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第40説

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「うぉおおぉおぉおっ!!なんじゃこりゃあっ!!デカっ!!城なんて初めて来たよ!!」

「ワイも遠くから見たことはあるけど、実際に来たのは初めてや!!いや~、それにしてもええ城やな~。魔王が一番欲しがっとるっちゅうのもよう分かるで!!」

城門の前の広場には、美しい天使の像や噴水が陽の光に輝いており、その周りをぐるりと取り囲むように、色とりどりの綺麗な花々が咲き誇っていた。

その風景を一目見ただけでも、この城を作った人たちが繊細で美しい感性を持っていることが、僕には伝わってきた。

アリュール城の気品のある荘厳な美しさを目の当たりにして、テンションが一瞬でマックスに上がりきる僕たち。

上がりきったテンションのまま僕たちは早速、城門の前で警備をしている衛兵たちに駆け寄った。

「すいません!!僕たちアリュール王に用があるんですが、お取次ぎお願いできますかね!!」

無骨な衛兵の一人はこちらをギョロリと睨むと、

「一体何の用だ!?王は多忙であられるため、許可のない者の謁見は禁じられておる!!」

ええっ……?こっちは敬語なのに、なんか初めからめっちゃ攻撃的だなぁ……。

僕は衛兵の当たりがあまりに強かったので、やれやれ、しょうがないなぁ、正体を現しますかと言わんばかりに、

「許可がないって、僕は勇者ですから。王は世界を救ってくれる勇者を探しているのでしょう?僕がその勇者なんですよ」

「ふん、よくもヌケヌケと。見ればレベルも1というところ。勇者ならば厳しい戦いを乗り越えてこの城へとたどり着くはず、そのような見え見えの嘘が通ると思うな!!」

ぐっ!!酒場の店主と同様痛いところを突かれた!!勇者に痛恨の一発!!(?)

「確かに敬愛する我が君主は、以前はご公務のお手すきの際など、タイミングさえ合えば旅の者にも門戸を解放しておられた。だが、魔王を討伐した者に、報奨金と姫様との婚約を発表した途端、自分は勇者だと嘘をついて、城に忍び込もうとする輩が後を絶たなくなってしまったのだ!!」

「そ、そんな輩と僕を一緒にしないでくださいよ!!そんな不敬の輩が増えすぎてナーバスになっているのは分かりますが、僕は本当に王が探し求めておられる勇者なんですって!!信じてください!!」

「ならば証拠を見せよ!!口先だけではない、貴様が勇者であるという確固たる証拠を!!」

……なに……?

『勇者である証拠』だと……?

ねーよそんなもん。(?)

そもそもそれがないから酒場を追い出されてここに来たのだし、ここに来れば問題が解決するかと思いきや、まさか余計に問題が広がってしまうとは……。

哀しいなぁ……。僕は本物の勇者なのに、酒場だけでなくここでも信じてもらえないなんて……。(泣)

「その様子では、どうやら証拠はないようだな。ならば行った行った!!まったく、勇者と名乗る者が現れたら、話も聞かず追い返すのではなく、確認はしてあげなさいなどと、我が王は優しすぎるのだよ……。だが、そのような王であられるからこそ、私も敬愛してお仕えできるのだが……」

なるほど、この人もこれまで勇者を名乗る不届き者を散々追い返してきたからこその、あの初めの攻撃的な反応だったのだろうし、この人を恨むのも筋違いというものだろう。(とはいえ、不届き者が大挙して押し寄せたことに関しては僕は関係ないのだし、もうちょっと言い方というものがあるんじゃないかとは思わないでもないけど)

しかし、これじゃ酒場を追い出された時から一向に状況が改善してないじゃないか……。(むしろ悪化?)

何か……何か言わないと……!!

このまま黙って引き下がる訳にはいかない!!

考えろ考えろ僕!!なんとか間を繋ぐんだ!!

「あの、ところで話は変わるのですが……」

「なんだ!?まだ何か用があるのか!?」

特に何か勝算がある訳でもなく、僕は苦し紛れのような感じで言葉をひねり出した。

「僕の仲間になりませんか?」

「なるかぁっ!!さあ帰った帰った!!」

決断はやっ!!もっと考える時間ちょ~だいっ!!(?)

はいはい!!まず衛兵を仲間につけて王に取り入る作戦は、一瞬にして失敗!!これじゃあ取り付く島もないって感じだねぇ!!じゃあ一体全体どうすりゃいいのよっ!?(半ギレ)

なんと、冒険者の酒場から追い出され、活路を見出しにアリュール城を訪れたものの、今度は衛兵に追い返され、王との謁見もままならず、僕たちの仲間探しは完全に行き詰まってしまった!!
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