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第48説
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「そらっ!!とっとと歩け!!」
町の住民に取り押さえられ、衛兵に突き出された僕は、その場で目隠しをされ両手を縄で縛られた後、衛兵に引っ張られる形でどこかへ連れていかれていた。
しばらく強引に歩かされると、やがて目隠しの布越しに感じていた光が消えた。
辺りはひんやりとした空気に包まれ、どこかジメジメして苔むしたような臭いを感じる。
視界は遮られていても、自分が陽の当たる明るい地上から、罪人たちの待つ暗い地下へ連れていかれていることは分かった。
ある地点で不意に『引っ張り』が止まると、僕の両手を縛っていた縄が切られた。
「オラッ!!しばらくここでおとなしくしてろッ!!」
《ガシャンッ!!》と音がしたかと思えば、僕は突然背中を蹴られてどこかへ蹴り入れられた!!
更に扉の閉まる音。いや、今から目隠しを取るのだが、これはもう見るまでもない、見なくても分かる。僕は十中八九『あそこ』に入れられたのだ……。
目隠しを取ると、頼りない明かりの薄暗い空間、周りは石壁、正面を鉄格子に阻まれた、案の定『地下牢』の風景が広がっていた。
鉄格子の隙間から、他の牢が等間隔に並んでおり、更にその中に人がいることも確認できるため、僕は囚人たちが集められた地下牢の中の一つに入れられたことは間違いないだろう。
最強の仲間を探しにここへ来たはずなのに、一体何故こんなことに……。
最強の仲間どころか、ここで冒険が終わってしまうほどの大大大ピンチなんですけど……。
どうしよう……。いや、どうしよう……じゃねえよ、そうだ、思い出した、僕は何をやってもいない罪を受け入れようとしているんだ、悪いのは全てあのチュート・リアルとかいうクズ野郎じゃないか、僕は無実なんだから今すぐそれを訴えないと!!
「ちょっとぉ!!看守さん看守さん!!僕の話を聞いてくださいよ!!」
僕は鉄格子を掴んで必死に訴えた!!
地下牢の様子を監視していた兵士が、それに気付いた。
「なんだ騒々しい!!おとなしくしないと独房行きだぞ15番!!」
「いや、ワシ15番なんかいっっっ!?(?)人聞きの悪いこと言わないでくださいよっ!!いいですか、僕は世界を救うためにここにやってきた勇者なんですよ!?僕にはフラジールという立派な名前があるんです!!15番なんてそんなあたかも囚人みたいな感じで呼ばないでくださいっっっ!!」
「だから囚人だっつーの!!お前はもう既に現在進行形で現役バリバリの囚人だっつーの!!(?)勇者?ふんっ、何を愚かなことを。よいか、泥棒で捕まる勇者がどこの世界にいる!?世界を救う前に自分が牢獄に入ってどうする!?馬鹿も休み休み言え!!」
いや、たしかにそれに関しては看守のオッサンの言う通りであるため、返す言葉もない。勇者が世界を救うどころかなんで牢屋におんねんwww世界を救う前にまず自分を救えよとwwww(?)
でもでも!!これにはちゃんとした(?)理由があるんです!!それを訴えれば看守も分かってくれるはず!!
「ちちち、違うんすよ!!ちゃんと話を聞いてください!!あのですね、チュート・リアルという僕に全ての罪をなすりつけたゴミ野郎がいましてですね、泥棒は全てそいつがやったことで、僕は無実なんです!!」
「異議ありッッッ!!(?)なんだそのふざけた名前の奴は!!たしかに、被害者の話ではもう一人現場に不審な男がいたという報告は聞いている。しかし、これは貴様も当然知っていると思うが、よいか、当時その現場には『鍵』が掛かっていた。そしてこれを『貴様が先導して現場に入っていた』という目撃証言があるのだよ!!貴様が鍵を開けてもう一人の男を現場に引き入れたという何よりの証拠だろう!!どうだ!!ぐうの音も出ないだろう!!」
「ぐうっっっ!?そっ、それはぁあぁああああぁあぁあぁああっっっ!!」
とりあえずぐうの音は出たのだが(?)、そんなところを突かれるとは全く思いもしていなかったため、僕としては二の句が継げなくなってしまった……。
そうか……僕はたしかにあの時、チュート・リアルに促されて先を行ってしまった……。その場面のみを目撃した人からすれば、たしかに僕が鍵を開けてチュート・リアルを先導したかのように見えるだろう……。
というか、あのゴミ野郎があの時僕を先に行かせたのは、ひょっとしてそれを狙って……?もしそうだとしたらなんて卑劣で悪知恵が回る……。ただ、唯一不幸中の幸いといえば、タロピンの姿はどうやら目撃されていないらしいというところだろうか。現場であんなに目立つネズミが目撃されていれば、看守からその話が出ない訳はない。
「……」
「ふんっ、どうやら分かったようだな。分かったらおとなしくしていろ!!」
「あっ、あの、じゃあ、僕の仲間になりませんか!?」
「どのタイミングで勧誘しとるのだ貴様はッッッ!!じゃあ、ではないのだじゃあ、では!!私が、あっ、それじゃあこれから仲間としてよろしくお願いしまーす!!じゃあ今から牢の鍵開けるね~。とでも答えると思ったかッッッ!?タイミングと状況を弁えよ!!囚人の仲間になる看守がどこにいるかッッッ!!」
「えっ?じゃあ逆にタイミングと状況さえ合えば仲間になってくれるということですか?」
「……別に……」(???)
「……」
「……」
「……」
「……」
なんか変な空気になってしまったのでそれ以上何も言わなかったが、看守から完全論破された上、一喝されてしまった僕は、力なくその場にへたり込んでしまった。
くそっ、どう考えてもこの線では厳しい……(当たり前だが)。なんとか……なんとかしてここを出る方法を考えないと……。
町の住民に取り押さえられ、衛兵に突き出された僕は、その場で目隠しをされ両手を縄で縛られた後、衛兵に引っ張られる形でどこかへ連れていかれていた。
しばらく強引に歩かされると、やがて目隠しの布越しに感じていた光が消えた。
辺りはひんやりとした空気に包まれ、どこかジメジメして苔むしたような臭いを感じる。
視界は遮られていても、自分が陽の当たる明るい地上から、罪人たちの待つ暗い地下へ連れていかれていることは分かった。
ある地点で不意に『引っ張り』が止まると、僕の両手を縛っていた縄が切られた。
「オラッ!!しばらくここでおとなしくしてろッ!!」
《ガシャンッ!!》と音がしたかと思えば、僕は突然背中を蹴られてどこかへ蹴り入れられた!!
更に扉の閉まる音。いや、今から目隠しを取るのだが、これはもう見るまでもない、見なくても分かる。僕は十中八九『あそこ』に入れられたのだ……。
目隠しを取ると、頼りない明かりの薄暗い空間、周りは石壁、正面を鉄格子に阻まれた、案の定『地下牢』の風景が広がっていた。
鉄格子の隙間から、他の牢が等間隔に並んでおり、更にその中に人がいることも確認できるため、僕は囚人たちが集められた地下牢の中の一つに入れられたことは間違いないだろう。
最強の仲間を探しにここへ来たはずなのに、一体何故こんなことに……。
最強の仲間どころか、ここで冒険が終わってしまうほどの大大大ピンチなんですけど……。
どうしよう……。いや、どうしよう……じゃねえよ、そうだ、思い出した、僕は何をやってもいない罪を受け入れようとしているんだ、悪いのは全てあのチュート・リアルとかいうクズ野郎じゃないか、僕は無実なんだから今すぐそれを訴えないと!!
「ちょっとぉ!!看守さん看守さん!!僕の話を聞いてくださいよ!!」
僕は鉄格子を掴んで必死に訴えた!!
地下牢の様子を監視していた兵士が、それに気付いた。
「なんだ騒々しい!!おとなしくしないと独房行きだぞ15番!!」
「いや、ワシ15番なんかいっっっ!?(?)人聞きの悪いこと言わないでくださいよっ!!いいですか、僕は世界を救うためにここにやってきた勇者なんですよ!?僕にはフラジールという立派な名前があるんです!!15番なんてそんなあたかも囚人みたいな感じで呼ばないでくださいっっっ!!」
「だから囚人だっつーの!!お前はもう既に現在進行形で現役バリバリの囚人だっつーの!!(?)勇者?ふんっ、何を愚かなことを。よいか、泥棒で捕まる勇者がどこの世界にいる!?世界を救う前に自分が牢獄に入ってどうする!?馬鹿も休み休み言え!!」
いや、たしかにそれに関しては看守のオッサンの言う通りであるため、返す言葉もない。勇者が世界を救うどころかなんで牢屋におんねんwww世界を救う前にまず自分を救えよとwwww(?)
でもでも!!これにはちゃんとした(?)理由があるんです!!それを訴えれば看守も分かってくれるはず!!
「ちちち、違うんすよ!!ちゃんと話を聞いてください!!あのですね、チュート・リアルという僕に全ての罪をなすりつけたゴミ野郎がいましてですね、泥棒は全てそいつがやったことで、僕は無実なんです!!」
「異議ありッッッ!!(?)なんだそのふざけた名前の奴は!!たしかに、被害者の話ではもう一人現場に不審な男がいたという報告は聞いている。しかし、これは貴様も当然知っていると思うが、よいか、当時その現場には『鍵』が掛かっていた。そしてこれを『貴様が先導して現場に入っていた』という目撃証言があるのだよ!!貴様が鍵を開けてもう一人の男を現場に引き入れたという何よりの証拠だろう!!どうだ!!ぐうの音も出ないだろう!!」
「ぐうっっっ!?そっ、それはぁあぁああああぁあぁあぁああっっっ!!」
とりあえずぐうの音は出たのだが(?)、そんなところを突かれるとは全く思いもしていなかったため、僕としては二の句が継げなくなってしまった……。
そうか……僕はたしかにあの時、チュート・リアルに促されて先を行ってしまった……。その場面のみを目撃した人からすれば、たしかに僕が鍵を開けてチュート・リアルを先導したかのように見えるだろう……。
というか、あのゴミ野郎があの時僕を先に行かせたのは、ひょっとしてそれを狙って……?もしそうだとしたらなんて卑劣で悪知恵が回る……。ただ、唯一不幸中の幸いといえば、タロピンの姿はどうやら目撃されていないらしいというところだろうか。現場であんなに目立つネズミが目撃されていれば、看守からその話が出ない訳はない。
「……」
「ふんっ、どうやら分かったようだな。分かったらおとなしくしていろ!!」
「あっ、あの、じゃあ、僕の仲間になりませんか!?」
「どのタイミングで勧誘しとるのだ貴様はッッッ!!じゃあ、ではないのだじゃあ、では!!私が、あっ、それじゃあこれから仲間としてよろしくお願いしまーす!!じゃあ今から牢の鍵開けるね~。とでも答えると思ったかッッッ!?タイミングと状況を弁えよ!!囚人の仲間になる看守がどこにいるかッッッ!!」
「えっ?じゃあ逆にタイミングと状況さえ合えば仲間になってくれるということですか?」
「……別に……」(???)
「……」
「……」
「……」
「……」
なんか変な空気になってしまったのでそれ以上何も言わなかったが、看守から完全論破された上、一喝されてしまった僕は、力なくその場にへたり込んでしまった。
くそっ、どう考えてもこの線では厳しい……(当たり前だが)。なんとか……なんとかしてここを出る方法を考えないと……。
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