロールされ、それは家畜がどんなに願っても変えることの出来ない絶対的なものです。
しかし、皆さんには自らの意思で考え、動き、抗い、未来を変えることの出来る力があります。
『学校』という場所から『義務教育』を経て、『社会に出荷』された後に、どんな未来を描くか。
そこにはきっと、皆さんだけにしか見えない、果てしない景色が広がっているはずです。
本日も、シンジツのご静聴ありがとうございました。
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