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第38説
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しまった……。これからに向けて様々な策を練ってきたボクだけど、こんな展開は全く予想してない……。
自分の子供っぽい見た目と、勇者なのにレベル1という怪しさ満載の経歴(?)が、ここに来て逆に仇となるとは……。
まさか強い仲間が見つからない以前に、町の人に信用してもらえないなんて事態は、思ってもみなかった……。
でも、落ち着いて冷静に考えてみると、レベル1の見た目子供と、謎の胡散臭い怪しいネズミ(?)一匹のパーティーでは、自分でも信用してもらえない方が当たり前なような気もする。
もし僕が勇者でなく赤の他人で、今のこの残念な(?)パーティーを見たら、あの酒場の店主と同じような反応になるかもしれない……。
レベル1のまま全ての戦闘を仲間になすりつけて世界を救うという、常識では理解できない前代未聞の冒険に挑戦しているのは自分なのだし、それを理解してくれないからといって、あの店主を恨むのはお門違いかもしれないな……。
いくら自説を証明するためとはいえ、こんなところまでずっとレベル1で来るなんて、従来の勇者の固定観念に縛られている人には到底理解できないというのも分かるし、勇者としては全く常識外れの行動を繰り広げてきたのだから、酒場のハゲに信じてもらえないのもある意味自業自得ではある。
せめてパーティーにサルバトルがいてくれれば、子供っぽい見た目とレベルだけで追い出されるなんてことは、なかったはずなのに……。
サルバトルと別れるのが、ちょっと早すぎたのかもしれない……。
参ったな……。僕はまた判断を誤ったのか……?
別れて初めて気付かされたけど、サルバトルはただ単純な『戦闘力』だけではなく、僕たちのパーティーに『信用』と周囲への『安心感』というものを与えてくれていたんだ……。
サルバトルがいるかいないかというだけで、世間のパーティーへの見方、『信用度』がこんなにも変わってしまうなんて……。
せめて新しい仲間が見つかるまでは、サルバトルにいてもらうべきだったろうか……。
しかし、サルバトルをいつまでも拘束する訳にはいかないのも事実だったし、当時の僕にそんな判断ができたかというと、とてもそこまでの未来は予測できなかったというのが正直なところだ。
どうしよう……。今更またアイリス村に戻って、サルバトルに戻ってきてもらうなんてことはできないし……。
つい先日別れたばかりなのに、もうサルバトルに泣きつくなんてバツが悪すぎるのもあるし、もし呼び戻すなんてことになれば、僕のアイリス村と城下町への往復の翼代で2000、サルバトルの帰還分で1000と、合計3000ゴルド掛かってしまうのもあまりに痛すぎる出費だろう。
「フラジールはん……そんなに悩まんといてや……。何か自分を勇者と証明できるような手立てはないんか?」
「手立てと言われてもなぁ……。そうだ、よくよく考えたらあの精霊のやつが悪いんじゃないか!!僕を勇者に任命したのなら、その時何か証明書のようなものをくれよなまったく……。そこまでやって初めて、『上司』としての責任が果たせたというもんじゃないか。ブツブツ、まあ、別に上司でも部下でもないけど……」
どこにも持っていきようのない不満が、今度はパワハラ上司の(?)精霊の方に向かいそうになった時、僕は夢の中で精霊が言っていたことを思い出した。
『王は魔王を討伐し、世界を救った者に多額の報奨金と、姫を嫁がせると約束しています』
そうだ!!
国王!!
アリュール王に謁見して事情を聞いてもらえば、あの酒場の店主に口利きをしてもらえるかもしれない!!
自分の子供っぽい見た目と、勇者なのにレベル1という怪しさ満載の経歴(?)が、ここに来て逆に仇となるとは……。
まさか強い仲間が見つからない以前に、町の人に信用してもらえないなんて事態は、思ってもみなかった……。
でも、落ち着いて冷静に考えてみると、レベル1の見た目子供と、謎の胡散臭い怪しいネズミ(?)一匹のパーティーでは、自分でも信用してもらえない方が当たり前なような気もする。
もし僕が勇者でなく赤の他人で、今のこの残念な(?)パーティーを見たら、あの酒場の店主と同じような反応になるかもしれない……。
レベル1のまま全ての戦闘を仲間になすりつけて世界を救うという、常識では理解できない前代未聞の冒険に挑戦しているのは自分なのだし、それを理解してくれないからといって、あの店主を恨むのはお門違いかもしれないな……。
いくら自説を証明するためとはいえ、こんなところまでずっとレベル1で来るなんて、従来の勇者の固定観念に縛られている人には到底理解できないというのも分かるし、勇者としては全く常識外れの行動を繰り広げてきたのだから、酒場のハゲに信じてもらえないのもある意味自業自得ではある。
せめてパーティーにサルバトルがいてくれれば、子供っぽい見た目とレベルだけで追い出されるなんてことは、なかったはずなのに……。
サルバトルと別れるのが、ちょっと早すぎたのかもしれない……。
参ったな……。僕はまた判断を誤ったのか……?
別れて初めて気付かされたけど、サルバトルはただ単純な『戦闘力』だけではなく、僕たちのパーティーに『信用』と周囲への『安心感』というものを与えてくれていたんだ……。
サルバトルがいるかいないかというだけで、世間のパーティーへの見方、『信用度』がこんなにも変わってしまうなんて……。
せめて新しい仲間が見つかるまでは、サルバトルにいてもらうべきだったろうか……。
しかし、サルバトルをいつまでも拘束する訳にはいかないのも事実だったし、当時の僕にそんな判断ができたかというと、とてもそこまでの未来は予測できなかったというのが正直なところだ。
どうしよう……。今更またアイリス村に戻って、サルバトルに戻ってきてもらうなんてことはできないし……。
つい先日別れたばかりなのに、もうサルバトルに泣きつくなんてバツが悪すぎるのもあるし、もし呼び戻すなんてことになれば、僕のアイリス村と城下町への往復の翼代で2000、サルバトルの帰還分で1000と、合計3000ゴルド掛かってしまうのもあまりに痛すぎる出費だろう。
「フラジールはん……そんなに悩まんといてや……。何か自分を勇者と証明できるような手立てはないんか?」
「手立てと言われてもなぁ……。そうだ、よくよく考えたらあの精霊のやつが悪いんじゃないか!!僕を勇者に任命したのなら、その時何か証明書のようなものをくれよなまったく……。そこまでやって初めて、『上司』としての責任が果たせたというもんじゃないか。ブツブツ、まあ、別に上司でも部下でもないけど……」
どこにも持っていきようのない不満が、今度はパワハラ上司の(?)精霊の方に向かいそうになった時、僕は夢の中で精霊が言っていたことを思い出した。
『王は魔王を討伐し、世界を救った者に多額の報奨金と、姫を嫁がせると約束しています』
そうだ!!
国王!!
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